アルト アディジェにおけるプレミアムワイン革命の先駆者「コルテレンツィオ」

2026/10/13

2026/09/09

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レティツィア パジーニ氏 Ms. Letizia Pasini

アルト アディジェにおけるプレミアムワイン革命の先駆者!この地をイタリア屈指の白ワイン銘醸地へと導いてきた名門協同組合「コルテレンツィオ」

イタリア最北端に位置し、アルプスの冷涼な風と地中海の温和な気候が交差するアルト アディジェ。この恵まれた環境のもと、世界水準のワイン造りを追求し続ける先駆的な協同組合が「コルテレンツィオ」です。

かつて大量生産が主流だったこの地に革新をもたらし、イタリア屈指の白ワイン銘醸地へと押し上げた歴史を持つコルテレンツィオ。現在は300人の農家による強い結束と「品質主義」のもと、豊かなテロワールを映し出すラインナップを展開し、2024年から始まる「UGA」へもいち早く対応するなど進化を続けています。

今回は輸出マネージャーのレティツィア パジーニ氏をお迎えし、アルト アディジェの歴史を変えてきたワイン造りの歩みについてお話を伺いました。

    目 次
  • 300人の農家、300haで実現する品質主義
  • 白ワインの銘醸地へと導いた
    アルト アディジェの歴史を変えたプロジェクト
  • 最上級ライン「ラフォア」が牽引する、多様なテロワールの表現
  • 2024年ヴィンテージから始動
    厳格な品質基準の新たな原産地表示「UGA」

300人の農家、300haで実現する品質主義

コルテレンツィオは、1960年に26の栽培農家によって設立されたアルト アディジェの協同組合ワイナリーです。その名は、組合員の故郷である小さな集落コルテレンツィオに由来しています。

現在、300を超える組合員と300ヘクタール以上の広大な畑を擁するまでに成長しました。特筆すべきは、その所有畑の実に85%が、豊かな標高やミクロクリマに恵まれたアッピアーノ村に集中している点です。

この地では平均1ヘクタール前後の小さな畑を守り続けてきた小規模な農家がワイン造りの基盤を支えており、コルテレンツィオもまた、そうした農家たちの強い結束の上に成り立っています。

コルテレンツィオでは単にブドウの重量などで取引を行うのではなく、ワイナリーが求める厳格な品質や栽培手法に農家がどれだけ真摯に取り組んだかによってブドウの金額が決定します。

300人の農家が代々の土地と伝統を守りながら持続可能な品質投資を続け、「品質主義」の哲学のもと高品質なワインが生まれるのです。

白ワインの銘醸地へと導いた
アルト アディジェの歴史を変えたプロジェクト

アルト アディジェがイタリアを代表する白ワイン産地として知られる背景には、コルテレンツィオが主導した大きな構造改革が存在します。1980年代以前のこの地域は、地元消費を中心としたスキアーヴァ種などによるデイリーな赤ワイン造りが主流でした。

この状況を一変させたのが、35年間にわたりワイナリーのディレクターを務めたルイス ライファー氏です。自身が所有する農園「ラフォア」において、従来の伝統品種に代わって国際品種を植樹。品質向上を目指し、徹底した収量制限をするなど、この地で世界基準の高品質ワインが造れることを自らの畑で実証しました。

ルイス ライファー氏

この成果をモデルケースとして、彼は1980年代より地域のパイオニアとして組合全体へと広がる「品質プロジェクト」を始動させます。そして、仕立ての変更や収量制限といった厳しい栽培基準を受け入れた農家に対し、ブドウの品質に応じた高い対価を支払う仕組みを構築しました。

「品質プロジェクト」は、組合員たちの意識を量から質へと変革させ、コルテレンツィオのみならず州全体を高品質なワイン産地へと押し上げる原動力となったのです。

最上級ライン「ラフォア」が牽引する、多様なテロワールの表現

コルテレンツィオが手がけるワインは30種類以上に及び、畑の個性や品質に応じた「3つのライン」で構成されています。ブドウの品種特性を素直に表現した「クラシック」、厳選された区画や条件の良い畑から造られる「セレクション」、そしてその頂点に君臨するのが最高峰ライン「ラフォア」です。

ルイス ライファー氏の挑戦から生まれた「ラフォア」は、ワイナリーのアイコンであり品質主義の象徴とも言えます。この歴史的区画から生み出されるワインは、卓越した凝縮感と緻密な酸、そして長年の熟成に耐えうる圧倒的な気品を備えています。

標高約430メートルに位置する本拠地アッピアーノ村を中心に、メンドラ山からの冷気と豊かな日照が織りなす複雑な微気候。300の農家が育む多彩なブドウを綿密に選別し、3つのラインへと描き分けることで、アルト アディジェの多様なテロワールを余すところなく表現しています。

2024年ヴィンテージから始動
厳格な品質基準の新たな原産地表示「UGA」

アルト アディジェで2024年ヴィンテージから運用が始まった「UGA(Unita Geografica Aggiuntiva/地理的補足単位)」は、より特定された小区画のテロワールとルーツを証明するための新たな原産地表示制度です。アルト アディジェDOCワインのみを対象として制定されています。

州全体で認定されたUGAの数は全86区画。それぞれのUGAには、その土地の微気候や土壌に最も適したブドウ品種が1~5種類厳選して登録されています。ラベルにUGA名を表記するには、指定エリア内のブドウを100%使用することに加え、通常のDOC基準から収量を25%削減するという厳しい規定が課されます。

コルテレンツィオでは、ピノ ビアンコ、ラグレイン、メルローの3つの「リゼルヴァ」が、この厳格な基準をクリアした初のUGAワインとしてリリースされる予定です。

200年受け継がれ、テロワールを映し出すピノ ビアンコ

ピノ ビアンコ コーラ 2024

ピノ ビアンコ コーラ 2024

「この地で200年の歴史を持つ重要な品種で、テロワールを素直に表現してくれるピノ ビアンコです。クラシックラインに位置するワインです。コルナイアーノとアッピアーノの畑のブドウを使用し、ステンレスタンクで醸造してシュール リーを用いています。」
試飲コメント:透明感のある淡い麦わら色。グラスに注いだ瞬間に香りが広がり、白い果実や洋梨を思わせる、フレッシュで繊細なアロマです。口に含むとフレッシュな酸とジューシーな果実味が広がり、香り同様に繊細でフルーティで余韻が長く続きます。

スパイス感漂う爽やかな辛口モスカート ジャッロ

フェッフェレー 2025

フェッフェレー 2025

「フェッフェレーとはドイツ語で胡椒っぽいブドウという意味です。その名の通りスパイシーな風味が特徴な、モスカート ジャッロで造る辛口ワインです。そしてフレッシュさを楽しんでいただくために、収穫した年の12月末から1月という早い時期にリリースしています。」
試飲コメント:やや淡く透明感のある麦わら色。白い果実にやや蜜を思わせるニュアンスが重なり、華やかで爽やかな香り。味わいも香りの印象そのままに、フレッシュな酸とアロマティックな風味が口中に広がり、後口にはキュッと引き締まる爽快さが持続します。

柔らかく複雑な要素が絡み合う上級シャルドネ

シャルドネ since 83 2024

シャルドネ since 83  2024

「私たちが1983年に始めた木樽熟成の品質プロジェクトの歴史にちなんで名付けたシャルドネです。セレクションラインの一本で、クラシックとトップキュヴェ ラフォアの中間に位置し、凝縮感と複雑味を備えています。大樽と450リットルのフレンチオークを使い、100%木樽で熟成させています。」
試飲コメント:透明感のある輝く淡い黄金色。熟した黄色い果実、ナッツ、南国果実、ハーブのようなニュアンスが感じられます。柔らかな口当たりながら、黄色い果実のフレッシュ感が口中を覆い、ナッツのニュアンスと凝縮感が広がります。

長期熟成のポテンシャルを秘めた、
コルテレンツィオを象徴する最上級ソーヴィニヨン

ソーヴィニヨン ラフォア 2024

ソーヴィニヨン ラフォア 2024

「コルテレンツィオを象徴するアイコン的ワインです。15~20年の長期熟成が可能で、2016年ヴィンテージは10年経った今でもなお力強い酸を保っています。ファーストヴィンテージは1993年ですが、2005年にエノロゴが交代した際にステンレス50%、大樽25%、トノーとバリックで25%という比率にし、マロラクティック発酵を行わないスタイルへと刷新しました。」
試飲コメント:透明感のある黄金色。フレッシュかつ熟した黄色い果実、南国果実、白い花などを感じる香り。ジューシーな印象もあります。口当たりは柔らかでまろやか、フレッシュで厚みのある酸と果実味が口中を覆います。後口にも酸と果実味が持続し、しっかりとしたボディを感じさせます。

スキアーヴァの魅力が詰まった軽やか&フルーティな赤

サンタ マッダレーナ 2025

サンタ マッダレーナ 2025

「ボルツァーノ近郊の段々畑で育つ、スキアーヴァ95%とラグレイン5%の混醸ワインです。皮が薄くフルーティーなスキアーヴァの特徴がしっかり活きています。近年は冷やしてフレッシュに飲むスタイルがトレンドにもなっていますね。」
試飲コメント:淡いルビー色。赤い果実を中心に、華やかで繊細、明るい印象の香りです。口に含むと軽やかでいて、小粒のベリーの風味にやや滋味深さと華やかさが重なります。後口にはほのかなスパイス感と苦味が残ります。

優雅で美しい余韻に満たされるピノ ネロ リゼルヴァ

ピノ ネロ リゼルヴァ サンダニエール 2023

ピノ ネロ リゼルヴァ サンダニエール 2023

「セレクションラインのピノ ネロ リゼルヴァです。標高450メートルと標高550メートルの畑から収穫したブドウを使っています。70%の大樽と30%のバリックを組み合わせた木樽で1年、さらに瓶内で1年の計2年間熟成させています。」
試飲コメント:ややガーネットを帯びた淡いルビー色。赤い果実を思わせる繊細な香りがあり、その香り同様に洗練された味わいです。タンニンは軽やかで心地よい余韻が持続します。

インタビューを終えて

アルト アディジェには12もの協同組合が存在すると、レティツィアさんに教えていただきました。そのどれもが高品質なワインを生み出しているというのは、この地ならではの特別な環境と言えます。1ヘクタールほどの小さな畑を何世紀にもわたって代々守り続けてきた農家たちの歴史があったことを、今回のインタビューで改めて実感しました。

特に印象的だったのが、1980年代にルイス ライファー氏が立ち上げた「品質プロジェクト」です。スキアーヴァの大量生産が主流だった時代に、組合員の意識改革を行い高品質化へと舵を切りました。現在では組合員の数も300を超え、彼らの強い結束と誇りがあるからこそ、拠点を置くアッピアーノの豊かなテロワールが表現されるのだと感じました。

試飲したワインはどれもフレッシュで美しい酸を備えつつ、品種それぞれの特性がしっかり反映されていました。所有畑の85%が集中するというアッピアーノ村ですが、狭いエリアでも多種多様な品種が根ざすテロワールの豊かさを感じることができました。

2024年にはカンティーナのリノベーションも行われ、受け継いできた歴史とともに、未来へ向けてさらに進化していく様子もうかがうことができました。アルト アディジェの歴史を変え、今なお前進を続けるコルテレンツィオの1本を、ぜひ楽しんでみてください。