チリ初100点醸造家と元同僚がチリワインの新しい可能性に挑む!「ベティッグ」突撃インタビュー

2026/10/07

2026/08/21

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カルロス デ カルロス氏 Mr. Carlos de Carlos

チリ初100点醸造家と元同僚がチリワインの新しい可能性に挑む!ブルゴーニュより冷涼なチリ最南端「トライゲン」のピノ&シャルドネ、「マウレ」の樹齢120年カベルネが世界中で高評価を獲得する「ベティッグ」突撃インタビュー

チリにおける「自社畑からワインを造るドメーヌ型」、そして「テロワール開拓」のパイオニアとして2020年の初リリースから世界中の評価を獲得、一躍最上級ファインワインの仲間入りを果たしたワイナリー「ヴィーノ ベティッグ」。

ベティッグは、チリNo.1醸造家を5度受賞、『ワイン アドヴォケイト』でチリ初の100点満点をはじめ、合計9本の100点満点ワインを生み出したエラスリスの醸造家フランシスコ ベティッグ氏と、同じくエラスリスのコマーシャル ディレクターとして長年グローバル市場の最前線に立ち続けたカルロス デ カルロス氏がともに立ち上げたワイナリーです。

今回は、創業者のひとりカルロス デ カルロス氏にお越しいただき、ベティッグの歩み、テロワール、そこから生まれるワインについて詳しくお話を伺いました。

    目 次
  • チリワインの新しい価値を与えたい!エラスリスの盟友2人の挑戦の始まり
  • カベルネで数々の成功を収めてきたベティッグ氏があえてピノ&シャルドネを選択という新たな挑戦の道
  • 宅地化寸前の農家を説得からスタートした、希少な樹齢100年超のブドウ畑で造るカベルネ
  • 「畑」と「ブドウの選別」に焦点を当てた3階層のポートフォリオ
  • マウレの地へのかつての概念を覆す、未来のアペラシオンをへの布石フラッグシップ「コロネル」への情熱

チリワインの新しい価値を与えたい!エラスリスの盟友2人の挑戦の始まり

ベティッグのプロジェクトが始動したのは2010年のことです。

エラスリスの醸造家として活躍していたベティッグ氏でしたが、自分のワイナリーを立ち上げたいという夢を密かに抱いていました。そして当時ヨーロッパ支配人としてイギリスに駐在していたカルロス氏を訪ね、「実は自分のワイナリーを立ち上げることにしたんだ」と打ち明けます。

カルロス氏は最初「おめでとう!絶対に素晴らしいワインになるよ」とその挑戦を喜んだそうですが、ベティッグ氏は「いや、そうじゃない。君と一緒にやりたいんだ。ワイン造りは僕がやるから、マーケティングやセールスを任せたい」とカルロス氏を誘い、カルロス氏もその提案を快諾しました。

それから二人は、チリのワイン業界において自分たちが誇りに思っていること、そして改善すべき課題について議論を重ねました。根底にあったのは「どうしたらチリのワイン業界がさらに発展するか」「チリワインの新しい価値を発見して世界に表現できるか」という強い情熱でした。

その結果、これまでのチリワインの常識を覆す2つの大きな指針が決まりました。

(画像:左カルロス氏、右ベティッグ氏)

チリ南部産地への進出と無灌漑への挑戦
1. テロワールの捉え方を「東西軸」から「南北軸」へ
チリワインのテロワールは、太平洋からアンデス山脈に向かう「海から山へ」という東西軸で語られることが一般的です。しかし二人は、チリの多様性をより深く表現するために南北軸、とりわけ冷涼な南部へ視点を向けました。そして、カベルネ・ソーヴィニヨンで数々の成功を収めてきたベティッグ氏は、新たな挑戦としてピノ・ノワールとシャルドネを選びます。

2. 品質を追求するための自社畑保有とドライファーミング
チリでは買いブドウからワインを造る生産者が多く、またブドウの生育が進む夏場に雨がほとんど降らないため灌漑を行うことが一般的です。しかし、多数のワイナリーと同じことをしていては、ベティッグが目指すワイン造りは実現できないという確信がありました。

そうして出した結論が「自社畑を持ち、ドライファーミング(無灌漑)でブドウを栽培すること」でした。

カルロス氏は当時をこう振り返ります。
「この指針を決めた時点で、短期的なプロジェクトにはなり得ないことが明白でした。ドライファーミングが可能な土地を探すところから始め、植樹し、収穫するまでには膨大な時間がかかるからです。実際に理想の畑が見つかり植樹が始まったのは2013年。私がロンドンでフランシスコと握手を交わしてから3年後のことでした」

カベルネで数々の成功を収めてきたベティッグ氏があえてピノ&シャルドネを選択という新たな挑戦の道

ドライファーミングの可能性を切り開いた「トライゲン村」
ベティッグ始まりの地、それがマジェコ・ヴァレー(Malleco Valley)に位置するトライゲン村です。首都サンティアゴから南へ約700km(車で約9時間)、南緯38度に位置するこの土地は、十分な日照と冷涼な気候、そして年間1,000mmを超える降水量に恵まれた、ドライファーミングの可能性を切り拓く理想の地でした。

またトライゲン村周辺はベティッグ氏、そしてカルロス氏の奥様の故郷でもあり、個人的な愛着のある土地でした。両家とも1890年頃に移り住んだ家族で、所有する畑でブドウ栽培を行ってきた歴史がありました。

しかし残念ながら、もともとの家族の畑は粘土質で水分を多く含み、高品質なワイン用ブドウの栽培には向きませんでした。そのため、一から適した土地を探す必要があったのです。

特異な火山性土壌で育むピノ・ノワール&シャルドネ
探索の末に出会ったのが、2つの河川に挟まれた火山活動由来の丘陵地でした。

丘の中心には約700万年前の黄色い岩盤があり、その上に約200万年前の溶岩層、そして表土には約40cmの「赤粘土」が載っています。この赤粘土は保水性が低く、まさにベティッグが求めていた土壌でした。

ブルゴーニュの土壌専門家である友人に協力を仰ぎ、土地の取得前に徹底的な土壌マップを作成。こうして手に入れた22haの土地に、フランスから取り寄せたピノ・ノワールとシャルドネの複数のクローンを植樹しました。

(画像:自社畑「ロス・スイソス」の地図)

当時はマジェコ・ヴァレー全体を見渡しても、ブドウ畑はわずか4haほどしかないエリアでした。そのため、畑を管理するチームの教育からスタートする必要がありました。ベティッグ氏とカルロス氏も、若木をなぎ倒す強烈な偏西風や霜害など、チリ南部特有の過酷な自然環境と向き合いながら栽培技術を実践で学び、時間をかけて畑を整えていきました。

数々の壁を乗り越え、2016年にようやく待望の初収穫(試験醸造)、2020年に初リリースを迎えました。

宅地化寸前の農家を説得からスタートした、希少な樹齢100年超のブドウ畑で造るカベルネ

カベルネのプロフェッショナルが冷涼気候で表現する、新しいチリカベルネ
2020年、トライゲン村で仕込んだピノ・ノワールとシャルドネがリリースされると、ベティッグは次の舞台へと進出します。

第二章の舞台となったのは、チリ中央部マウレ・ヴァレーの沿岸部にある「カウケネス地区コロネル デ マウレ村」。広大な産地の中でも、太平洋から吹き込む冷たい風の影響を受ける海岸山脈側「マウレ コースター」と呼ばれるエリアです。ベティッグはこの地で、冷涼な気候で表現する新たなカベルネ・ソーヴィニヨンを目指しました。

カルロス氏「周りの人からは『なぜカベルネ・ソーヴィニヨンを造らないんだ』とプロジェクト初期からずっと言われていました(笑)。そしてトライゲン村での挑戦が実を結び、いよいよカベルネを手掛けるとなった時も、私たちはチリカベルネの中心地マイポ・ヴァレーではなく、歴史がありながら当時は未評価だったマウレ・ヴァレーを選びました。『チリの新しい可能性の発掘』こそが私たちの哲学だからです」

マウレはチリ最古のワイン産地で、16世紀にスペイン人がミサ用ワインのためにパイス種などを植えた歴史を持ちます。ベティッグが注目した「マウレ コースター」は、アメリカ大陸で最も古い約2億年前の古生代土壌を有しており、二人が以前から強い関心を寄せていた産地でした。

そうしてカベルネ・ソーヴィニヨンに適した畑を探す中で出会ったのが、コロネル デ マウレ村にある「樹齢120年のパイスの根に、60年前にカベルネ・ソーヴィニヨンを接ぎ木した」という奇跡的な古木畑でした。

希少な樹齢100年超のブドウ畑
そのあまりの素晴らしさに、二人はすぐさま所有者の農家を探し出し「ブドウを買い取らせてほしい」と申し出ました。しかし、返ってきたのは思いがけない返答でした。収量が低く買い取り価格も低迷していたため、畑を切り倒して宅地化する寸前だったのです。

畑には、カベルネが接ぎ木された樹のほか、樹齢100年を超えるパイスやカリニャンがそのまま残されていました。

カルロス氏が「この畑はチリの大切な財産だ。私たちが従来の10倍の価格で買い取るから、どうか畑を残してほしい!」と説得したところ、あまりの破格のオファーに農家は半信半疑に。「後から買わなくなると困るから、畑の半分を購入して共同パートナーになってくれ」と言われ、畑を共同所有することになりました。

この話は同じように古木畑を所有する周辺農家にも広まり、ベティッグのもとへ続々と情報が集まるようになります。結果として4軒の素晴らしい古木栽培農家と提携を結ぶことになり、信頼できるパートナーと共にマウレでのワイン造りが本格化しました。

「畑」と「ブドウの選別」に焦点を当てた3階層のポートフォリオ

ベティッグでは「畑」と「ブドウの選別」に焦点を当て、ブルゴーニュの格付けになぞらえた3階層のポートフォリオを展開しています。

① リージョン(村名格)
若木のブドウなどから造られる「村名格」にあたるキュヴェで、ベティッグのスタイルを知るための入り口のワインです。

ラベルには「DOトライゲン」「DOマウレ」とそれぞれの産地が明記されており、手頃な価格でありながら上位キュヴェ譲りの洗練されたエレガンスと、土地の個性を明確に反映した抜群の完成度を誇ります。(マウレでは先述の契約農家のブドウもブレンドされています)

② ヴィーノ デ ヴィニエド(1級格)
自社畑の厳しい基準を満たしたブドウのみを使用する「1級畑(プルミエ・クリュ)」に相当するキュヴェです。熟成ポテンシャルを見据え、じっくりと成熟させたブドウのみを厳選。土地の個性である凝縮した果実味、確かなミネラルと酸を備えた果実を大樽や一部の新樽で熟成させ、深みのある豊かな複雑味に仕上げています。

ベティッグが掲げるスタンダードのレベルの高さを体現するラインナップです。

③ セレクション デ パルセラ(特級格)
ベティッグが追求するエレガンスの最上位「特級畑(グラン・クリュ)」に相当するキュヴェです。自社畑の中でも特に長熟に向く特別な区画のブドウのみを使用。力強く繊細なブドウのポテンシャルを引き出すため、ヴィニエド(8〜10ヶ月)よりも長い約15ヶ月の樽熟成を行い、洗練された多層的な味わいへと昇華させています。

ベティッグが追求するエレガンスのあり方を示す「パルセラ」
カルロス氏は、開けたてから華やかに香る外向的なリージョンやヴィニエドに対し、パルセラを「シャイなキュヴェ」と表現します。

カルロス氏「リージョンやヴィニエドが、グラスに注いだ瞬間に華やかなアロマが弾けるタイプだとすれば、パルセラはとても『シャイ(奥ゆかしい)』な性格をしています。開けた瞬間から前面に主張してくるわけではありませんが、グラスの中で時間をかけるにつれて、ゆっくりと本来の美しさを開かせていくのです。

この性質は、チリ南部に住む人々の気質そのものです。過酷な自然と共に生きる南部の人々は、最初は無口で、よそ者に対して少し警戒心を抱いているように見えます。しかし一度打ち解けると、家に招き入れて温かい食事ともてなしを提供し、深く温かい情愛を注いでくれます。

このワインも同じです。じっくりと向き合うことで初めて、その奥底にある豊かな表情を見せてくれます。ワインの変化を解き明かす知識と愛着を持つ人だけが辿り着ける『本質的な深み』を備えているのです」

マウレの地へのかつての概念を覆す、未来のアペラシオンをへの布石フラッグシップ「コロネル」への情熱

カルロス氏の来日に合わせ、「セレクション デ パルセラ」の上位に位置づけられるフラッグシップ「ヴィーノ デ パルセラ」が日本初お披露目となりました。

それが、コロネル デ マウレ村で獲得した古木畑のカベルネ・ソーヴィニヨン、パイス、カリニャンを混醸して造る「コロネル」です。60年以上もの間、同じ畑で共存してきたマウレの歴史的ブレンドがそのままボトリングされています。

チリの最高峰カベルネといえばボルドー品種(メルローなど)をブレンドするのが常識でしたが、チリの伝統品種であるパイスやカリニャンを最高峰カベルネと融合させた生産者はこれまでいませんでした。カベルネの骨格、パイスの柔らかさ、カリニャンの鮮やかな酸と果実味が完璧に調和した、チリワインの新たな歴史をつくる1本です。

ラベルには大きく「CORONEL」と刻まれ、下に「D.O. CAUQUENES CORONEL DE MAULE」と続きます。

未来のアペラシオンを生み出す情熱
まだ公式な原産地呼称としては登録されていない「コロネル デ マウレ村」ですが、この表記に込めた想いをカルロス氏は熱く語ります。

カルロス氏「このワインは、チリ独自のブレンドを最高の品質で実現したものであり、明確な使命を持っています。

マウレのサブリージョンである『DOカウケネス』は広く温暖なエリアですが、その中にあるコロネル デ マウレ村は冷涼な微気候を持つ特別な土地です。30年後か、あるいは50年後かもしれませんが、この土地はきっと『DOコロネル』として独立したアペラシオンになるはずです。それほどまでに唯一無二のテロワールを備えています。

かつて『マウレのワインは平凡だ』と誰も見向きもしませんでした。私たちはこの『コロネル』を通して土地の無限の可能性を示し、チリワインにはまだまだ探求すべき未来があることを世界に伝えていきたいのです」

トライゲンへの入口となるシャルドネ!緻密で輝きのある酸と清らかな果実味

ヴィーノ デ リージョン シャルドネ 2025

ヴィーノ デ リージョン シャルドネ 2025

チリ最南端の冷涼産地トライゲンを知ってもらう入口となるワインです。冷涼な気候を感じさせるピュアな果実味と酸があり、土壌にある岩石由来のミネラルをしっかり感じます。新樽は使わず、400ℓのフレンチオークで10カ月熟成を行います。
試飲コメント:グラスから立ち上るレモンやグレープフルーツのフレッシュなシトラスに、白い花や砕いた石を思わせる清涼感あふれるアロマ。口に含むと、きれいな酸とピュアな果実味が心地よく広がります。新樽を使用しないことでブドウ本来の透明感がストレートに表現されており、引き締まったミネラル感が後味を綺麗に切ってくれる、爽やかで清らかな味わいです。

トライゲンのポテンシャルを示す長期熟成型シャルドネ

ロス パリエンテス ヴィーノ デ ヴィニエド シャルドネ 2025

ロス パリエンテス ヴィーノ デ ヴィニエド シャルドネ 2025

「ロス・パリエンテス」はスペイン語で「親戚たち」を意味し、畑の様々な要素が家族のように調和した味わいを表現しています。リージョンより高い熟成能力を備えるため、じっくり成熟したブドウを厳選します。大樽と一部新樽で8ヶ月熟成させ、豊かで複雑味のある味わいに仕上げています。

今回の来日で2022年ヴィンテージを試飲する機会があったのですが、その素晴らしさに感激しました。果実の凝縮感が増し、熟成を支えるたしかなミネラルと酸が生き生きとしていて、さらなる長期熟成のポテンシャルを感じさせました。

試飲コメント:熟した黄リンゴや洋梨の果実に、ほのかに香ばしいナッツやヴァニラのニュアンスが重なる複雑な香り。口当たりは非常に滑らかで、しっかりとした凝縮感と豊かさがありながらも、生き生きとした酸と強固なミネラルが全体をしっかりと支えています。骨格のブレないスケール感があり、時間とともに深みが増していく長期熟成のポテンシャルを強く実感できる贅沢な仕上がりです。

厳選区画の厳選ブドウから生まれ、ベティッグのエレガンスを体現する最上のシャルドネ

ロス プリモス セレクション デ パルセラ シャルドネ 2024

ロス プリモス セレクション デ パルセラ シャルドネ 2024

「ロス・プリモス」はスペイン語で「従弟たち」を意味します。よりエレガントなワインを目指し、区画ごとに最も適したブドウ樹の列を選び、そこからブドウを厳選します。それらのブドウは高い品質やエレガンスというDNAを共有していることから名付けられました。

フレンチオークで15カ月熟成(新樽35%)。スケール感のある豊かな果実味とシャープな酸を併せ持ちます。開けたてはシャイな一面もありますが、時間とともに真価を発揮するエレガントな1本です。

試飲コメント:上品な樽由来のスパイスや控えめな蜜の香りが綺麗に調和した、洗練を極めたアロマ。抜栓直後は芯のある凛とした緊張感がありますが、グラスの中で空気に触れるにつれてスケール感のある豊かな果実味が開花します。シャープで美しい酸が果実の深みを引き立て、圧倒的なエレガンスと非常に長い余韻をもたらす、まさに最上のシャルドネです。

トライゲンへの入口となるピノ ノワール!親しみやすいフルーティーな果実味

ヴィーノ デ リージョン ピノ ノワール 2025

ヴィーノ デ リージョン ピノ ノワール 2025

トライゲンを知ってもらう入口のピノ ノワールです。まず色を見てください。とても明るく美しい色をしています。自社畑の若木のブドウから造られる、フルーティーで親しみやすい、トライゲンという場所を知ってもらうのにとても適した仕上がりになっています。
試飲コメント:きらめきのある明るいルビー色。摘みたてのイチゴやレッドチェリー、爽やかなハーブの香りが軽やかに広がる、非常にチャーミングでフレッシュな第一印象です。口に含むと素直で伸びやかな赤系果実の旨味が口いっぱいに広がり、引き締まった心地よい酸とシルキーなタンニンが寄り添います。親しみやすくアプローチしやすい、トライゲンの魅力を軽快に楽しめるスタイルです。

トライゲンの大地を表す力強い果実味とタンニンを備えたエレガントなピノ ノワール

ロス パリエンテス ヴィーノ デ ヴィニエド ピノノワール 2025

ロス パリエンテス ヴィーノ デ ヴィニエド ピノノワール 2025

「ロス パリエンテス ヴィニエド シャルドネ」と同じコンセプトで造られるドメーヌもののピノ ノワールです。フランシスコはカベルネのプロフェッショナルでしたがピノ ノワールの経験はありませんでした。そこでヴォーヌ ロマネで400年以上の歴史を持つ生産者のルイ・ミッシェル氏を招聘して栽培から醸造まで様々なことを教えてもらいました。

ミッシェル氏は、南米のピノに不足しがちなストラクチャーを補う解決策として全房発酵をすすめていました。ただ当初の私たちは全房発酵にとても慎重だったのでまずは5%から始めて、次第にその比率を伸ばしてきました。現在は、リージョンが数%、ヴィニエドが10%、パルセラが20%程の全房比率になっています。

試飲コメント:ラズベリーやブルーベリーの果実香に、全房発酵由来の上品なスパイス、森のニュアンスが重なります。しっかりとした果実の凝縮感と豊かなアタックがありながら、ルイ・ミッシェル氏直伝の全房発酵がもたらす立体的なストラクチャーと緻密なタンニンが際立っています。

厳選区画の厳選ブドウから生まれ、ベティッグのエレガンスを体現する最上のピノ ノワール

ロス プリモス セレクション デ パルセラ ピノ ノワール 2023

ロス プリモス セレクション デ パルセラ ピノ ノワール 2023

トライゲン村の自社畑「ロス・スイソス」の中でも厳選した複数の最上区画のブドウから造るキュヴェで、シャルドネと同様に「ロス・プリモス(従弟たち)」と名付けています。ヴィニエドが8カ月熟成のところ、パルセラでは15カ月熟成、全体の33%に新樽を使用します。

全房発酵の比率が20%と高く様々な要素を内包するため、より長い熟成期間がそれらの要素の結びつきを強めることに役立っています。もう1年、さらにもう1年と熟成を重ねるごとに、このクオリティは上がっていきます。

試飲コメント:ダークチェリーや紫の上品な花、エキゾチックなスパイスやほのかなオーク香が重なり合う、複雑で深みのあるアロマ。20%の全房発酵と長めの樽熟成が見事な一体感を生んでおり、ベルベットのように滑らかなタンニンと濃密な果実味が口内で優雅に広がります。各要素が高い次元で結びついており、熟成によるさらなる進化を予感させる、圧倒的な気品を纏った一本です。

クール クライメイトのチリの新たなスタイルのカベルネ

ヴィーノ デ リージョン カベルネ ソーヴィニヨン 2024

ヴィーノ デ リージョン カベルネ ソーヴィニヨン 2024

マウレ コースターのカベルネ ソーヴィニヨンは、チリカベルネの代表産地マイポと比べ、冷涼な気候ゆえにアルコールが13〜13.5%と自然に低く、日照量の少なさからより鮮やかな色合いとストラクチャーのあるタンニンが特徴です。このワインにもその特徴がよく表れていて、力強いタンニンを馴染ませるために他のリージョンのワインより1年長く瓶熟を行います。
試飲コメント:カシスやフレッシュなブラックベリーのピュアな果実香に、冷涼気候特有の爽やかなハーブや黒胡椒のニュアンス。従来のチリのカベルネ・ソーヴィニヨンにありがちな重たさはなく、フレッシュな酸と心地よいアルコールのバランスが際立っています。

ピュアな果実味と濃密なタンニンが調和する力強い上質なカベルネ

ロス コンパドレス ヴィーノ デ ヴィニエド カベルネ ソーヴィニヨン 2023

ロス コンパドレス ヴィーノ デ ヴィニエド カベルネ ソーヴィニヨン 2023

「ロス コンパドレス」はスペイン語で「親友たち」を意味し、マウレでのワイン造りが素晴らしいパートナーシップによって始まったこと、また大切なブドウを私たちに託してくれる友人たちへの敬意を込めてそう名付けました。

20~25日間ゆっくりと長めのマセラシオンと柔らかな抽出を行い、フレンチオークで10カ月熟成(新樽15%)させます。冷涼な気候からくるピュアな果実味と高い酸に、濃密なタンニンが混ざり合い、優れたストラクチャーを持つワインに仕上がっています。

試飲コメント:熟したダークプラムやカシス、チョコレートやタバコの上品な香りが豊かに漂います。長めのマセラシオンが生み出す濃密で熟したタンニンが、冷涼産地ならではのピュアで高い酸と綺麗なコントラストを描いています。果実の凝縮感と引き締まった構造が見事に調和しており、力強さと洗練されたエレガンスを兼ね備えた上質なカベルネです。

チリNo.1醸造家ベティッグ氏が集大成として手掛ける最高峰カベルネ

ロス パドリノス セレクション デ パルセラ カベルネ ソーヴィニヨン 2024

ロス パドリノス セレクション デ パルセラ カベルネ ソーヴィニヨン 2024

「ロス パドリノス」はスペイン語で「名付け親たち」を意味します。トライゲンでは畑を開墾した「父親」、マウレでは大切な畑を受け継ぐ「新しい親」であることに由来する名です。自社畑「エル・コロネル」の樹齢100年パイスに接ぎ木した樹齢60年のカベルネを主体に、同村の最上区画の古木から造られます。

15カ月の樽熟成(新樽65%)により、ヴィニエドを上回る豊かな凝縮感があります。ボルドーで醸造を学び、チリで30年近くカベルネと向き合ってきたフランシスコの集大成となる最高峰カベルネで、特に2024年はベストヴィンテージといえる出来栄えです。

試飲コメント:濃厚なカシスやシダーウッド、ローストしたスパイスが層をなす重厚で複雑なアロマ。樹齢100年の古木からくる圧倒的な密度と集中度があり、一口目でそのスケール感に圧倒されます。高い新樽比率に負けない豊潤な果実感と滑らかで深みのあるタンニンが綺麗に融合しており、チリ最高峰の醸造家ベティッグ氏の集大成にふさわしい偉大な風格と長い余韻を誇ります。

樹齢100年超のカベルネ、パイス、カリニャンをブレンドして造る最上の単一区画キュヴェ

ヴィーノ デ パルセラ コロネル 2024

ヴィーノ デ パルセラ コロネル 2024

コロネルは、私たちが手掛ける最上の単一区画キュヴェ「ヴィーノ・デ・パルセラ」としてリリースする最初のワインです。コロネル デ マウレ村で出会った奇跡の古木畑のカベルネ ソーヴィニヨン、パイス、カリニャンをブレンドして造ります。60年以上もの間、同じ畑で共存してきたマウレの歴史的ブレンドがそのままボトリングされています。

カベルネの骨格、パイスの柔らかさ、カリニャンの鮮やかな酸と果実味が完璧に調和した、チリワインの新たな歴史をつくる1本です。

試飲コメント:黒系果実と赤系果実の深みのあるグラデーションに、野性味のあるスパイスや紫の花のニュアンスが複雑に絡み合う唯一無二のアロマ。カベルネが与える堅固な骨格に、パイス由来の柔らかな口当たり、カリニャンの鮮烈な酸が見事な一体感を醸し出しています。100年を超える歴史が生んだ奇跡の調和があり、芯の通った力強くエレガントな味わいが長く続きます。

インタビューを終えて

ワインの試飲中、カルロスさんはまるで少年のように目を輝かせながら、共同経営者であり優秀な醸造家でもあるフランシスコ・ベティッグ氏とともに歩んできたワイン造りの足跡を語ってくれました。

100年を超える樹齢のカベルネ・ソーヴィニヨンが植わる素晴らしい畑を見つけた際、ちょうどその畑が潰される寸前だったことを知った二人は、「ブドウを従来の10倍の価格で買い取る」と農家を必死に説得しました。すると農家側から「後から買わなくなると困るから、畑の半分を購入して共同パートナーになってほしい」と逆に持ちかけられ、それを機に地元のブドウ農家たちが続々と彼らのもとへ相談に訪れるようになった・・・・というお話には、思わず引き込まれてしまいました。

カルロス氏は大学で会計学を専攻し、首席(トップの成績)で卒業。周りからは「誰もが有名な金融機関や大手コンサルティングファームへ進むだろう」と思われていたそうですが、彼はワインの持つ魅力に強く惹かれ、この世界へ飛び込む決意をしたといいます。

「カルロス・デ・カルロス」という印象的な名は、一族で代々受け継がれてきた誇り高き名前です。ワイン業界へ足を踏み入れる際の面接で、彼は「この名に恥じない仕事をします」とタンカを切ったのだとか。

「自分の名に恥じない仕事をする」――。
その決意と情熱の注ぎ込みようは、グラスに注がれた「ベティッグ」のワインを一口味わえば、誰もが納得し、強く胸を打たれるそんなワインです。

このベディッグさんとカルロスさんの2人が挑戦の果てに生み出してくれたワインをぜひ楽しんでいただければと思います。

そして、その挑戦は今尚進行形です。