バルバレスコ最高の畑ラバヤを所有するバルバレスコを代表する造り手ブルーノロッカ突撃インタビュー

2017/11/27
  突撃インタビュー
 
2017年11月7日 ラバヤ ディ ブルーノ ロッカ社 ルイザ ロッカさん

バルバレスコ最高の畑ラバヤを所有するバルバレスコを代表する造り手ブルーノロッカ突撃インタビュー

ブルーノロッカ垂直試飲
ブルーノロッカはバルバレスコ最高の畑と評されるラバヤに畑を所有する、このエリアを代表する造り手です。クリュバルバレスコと、各地に点在する自社畑のブレンドで造るノーマルバルバレスコ、そしてドルチェット、バルベーラ、シャルドネを生産。畑の特徴を知り尽くした彼らは外部のコンサルタントを使わず、家族だけでワイン造りを行っています。ヴィンテージの個性を大切にするブルーノロッカの娘ルイザさんの来日に合わせて、垂直試飲をしながらワイナリーについての説明を聞きました。

ピエモンテの3つの土着品種ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットとシャルドネの4つのブドウだけで造る

ブルーノロッカオーナーブルーノロッカは家族経営の小さなワイナリーです。畑はネイヴェ村とバルバレスコ村、そしてアスティ村の3つにあって全部で15ヘクタールです。栽培しているブドウはネッビオーロが一番多く、あとはドルチェットとバルベーラ。そしてシャルドネの4種類だけです。この自社畑のブドウだけを使ってワインを造っています。

1990年まではジュゼッペカヴィオラ氏にコンサルタントを依頼していましたが、1993年ぐらいからは外部のコンサルタントとは契約せず、自分たちだけでワイン造りをしています。

唯一の白ワインがネイヴェのファウソーニにある畑で造るシャルドネ

ブルーノロッカで唯一造る白ワインがシャルドネです。ネイヴェ村のファウソーニにある、0.5ヘクタールほどの畑で、ここはネッビオーロを植えるには少し寒い場所になるため、シャルドネを植えています。

今リリースしているのは2015ヴィンテージです。2015年は果実味が豊富でミネラルもしっかりと感じるヴィンテージになっています。ネイヴェは特にミネラルを多く含む土壌です。マロラクティック発酵をせずに造っていて、シュールリーは10ヶ月程度です。20%がバリック、残りはステンレスタンクで醸造をしています。

このシャルドネは2005年ぐらいまでは80%をバリック新樽で熟成させていたので樽のニュアンスを強く感じるどっしりとしたスタイルで造っていました。2006年ごろからそのスタイルを変えました。重厚な味わいは赤ワインで十分でないかと。白は軽やかな味わいにしたいと考えたからです。2014年からシュールリーを始め、2015年はマロラクティック発酵をすることもやめました。

 

アスティ地区のバルベーラとアルバ地区のバルベーラとは明確に特徴が違う。そしてランゲDOCを理解するうえで重要なのがランゲネッビオーロ

ピエモンテのブドウ栽培エリアについて、は南にいくほど標高が高く、北に行くほど低くなります。アスティ村はどちらかというと北にあるので標高は低くなります。ピエモンテは大昔は海の底で、それが隆起してできた土地です。バルバレスコとバローロはより古い土壌で、アスティはそれに比べると新しく、より粘土と砂質、そして化石が含まれる土壌で、やせた土地になります。そのため、アスティ地区は酸が強くなってフレッシュなスタイルのワインができ、アルバ地区はふくよかなスタイルのワインになります。

私たちのバルベーラダスティはアスティ地区の中のヴァリオセッラという重要なエリアで造っています。2014年は雹は降りませんでしたが、雨の多い年でした。そのため畑での仕事が特にワインの品質を左右しました。私たちは収穫量を25%減らしました。9月以降は好天が続いたので、遅熟のネッビオーロにとってはよりいい年になったと思います。

ランゲDOCは、消費者にとっては少しわかりにくい呼称かもしれません。すごく自由でなんでもできるDOCで、例えば品種名を名乗っていても5%までは他の品種を混ぜて造っていいんです。

私たちのランゲネッビオーロは、まだバルバレスコのレベルには達していない若いネッビオーロから造っています。畑は昔からずっと所有しているものと、新しく購入した畑がありますが、父がよくない樹だと判断したら新しいブドウ樹に植え替えています。樹齢8年ぐらいになるとようやく根がはってくるのですが、地中深くの良い成分のある土壌に達するには12年ぐらいはかかります。

各地の畑のネッビオーロをブレンドして造るバルバレスコとクリュバルバレスコ。2つの畑のブレンドコパロッサは2013ヴィンテージが最後

私たちのネッビオーロはRabajaラバヤ、Curraクラ、Fausoniファウソーニ、Marcorinoマルコリーノ、San Cristoforoサン クリストフォロの畑で栽培しています。各地の畑のネッビオーロを混ぜて造っているのがノーマルのバルバレスコになります。ただし、ブレンドするのはボトリング前です。それまでは別々に醸造しています。例年だと15000本ほど造っていますが、2014年は10000本ほどになりました。各畑は標高も向きも違うので、全く個性が違います。それぞれのアイデンティティーを表現するのがクリュバルバレスコになります。

コパロッサというバルバレスコをこれまで造っていましたが、2013年が最後の年となります。コパロッサはパヨレとファウソーニのネッビオーロのブレンドで造っているのですが、パヨレは25年前から借りていました。ところが所有者の息子さんがワイン造りをやりたい、ということで賃貸契約の延長を断られてしまいました。だから2013年が最後になりました。

パヨレの畑はトレイゾ村にあるのですが、バルバレスコの中では南に位置するので標高が高く、砂と石の多い土壌となります。これは複雑実とエレガントな香りをもたらしてくれますが、味わいとしては優しくやわらかいものになります。一方、ファウソーニは骨格とミネラルがあります。この2つの特徴を混ぜることで芯のあるエレガントで女性的なバルバレスコが出来上がります。パヨレの畑がなくなればこの特徴が出ませんのでもう、コパロッサと呼べなくなります。だから造ることはやめました。

ブルーノロッカ畑の地図

昔から高く評価されてきたラバヤ

ラバヤの畑は祖父が購入しました。ラバヤは昔から凄いポテンシャルのある畑だと言われていましたが、バルバレスコ村の中心から1km離れた場所にあって、水も電気もなく、手が加えられていない状態でした。つまりそれだけ汚されていない土地だったということです。

私たちのラバヤは南西向きと南向きになります。ここはすり鉢状の区画になっていて、ここだけ独特のミクロクリマが存在します。タナロ川から来る空気の流れが発生し、谷に入り、常に風が吹くためカビの発生がなく、ブドウは病気になりません。

ブルーノロッカ ラバヤ

ブルーノロッカ唯一の白ワイン。樽熟濃厚のスタイルから果実感を表現した軽やかな味わいへ
ランゲ シャルドネ カデ2015
現在リリースしているのがこの2015です。2015年は果実味が豊富でミネラルもしっかりと感じるヴィンテージになっています。ネイヴェの畑の樹齢約40年のシャルドネです。80パーセントはステンレスタンク、20パーセントをバリックで熟成しています。2006年ぐらいからそれまでの新樽バリック熟成のスタイルをやめて軽やかな味わいの白に変えました。

試飲コメント:シャルドネらしい甘く明るい果実味の香りから味わいへ。しっかりとしたミネラルが存在感を示す、骨格のある味わい。

ランゲ シャルドネ カデ2015
酸がしっかりとしたフレッシュな味わいのバルベーラダスティ
バルベーラ ダスティ2014
このバルベーラはヴァリオセッラ村の畑のものだけを使っています。土壌は粘土質混じりの砂質と石灰質土壌で、やせた土地です。1年間バリックの旧樽で熟成しています。2014年は雨の多い年で収穫量を25%ほど減らしました。

試飲コメント:熟した果実やナッツのニュアンス。エレガントな果実味ながら濃密さがあり、余韻も長い。

バルベーラ ダスティ2014
若いネッビオーロで造るランゲネッビオーロ
ランゲ ネッビオーロ フラル2014
ブルーノロッカの畑の中の若い樹齢のものから造っています。2014年は9月以降好天に恵まれたので、晩熟のネッビオーロにとってはとても良いヴィンテージとなりました。Fraluフラルとは兄のフランチェスコFrancescoと私ルイザLuisaの両方の名前をくっつけた造語です。

試飲コメント:凝縮した果実の香りで心地よい甘みを感じる。バランスのとれたやわらかな味わいでとても飲み心地がいい。

ランゲ ネッビオーロ フラル2014
各地の畑の個性を理解し、ブレンドして造るバルバレスコ
バルバレスコ2014
このバルバレスコは各地の畑のネッビオーロを混ぜて造っています。全ての区画ごとに別々に醸造し、ボトリング前にブレンドします。それぞれの畑には独自の個性があるのでそれを知ることが重要です。18ヶ月間バリックで熟成しています。

試飲コメント:香りも味わいもとてもエレガント。上品な果実味とドライフラワーのニュアンス。滑らかで美しいスタイル。2014年らしい非常にエレガントな味わい。

バルバレスコ2014
2つのクリュのブレンドで造るコパロッサのラストヴィンテージ
バルバレスコ コパロッサ2013
コパロッサはパヨレとファウソーニのネッビオーロのブレンドです。パヨレは25年前から借りていた畑ですが、契約の延長ができなかったので2013年ヴィンテージが最後となります。2013年は非常に良いヴィンテージで長期熟成のポテンシャルが十分にあるヴィンテージです。

試飲コメント:まだ若々しさが感じられるがとんがった部分がなく、非常にエレガントな味わい。

バルバレスコ コパロッサ2013
濃厚な果実味、はっきりとした味わいの2012ヴィンテージ
バルバレスコ コパロッサ2012

試飲コメント:2012に比べると濃厚な果実味をより感じる。すでに完成された感もある。濃密で旨みを感じるはっきりとした味わい。

バルバレスコ コパロッサ2012
よりエレガントな味わいの2011ヴィンテージ
バルバレスコ コパロッサ2011

試飲コメント:エレガントさが際立つヴィンテージ。上品な酸とタンニン。食事と合わせやすいバランスのとれた味わい。

バルバレスコ コパロッサ2011
素晴らしい年!長熟のポテンシャル2013ヴィンテージ
バルバレスコ ラバヤ2013
2013年は非常に特徴的な年でした。気温の低い春に続き5月も雨が多く病気の心配がありましたが6月以降は天候が安定しました。ネッビオーロは晩熟なので9月と10月が理想的な気候になったおかげで素晴らしいヴィンテージとなりました。畑では多くの仕事が要求された年でしたが、正しい仕事をした造り手はストラクチャーのはっきりした寿命の長いワインを造ることができたはずです。

試飲コメント:まだ若い閉じた印象。たばこやドライフラワーのニュアンス。酸とミネラルが美しい。

バルバレスコ ラバヤ2013
凝縮感のある2012ヴィンテージ
バルバレスコ ラバヤ2012
2012年はバルバレスコでも2メートルも雪が積もった寒い冬でした。おかげで土壌は水分を十分に蓄えることができ、植物の生育サイクルにとっては最適でした。春は理想的に暖かく、日照量が生育にとって最適なタイミングで最適な量でした。夏も理想的に気温が上がり、暑すぎることもなく、日照の強さで焼けてしまうこともほとんどありませんでした。収量は2011年同様非常に少なかったですが非常に満足できる品質となり、長期熟成に向いたヴィンテージとなりました。

試飲コメント:凝縮感を感じる密度の高い味わい。ドライフラワーやミントのニュアンスも感じられる。

バルバレスコ ラバヤ2012
ミネラル感とともに濃厚さを感じる2011ヴィンテージ
バルバレスコ ラバヤ2011
2011年は4月に気温が上がりブドウの生育が2週間早く始まりました。8月は30度を超え乾燥が心配でしたが春のまとまった雨のおかげで土壌に水分が十分にありブドウはストレスなく育ちました。9月の第1週に雨が降り、気温が一気に下がったおかげでネッビオーロにとってバランスの良い生育となりました。収量は低くなりましたが質の高いタンニンがあり、アントシアニンも豊富。最終的には偉大な年となりました。

試飲コメント:より色の濃さを感じる外観そのままに濃厚なスタイル。重厚さと甘みをより強く感じるが固さのあるミネラルが引き締めている。

バルバレスコ ラバヤ2011
独特のキャラクターを持つ新しい単一畑!大樽熟成で造るバルバレスコ「クラ」
バルバレスコ リゼルヴァ クラ2012
ネイヴェにあるクラの畑のネッビオーロは、はこれまでランゲネッビオーロやバルバレスコに使っていましたが、単一畑バルバレスコとして今回初めてリリースしました。クラはもともと教会の所有だった素晴らしい畑です。2000年から16年かけて5つの別々の所有者から購入することができました。全部で4.5ヘクタールの単一畑です。

クラには独特のキャラクターがあります。ミネラルが特徴的でエレガントさがあり、そして塩っぽさもあります。個性のはっきりした畑なので単一クリュとしてリリースすることにしたのです。その個性を生かすため、大樽で熟成しています。

試飲コメント:バラやスミレのフローラルなアロマとスイカジュースのニュアンス。果実味と協調するやわらかな酸があり、とてもバランスがいい。

バルバレスコ リゼルヴァ クラ2012
ブルーノロッカが造りたい味として仕上げたバルバレスコ
バルバレスコ マリア アデライデ2011
マリア アデライデは私の父ブルーノの母親、つまり私の祖母の名前です。ブルーノは一人っ子でしたので母との結びつきが強く、私も祖母に育てられたようなものです。祖母は97歳まで畑仕事をしていた素晴らしい女性です。このバルバレスコは祖母にささげたワインです。

ブルーノロッカのワインはすべてテロワールを表現するワイン(vino di territorio)ですが、唯一、生産者の意図する味(vino di produttore)に造っているのがこのマリアアデライデです。私たちの畑の中で最も良いブドウだけを選んで造っています。すべてバリック新樽で熟成させます。

試飲コメント:チョコやカカオ、甘草などのはっきりとしたニュアンス、素晴らしく凝縮された濃厚な味わい。これまでのブルーノロッカのバルバレスコとは明らかに違う、濃密さと力強さがある。

バルバレスコ マリア アデライデ2011
インタビューを終えて

ブルーノロッカ オーナールイザさんブルーノロッカのオーナーでルイザさんのお父さんのブルーノさんは畑で働くことは美しくきれいに働くことだと考えているそうです。ルイザさんの順序だった、そして細かな説明からもその几帳面なお父さんの性質が受け継がれているのだなと感じました。

ラバヤとコルパッソの2011、2012、2013の3つのヴィンテージ、そして最新2014のバルバレスコと直近の4年間の垂直試飲をすることでそれぞれのヴィンテージの特徴を知ることができました。2014年は一般的には難しいヴィンテージと言われていますが、晩熟のネッビオーロにとってはそうではなかったことも実際に飲むとよくわかりました。

今回初リリースとなったクラも大樽熟成の印象的なバルバレスコです。他のバリック熟成とはまた違う、ブルーノロッカのバルバレスコ。ぜひお楽しみいただければと思います。

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