熟練した伝統的アパッシメントで世界中から愛されるワインを生み出すアマローネの名門「マァジ」突撃インタビュー

2022/12/06
突撃インタビュー
 
2022年11月8日 マルコ ザウリ氏 Mr. Marco Zauli

新登場ワインから偉大な逸品、隠れた名品まで!熟練した伝統的アパッシメントで世界中から愛されるワインを生み出すアマローネの名門「マァジ」突撃インタビュー

生産者さん
1772年に創業したアマローネの老舗「マァジ」。ボスカイーニファミリーが、マァジという名の小さな谷に畑を購入したことから歴史が始まりました。アパッシメントのスペシャリストとしても知られるワイナリーは、徹底管理されたフルッタイオ(乾燥小屋)を構え、熟練した伝統的手法でブドウを乾燥させています。そうして糖度が凝縮されたブドウで造る数々のワインは、上質で濃密、そしてエレガントに仕上がっています。今回は、新登場ワインから世界中で愛される逸品、隠れた名品まで試飲させていただき、輸出マネージャーのマルコ ザウリ氏にオンラインでお話を聞きました。

伝統ある土着品種とアパッシメント手法で250年の歴史を築き上げる老舗「マァジ」

1772年創業。古代ローマ時代から続くヴァルポリチェッラの伝統に敬意を表すワイン造り

――今日はよろしくお願いします。

おはようございます。今日は来てくださってありがとうございます。マァジ本社があるエリアの一番大きなフルッタイオ(アパッシメントを行う乾燥小屋)から生中継でお届けします。

――そちらは具体的にどのエリアになりますか?
ヴェローナから約20キロ北にある(ヴァルポリチェッラの)サンタンブロージオのガルガニャーゴという場所です。ヴァルポリチェッラはご存じの通り、イタリアワイン産地として非常に重要なエリアです。古代ローマ時代から、高品質ワインが造られていたという長い歴史があります。

ヴァルポリチェッラ地区「マァジ」という名の土地に対する忠実な思い

同様にマァジもワイナリーとして長い歴史を持っています。1772年、ボスカイーニ家により創業しました。今年は250周年を迎える大切な年です。ヴァイオ デイ マァジという名の小さな谷に畑を購入したことで歴史は始まりました。ファミリーネームをワイナリー名にする生産者が多い中、マァジ社は土地から名前を取っています。これは、地域に対する忠実な思いや伝統を大切にしたいという思いが込められています。と同時に、革新的であることも忘れずに仕事しています。

ヴァルポリチェッラに身を置く歴史の長い造り手としては、地域の文化を後世に伝えていきたい思いがあります。そのため、長年使われてきた土着品種や伝統あるアパッシメント手法を重要視してワイン生産を行っています。それらの文化が、マァジ社のワインによって世界中に広まってくれたら嬉しいです。

「マァジ」社の徹底管理と熟練技術で上質なワインに仕上げる伝統的アパッシメント手法

ワインの上質な仕上がりを左右する乾燥小屋「フルッタイオ」

アパッシメントは、2500年前からすでにローマ人が行っていたテクニックです。ブドウを乾燥させることで何が起こるかというと、まず糖度が凝縮され、ブドウが持つアロマや色も凝縮されていきます。しっかりとした骨格、ボディ、まろやかな口当たり、エレガントな味わいに仕上がります。上質なワインに必要な条件が、アパッシメントによって得られると考えていただいていいと思います。120日くらい乾燥させ、ドライに仕上げるとアマローネになりますし、甘口に仕上げるとレチョートになります。

フルッタイオとは、ブドウを乾燥させるために設計された場所です。ヴァルポリチェッラの方言で“アレーレ”と呼ばれる棚に、重ならないようにブドウを並べています。今あるブドウは収穫されたばかりで、アパッシメントの最初の段階ですね。アマローネだと、およそ30~45%くらいが蒸発していきます。


アレーレの外枠は桜の木でできています。ヴァルポリチェッラは桜の名産地でもあるんです。ブドウを載せる内側の素材は竹です。昔は葦(あし)を使用していました。沼地の多いヴェローナやマントヴァには、葦が多く生えていたのですが、今は自然保護の関係で使えなくなりました。竹は軽くて水はけがよく、葦と性質が似ているため使っています。水が溜まらずカビの発生を防ぐことは、アパッシメントには非常に重要です。

革新的システムを用いた自然乾燥で行う伝統的アパッシメント手法

空気の循環も大切です。NASA(ブドウ自然乾燥助長システム)を用いて温度と湿度を測り、必要な時に空気の入れ替えを行っています。マァジ社は、アパッシメントを自然に行うべきという伝統的な考えを持っているので、温風を当てたり、わざと温めて乾燥を促すことは絶対にしません。じっくりと乾燥させることで、アロマや糖度がしっかり凝縮していきます。

――大きく分けてフルッタイオは2ヶ所なんですよね?
大きい施設はそうです。ここでは、主にコスタセラ アマローネのブドウを乾燥させています。もう一つの大きいフルッタイオは、テヌータ カノーヴァにありまして、カンポフィオリンのブドウがメインです。ただ、各エリアの畑の横にもあったりします。フルッタイオは、標高や風によって全然味わいが変わってくるんです。

――陰干しをする棚は全て同じ素材ですか?
同じです。竹はインドネシアから仕入れている特注品です。

――その棚は全部で何枚くらいあるのですか?
そうですね…。全部合わせて500層(枚)くらいあると思います。

特徴の異なる各土着品種が相互補完し合い完成するマァジ社のワイン

――もっとありそうですね。
そうかもしれないですね。マァジ社は伝統的な土着品種を重んじるという話をさせていただきましたが、その大切な品種をご紹介したいと思います。今は収穫が終わったばかりなので、たくさんのブドウが見れてラッキーですね(笑)。

・コルヴィーナ
コルヴィーナはヴァルポリチェッラの女王様的な品種です。栽培面積、使用量ともに最も多い品種です。コルヴィーナは、ワインにストラクチャーやチェリーのアロマを与えます。当然アパッシメントの具合によっては、フレッシュで爽やかな印象を与えますが、アマローネになると、より複雑で、ジャムやスピリット漬けのチェリーになります。キーワードはチェリーです。

・ロンディネッラ
コルヴィーナが持つストラクチャーを補完、追加する役割を持っています。コルヴィーナよりも大きいですし、果皮がとても厚いので、タンニンと色を与えます。

・モリナーラ

アマローネに必須ではない補助品種です。ワイナリーによっては使いませんが、私たちは重要な品種だと考えています。少ない比率で5~10%ほどですが、フレッシュさと酸味を与えます。フレッシュなスパイス香も与える大切な品種です。アマローネは長期熟成型のワインです。酸がしっかりとあることで、長期熟成の可能性がより深まります。

・オゼレータ

ヴァルポリチェッラの希少な古代品種です。このエリアでも、栽培数が非常に少ないです。房が小さく収量も少ないので、お金に変わらないという理由で、別の品種に植え替えられて絶滅しかけた品種です。それをボスカイーニ家が再発見し、植え直しました。他の品種と比べて果実が小さいです。果皮が非常に厚いので、タンニンがしっかりしていて、いい色をワインに与えます。ブレンドに使うときは、約10~15%使用します。わずかな比率でも味わいに変化をもたらします。コスタセラ リゼルヴァには、オゼレータが入っています。

 

次世代のオーガニックワイン、世界中から愛される偉大な逸品、隠れた名品まで!
マルコ ザウリ氏によるワイン解説

新登場!自然酵母、ノンフィルターで造るオーガニック、ヴィーガン認証取得のサスティナブルワイン
「フレスコ ディ マァジ ビアンコ&ロッソ」


「フレスコ ディ マァジは、イタリアでは昨年、日本では今年リリースされた新しいワインです。アマローネのようなストラクチャーや複雑味のあるリッチなワインとは真逆のワインです。もちろんアパッシメントは行っておらず、親しみやすいライトなスタイルです。

一言で言うと、サスティナブルなワインです。オーガニック認証、ヴィーガン認証を取得しています。自然酵母でフィルターをかけていません。畑からボトリングまでが最短と言いますか、何も足してないし何も引いてません。マァジ社にとっては、革新的で挑戦的なワインの一つです。

ラベルは再生紙で、ソフトな色を使っています。3Dのようなアイキャッチで、若い人の目につくようなデザインにしています。軽量ボトルのため、CO2の排出量を抑えられます。プラスティックも使っていません。特に色も付けておらず、透明なボトルです」

フレッシュさと複雑味が溶け合う世界的ベストセラーワイン「カンポフィオリン」
「カンポフィオリンのことは、よくご存じだと思います。ファーストヴィンテージが1964年。もともとリパッソという造り方から始まったワインですが、1980年代にリサーチを重ね、ダブルファーメンテーションという造り方をマァジ社が発明しました。それにより、アマローネのように複雑味もありながら、フレッシュ感のある味わいを表現することができました。それが、世界的ベストセラーワインとなった所以です。ヴァルポリチェッラのフレッシュさと、アマローネにあるような複雑味が合わさったワインなので、食事との汎用性も高いです」

レフォスコ100%で造る隠れた名品「グランダレッラ」
「グランダレッラは、90年代後半から2000年代にかけて造られたワインです。あまりスポットが当てられたワインではありませんが、非常に好評をいただくワインの一つなんですよ。カンポフィオリンやコスタセラの陰に隠れた名品です。フリウリのほうにある畑のレフォスコ100%です。アマローネのようにアパッシメントをしてから醸造し、24ヶ月木樽熟成していますので、非常に凝縮感がしっかりあります。私は、特にハウスワインとしてグランダレッラが大好きです」


世界で最も有名で偉大なアマローネ
「コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ」

「コスタは斜面、セラは夕方という意味です。12ヘクタールあるコスタセラの区画は西側を向いています。その西側に何があるかというと、ガルダ湖です。そのため、湖からの反射光まで二重に光が入るので、非常に日照時間が長く日当たりが良い場所なのです。ブドウ栽培には最適な場所と言われています。

そこで収穫されたブドウを100%アパッシメントします。期間は90日から100日。ヴィンテージによっては120日になることもあります。この期間で、水分は40~45%減少します。それにより凝縮感が生まれエレガントなワインになります。その後、24ヶ月間木樽熟成されて、6ヶ月の瓶内熟成を経てリリースされます」

絶滅しかけたオゼレータ種によって引き出される優れたストラクチャー、長期熟成力
「コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ リゼルヴァ」

「リゼルヴァの造り方はコスタセラとほとんど同じですが、38~40ヶ月と熟成期間と品種のブレンドに大きな違いがあります。それは、オゼレータという小さなブドウが15%入っていることです。オゼレータは、非常に果皮が厚い品種で、色やタンニン、ストラクチャーを生み出す役割を担っています。30年の熟成の可能性を秘めたワインに仕上がります。

リゼルヴァのラベルを見ていただきたいのですが、黒いデザインですよね。実は、これは“オゼレータが入っている”ということを意味しているんです(レチョートを除く)。カンポフィオリンのブローロもオゼレータを使用しているので黒いラベルにしています」

※オゼレータ種についての詳細は前回のインタビュー記事をご覧ください

「マァジ」社セミナー(2015年6月9日)

フレッシュでクリーンな余韻!ブドウ本来の美味しさ溢れるサスティナブル白ワイン!
フレスコ ディ マァジ ビアンコ 2021
フレスコ ディ マァジ ビアンコ 2021


収穫と選果は、手で朝方に行われます。収穫後ブドウはすぐにワイナリーへ運ばれ、ソフトプレス、モストへのハイパーオキシジェネーション(大量の酸素を供給すること)の後、低温にて重力を活かしてデキャンティングを行います。17~20度で自生酵母による自然発酵を行います。熟成はステンレスタンクにて11月~12月の寒い時期に行われます。ノンフィルター。驚くほどしっかりとしたボディのパイナップルの甘さと酸味をベースにしたフルーティな味わいが魅力的です。
試飲コメント:黄金よりの麦わら色。ややリッチな印象を持つフルーティで綺麗な香り。フルーティで果実の甘み。レモンやビワなど、フレッシュかつ少しふくよかさを持つ味わい。ボディがありながら親しみやすさがあります。

親しみやすさが際立つフレッシュ&フルーティを堪能するサスティナブル赤ワイン!
フレスコ ディ マァジ ロッソ 2021
フレスコ ディ マァジ ロッソ 2021


収穫と選果は、手で朝方に行われます。収穫後ブドウはすぐにワイナリーへ運ばれ、ソフトプレス、モストへのハイパーオキシジェネーション(大量の酸素を供給すること)の後、低温にて重力を活かしてデキャンティングを行います。17~20度で自生酵母による自然発酵を行います。熟成はステンレスタンクにて11月~12月の寒い時期に行われます。ノンフィルター。ヴェローナ地区の赤ワインの特徴であるチェリーのアロマが香り、いきいきとした若々しさを感じます。
試飲コメント:とても綺麗に輝く明るいルビー色。フレッシュチェリーを感じるシンプルで軽やかな香り。香りそのままの味わいがとてもフレッシュです。

マァジが復活させた古来の製法「ダブルファーメンテーション」で造る代表的赤
カンポフィオリン 2018
カンポフィオリン 2018


「ダブルファーメーテーション(二重発酵)」という古来のリパッソ製法をマァジが復活させ、1964年に初めて醸造されたワイン。最初に全3種の土地固有種ブドウを一次発酵させ、そのワイン(70%)を、同じ全3種を6週間半乾燥させた陰干しブドウ(30%)に注ぎ入れ二次発酵を行います。すぐにマロラクティック発酵が行われ、この過程によって、ワインに新しい香りが生まれ、アルコールと色素、柔らかいタンニンが豊かになります。熟成は全体の3分の2を90ヘクトリットルのスラヴォニアオーク樽で、残るの3分の1を600リットルのアリエとスラヴォニアオークの新樽で最低18ヶ月行います。瓶内熟成は最低3ヶ月です。温かみがあり、滑らかでリッチな味わいで、フィニッシュに心地よい甘いアーモンドが感じられます。
試飲コメント:ガーネット色。バラなどの潰した花、凝縮果実、やや甘やかなアロマ。口当たりは驚くほどにまろやかです。ほどよく複雑で力強さを持つミディアムボディ。香りで感じた華やかで凝縮された果実のフレッシュな味わい。余韻にはチョコや干しブドウのようなニュアンスがあります。

レフォスコ100%!コスタセラやカンポフィオリンの陰に隠れた名品!
グランダレッラ 2016
グランダレッラ 2016


他のブドウと比べて若干遅く収穫されたレフォスコは、50日間棚の上に寝かされ、乾燥される。これにより約30%重量が減少し、凝縮感が得られる。発酵は40日間続き、ステンレスタンクにてマロラクティック発酵が始まる。アリエ産とスラヴォニア産のオーク樽にて24ヶ月熟成された後、最低4ヶ月熟成を行います。口に含んだ瞬間は、やわらかですが、そのうちドライへと変化します。余韻にも赤い果実の風味が残ります。
試飲コメント:深みのあるガーネット色。濃い凝縮果実、コーヒー、ドライフラワー、あとからオレンジピールのニュアンスがやってくる香り。味わいは、香り同様に濃厚で複雑ですが、重たさを感じることはなく、主張はなくとも芯のあるフレッシュな酸がワイン全体を支えています。非常にバランスに優れています。

マァジの看板商品!最上の畑で造る世界で最も有名で偉大なアマローネ
コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2016
コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2016


9月末から10月初旬に収穫されたブドウをNASA(ブドウ自然乾燥助長システム)のある特別な屋根裏部屋にて竹製ラックで1月下旬まで陰干し。ブドウの重量が35%減り、香りと糖度が増します。貴腐菌がつくのはコルヴィーナ種のみ。45日間のスラヴォニアオークの大樽もしくはステンレスタンクで自然低温発酵(14度)。30~40ヘクトリットルの樽に移し、アルコールに強い酵母を用いて、引き続き35日間アルコール発酵とマロラクティック発酵を行います。全体の80%をスラヴォニアオークの大樽(40~80ヘクトリットル)で20%をアリエとスラヴォニアオークの小樽(600リットル、40%新樽、30%2年樽、30%3年樽)で24ヶ月熟成。最低4ヶ月間の瓶内熟成。ヴェルヴェットのようなタンニンとアルコール分とのバランスを取るキリッとした酸が特徴です。包み込むような果実と甘いスパイスの余韻が長く続きます。
試飲コメント:縁がルビー色のガーネット色。非常に綺麗な外観。凝縮果実、コーヒー、チョコ、カカオのアロマが鼻腔をくすぐります。味わいは濃厚で甘やかなスパイシーを感じますが、タッチは繊細で非常にエレガント。充実感に満たされる余韻の長さがあります。

世界で最も有名なアマローネ「コスタセラ」をさらに熟成させた偉大なリゼルヴァ
コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ リゼルヴァ 2016
コスタセラ アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ リゼルヴァ 2016


9月末から10月初旬に収穫されたブドウをNASAが配備された特別な屋根裏部屋にて竹製ラックで2月中旬まで陰干し。ブドウの重量が40%減り、香りと糖度を増します。オゼレータ種を加えることで、タンニンと色をより強く出すことができます。その後、45日間スラヴォニアオークの大樽もしくはステンレスで自然低温発酵。30~40ヘクトリットルの樽に移し、35日間アルコール発酵、マロラクティック発酵を行います。その後、600リットルのスラヴォニアオーク樽とアリエ産オーク樽(新樽、2年樽、3年樽それぞれ3分の1ずつ)で38~40ヶ月間熟成させます。最低6ヶ月間瓶内熟成。余韻が大変長く、チョコレートのような後味が残ります。30~35年の熟成が可能なアマローネ リゼルヴァ。
試飲コメント:ルビー色とガーネット色が溶け合う深い赤色。コスタセラアマローネよりも、クリーンで繊細ですが複雑なアロマを感じます。少し時間が経つと香りがより広がっていき、様々な種類の凝縮果実、チョコレート、コーヒーなどのスパイス。味わいは全体的に黒系果実で、プルーンや干しブドウのニュアンス。やや赤系果実の要素も少し出てきます。リッチで優れた骨格がありながら、まろやかな口当たり。濃厚でエレガントに持続する長い余韻があります。
インタビューを終えて
ブドウを乾燥させる部屋「フルッタイオ」から始まった今回の突撃インタビュー。収穫されたばかりのブドウがずらーっと並んでいました。乾燥が進んだ時期のフルッタイオは、とてもいい香りが部屋に充満していると聞いて、早く現地に行きたいという思いが強まりました。

ワインに上品さや濃密さを与えるグリセリンが生成されるのは、60日間のアパッシメントを超えてからだそう。効率性を重視し、乾燥を早く促すために温風を当ててしまっては、そのグリセリンが生成されることはないそうです。伝統を重視してじっくりと乾燥させることで、今回試飲したワインのように濃密で上品な味わいに仕上げているのだと実感しました。

今回試飲して、特に驚きだったのはレフォスコ100%で造るグランダレッラです。カンポフィオリンやコスタセラ(リゼルヴァ)の陰に隠れ、あまりスポットライトに当たることはないですが素晴らしかったです! 濃厚で複雑な味わいですが、重たさを感じることはなく、芯のあるフレッシュな酸がワイン全体を支えていて優れたバランスがありました! とてもお勧めです!

熟練した伝統的アパッシメントで世界中から愛されるワインを生み出すアマローネの名門「マァジ」を、ぜひご堪能ください!

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