20年間で17個のトレビッキエリを獲得!4世代続くソアーヴェ クラシコのトップ生産者カ ルガーテ

  突撃インタビュー
 
2016年6月13日 カ ルガーテ社 ミケーレ テッサーリ氏

20年間で17個のトレビッキエリを獲得!4世代続くソアーヴェ クラシコのトップ生産者カ ルガーテ

カ ルガーテの4代目オーナー、ミケーレ氏
ソアーヴェ クラシコ地区のモンフォルテ ダルポネで4世代にわたりワインを造る造り手のカ ルガーテ。オーナーのテッサーリ家はこの地で500年以上続く長い歴史を持つ一族で、現オーナーのミケーレ氏の祖父、フルヴィオ ベオ氏は1970年代にボトル詰めを始め、「ソアーヴェクラシコの父」とも呼ばれていた人物です。2001年、大学で醸造学を学んだミケーレ氏がワイナリー経営に加わると同時にヴァルポリチェッラの生産もスタート。白ワインも赤ワインもピュアで飲み心地の良い「カ ルガーテスタイル」を確立。家族の歴史からワインづくりへのこだわりまで4代目オーナー、ミケーレ テッサーリ氏にお話を聞きました。

500年以上続く歴史あるテッサーリ家。1900年代初頭、曽祖父のアメデオが「ルガーテ」という土地でワイン造りを始める。2代目の祖父のフルヴィオがボトル詰めを始めた

カ ルガーテは100年前に私の曽祖父のアメデオ テッサーリが始めました。ルガーテというのは土地の名前で、ソアーヴェクラシコ地区のモンテフォルテ ダルポネ村の標高の高いところにあります。ワイナリーとしては私で4代目になりますが、テッサーリ家は500年以上前までさかのぼることができる長い歴史のある一族でもあります。

アメデオの時代は量り売りだけでしたが、売り先のオステリアには本当に人気でした。その当時使っていた醸造道具がまだ残っていて、今はワイナリーの中に展示して訪問していただく方がみられるような博物館になっています。

カルガーテのオーナー家族

そして私の祖父のフルヴィオ ベオ テッサーリがボトル詰めを始めました。フルヴィオは第二次大戦中、フランスの捕虜となった経験があります。彼はそこから逃走したのですが、その途中、コート ダジュールで目にした美しいブドウ畑に感動し、自分もこのようなワイン造りがしたいと強く思いました。帰国後、彼は実家のルガーテの土地にガルガネガを植樹しました。この樹は今も残っています。そして1970年代に「テッサーリ フルヴィオ」という名前のワインで販売を始めました。彼は「ソアーヴェクラシコの父」と言えるほどずっとソアーヴェのワインに情熱を注ぎ続けました。

昨年2015年の7月に100歳のお祝いをしました。そしてその40日後に亡くなりました。

3代目のアメデオがワイナリーの改革に着手。近代的な設備を導入し、輸出もスタート。4代目のミケーレの入社とともに赤のヴァルポリチェッラの生産も始める

1980年代になると私の父のアメデオが中心になってワイナリーを運営します。温度管理ができるステンレスタンクを購入し、さらにバリックも初めて購入しました。イタリア国内だけでなく、国境を越えて販売も始めます。1990年代には日本にも輸出するようになりました。

私は1975年生まれで、子供の頃からずっとブドウ畑とワインのそばにいました。私の寝室は醸造所の真上にあったのですが、ワインの香りにいつも触れていたんですね。子供の頃、将来何になりたいかを聞かれると「お医者さん」と答えていたのですが、いつしかワインのお医者さん、つまり醸造家になりたいと思うようになりました。そしてウーディネの大学に行き、醸造学を学びました。

1999年、モンテッキア ディ クロザーラに今までの規模の10倍の大きさの新しい醸造所が完成しました。私は2001年に大学を卒業してワイナリーの仕事を始めたのですが、そのとき父に「赤ワインも造ろう」と提案しました。モンテッキア ディ クロザーラはヴァルポリチェッラも造ることができるエリアなんです。
カルガーテの風景

 

「ソアーヴェクラシコ」「ヴァルポリチェッラ」「レッシーニ ドゥレッロ」の3つのエリアでワイン造り。全て自社畑のブドウだけでワインを造り、自ら販売する造り手だけが会員のFIVIにも所属

現在、カルガーテの畑は72ヘクタールです。40ヘクタールがソアーヴェクラシコ地区、30ヘクタールがヴァルポリチェッラ地区、2ヘクタールが伝統的なメトドクラシコの産地であるレッシーニ ドゥレッロ地区にあります。

F.I.V.I.(Federazione Italiana Vignaioli Indipendenti:イタリア独立栽培家協会)のロゴマーク

2013年にはF.I.V.I.(Federazione Italiana Vignaioli Indipendenti:イタリア独立栽培家協会)のメンバーにも登録しました。ソアーヴェ地区でFIVIの一員であるということは、自社畑のブドウだけでソアーヴェを造っていることを意味します。

ソアーヴェDOCを造ることができるエリアは6000ヘクタールほどあります。それに対してソアーヴェクラシコは1200ヘクタール。ソアーヴェ村とモンテフォルテ ダルポネ村だけです。2000年にスペリオーレというカテゴリーができ、ソアーヴェ クラシコDOCにするか、ソアーヴェ スペリオーレDOCGにするか選ばなければならなくなりました。もちろん私たちはソアーヴェクラシコを選びました。

『ガンベロロッソ』の企画で証明されたモンテ フィオレンティネの長期熟成ポテンシャル

カルガーテの顔といえるモンテフィオレンティネは長期熟成ができるワインです。2年前の2014年に『ガンベロロッソ』の企画で垂直試飲をしました。1996年ヴィンテージと、2002年から2013年ヴィンテージまで試飲したのですが、1996年のものは「強いミネラルやシロップ、ショウガなどのアロマがあり、味わいは熟成を感じさせる豊かさがありつつもしっかりとした酸が存在している」と評価され、長期熟成のポテンシャルを感じることができました。
ガンベロロッソによるモンテフィオレンティネの垂直試飲
樹齢50年のガルガネガ100%で造るトレビッキエリ常連のソアーヴェクラシコ
ソアーヴェ クラシコ モンテ フィオレンティネ2014
ガルガネガ100%のソアーヴェクラシコです。標高170~200メートルに位置する6ヘクタールの畑「モンテ フィオレンティネ」に植えられた樹齢50年の古樹だけで造ります。樹齢が古いのでほんの少しの房しかつけません。醸造はすべてステンレスタンクです。

カ ルガーテの中でも最も重要なワインの位置付けで、長期熟成ができるワインです。先ほども話しましたが2年前の2014年に『ガンベロロッソ』の企画で垂直試飲をして長期熟成のポテンシャルを感じることができました。

試飲コメント:リッチなミネラル感と果実味。旨みが広がるエレガントなスタイル。

ソアーヴェ クラシコ モンテ フィオレンティネ2014
樽を使ったソアーヴェクラシコ
ソアーヴェ クラシコ モンテ アルト2013
父のアメデオが樽を使ってソアーヴェを造りたい、と始めたワインです。50%を大樽で50%をバリック(旧樽)で発酵、熟成しています。モンテフォルテダルポネにある自社畑の中からより良いものを選んで造っています。

試飲コメント:ほんのりと感じるバニラのニュアンスと、爽やかな酸の調和が素晴らしく、非常にエレガントな味わい。

ソアーヴェ クラシコ モンテ アルト2013
ロマネコンティの樽(フランソワフレール)を使った革新的ワイン
ステュディオ ビアンコ ヴェネト2013
トレッビアーノ ディ ソアヴェとガルガネガで造るIGTワインです。ガルガネガのエレガントさとトレッビアーノの骨格が融合したワインです。2009ヴィンテージが初リリースで、すぐにトレビッキエリを獲得しました。

トレッビアーノはガルガネガに比べて早く成熟するので先に醸造します。発酵後、2つのブドウをあっせんブラー樹して、50%をステンレス、50%を樽で熟成させます。この樽はロマネコンティで使っているフランソワフレールの680リットル樽で、イタリアで私たちが初めて使いました。

ステュディオとはイタリア語で勉強する、探求する、という意味です。さらに高みを追及するという意味を込めて名づけました。完璧なワインを造りたくて、225リットルのバリックでも、500リットルのトノーでもなく、ブルゴーニュで使っていた680リットルのフランソワフレールが使いたかったんです。

フランソワフレールの樽は最初、直接購入することはできませんでした。そこで、フランスと接しているヴァッレダオスタ州の友人のエノロゴに頼んで、彼を経由して手に入れることができました。そのあと、実際にワインを飲んでもらい、フランソワフレールを納得させることができました。

ステュディオはモンテフィオレンティネよりも長期熟成が可能です。始めてリリースしてすぐに消費者の方々からも専門家の方々からも高い評価を受けました。

完璧さを追求するという意味からバレリーナをラベルに描きました。

試飲コメント:甘い果実となめらかなボリューム感。樽のニュアンスが主張しすぎず、バランスがいい。

ステュディオ ビアンコ ヴェネト2013
ヴァルポリチェッラ地区の単一畑カンポラヴェイで造る「ベイビーアマローネ」
ヴァルポリチェッラ スペリオーレ カンポ ラヴェイ2012
私がワイナリーに入ってから造り始めた赤ワインです。モンテッキアディグロザーラは石灰質の白い土壌で、太陽の熱を保温する特徴があります。カンポ ラヴェイは他の生産者の畑よりも高い標高400メートルにある単一畑です。9月末に収穫し、40%を12月まで陰干しします。そして両方をブレンドして大樽で8ヶ月間熟成させています。「ベイビーアマローネ」と私たちは呼んでいます。

カルガーテは白ワインについては長い経験があります。そのスタイルを赤ワインにも取り入れています。つまりクリーンであるということ。これがカルガーテのスタイルで、飲み心地がよく、料理と合わせやすいのです。

ボトルの裏ラベルには地図とサービス温度を記載しています。15~16度で飲んでいただくのがベストです。

試飲コメント:濃密だけれどもくどさの全くない上品な甘み。後味にミネラルと旨みが広がる。

ヴァルポリチェッラ スペリオーレ カンポ ラヴェイ2012
100㎏のブドウから30~40リットルしか造られないアマローネ
アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ2011
ピエモンテのバローロ、トスカーナのブルネッロ、と並んでヴェネトのアマローネはイタリアの重要な赤ワインとして知られています。

モンテッキアディクロザーラにある自社畑から最良のブドウを選んで造っています。収穫は小さなカゴに入れて行い、それを陰干し専用の部屋に置き、4~5ヶ月間陰干しさせます。熟成は大樽とトノーで2年以上かけます。

試飲コメント:心地よいなめらかなタンニンと凝縮感のある果実味。アルコール度数の高さを感じさせないバランスの良さが際立つ。

アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ2011
古い樹齢のガルガネガの、最も甘い部分の粒だけを選んで造るレチョート
レチョート ディ ソアーヴェ ラ ペルラーラ2010
レチョートとはヴェネトの方言で「耳」という意味です。ガルガネガの房は一番上の部分が耳のような形をしていて、ここが一番よく熟して甘くなります。その耳の部分(=レチョート)の粒だけを使うのでレチョートと呼ばれるようになりました。

ラペルラーラは古い樹齢のガルガネガで、その中の幹から最も近い房だけを選びます。100㎏のブドウからわずか20リットルほどしかできません。

収穫後、翌年の2~3月まで陰干しし、圧搾。1年間バリックで寝かせてからボトリングします。ロックホールなどの青かびチーズと合わせたり、ワインだけで楽しむのもおすすめです。

ペルラーラというのは木の名前です。祖父や父が生まれた家のそばにあった桃の木の名前です。

試飲コメント:ハチミツや甘いスパイスの香り。栗やアーモンドのようなコク。上品で強い甘みがいつまでも残る。とてもエレガント。

レチョート ディ ソアーヴェ ラ ペルラーラ2010
 
インタビューを終えて

輸入元の稲葉の社長さんは「20年前に初めてカ ルガーテのワインを飲んだ時は衝撃で、こんなワイナリーがあったのか!」と感動したそうです。でも、当時はほとんど知られていない造り手だったカ ルガーテが、今やヴェネトを代表する造り手にまで成長するとは想像できなかったそうです。

カルガーテは現在もなお発展し続けているとミケーレさんの話を聞いて実感しました。幼い頃からワインの香りを身近に感じながら育ったミケーレさんが醸造家の道を選んだのは自然な流れだったのでしょう。今、ご自身の息子さんで父親と同じ名前のアメデオ君と一緒に家族でソアーヴェの中心街に住んでいるそうですが、近いうちに醸造所の近くに引っ越しを考えているそうです。

自分たちの畑で醸造もボトリングも自分たちで行い、造ったワインが飲み手にわたるまで見届けることができる今の仕事にすごく誇りを持っているということが伝わってきました。FIVIの一員であることもその思いの表れで、ボトルのネック部分にはFIVIのロゴマークが入っています。

フランソワ フレールの樽をどうしても使いたくて何とかして手に入れたエピソードや、ヴァルポリチェッラとアマローネにもチャレンジしたりと、さらに高みを目指すミケーレさん。これからどんなワインが造られていくのかと本当に楽しみです。

カ ルガーテのオーナーのミケーレさんと奥様のサマンサさんと
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