究極の無添加「ゼロ インフィニート」で大ブレイク!「ポイエル エ サンドリ」

2026/07/28

2026/05/15

フェデリコ サンドリ氏 Mr. Federico Sandri

究極の無添加「ゼロ インフィニート」で大ブレイク!世界に先駆ける「ブドウ洗浄」でドロミテのピュアなテロワールを表現する「ポイエル エ サンドリ」

トレンティーノに1975年創業のポイエル エ サンドリ。ドロミテ渓谷という「山のテロワール」をワインに表現することを信条に、50年にわたり革新的かつ自然なワイン造りを続けています。画期的な「ブドウ洗浄システム」や土着品種ノジオラへの想い、そして究極の夢のワイン「ゼロインフィニート」に対する尽きることのない情熱など、2代目フェデリコ サンドリ氏に熱く語って頂きました。
    目 次
  • ~反骨と情熱~
    協同組合の街で、あえて我が道を選んだ2人の異端児がチャレンジする理想のワイン造り
  • ~異なるテロワールが生む豊富なワイン~
    2つの谷が交わる「ファエド」と、高い標高と火山性土壌「チェンブラ」
  • ~常識を覆す革新~
    「ブドウを洗う」という革新的考え。品種のピュアネスを極限まで引き出す独自の哲学
  • 農薬ゼロ、酸化防止剤ゼロ、酵母添加ゼロ、酵素添加ゼロ、糖分添加ゼロ、フィルターゼロ!ブドウ以外の要素は何も入っていない“夢のワイン”「ゼロ インフィニート」
  • アイデンティティとしての「ノジオラ」
    山の塩味を纏う「ミュラー トゥルガウ」

~反骨と情熱~
協同組合の街で、あえて我が道を選んだ2人の異端児がチャレンジする理想のワイン造り

ポイエル エ サンドリは、トレンティーノ出身のフィオレンティーノ サンドリとマリオ ポイエルが1975年に設立したワイナリーです。当時、トレンティーノは協同組合によるワインが大勢を占めていました。「どれだけ質の高いブドウを造っても、その他大勢のブドウと混ぜられ正当に評価されない。ここに未来はない。ならば、自分たちの名で世界へ挑もう」。そんな若き2人の熱い野心が、すべての始まりでした。

彼らが選んだのは、トレンティーノのファエド地区。十分な日照と、アルプスの吹き下ろす風がもたらす激しい昼夜の寒暖差。ここはまさに、目の覚めるような酸とアロマを持つワインを生み出す最高のテロワールでした。

彼らが掲げた以下のポリシーは、50年経った今も1ミリもブレていません。
・土地の尊重と、グラスの中でのテロワールの体現
・化学に頼らない、極限までピュアなブドウ栽培
・すべてが循環するサステナブルな生産工程

本拠地のファエド地区

~異なるテロワールが生む豊富なワイン~
2つの谷が交わる「ファエド」と、高い標高と火山性土壌「チェンブラ」

彼らのワインの多様性を支えるのは、キャラクターの全く異なる2つの傑出したテロワールです。

「ファエド」はポイエル エ サンドリが初めから持っている土地で、谷が交わる、太陽のテロワールが特徴です。2つの谷が交差し、南向きに開けたファエドは、標高200m~400m。石灰質に鉄分が混ざる複雑な土壌です。ここでは、エレガントなピノ ネロをはじめ、地元の希少品種ノジオラ、そしてシャルドネやミュラー トゥルガウがそのポテンシャルを遺憾なく発揮します。

「チェンブラ」はあとから追加した土地。ファエドから山を一つ越えた場所で最高標高1,000mに達する圧倒的な高地。こちらは一転して火山性土壌が広がります。極限の冷涼気候と痩せた火山性土壌の組み合わせは、リースリングやソーヴィニヨン ブラン、そして注目のPIWI品種に、シャープな酸と強烈なミネラル感を与えます。

チェンブラ地区の畑

~常識を覆す革新~
「ブドウを洗う」という革新的考え。品種のピュアネスを極限まで引き出す独自の哲学

ポイエル エ サンドリを語る上で外せないのが、世界に先駆けて2002年に導入した「ブドウの洗浄システム」です。畑に残る銅(ボルドー液)や空気中の微細な汚染物質を、3%のクエン酸水シャワーで完全に洗い流し、瞬時に乾燥させる。徹底的にクリーンになったブドウを得ることで、以下の驚くべき現象が起こります。

・野生酵母による自然発酵の促進
洗浄により野生酵母は半減するものの、それ以上に天敵である悪質なバクテリアが激減するため、結果として健全な野生酵母がのびのびと活動し、スムーズな自然発酵へと繋がります。

・SO2(酸化防止剤)の劇的な削減
発酵を阻害する要素が最初から排除されているため、酸化防止剤の添加量を極限まで減らすことが可能になります。

彼らはこの画期的な洗浄システムの特許を取りませんでした。なぜなら「ワイン界全体の質が向上してほしい」というオープンソースの精神を持っているからです。

★リゼルヴァから始まったスクリューキャップへの移行
彼らにとって「完璧な栓」とはスクリューキャップです。ブショネの回避はもちろんのこと、ワインのピュアな寿命を長く保つために不可欠だと断言します。その証拠に、彼らはベーシックキュヴェではなく、最高峰のトップキュヴェ(リゼルヴァクラスの「モノグラマ」シリーズ)からスクリューキャップを導入しました。その後、全ラインナップへと拡大させています。

農薬ゼロ、酸化防止剤ゼロ、酵母添加ゼロ、酵素添加ゼロ、糖分添加ゼロ、フィルターゼロ!ブドウ以外の要素は何も入っていない“夢のワイン”「ゼロ インフィニート」

今やポイエル エ サンドリの名刺代わりと言っても過言ではないワインが「ゼロ インフィニート」です。農薬、酸化防止剤、培養酵母、酵素、糖分、フィルター……ワイン造りにおける介入をすべて「ゼロ」にした、文字通りブドウだけで造られる夢のワイン、それが「ゼロ インフィニート」です。

これを実現するため、彼らはあえて周囲に他の畑がない(他からの農薬飛散がない)手つかずの自然が残る標高1,000mの土地グルメスを選び、病気に圧倒的な耐性を持つハイブリッド品種「ソラリス」を植えました。

ゼロ インフィニートのソラリスが植えられたグルメス地区の畑

1本で2度美味しい、アンチェストラーレの愉しみ
伝統的瓶内発酵(アンチェストラーレ)によるノンフィルターのにごり微発泡「ゼロ インフィニート」の楽しみ方が「味変」です。最初は抜栓直後の上澄み。驚くほどクリーンで、白桃やハーブのみずみずしく清らかな味わい。後半はボトルを思い切りよく振って底に沈んだ澱を混ぜ合わせることで、質感は一変。旨味が広がる、まろやかでクリーミーな極上のコクが楽しめます。

近年脚光を浴び始めるPIWI(ピーヴィー)品種
ソラリスなど、病気に強い品種として作られた新しい品種をPIWI品種と言い、近年脚光を浴び始めています。オーガニック栽培への転換には常に病害のリスクが伴い、トラクターの回数が増えればCO2排出や土壌の踏み固めが問題になります。PIWIは農薬散布の回数を劇的に減らせるため、有機への関心が高まるにつれ、持続可能なワイン造りの「未来の鍵」として熱い視線を浴びています。

アイデンティティとしての「ノジオラ」
山の塩味を纏う「ミュラー トゥルガウ」

豊富なラインナップの中でも「ポイエル エ サンドリと言えば」と紹介されるのがノジオラです。トレンティーノだけで造られ、栽培総面積でも60ヘクタールほどしかない、非常に稀少な品種。彼らが「自分たちのアイデンティティ(根っこ)」と断言するこのワインは、ピュアな酸と、どこかナッティで繊細な野生のニュアンスを持ち、トレンティーノの風土そのものを閉じ込めたワインです。

一方ミュラー トゥルガウは、ワイナリー設立の1975年から造っているブドウ。ボリュームのあるワインになる特徴があり、シチリアなどでも栽培されていますが、ポイエル エ サンドリが造るミュラー トゥルガウはまさに山のテロワールを表現したもの。アルプスの冷涼な気候と緻密なミネラルが加わることで、心地よい塩味が加わり、類稀なる緊張感と抜群のフードペアリング能力を持つワインとなっています。

牡蠣に合わせたミュラー トゥルガウ「パライ」

優美でフレッシュな酸
土地の魂を象徴する希少品種ノジオラ

ノジオラ 2024

ノジオラ 2024

「トレンティーノの土地の個性をそのまま映した、希少な土着品種ノジオラによる白ワインです。州内でもわずか60~65haほどしか栽培されていない貴重な存在で、品種の魅力を活かすためにステンレスタンクで発酵、熟成しています。ヘーゼルナッツを思わせるほろ苦さが印象的で、石灰質と鉄分を含む土壌由来のしっかりとした骨格も感じられます。ファエド近郊、標高300~350mの斜面の畑で育ち、私たちの土地の魂を象徴する特別な存在です。」
試飲コメント:透明感のある淡い麦わら色。白い果実の繊細でジューシーな香りが広がり、フレッシュさやミネラル、ナッツを思わせるほろ苦さも感じられます。優美で上品な果実味で、後口には伸びやかで澄んだ酸が持続します。

塩味とエネルギッシュな果実味の調和
標高800mの畑「パライ」のミュラー トゥルガウ

ミュラー トゥルガウ パライ 2023

ミュラー トゥルガウ パライ 2023

「ワイナリー創業の1975年から造り続ける、看板的存在のミュラー トゥルガウです。パライは標高約600~800mの南西向き斜面に位置する畑の名前です。豊富な日照と石灰質に白い岩が混じる土壌由来の塩分が、ミネラルとボディの均衡を生み出します。また、畑を下るにつれて鉄分が豊富になり、赤い岩が転がる土壌がエネルギッシュな果実味をもたらします。」
試飲コメント:透明感のあるやや緑がかった麦わら色。グレープフルーツや白い果実を思わせるクリーンな香り。口に含むと香りで感じた要素がそのまま広がり、やや鋭い酸と塩味が調和します。繊細で綺麗な酸が余韻まで長く持続します。

鉄分豊富なテロワールを純粋に表現
バランスに優れた心地よいピノ ネロ

ピノ ネロ 2024

ピノ ネロ 2024

「フレッシュさと豊かさを兼ね備えたピノ ネロです。標高300mと700m、二つの畑を使用しています。生き生きとした酸と、赤い岩を含む鉄分豊かな土壌由来の血を思わせるニュアンスが特徴です。大樽で発酵後、旧樽で約4ヶ月熟成することで、ブドウ本来のフレッシュ感を引き出しています。温度帯によって魚料理から肉料理まで幅広く合わせられる、柔軟な一本です。」
試飲コメント:淡いルビー色。森の果実、イチゴなどの赤系果実の香り。香りで感じた要素が綺麗に広がる非常にクリーンな味わい。バランスに優れた果実感を伴った心地よい余韻へと続いていきます。

標高1000m、森に囲まれた孤高の畑
「化学物質を永遠にゼロ」を体現した、添加物ゼロ微発泡ワイン

ゼロ インフィニート 2024

ゼロ インフィニート 2024

「化学物質を永遠にゼロに、という哲学から生まれた添加物ゼロの微発泡ワインです。殺虫剤、除草剤、銅、硫黄を一切使わず、除草や収穫などもすべて手作業、有機肥料のみで栽培されています。畑はチェンブラ渓谷の最奥部、標高1000mに位置しています。周囲の畑から7~8km離れているため、化学薬剤の影響を受けにくい特別な環境です。収穫後1~2日冷蔵後に洗浄、圧搾。果汁は窒素やアルゴンを用いて酸化を防ぎ、SO2無添加のまま発酵途中で瓶詰めし、瓶内で発酵を完了させます。瓶底に残る酵母は天然の防腐剤の役割を果たし、濁りも酵母由来のものです。2通りの飲み方があります。1つは、透明な部分はそのまま飲むこと。もう1つは、攪拌して酵母を混ぜて飲む方法です。クリーミーな味わいへと変化していく様子を楽しんでいただけます。また、瓶底の酵母はリゾットに使うブロード(出汁)代わりに使っても、十分旨味を与えてくれます。」
試飲コメント:にごりのある麦わら色。柔らかな柑橘や、白桃や洋梨などのフレッシュな白い果実の香り。口に含んだあとのレモンを思わせる酸と柑橘のニュアンスが印象的です。攪拌すると酸のフレッシュさを保ちながらも全体が柔らかくなり、飲み心地の良さと優れたバランスを感じさせます。

インタビューを終えて

トレンティーノ アルト アディジェは昔から協同組合によるワイン造りが特に発展しているエリアです。その中でポイエル エ サンドリは、協同組合にブドウを売るのが主流だった50年前に「組合に売っていても未来はない。自分たちの名前でワインを造ろう」とワイナリーをスタート。この設立の経緯を聞いて、その後に彼らが起こした数々の革命と変革に心底納得しました。

今回試飲したワインからは、50年前から変わらないポイエル エ サンドリのブレない信条を感じました。ピュアな果実味としっかりとした酸、そして少しほろ苦さを感じるクリーンな味わいの「ノジオラ」。ボリュームのある果実感にトマトの葉やハーブのニュアンスに塩味が加わった絶妙バランスの「ミュラー トゥルガウ」。いつ飲んでも安定した美味しさです。

そしてポイエル エ サンドリの代名詞とも言える「ゼロ インフィニート」。まずはそのまま、そのあとボトルを振って澱を混ぜる「味変」をフェデリコさん自ら実演してくださいました。澱が混ざることでクリーミーな旨味が広がりますが、クリーンさをしっかり感じます。残った澱でリゾットを造るのもオススメだそう。しっかり旨みが出るのでブロード不要、とのこと。今度ぜひ試したいと思います。

このインタビューの後、ポイエル エ サンドリが新たなステージに入ったことを知りました。サンドリ家がポイエル エサンドリを継続していき、ポイエル家は新たなワイナリーを設立し、展開していくそうです。2世代目にバトンタッチする時期となり、2つの家族がさらに発展していくことを見据えた決断です。変革精神のDNAを持つ2代目達が、今後どのようなワインで楽しませてくれるのか。とても楽しみです。