2026/04/11
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ヴァニオ テッツァ氏 Mr. Vanio Tezza
アマローネ特別地区ヴァルパンテーナのテロワールを生かしたビオロジック栽培と緻密なアパッシメント!厳格な選別により造り分ける3つのアマローネとコスパ抜群のリパッソ!「テッツァ」突撃インタビュー

- 自社畑100%有機栽培、消費電力の半分を賄う太陽光発電によるサステナブル農業、ヴィーガン認証
人にも環境にも優しいワイン造り - 除草剤を使う近隣の非有機畑との歴然たる違い!化学的なものを排除したことで起こりうるリスクへの完璧な対応
- 常に風が吹くことで湿気を防ぎ、健康に成熟
特別地区ヴァルパンテーナ渓谷のテロワール - 昔ながらの自然換気と最新コンピューターの融合!ハイブリッド制御による精密なアパッシメント(陰干し)
- 「コルテ マイオーリ」「ヴァルパンテーナ」「ブローロ デッレ ジャーレ」
使用するブドウを使い分けてそれぞれの個性を表現する3つのアマローネ
自社畑100%有機栽培、消費電力の半分を賄う太陽光発電によるサステナブル農業、ヴィーガン認証
人にも環境にも優しいワイン造り

1998年に3世代目の現オーナーである3人の従兄弟フラーヴィオ、ヴァニオ、フェデリコによってワイナリー改革が始まった「テッツァ」。まず着手したのが畑を有機栽培に転向することでした。ワイナリーの方向性を決めたこの決断についてヴァニオ氏は「有機栽培への転向は正しかった」と話します。それは、飲み手の健康に配慮したワイン造り哲学への信念であり、近年の健康志向の高まりで有機ワインへのニーズが格段に高まっていることからもそう実感しています。
テッツァのワイン造りフィロソフィーの3つの柱となるのが「有機栽培」「サステナブル」「ヴィーガン」。その根幹にあるのが飲み手の健康と環境に配慮した、人にも地球にも優しいワイン造りです。
ビオロジック(有機農法)への完全転向
所有する30ヘクタール(約20万本)の自社畑すべてにおいて、厳しい有機認証を徹底。除草剤や化学薬品を一切排除した健康な土壌を維持しています。
全工程でのサステナブル認証「エコリタス」
3年前に畑およびカンティーナ(醸造所)の全工程において、公的なサステナブル認証「エコリタス」を取得。環境へのインパクトを極限まで抑制し、施設内で消費する電力の50%を屋根に設置したソーラーパネルから供給する循環型インフラを完成させました。
市場の要望にこたえる形で「ヴィーガン認証」を取得
以前からワインの醸造過程でゼラチンや卵白といった動物由来の成分を一切使用していなかったこともあり、ヴィーガン認証はすぐに取得できる状態にあったテッツァ。ドイツやノルウェーなどヴィーガンの意識が高い市場からの強いリクエストに応え、今年(2026年)の1月に正式な認証マークを取得しました。

除草剤を使う近隣の非有機畑との歴然たる違い!化学的なものを排除したことで起こりうるリスクへの完璧な対応
一方、隣接する畑は有機ではなく、除草剤によって土壌が茶色く枯れ果てており、テッツァの畑との差は視覚的にも歴然。テッツァでは、この近隣の非有機畑から化学薬品が風で飛散してくるリスクを考慮し、他社畑の境界線に近すぎるブドウはすべて「有機ワイン」としての使用から除外するという徹底したこだわりを貫いています。

(左:テッツァの畑 右:除草剤を使用している隣の畑)
畑仕事には様々なタイミングで重要な作業がありますが、今の4月の芽吹き後の時期の、最も病気のリスクが高まる降雨のタイミングに合わせて病気対策を施します。散布するのは、ボルドー液と海藻エキスなど、有機栽培で認められている殺菌剤です。
常に風が吹くことで湿気を防ぎ、健康に成熟
特別地区ヴァルパンテーナ渓谷のテロワール

テッツァがあるヴァルパンテーナは、クラシコ地区以外で唯一のサブゾーンに指定されています。ヴァルパンテーナは、幅の狭い渓谷で、常に心地よい自然の風が吹き抜ける特性を持っています。この風が畑の湿気を飛ばしてブドウの房を常に乾燥させるため、湿気由来のカビなどの病害にかかりにくく、果実を極めて健全な状態に保つことができます。
また、近年の地球温暖化に伴う夏の深刻な乾燥への対策は不可欠です。テッツァでは、地下200mの深さから汲み上げた地下水を専用の井戸に貯水。雨の降らない時期は、ブドウの畝に這わせた細いチューブから水分をぽたぽたと滴下させる「マイクロ灌漑(点滴灌漑)システム」を稼働させ、1本の樹から2.0〜2.5kgの完璧なバランスを持つブドウを結実させています。
昔ながらの自然換気と最新コンピューターの融合!ハイブリッド制御による精密なアパッシメント(陰干し)

アマローネにとって最も特徴的であり重要なのが収穫したブドウを乾燥させる「アパッシメント(陰干し)」です。テッツァは約10年前に専用のアパッシメント施設(フルッタイオ)を新設しました。
収穫したブドウは、陰干し専用のプラスチックケースに入れてフルッタイオ内に積み重ねて保管。約30000個のケースが満杯になる量のブドウを陰干しします。ケースは風通しが良くなるよう、廊下のように適切な空間を確保して並べられ、積み重ねられます。
アパッシメントは9月から翌年1月にかけて行い、最終的にブドウの重量を33%減少させます。乾燥の進み具合は極めて緻密にコントロールしています。乾燥初期(9月)は1日約1.0%の重量が減少するペースで乾燥させますが、12月には1日約0.1%の乾燥スピードとなり、緩やかな減少へと移行させます。
アパッシメントは、昔は完全に自然環境に依存していました。しかし、気候環境の変化に伴い、現在は「8箇所の窓の開閉」による外気を取り込んだ自然換気と、コンピューターによる「大型送風機・空調設備」が自動で連動する最先端のハイブリッド環境制御システムを導入しています。屋外と室内の環境(温度・湿度)をコンピューターが常に監視・グラフ化し、乾燥状態ごとの理想的な環境を作り出してアパッシメントの最終段階まで続けられます。

「コルテ マイオーリ」「ヴァルパンテーナ」「ブローロ デッレ ジャーレ」
使用するブドウを使い分けてそれぞれの個性を表現する3つのアマローネ
アパッシメントを終えたブドウはカンティーナに運ばれ、破砕後、発酵。発酵が終わると果汁を別のタンクに移し、熟成へと進みます。

アマローネの生産規定には、収穫したブドウ全てをアマローネにすることは許されておらず、総収穫量の50%(2026年からはオーガニックの畑で43%、オーガニック以外が35%へとさらに厳格化)とされています。テッツァのアマローネは、厳格な品質基準に基づいて3つのタイプに区分され、それぞれ個性を持ったアマローネが造られています。
1. コルテ マイオーリ(Corte Majoli)
彼らの名刺代わりとなるベースライン。大樽で2年間の長期熟成を経てリリースされ、年間生産量は約3万本。
2. ヴァルパンテーナ(Valpantena)
高品質なブドウをさらに厳選した、サブゾーン「ヴァルパンテーナ」を冠する上位ライン。大樽主体で熟成され、年間1万5,000〜2万本を生産。
3.ブローロ デッレ ジャーレ(Brolo delle Giare)
最高品質のブドウのみを選び抜き、特に優れた傑出したヴィンテージにのみ造られる最高峰リゼルヴァ。このリゼルヴァのみバリック(小樽)や新樽を使用。年間わずか約3,000本。
アマローネ用の乾燥ブドウも使用!お手頃価格で味わえるテッツァのリパッソの秘密
発酵を終えたアマローネのタンクには、果汁を抜いた後に果皮が残されます。この果皮にも十分な果汁が含まれていますが、搾りきることはしません。ひとあし先に発酵を終えた、ヴァルポリチェッラになるワインをこの果皮に加えます。アマローネ用のブドウの果皮には高い糖分が含まれていて、酵母によってアルコール発酵が始まります。つまり2回目の発酵(再発酵)が起こります。これが「リパッソ」です。テッツァでは、アマローネの果皮に加え、アマローネ用の乾燥ブドウそのものも1%程度加える手法を採用。これにより、乾燥ブドウの複雑な風味がリパッソにより強くもたらされています。
程よい凝縮感と甘やかな風味!カジュアルに楽しめるリパッソ コルテマイオーリ |
ヴァルポリチェッラ リパッソ スペリオーレ コルテ マイオーリ 2022 |
| このコルテマイオーリ リパッソは、コルヴィーナとロンディネッラで造っています。コルテマイオーリ アマローネの発酵が終わった後の果皮を使い、再発酵(リパッソ)したものです。アマローネ用に陰干ししたブドウも1%使っています。熟成は750リットルの木樽で12ヶ月間、ボトルで約半年寝かせています。 |
まろやかな口当たりと贅沢な凝縮感!特別地区ヴァルパンテーナのブドウで造るリパッソ |
ヴァルポリチェッラ リパッソ ヴァルパンテーナ スペリオーレ 2022 |
| ヴァルパンテーナ リパッソは、コルテマイオーリのリパッソに比べるとコルヴィーナの比率が多めです。ヴァルパンテーナ アマローネの発酵が終わった後との果皮を使い、再発酵します。アマローネ用に陰干ししたブドウも1%使っています。熟成は750リットルの木樽で18ヶ月間です、ボトルで約半年寝かせています。より凝縮感のある味わいが特徴で、最近は特にカナダやヨーロッパで人気で、イタリア国内のレストランでもリクエストが多いワインです。 |
芳醇なアロマ、凝縮した果実味に調和する綺麗なタンニン!エレガントな味わいに包まれるアマローネ |
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ コルテマイオーリ 2021 |
| コルテマイオーリ アマローネは750リットルの大樽で約2年間大樽で熟成させています。ボトリングして1年ほど寝かせてからリリースします。口当たりがなめらかでタンニンも程よく、バランスの取れた味わいです。 |
しっかりとした骨格と桁外れの凝縮感!特別地区ヴァルパンテーナの厳選ブドウで造るアマローネ |
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ ヴァルパンテーナ 2021 |
| ヴァルパンテーナ アマローネは、セレクションしたブドウで造っています。そのため、よりしっかりとした骨格があり、凝縮感のある味わいになっています。熟成は750リットルの大樽で3年間、その後、ボトルで1年ほど寝かせています。 |
濃密なアロマ、複雑味あふれる贅沢な味わい!良い年だけ造る最上級アマローネ リゼルヴァ |
ブローロ デッレ ジャーレ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ ヴァルパンテーナ リゼルヴァ 2018 |
| ブローロ デッレ ジャーレ アマローネ リゼルヴァは良いヴィンテージだけ造るアマローネです。糖度が高く、最も出来の良いブドウをセレクションしています。コルヴィーナとロンディネッラに加え、オゼレータを10%ほど使っています。木樽で4年間熟成させ、さらにボトルで2年間寝かせてからリリースしています。非常に濃密な香りがあり、しっかりとしたボディで凝縮感のある複雑味あふれる味わいです。長期熟成ポテンシャルのあるアマローネ リゼルヴァです。 |
インタビューを終えて
畑の見学中はずっと風が吹いていたのですが、ヴァルパンテーナは北から南に縦に延びている幅の狭い谷で、北のレッシーニ山脈からの風のおかげでブドウ樹が病気になりにくく、また、日中の寒暖差をもたらしているとのこと。ヴァルパンテーナが特別地区として認定されている理由を肌で感じることができました。
フルッタイオ(陰干し専用建物)で説明頂いた、アマローネの肝でもあるアパッシメント(陰干し)が非常に緻密に行われていることがわかりましたし、乾燥の進み具合を細かく調整していることは初めて知りました。「収穫後の9月から1月頃まで気を抜けないし、その後、最後のレチョートの発酵が終わる2~3月まで休む暇がないのがアマローネ生産者の宿命です」と笑いながらおっしゃっていたのも印象的でした。
アマローネはどうしても高級なイメージがあり、実際、これだけの手間と時間を費やして造られるので、一般的なワインよりは高額になります。彼らのこのような仕事の積み重ねで造られるテッツァのアマローネとリパッソ。これからもぜひお楽しみ頂ければと思います。









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