2025/06/06
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フランコ ペドローニ氏 Mr. Franco Pedroni
シチリア随一のフレッシュさとお値打ち価格を堪能!100年超の技術と哲学を活かしゼロから挑んだ「フェウド アランチョ」

トレンティーノで培った経験と哲学を注ぎ込み、
シチリアでゼロから手がける大規模ワイナリー
たとえば、畑を細かく区分けし、それぞれに最適なブドウ品種やクローンを植えています。仕事の多くを手作業で行うという哲学も、変わることはありません。現在、メッツァコロナ社全体で年間およそ5,000万本のワインを生産しており、そのうち約1,000万本をフェウド アランチョが占めています。

「他のシチリアでは感じられないフレッシュな酸」
フェウド アランチョのすべてのワインには、「他のシチリアでは感じられないフレッシュな酸」が共通して感じられます。その背景には、収穫から醸造に至るまでの徹底した管理体制があります。トレンティーノ同様、基本は手作業を重視していますが、収穫に限っては機械を使用します。収穫をスピーディーに行うことで、フレッシュさを最大限に保つことができるのです。
夏のシチリアでは、日中はTシャツで過ごせるほど気温が高くなりますが、夜には軽めのジャケットが必要になるほどの寒暖差があります。特に8月から9月にかけての収穫期には、朝11時には気温が40度近くに達することもあるため、20度前後の早朝4時頃に収穫を行っています。さらに、各区画のブドウの成熟度などの分析、管理をコンピュータで行うため、的確なタイミングでの収穫が可能です。これもまた、長年トレンティーノで培ってきた経験の賜物です。
最初にグリッロ、インツォリア、ヴェルメンティーノといった白ワインを試飲していただきますが、すべてにそのフレッシュさを感じられるはずです。なかでもヴェルメンティーノは、鮮やかな酸が際立ち、思わずもう一杯飲みたくなるような魅力にあふれています。

トロピカル感と爽やかな酸が調和する微発泡グリッロ |
フェウド アランチョ グリッロ フリッツァンテ NV |
| フランコ氏: 「サンブーカ ディ シチリアのグリッロで造るフリッツァンテです。畑の土壌は非常に細かい締まりのある硬い砂で、貝殻の化石も混じっています。グリッロのトロピカルな香りが広がりますね。パパイア、パイナップル、メロンのような果実の甘みを感じていただけます。」 |
| 試飲コメント:淡い透明感のある麦わら色。桃や濃密な果実とフレッシュ感のある香り。口に含むと柔らかな口当たりで、豊かな果実味と非常に爽やかな酸が調和した味わいです。 |
軽快さと複雑さを兼ね備えたグリッロ100%スプマンテ |
アックシィ エクストラ ドライ NV |
| フランコ氏: 「アックシィは、シチリアのプロセッコを目指して造られたワインです。サンブーカ ディ シチリアのグリッロを使用しています。フリッツァンテよりもグリッロらしさが表れており、トロピカルな香りに加えて、飲み終えたあとにアーモンドのような苦味などの複雑な味わいを感じていただけます。」 |
| 試飲コメント:淡い透明感のある麦わら色。フレッシュで生き生きとした果実の香りが広がります。軽やかな口当たりで、軽快さなフルーツ感に満ちています。 |
あらゆる食事と合わせられる、
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グリッロ 2024 |
| フランコ氏: 「シチリアには多くの土着の白ブドウ品種がありますが、グリッロこそが単一品種で造られるシチリアの白ワインだと考えています。実はフェウド アランチョのグリッロは、シチリアDOCとして初めて造られたグリッロです。シチリアのワイン醸造の歴史においても重要なグリッロと言えます。野菜や豚肉、魚料理といったシチリアのあらゆる料理と気軽に合わせられることもグリッロの特徴です。」 |
| 試飲コメント:輝く麦わら色。パイナップルや桃、蜜のような南国果実の香りが立ち上がります。口に含むと柔らかく、フレッシュでミネラリーなニュアンスがあり、後味には心地よい苦味が残ります。 |
爽やかな酸、塩味、ミネラル感が調和する豊かなインツォリア |
インツォリア 2024 |
| フランコ氏: 「私たちの他の白ワイン同様に、インツォリアにも素晴らしい酸が感じられます。最後の余韻に塩味があり、特に魚料理とよく合います。イカのグリルやスズキ、白身魚とあわせていただくのがおすすめです。」 |
| 試飲コメント:やや濃い麦わら色。凝縮感のある黄色い果実と、柑橘、レモンのような香りにミネラルの印象も加わります。口に含むと南国果実の豊かさが広がり、瓜のようなニュアンスと共に爽やかな酸が感じられます。 |
「すぐにもう一杯飲みたくなる」
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ヴェルメンティーノ 2023 |
| フランコ氏: 「ヴェルメンティーノはフルーティでありながら、特に柑橘系のニュアンス、グレープフルーツのような香りが際立ちます。後からアーモンドのニュアンスも現れます。シンプルな印象から、時間とともに複雑さが増していくワインです。生産を始めたのは2020年か2021年頃。クライアントからの要望があり、組合員やその友人たちとともに造り始めたことがきっかけです。一杯飲むと、すぐにもう一杯飲みたくなるような味わいです。」 |
| 試飲コメント:輝く麦わら色。黄色い果実にナッツや白胡椒の香り、ミネラリーでフレッシュな印象があります。味わいは香り同様で、黄色い果実やナッツの風味。心地よい苦味とミネラル感が溶け合っています。 |
シチリアDOC初のリゼルヴァとして誕生したグリッロ主体白 |
ダリラ 2022 |
| フランコ氏: 「ダリラは、グリッロとヴィオニエをブレンドしたワインです。シチリアDOCの白ワインとして初のリゼルヴァです。非常に複雑な味わいを持ち、グリッロのトロピカルな雰囲気と、ヴィオニエのフローラルな特徴のバランスが見事に調和しています。木樽を使用していますが、ブドウの個性を損なうことなく、それぞれの特徴を引き立たせています。同時に、骨格をしっかりと持たせて、非常にふくよかなワインに仕上げられています。後味にはハチミツや杏のジャムのようなニュアンスも感じられます。」 |
| 試飲コメント:輝く麦わら色。華やかで豊かな香り。軽快な酸とミネラリーなニュアンスを感じる味わいです。加えてふくよかさがあり、各要素の味わいが調和しています。 |
軽快なフレッシュさが際立つネロ ダーヴォラ100%ロゼ |
ロザート 2024 |
| フランコ氏: 「アカーテの畑で造られるネロ ダーヴォラのロゼワインです。アカーテは、海から4キロメートルほどしか離れておらず、海の影響を受けるエリアです。土壌は砂地で赤土。土壌も場所もヴィットーリアに近く、チェラスオーロ ディ ヴィットーリアも造ることが可能です。8時間ほどマセラシオンを行い、ステンレスタンクだけで仕上げています。とても軽やかでフレッシュな味わいです。」 |
| 試飲コメント:淡いサーモンピンク。黒いベリー系果実や胡椒を感じる繊細な香りが心地よく広がります。口当たりは軽やかで、するすると飲める快適なロゼです。 |
品種由来の華やかさが引き出された樽熟成ネロ ダーヴォラ |
ネロ ダーヴォラ 2022 |
| フランコ氏: 「バリック熟成のネロ ダーヴォラです。品種由来のフレッシュさと華やかさを活かすために、強い樽香はつけないようにしています。スミレやバラの花びらのような香り、赤い果実、フレッシュなプラムのニュアンスを感じていただけます。冷やしても楽しめる味わいで、ピッツァや魚料理ともよく合います。」 |
| 試飲コメント:ルビー色。フレッシュな赤い果実に黒い果実が重なり、軽やかでチャーミングな中にも黒胡椒のようなスパイシーさが感じられます。軽快かつ豊かな果実味と、タンニンとのバランスに優れた味わいです。 |
ネロ ダーヴォラ&カベルネの個性が調和した、木樽熟成の上級キュヴェ |
カントドーロ 2021 |
| フランコ氏: 「カントドーロは、ネロ ダーヴォラ80%、カベルネ ソーヴィニヨン20%で造る上級キュヴェです。ネロ ダーヴォラ由来のフレッシュな果実、カベルネ由来の果実感と白胡椒やバルサミコのニュアンスが感じられます。リゼルヴァとして造られ、木樽を使用しながらも品種の個性やテロワールを反映させたワインです。チェリーや赤い果実の風味に加え、フィニッシュには木樽のニュアンスがやわらかく広がります。」 |
| 試飲コメント:やや深みのあるルビー色。黒い果実と樽由来のニュアンスが美しく調和した香り。口に含むと黒い果実の風味が広がり、バニラやバターの柔らかな風味が寄り添い、深みと心地よい余韻が持続します。 |
凝縮果実と木樽がエレガントに調和する、クリュ ネロ ダーヴォラ |
エドニス リゼルヴァ 2015 |
| フランコ氏: 「エドニスは、クリュ ネロ ダーヴォラとして造るトップキュヴェです。2015年ヴィンテージですが、まだタンニンが若い印象ですね。今後さらに熟成が進むと思われます。非常に豊かな果実味があり、濃縮感のある味わいです。酸もはっきりと感じられます。木樽のニュアンスがよりはっきりと感じられ、果実感と調和しています。このネロ ダーヴォラは、トスカーナやフランスなどの偉大なワインにも並ぶクオリティで、飲むたびに異なる印象を楽しめるワインです。」 |
| 試飲コメント:ややにごりと濃さのあるルビー色。黒い果実の濃密な印象があり、複雑さとエレガンスが共存した香り。口に含むと果実味と木樽由来の風味が重なり、あとからチョコレートやバター、バニラといった要素が広がります。それらの風味が、存在感のあるタンニンによって長く持続します。 |
インタビューを終えて
木樽を用いた上級キュヴェでも、軽快なフレッシュさが感じられ、暑い季節にも心地よく楽しめるバランスを感じました。フードフレンドリーな印象も受け、日々の食卓でも活躍してくれるワインだと思います。ぜひフェウド アランチョのワインをお楽しみください。














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