2025/11/17
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キアラ ブッファ氏 Ms. Chiara Buffa
ネイヴェ村の偉大なクリュ「サント ステファノ」を単独所有!美しく上品な味わいを貫くバルバレスコの歴史的ワイナリー「カステッロ ディ ネイヴェ」

バルバレスコ誕生以前から、
ネイヴェのワイン史に名を残してきた造り手
カステッロ ディ ネイヴェは、バルバレスコの歴史と共に歩んできたワイナリーです。1735年に建設が始まったネイヴェ城(カステッロ ディ ネイヴェ)を拠点に、カステルボルゴ伯爵家が始めました。城は今も熟成庫として使用しており、これとは別に近代的な設備を備えたカンティーナもあります。
その後、1964年にストゥピノ家がワイナリー(城)を取得し、本格的なワイン造りが始まりました。現在は前当主イタロの娘カロリーナが指揮を執っています。彼女は長年にわたりイタロと共にワイナリーの運営に携わってきました。畑や醸造を担うチームも当時から変わることなく、現在も同じメンバーがワイン造りを支えています。
イタロ氏とカロリーナ氏
1920年代以前まで造られていた
バルバレスコの原型「ネッビオーロ ディ ネイヴェ」
1800年代、この地では「ネッビオーロ ディ ネイヴェ」という名でワインが造られてきました。1930年代にバルバレスコという名前が使われるようになりますが、その原型となったのがネッビオーロ ディ ネイヴェです。
カステッロ ディ ネイヴェでも、1925年頃まではその名前でワインを生産しており、1933年からバルバレスコの名でリリースを開始しました。
ブルーノ ジャコーザにも卸していたサント ステファノの畑
1742年からクリュの概念を体現
単独所有する銘醸畑「サント ステファノ」
畑はすべて自社所有で、そのすべてがネイヴェ村内にあります。総所有面積は60ヘクタール。そのうち、条件の優れた27ヘクタールをブドウ畑として使用しています。
なかでも、私たちがワイナリー取得当初から所有し、「魂」と呼ぶ畑がサント ステファノです。8.5ヘクタールの広大な区画を単独所有しています。そのうち最良の7ヘクタールにはネッビオーロを、残りの区画にはバルベーラを植えています。
この畑を所有していることは、大きな誇りでもあります。かつてのカステルボルゴ家が1742年にワイン造りを行っていた記録が残っており、その時点ですでに「サント ステファノのネッビオーロだけは、他の畑と混ぜず、単独で仕込まれていた」と記されているのです。
時代を超えて受け継がれる、穏やかで優美なスタイル
現在、ワイナリーとして重点的に取り組んでいるのがサステナビリティです。これまでも継続してきたテーマではありますが、近年は畑から醸造所まで全体の取り組みとして、より一層強化しています。その一環として、2025年9月にはワイナリー全体でサステナブル認証「EQUALITAS」を取得しました。
あわせて、生物多様性とも深く関わる「再生型農業」にも取り組んでいます。ワイン造りの過程で生じる果皮などを堆肥化し、畑へ戻すことで、農業を自社内で循環させる仕組みを取り入れています。
さらに、約3年前から特に注力しているのが、土壌の健全性を高め、ブドウの根をより深く張らせる効果を持つ堆肥の研究です。所有地内の森の土壌に存在する細菌やバクテリアを発酵させ、それを畑に散布しています。即効性を求めるものではなく、長期的な視点で取り組みを続けています。

伝統を守り続ける醸造哲学と変わらぬエレガンス
このように新たな取り組みを進める一方で、ワイン造りそのものは、これまで培ってきた伝統的な手法を守り続けています。技術的なアップデートは取り入れながらも、発酵はステンレスタンク、熟成は大樽という基本的な流れは変わりません。エノロゴの体制も30年以上変わらず、同じチームで取り組んでいます。
――本当に昔から変わらずエレガントで、どこかホッとするような味わいですね。
タンニンは非常に繊細で、力強さや長い余韻を前面に出すタイプではありません。この穏やかでエレガントなスタイルは、イタロからカロリーナへと指揮が移ってからも一貫して受け継がれているワイナリーの哲学です。

30年近く熟成ポテンシャルを秘めるアルネイス |
ランゲ アルネイス モンテベルトット 2023 |
| キアラ氏: 「このアルネイスは、1970年代に前当主イタロがトリノ大学と共同で開発したワインです。4ヘクタールのモンテベルドットの畑から選抜したクローンで造られています。アルネイスは早飲みタイプとして知られていますが、このワインは長期熟成が可能です。25~30年経った80~90年代のヴィンテージは、今もなお美しく熟成しています。フルーティさや花のニュアンス、ミネラル感が広がり、複雑ながら飲みやすいスタイルに仕上げられています。また、イタロにとって特別なワインでした。赤しか造っていなかった時代に、白しか飲まないイタロの妻ミタのために造り始めたからです。結果、現在も彼女は愛飲しています。」 |
| 試飲コメント:淡い麦わら色。白い果実やミネラル感が広がるエレガントな香り。香り同様に白い果実を感じる繊細な味わいです。やや熟した果実のニュアンスが後からやってきます。 |
ネイヴェの4つの優良畑で造る伝統的バルバレスコ |
バルバレスコ 2020 |
| キアラ氏: 「私たちを象徴するバルバレスコです。1800年代半ばはネッビオーロ ディ ネイヴェという名で造られていました。1930年代にバルバレスコという名称が生まれ、1933年にカステッロ ディ ネイヴェのバルバレスコとしてリリースをし始めた歴史的なワインです。サント ステファノ、ガッリーナ、サン クリストフォロ、セッラ カペッリというネイヴェ内の4つの畑のネッビオーロを用いた伝統スタイルです。ステンレス発酵、37ヘクトリットルのフレンチオーク大樽で12ヶ月熟成しています。若いヴィンテージから楽しめる造りで、タンニンはなめらかでアプローチしやすい味わいです。」 |
| 試飲コメント:輝く淡いルビー色。抜栓直後は閉じ気味ですが、1時間ほどで華やかさが開き、赤い果実のエレガントな香りが立ちます。味わいは繊細で、柔らかいタンニンと果実感、フローラルな印象が広がり、やや骨格のある余韻が持続します。 |
独占所有する偉大な畑サント ステファノ
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バルバレスコ サント ステファノ 2020 |
| キアラ氏: 「サント ステファノは、私たちが独占所有する単一畑です。所有すること自体が誇りとされる偉大な畑で、私たちにとっての魂の畑です。ワイナリー取得時から保有する畑で、広さは8.5ヘクタール。そのうち7ヘクタールの最良区画にネッビオーロ、残りに少量のバルベーラを植えています。1742年には、当時の所有者であるコンティ カステル ボルゴ家が、この畑のネッビオーロだけを他と混ぜずに個別で醸造していた記録が残っています。非常に複雑味のある味わいを生む畑で、長期熟成力を備えています。」 |
| 試飲コメント:ルビー色。抜栓後1時間で魅惑的で繊細な香りが立ち上がり、熟した果実に鉄分やレザーのニュアンスが重なります。味わいは香りの繊細さをそのままに広がりがあり、エレガントな赤い果実が染みわたり、細やかなタンニンと芯のある風味が長く続きます。後半にはコーヒーやカカオのニュアンスも現れます。 |
インタビューを終えて
そのサント ステファノが、1742年にはすでにクリュ ワインとして造られていたという事実にも驚かされました。その話を聞いたうえで改めて味わうと、バルバレスコ、そしてネイヴェ村の歴史と共に歩んできたカステッロ ディ ネイヴェの偉大さを、より深く感じることができました。







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