「カステッリーナ」「ラッダ」「マレンマ」の三つの銘醸地から個性豊かなキャンティクラシコとスーパートスカンを輩出する「ブランカイア」オンラインセミナー

2021/10/29
突撃インタビュー
 
2021年10月13日 バーバラ ウィドマーさん Ms. Barbara Widmer

「カステッリーナ」「ラッダ」「マレンマ」の三つの銘醸地から個性豊かなキャンティクラシコとスーパートスカンを輩出!創業40周年を迎え、時代と共に輝きを増す「ブランカイア」オンラインセミナー

バーバラさん
1981年創業の「ブランカイア」は、トスカーナの銘醸地の三箇所に拠点を置く家族経営のワイナリーです。エレガントで調和の取れた独自の個性を持つキャンティクラシコやスーパートスカンは、毎年のように高く評価され、エントリーワインである「トレ」は『ワインスペクテーター』で年間トップ100に輝いた実績を誇っています。今回、そんな「ブランカイア」が所有する「カステッリーナ」、「ラッダ」、「マレンマ」の土壌の違いや、今年で40周年を迎え、拡大を広げてきたワイナリーについてオーナーのバーバラさんにお話をしていただきました。

創業40周年!初代オーナーの夢をつなぐ家族経営ワイナリー
時代と共に拡大を広げて輝きを増す「ブランカイア」

創業早々に「キャンティクラシコ テイスティングコンテスト」で見事1位を獲得
ウィドマー一家1980年に初代オーナーのウィドマー夫妻がトスカーナ旅行中にブランカイアの丘に惹かれ、81年にカステッリーナ、ブランカイアの丘に土地を購入したことから「ブランカイア」の歴史が始まります。彼らは、その土地の特徴を反映した一流ワインをここで生産できるはずだと考え、ワイン造りに取り組みます。

そして創業早々、キャンティクラシコの1983ヴィンテージが、『ヴィノム』の「キャンティクラシコ テイスティングコンテスト」で見事1位を獲得し、その名を一気に世界に知らしめるのです。90年代に入ると、サンジョヴェーゼを知り尽くす名醸造家カルロ フェリーニ氏を迎え入れます。また、現オーナーのバーバラさんがブランカイアに参画し、ブランカイアはどんどん発展を遂げます。

イル ブルー94年には「イル ブルー」が『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエリを初めて獲得し、その後毎年のように受賞。98年にはマレンマに土地を取得し、後のワイナリーを代表するトップワイン「イラトライア」を輩出します。

「両親は、次世代にワイナリー事業を継承するという夢を叶えることができました」
オーナーのバーバラさんに、ここまで拡大を遂げた「ブランカイア」について説明していただきました。
「スイス人であり、今はスイスに住んでいる私の両親ブルーノとブリジットを抜きに、ブランカイアというワイナリーについて説明することはできません。彼らは、40年前に“トスカーナで休暇を過ごす別荘を持ちたい”という夢を掲げ、ブランカイアという農家を購入することで、その夢を叶えました。

バーバラさんその後、彼らは二つの新しい夢を持つことになります。一つは、世界的に高品質なワインを生産すること。もう一つは、ビジネスとして確立して家族でワイナリーを継続させることです。1981年に最初の畑を購入し、今やキャンティクラシコエリアの中心部に二つ(カステッリーナとラッダ)、マレンマにも畑を所有しています。そして、マーケットに関しては世界45か国にまで輸出網を広げています。こうして、私の両親は夢を叶えることができたんです」

40年の変遷

個性が際立つ「カステッリーナ」、「ラッダ」、「マレンマ」の異なる土壌!
エリアの強みを見事に引き立たせバラエティに富んだワインを生産

ブランカイア地図

「ブランカイアは、エレガントで調和の取れた独自の個性を持つワインを望んでいます。それぞれ多様性を持つ三つのエリアの強みを引き出し、完全に熟したブドウを収穫することを優先しています。そうすることで、独自の個性が生まれるんです。すべてはテロワールのなせる業です。カステッリーナは豊かな果実味とコク、ラッダはエレガントさ、マレンマはやわらかいタンニンを引き出します。

ワイン

キャンティクラシコはラッダとカステッリーナのブドウがブレンドされているワインです。異なる個性が見事に融合し、優雅さが引き出されています。一方で、ナンバー2という新しいワイン(カベルネソーヴィニヨン100%)は、マレンマの土壌のブドウのみで造られていて、素晴らしい柔らかさを持ったワインとなっています。世界中のワイナリーと同じように、ブランカイアの個性は土地に大きく由来しているのです。それぞれアイデンティティを持った私たちのワインを探していただけると嬉しいです」

ブランカイア土壌
 

2019年にEUのオーガニック認証「ユーロリーフ」を取得し、持続可能性を追求

「私たちのワイナリーは、サスティナビリティの観点を重要視しています。ブドウ管理はもちろんCO2の排出量チェックなど、畑を360度見渡して持続可能な観点から様々なことに取り組んでいます」とバーバラさんは話します。

畑

有機栽培
ブランカイアは除草剤や殺虫剤を使用することはありません。2019年よりEUのオーガニック認証「ユーロリーフ」を取得しています。ユーロリーフとは、EUの有機農法規定に従って生産された農産物であることを認証する機関です。

CO2排出量のチェック
2014年から外部機関によるCO2の排出量チェックを定期的に行っています。畑からの収穫、醸造、瓶詰め、包装、すべての生産ステップで調査を行っています。その成果により、大幅なCO2削減が行われています。

ボトルの軽量化
2010年に、外観を損なうことなく全てのワインのボトルの重量を15~20%削減することに成功しました。それにより大幅なCO2削減に貢献しています。

段ボールの品質改善
ブランカイアが使用する段ボール箱は、FSC認証(森林管理協議会)の段ボールのみで作られています。持続可能な方法で管理された森林または植林地からのみ供給された原材料を使用しています。

その他にも、畑の緑化や太陽光パネルなど多くのことを実践しています。

ベイビースーパートスカン「トレ」!
ラッダ、カステッリーナ、マレンマのブドウをブレンドした抜群のバランス!
ブランカイア
トレ 2018
トレ 2018


バーバラさんは「トレ」についてこう話します。
「我々ブランカイアのエントリーワインです。ラッダ、カステッリーナ、そしてマレンマの3つのワイナリーのサンジョヴェーゼ、メルロー、カベルネソーヴィニョンの3品種をブレンドしたベイビースーパートスカン“トレ”です。いつでも、どのタイミングでも飲めるオールラウンドなワインです」

それぞれの畑の個性を融合させたバランス抜群の美味しさで世界中で愛されているワイン。「トレ」とはイタリア語で「3」の意味。所有する3つのエリア(カステッリーナ、ラッダ、マレンマ)の3箇所の畑から、サンジョヴェーゼ、カベルネソーヴィニョン、メルローの3品種を使って造られています。しっかりとした果実の香りが華やかで、その印象のままに力強い果実味と心地よい凝縮感がバランスよく広がっていきます。どこをとっても美味しく感じる完成度の高い赤ワインです。2018ヴィンテージは、『アントニオガッローニ』で91点、『ジェームズサックリング』で90点を獲得しています。

試飲コメント:ルビー色。新鮮な赤い果実と花が香るクリーンなアロマ。熟した果実の香りも感じます。口当たりは柔らかく、フレッシュな酸味と赤い果実が広がるバランスに優れた味わいです。

『ジェームズサックリング』91点!
スーパートスカン「イラトライア」の弟分「ナンバー2」!
柔らかさが際立つカベルネソーヴィニヨン100%
ブランカイア
ナンバー2 2018
ナンバー2 2018


「ナンバー2は、カベルネソーヴィニヨン100%で造られるマレンマトスカーナIGTです。素晴らしいボディとソフトなタンニンが特徴のワインです。マレンマはやわらかいタンニンを引き出すので、その典型的な特色が表現されています。素晴らしい酸味を持っているので、いろいろな料理と合わせることができますよ」とバーバラさん。

トスカーナ沿岸部の典型的な美しい青系果実のフレーバーと、非常に滑らかなタンニンが際立っています。バニラ、レッドベリー、ブルーベリー、甘いブラックチェリーといくつかのスグリのフレッシュさがミックスされたクリーミーでソフトな味わい。余韻が長く、上品でとても飲みやすいカベルネソーヴィニヨンです。サラミやチーズ、パスタ、鶏肉、グリル肉に最適です。

試飲コメント:ルビーレッド。デリケートでありながら存在感のある熟成果実の香り。美しい酸が口中を覆い、ソフトな舌触りとなめらかなタンニンを感じるエレガントな味わいです。とても親近感のある飲み心地で、黒系、青系果実の余韻が続きます。

『ワインアドヴォケイト』94点!
二つのコムーネの最高サンジョヴェーゼを使用したリゼルヴァ!
ピュアな果実味に満ちた厚みのある味わい
ブランカイア
キャンティ クラシコ リゼルヴァ 2016
キャンティ クラシコ リゼルヴァ 2016


「二つのキャンティクラシコエリア、ラッダとカステッリーナの最高のブドウを使って造られるキャンティクラシコ リゼルヴァです。ミドルからフルボディで、優雅さやフィネスを感じます。チェリーやスパイス、チョコのアロマが調和していることも特徴の一つです。赤ワインですが、どんな料理にも合わせることができるんです。肉のグリル、ロースト、シチュー、魚のグリル、リゾット、あらゆる料理とコンビネーションが良いです」とバーバラさんに説明していただきました。

キャンティクラシコの2つの銘醸地、ラッダとカステッリーナの自社畑のサンジョヴェーゼとメルローで造るブランカイアのキャンティ クラシコ リゼルヴァ。豊かな果実味とコクを与えるカステッリーナ、エレガントさを産むラッダの二つのコムーネから生まれたブドウをブレンドして造られています。サンジョヴェーゼのピュアな果実味に満ちた厚みのある味わいをお楽しみ頂けます!2016ヴィンテージは、『ワインアドヴォケイト』94点、『アントニオガッローニ』93点、『ジェームズサックリング』92点、『ワインスペクテーター』91点など、多くの評価誌から高得点を叩き出しています!

試飲コメント:凝縮された豊かな果実の香り。チョコ、ココア、レザーなどのスパイス、あとからわずかにミネラルのニュアンス。ジューシーで細やかなタンニンがあり心地よい舌触り。バランスに優れたフルーティな味わいで、凝縮した果実味の余韻が長く続きます。
インタビューを終えて
創業40周年を迎えた「ブランカイア」。真のスーパートスカンとの呼び声高い「イル ブルー」2018ヴィンテージも30周年を迎えています。それを記念して2018ヴィンテージは特別ラベルが施されています。このイル ブルーは現在入荷待ちの状態で、来年1月に入荷予定となっておりますので、もうしばらくお待ちください…!

ブランカイアと言えば、他と一線を画すラベルデザインも特徴の一つです。「これはチューリッヒの広告代理店のオーナーだった初代オーナー、ブルーノ氏がアートディレクターと一緒に作ったもので、当時はショックを受けるほどインパクトのあるデザインでした」と現オーナーのバーバラさんは振り返ります。今や「ブランカイアといえばこのラベル」と、自他ともに認めるラベルデザインとなっています。

今回試飲したブランカイアのワインは、3本ともジューシーで細やかなタンニンがあり非常に心地よい味わいでした。特にキャンティクラシコ リゼルヴァは印象に残っています。クリーンで落ち着きがありながらも凝縮系果実がぐっと口の中で広がり、スパイス、わずかなミネラルなど複雑な風味の余韻が長く続きました。新シリーズ「ナンバー2」も、これでもかというほどソフトな飲み口、と同時に味わい深さのあるカベルネソーヴィニヨン100%でとても驚きました。

スイスからイタリアへ渡り、トスカーナの旅行中に惹かれたというキャンティの地で挑戦を続けてきた「ブランカイア」。今年で40周年を迎え、オーガニック生産者へと変貌を遂げています。また、現在ビオディナミにも取り組んでいるそうで、今後の動向も楽しみです。そんなブランカイアのワインをぜひお楽しみください。

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