2026/09/02
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ブルーノ ブトラゲーニョ氏 Mr. Bruno Butragueno
高標高が生む長熟白ポミーノ、高評価を獲得し続けるブルネッロの先駆者カステルジョコンド、理想のキャンティ クラシコを実現したペラーノ!進化し続ける名門フレスコバルディ突撃インタビュー

現在トスカーナ内に9つの全く異なるエステートを所有し、幅広くワイン造りを手掛けるフレスコバルディ。彼らの卓越した技術力と情熱が生み出すワインは、トスカーナ各地の個性を反映した多様な魅力に溢れ、世界的な評価を獲得しています。
今回は彼らが誇るラインナップの中から、DOCの先駆けともなった歴史的銘醸地「ポミーノ」の長熟白ワイン、高評価を獲得し続けるブルネッロの先駆者「カステルジョコンド」、そして理想のキャンティ クラシコを実現させた「テヌータ ペラーノ」という、注目の3つのカンティーナをたっぷりとご紹介します!
さらに、これらの圧倒的なクオリティを根底で支える「品質至上主義」と「現場主義」の哲学、そして700年続く名門ならではの合理的な経営戦略についてもお話を伺いました。ぜひ最後までご覧ください。
- 世界初の原産地呼称のひとつ!標高710mの冷涼な気候で造られるシャルドネ「カステッロ ポミーノ」
- 『ビベンダ』2026年間ベスト10に選出!ブルネッロの先駆者「カステルジョコンド」
- 円形劇場型の畑が織りなす理想的なキャンティ クラシコ「テヌータ ペラーノ」
- 「畑のポテンシャル」重視の買収戦略と「現場主義」の醸造責任者
- 700年続く名門ワイナリーだからこそ実践する、永続のための合理的な経営システムと未来への挑戦
世界初の原産地呼称のひとつ!標高710mの冷涼な気候で造られるシャルドネ「カステッロ ポミーノ」
ポミーノは、1716年にトスカーナ大公コジモ3世がキャンティ、カルミニャーノ、ヴァルダルノ ディ ソープラと共に定めた歴史ある4大銘醸地の一つで、現在のDOCの先駆けともなりました。標高600〜700mというトスカーナの中で最も標高の高い冷涼エリアであり、昼夜の激しい寒暖差がブドウに美しい酸と素晴らしいアロマをもたらします。1800年代半ばにフレスコバルディ家がブルゴーニュからシャルドネとピノ ネロをトスカーナでいち早く持ち込んだ特別な地でもあります。

この「カステッロ ポミーノ」が有する13haの畑の中で、標高710mに位置する7haの区画から生み出されるトップキュヴェが「ベネフィッツィオ」です。洋梨やパイナップル、オレンジの花などが混ざり合う複雑なブーケと見事な骨格、そして透明感のあるフレッシュなミネラル感を持ち合わせています。
ブルーノ氏は来日中、上品に仕立てた「銀だらの照り焼き」とのペアリングを体験し、「ワインのフレッシュさが魚の脂分と見事に調和していました」と紹介してくれました。和食とも素晴らしい親和性を発揮するエレガントな一本です。
さらに注目すべきは、その驚異的な長期熟成ポテンシャルです。過去に実施された1993年、2014年、2023年の垂直試飲では、30年以上を経た1993年ヴィンテージでさえフレッシュさが失われることなく、熟成によるバターのような柔らかい丸みと香ばしい複雑味を呈した見事な状態だったとのこと。フレスコバルディがトスカーナに根付かせたシャルドネの素晴らしさを、ぜひ体感していただきたい逸品です。
『ビベンダ』2026年間ベスト10に選出!ブルネッロの先駆者「カステルジョコンド」
フレスコバルディ社は19世紀初頭からブルネッロ ディ モンタルチーノを手がけてきた先駆者であり、戦後に低迷していた同地区の世界的な名声を復活させた立役者の一つでもあります。1100年頃の要塞を起源とする歴史ある土地で、南西向きの恵まれた畑と粘土、砂、シストの3種からなる水はけの良い土壌から、力強さと気品を兼ね備えたサンジョヴェーゼが生み出されます。

この地のサンジョヴェーゼの魅力を極限まで引き出した彼らの「カステルジョコンド ブルネッロ ディ モンタルチーノ」2020年ヴィンテージは、評価誌『ビベンダ』において、約27,500種類の中から選ばれる「2026年間ベスト10」に見事選出されました!実際に試飲してみると、絹のように滑らかなタンニンと複雑な味わいが印象的で、口中でゆっくりと広がり長い余韻へと続いていく非常に完成度の高い、素晴らしい仕上がりでした。
カステルジョコンドは、果実味豊かで今すぐ開けても親しみやすい「カンポ アイ サッシ」から、偉大なヴィンテージにのみ生産される単一畑リゼルヴァ「リペ アル コンヴェント」まで、シチュエーションに合わせて選べるラインナップが揃います。特に単一畑リゼルヴァ「リペ アル コンヴェント」は、グラスに注いだ瞬間から華やかで複雑なアロマが立ち上り、柔らかいタンニンと驚くほど長い余韻が楽しめます。年間生産はわずか1万本程度、ブルネッロがお好きな方にぜひ飲んでいただきたい最高峰のクリュワインです。
円形劇場型の畑が織りなす理想的なキャンティ クラシコ「テヌータ ペラーノ」
テヌータ ペラーノは購入当時、世間的には無名だったものの、畑自体は完璧なまでに手入れが行き届いた隠れた優良地でした。フレスコバルディはその潜在能力を見抜き、取得後に土を掘り起こしてブドウの植え替えを行い、醸造設備も全面的に刷新するなどワイン造りを一から見直しました。
標高400〜500mの傾斜地ならではの素晴らしい水はけと風通しという恵まれた環境を最大限に活かした結果、ワインは豊かな果実味とビロードのような滑らかさを備えたモダンでフルーティなスタイルへと進化を遂げ、サンジョヴェーゼの魅力をより鮮明に映し出すようになりました。

今回試飲したグラン セレツィオーネ「リアルツィ」は、他より標高の高い650mの南西向きに位置する単一畑のサンジョヴェーゼから造られています。サワーチェリーのようなフルーティーな香りにスパイスのような洗練されたアロマが重なる、見事な表現力が印象的な一本です。『ワイン スペクテーター』で95ポイントを獲得するなど、世界中のワイン愛好家から高い評価を集めています。
「畑のポテンシャル」重視の買収戦略と「現場主義」の醸造責任者
例えば2021年に取得した「テヌータ カリマイア」では、剪定から醸造、樽に至るまで全工程を刷新。同じ年のブドウでありながら、前オーナーの最終ヴィンテージとは見違えるほど、テロワールを鮮やかに反映したワインへと進化させました。自分たちの技術と哲学を注ぎ込み、土地のポテンシャルを100%開花させるこの取り組みこそ、彼らの真骨頂です。
さらにトップキュヴェでは小区画ごとにデータをトラッキングし、翌年の醸造へ活用。テロワールの価値を余すことなく引き出しています。
そして、この妥協のないワイン造りを現場で支えるのが、醸造責任者のニコロ ダフィリット氏です。彼は60代後半を迎えた今も「月曜日は南、火曜日は北」と自ら車を走らせてトスカーナの全エステートを巡回。現地のチームとテイスティングや醸造指導を行う現場主義を徹底し、実際に目で見ることで高いクオリティを担保しています。

今回来日したブルーノ氏は、入社初日にダフィリット氏自らの運転で何時間もエステートを巡ったことが今でも強く印象に残っているそうです。その超人的な働きぶりは「ワーカホリック」ならぬ「ワーク アルコホリック(お酒と一緒に働く中毒者)」と冗談めかして語られるほど。彼の情熱と存在そのものがフレスコバルディの品質哲学を体現しています。
700年続く名門ワイナリーだからこそ実践する、永続のための合理的な経営システムと未来への挑戦

フレスコバルディ家が建設したサンタトリニタ橋とサントスピリト大聖堂を臨むフィレンツェの街並み
現場への惜しみない投資や革新的なワイン造りを可能にしているのが、彼らの強固な組織体制です。フレスコバルディの一族としての歴史は実に1000年を超え、中世フィレンツェの繁栄期には銀行家として影響力を広げ、イギリス王室の財務官を務めるほどの力を持っていました。さらにルネッサンス期にはサンタ トリニタ橋やサント スピリト大聖堂の建設を後援するなど、トスカーナの経済的、文化的な発展に大きく貢献してきました。

30代目当主 ランベルト フレスコバルディ氏
ワイン造りにおいても14世紀から700年以上もの歴史を誇り、現在は30代目当主ランベルト フレスコバルディ氏を中心に33代目までがワイン造りに参画しています。しかし、彼らが長きにわたり発展を続けてきた真の強みは、歴史の重みそのものではなく、企業としての永続性を追求する「極めて合理的な経営システム」にあります。
フレスコバルディは企業としての永続性を求める観点から、経営の中核に参画する一族の人数を限定し、ビジネス戦略や財務といった専門分野には外部からプロフェッショナルのCEOを招聘しています。歴史の長さにあぐらをかくことなく、時代の変化に合わせて柔軟に外部の知見を取り入れるこの構造が、すべてのブランドラインで高い品質を維持し続けるための強力な経営基盤となっています。
この強固な基盤があるからこそ、700年の伝統に甘んじることなく、自ら現場へ足を運び、データに基づいた革新を重ねて進化し続けることができるのです。
現在トスカーナで9つのカンティーナを経営する彼らですが、その挑戦はトスカーナに留まりません。アメリカ オレゴン州の「ドメーヌ ロワ エ フィス」の購入や、シチリア島エトナの「テッレ ネーレ」の取得(2028年予定)など、世界へと広がり続けています。
一貫した経営理念と卓越した技術、ワインへの情熱から生まれる一本一本のクオリティはもちろんのこと、トスカーナから世界へと広がる彼らの新たな挑戦が、今後私達にどのような素晴らしいワイン体験を届けてくれるのか、期待は高まるばかりです。
世界初の原産地呼称のひとつ!高い標高の冷涼な気候で造られる上品な白 |
ポミーノ ビアンコ 2024 |
| シャルドネとピノ ビアンコで造るポミーノ ビアンコです。ポミーノは、1716年にトスカーナ大公コジモ3世がキャンティ、カルミニャーノ、ヴァルダルノ ディ ソープラと共に定めた歴史ある4大銘醸地のひとつです。標高600~700mというトスカーナの中で最も標高の高い冷涼エリアであり、昼夜の激しい寒暖差がブドウに美しい酸と素晴らしいアロマをもたらします。 |
| 試飲コメント:フレッシュで柑橘系果実や白い花のアロマ。飲むと綺麗な酸とミネラルが柔らかな果実味に溶け込んだバランスの取れた味わい。少し苦みのある上品な余韻も心地いい。 |
標高710mのシャルドネ100%で造るトップキュヴェ!上品さと力強さを兼ね備えた長熟ポテンシャルを持つ白 |
ポミーノ ベネフィッツィオ リゼルヴァ 2023 |
| 標高710mに位置する7haの区画のシャルドネから造るトップキュヴェ「ポミーノ ビアンコ リゼルヴァ ベネフィツィオ」です。洋梨やパイナップル、オレンジの花などが混ざり合う複雑なブーケと見事な骨格、そして透明感のあるフレッシュなミネラル感を持ち合わせています。
昨年、1993年、2014年、2023年の垂直試飲を行ったのですが、まるみと複雑味が増した、素晴らしい熟成を見せていました。非常に長期熟成ポテンシャルのある白ワインです。 |
| 試飲コメント:熟した果実や上品な花のアロマがグラスから広がります。樽由来の程よい甘みと存在感のある酸が見事に調和した、上品さと力強さを兼ね備えた味わい。 |
チャーミングな果実味、今すぐ開けて楽しめる親しみやすい味わいが魅力のロッソ ディ モンタルチーノ |
カンポ アイ サッシ ロッソ ディ モンタルチーノ 2024 |
| カステルジョコンドのロッソ ディ モンタルチーノ「カンポ アイ サッシ」です。樽の使用は控えめにして、飲み心地の良いスタイルに仕上げています。果実味豊かで今すぐ開けても親しみやすい味わいが魅力です。 |
| 試飲コメント:チャーミングで若々しい果実の香り。程よい酸を感じるフレッシュな味わいで、重たさを全く感じないスムーズな飲み心地で料理に合わせやすいスタイル。 |
モンタルチーノの歴史あるテロワールから生まれるカステルジョコンドのフラッグシップ ブルネッロ |
カステルジョコンド ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2020 |
| 「カステルジョコンド ブルネッロ ディ モンタルチーノ」です。この2020年ヴィンテージは、イタリアソムリエ財団のワインガイド『ビベンダ』において、約27,500種類の中から選ばれる「2026年間ベスト10」に選出されています。 |
| 試飲コメント:凝縮した果実に花やスパイシーなニュアンスのアロマ。厚みと濃密さを感じるなめらかな口当たり。タンニンはエレガントでまろやかな味わいながらしっかりとした力強さのあるフルボディ。 |
カステルジョコンドの最高峰クリュブルネッロ!偉大なヴィンテージだけ造られる圧巻の味わい |
カステルジョコンド ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ ヴィーニャ リペ アル コンヴェント 2018 |
| 偉大なヴィンテージにのみ生産される単一畑ブルネッロ リゼルヴァ「リペ アル コンヴェント」です。グラスに注いだ瞬間から華やかで複雑なアロマが立ち上り、柔らかいタンニンと驚くほど長い余韻が楽しめます。年間生産はわずか1万本程度、ブルネッロがお好きな方にぜひ飲んでいただきたい最高峰のクリュワインです。 |
| 試飲コメント:ブラックベリーにドライフラワー、スパイスやミネラルを感じる複雑なアロマ。完熟果実の濃厚な味わいに甘くこなれたタンニンが溶け込んだなめらかな味わい。凝縮感にあふれた力強さを持ちながらも全く飲み疲れさせないバランスの良さに圧倒される。 |
標高650mの単一畑サンジョヴェーゼで造るグランセレツィオーネ |
キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ リアルツィ 2020 |
| 「キャンティ クラシコ グラン セレツィオーネ リアルツィ」です。他より標高の高い650mの南西向きに位置する単一畑のサンジョヴェーゼから造られています。サワーチェリーのようなフルーティーな香りにスパイスのような洗練されたアロマが重なる、見事な表現力が印象的な一本です。『ワイン スペクテーター』で95ポイントを獲得するなど、世界中のワイン愛好家から高い評価を集めています。 |
| 試飲コメント:凝縮した濃厚な果実味をガツンと感じる、リッチでモダンなスタイル。まろやかなタンニンと上品な酸とともに素晴らしいハーモニーを感じさせる。 |
インタビューを終えて
そして最後に、フレスコバルディの近代化を進め、カステルジョコンド、ルーチェなどで世界的な知名度を飛躍的に高めるなど多大な功績を残したのが、今年の8月に97歳で亡くなった前当主のヴィットリオ フレスコバルディ氏です。今回インタビューで来日されたブルーノ氏は、こう語っていました。
「ヴィットリオ氏が亡くなったのは悲しいですが、同時に私達は彼に対する誇りを改めて感じています。ヴィットリオ氏が成し遂げてきたことを社員一人一人が受け継ぎ、発展させていくことが我々の使命です」
偉大なヴィットリオ氏の遺志は、次の世代へと着実に受け継がれています。トスカーナ各地のテロワールの個性が見事に表現され、たゆまぬ情熱で進化を続けるフレスコバルディのワインを、いつもの食卓や特別な日を彩る1本として、ぜひお楽しみください。










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