イタリアワインの女王の名を誇る ピエモンテの二大生産地 「バルバレスコ」その特徴とおすすめ10選

2024/02/21

霧に包まれるバルバレスコ村
アルプス山脈を国境境に、山岳地帯に広がっているのがピエモンテ州です。ピエモンテ州(山の麓)の意味で、名の通り州の45%が山岳地帯で占められております。かつてこの地を支配していたサヴォイア王家がフランス・サヴォア地方の出身なこともあり、イタリアの中でも一番フランスの文化や慣習が色濃く影響を受けており、食文化やワイン造りに関しても同様です。

バルバレスコはもともと複数の畑のブドウををブレンドしてつくっていましたが、単一畑での生産もすぐに受け入れられ文化として根付きました。伝統を重んじながらも導かれるように革新を続けていくバルバレスコ。そのワインからは、目には見えないうちに秘めた力を感じさせてくれます。

バルバレスコとは。世界遺産の村で造られる伝統を紡ぐ銘醸ワイン

バルバレスコ村を含む、ピエモンテのブドウ畑の景観は2014年に世界遺産に認定されました。DOCGに認定されたのは1981年ですが、それ以前から変わらずに守られてきたこの土地には伝統と格式が詰まっています。ネッビオーロのみを使用して、クオーネ県バルバレスコ村、ネイヴェ村、トレイーゾ村から造れらます。最低26カ月の熟成期間(リゼルヴァは倍の50カ月以上)が設けられていて、内9カ月は木樽熟成が必須です。

バルバレスコでは2008年からMGA(追加地理的言及)が認められ、サブエリアとして畑名の表記も可能になりました。

ピエモンテを有名にした品種 ネッビオーロの特性

ネッビオーロ

イタリア随一の高貴な品種として栽培されているバルバレスコの使用品種です。非常に晩熟なタイプで、ピエモンテの霧がかかる季節である10月~11月にならないと熟さないためにネッビア(霧)から名前がつけられた由来説がとても有名です。ネッビオーロにはいくつかクローンが存在してますが、重要視されているのが生産量が多く栽培しやすい「ランピア」種と、生産量は少ないが品質の高い「ミケ」種です。

早い萌芽と遅い成熟による生育期間の長さや、密集した実の付き方をするためカビや湿気にも弱いので、栽培が難しく適合する産地が少ないのもバルバレスコの希少性を高めている要因の一つです。

色は薄く酸素に触れると褐色になりやすい特性をもちます。強いタンニンと酸は長期熟成を可能にし、上品でしなやかな素晴らしいワインになります。一昔前は、すぐに美味しいワインになるドルチェットのほうが、ネッビオーロより高い値段で取引されていた話は有名です。近年は、気候の変化や栽培醸造技術の向上もあり親しみやすさをもつタイプのものも増えてきました。

バルバレスコDOCGの3つの村

バルバレスコが生産出来るのは、バルバレスコ村を中心に北東にネイヴェ村、南西に下るとトレイーゾ村の3つのみ生産可能です。元々は2つの村だけでしたが、1957年にバルバレスコ村からトレイーゾが分離されて現在に至ります。バルバレスコは比較的肥沃な土壌のため、ネッビオーロのタンニンもやや柔和になるのと、タナロ川による影響も大きいです。大きな水が近くにあることで、温暖な朝や夜には冷風となりブドウの成熟を助けます。

バルバレスコ村は最も多く偉大な畑を有していて、エレガントで複雑味も兼ね備えたバランスのよいワインになります。

ネイヴェ村は最もたくましく、堅牢なバルバレスコを生産します。ミネラル感が強く長期熟成に向いています。

トレイーゾ村は最もエレガントで繊細なバルバレスコを生み出します。他の村よりもやや標高が高いため、以前は成熟させるのが難しかったが、温暖化の影響が良い影響となって反映されています。

バルバレスコの変革 不遇の過去から照らされた今まで

バルバレスコは昔、バローロのブレンド用として生産されていました。バルバレスコの持つフレッシュなエレガントさが、強靭なバローロのタンニンをまろやかにする為です。1894年、バルバレスコの名声を高めるために、アルバ王立ワイン学校のディレクターを努めていたドミツィオ・カヴァッツァが9の栽培農家と協同組合を設立した事からバルバレスコは大きく変わっていきますが、第一次世界大戦やフィロキセラの襲来など様々な困難が続きました。

アンジェロ・ガヤによる功績も非常に大きく、ブレンドしていた畑をそれぞれ単一畑でのボトリングやバリックの導入など既存にはなかった新しいスタイルを次々導入することで、バルバレスコの市場価値の躍進に繋がりました。現代では、時代の風潮も合わせてそのエレガントなネッビオーロの評価が非常に上がって再度注目されているエリアです。

バルバレスコに合う料理

バルバレスコはそのきめ細やかさとフレッシュで、柔らかな印象のあるワインですので、そこまで重たいお料理よりは繊細さ、旨味のあるものとの相性が良いと思います。霜降りよりも赤身肉、牛やラム、鹿など鉄分感を感じれる食材で、タンニンが柔らかいので焼きよりも煮込みをお勧めします。モツなど内臓系の味噌煮込みなどはご家庭で合わせるお料理として驚くほど合うので、是非お試しください!
牛肉の煮込み

バルバレスコの頂点!イタリアワインの帝王ガヤがつくる「真のバルバレスコ」

ガヤ

バルバレスコ

バルバレスコ

30年以上の熟成ポテンシャルを持つ「バルバレスコの頂点」というべき帝王アンジェロガヤのバルバレスコです。14もの畑のネッビオーロを緻密にブレンド。「バルバレスコとはバルバレスコそのものを表現するものでなければならない」とこだわりを持ち、単一畑のクリュバルバレスコをランゲDOCとして販売していた時期がありました。現在ガヤのバルバレスコは4種類ありますが、ガヤのバルバレスコを名乗り続けてきたのは、このバルバレスコです。

巨匠「ブルーノ ジャコーザ」が2018年唯一造ったバルバレスコ!

ファッレット ディ ブルーノ ジャコーザ

バルバレスコ

バルバレスコ

アンジェロ ガヤと並び称されるバルバレスコの名手「ブルーノ ジャコーザ」のバルバレスコです。2018年はクリュの生産が行われず、生産されたバルバレスコはこの1種類のみで、クリュ指定のない1haという小区画で造られています。ジャコーザのクラシカルなバルバレスコは、バランスに優れた逸品です。

ピエモンテ随一の協同組合「プロデュットーリ デル バルバレスコ」のスタンダードバルバレスコ

プロデュットーリ デル バルバレスコ

バルバレスコ

バルバレスコ

生産量を厳しく制限するなど厳しい規定を設ける協同組合として有名なプロデュットーリ デル バルバレスコのバルバレスコです。ヴィンテージの良し悪しに関わらず、常に指標となるような安定した品質を誇るバルバレスコ。潜在能力の高さもお墨付きで、熟成にもかなりの期待が持てます。

ランゲに根づいた造り手フラテッリジャコーザの抜群のコストパフォーマンス誇る「バルバレスコ」

フラテッリジャコーザ

バルバレスコ

バルバレスコ

1世紀以上に渡り伝統を守り続けるジャコーザ家。伝統を守りながらも品質向上のための最新技術を柔軟に取り入れ、バランスのとれた美味しさを追求しています。滑らかな口当たりと程良いタンニンが魅力のコストパフォーマンスに優れたバルバレスコです。

驚きのコストパフォーマンス!近年注目を浴びるボジオの「ベルコッレ バルバレスコ」

ボジオ

ベルコッレ バルバレスコ

ベルコッレ バルバレスコ

若き当主、ルカ ボジオによってピエモンテに設立されたボジオ・ファミリーエステート。評論家が海外から訪れるなど注目の生産者です。フレンチオーク樽で36ヶ月熟成。ワインの女王に相応しいエレガントで気品あふれるバルバレスコです。

ラ カノーヴァが伝統的な手法で造るピュアなバルバレスコ

ラ カノーヴァ

バルバレスコ

バルバレスコ

バルバレスコ村で30年前から何も変わらない醸造方法を実践する、今では珍しい造り手「カノーヴァ」。“ネッビオーロの果実味を生かすには昔ながらの大樽熟成がベスト”と考えます。バルバレスコの土地の香りを感じさせくれる数少ない造り手。ピュアな果実味と調和のとれたスムーズな飲み心地です。

「造り手の個性ではなくテロワールの個性を優先」するソッティマーノが特別な畑「クッラ」からつくるバルバレスコ

ソッティマーノ

バルバレスコ クッラ

バルバレスコ クッラ

テロワールの個性を優先する「ソッティマーノ」は、4つのクリュからバルバレスコをつくっています。中でも「クッラ」は、最も樹齢が高く、彼らにとって特別な畑です。他クリュより1年長い熟成を行います。新樽の使い方に注意を払い、熟成にはバリックを用います。すべての要素が偉大な力強さを持った、飲みごたえのあるバルバレスコです。

100年以上バルバレスコに根付くモッカガッタのクリュバルバレスコ「ブリックバリン」

モッカガッタ

バルバレスコ ブリック バリン

バルバレスコ ブリック バリン

バルバレスコに根付くモッカガッタは、名だたる畑を所有。近代設備を用いた醸造と丁寧な畑仕事のバランスによって高品質なワインをつくっています。「ブリックバリン」は、ワイナリーに隣接した畑でモッカガッタを代表するクリュのひとつです。1957年に植樹したネッビオーロもあります。洗練されたスタイルですが、重厚ながらも温かみを感じる豊かな果実味が魅力的です。

「ブルーノ ロッカ」が所有するクリュ「ラバヤ」の最上区画のブドウで造るバルバレスコ!

ラバヤ ディ ブルーノ ロッカ

バルバレスコ ラバヤ

バルバレスコ ラバヤ

バルバレスコを代表する実力派ブルーノ ロッカが、最上区画畑からつくる「ラバヤ」です。法改定によりラバヤを名乗れる畑は広がりましたが、ブルーノ ロッカのラバヤはオリジナルの区画。ワインに骨格を与える土壌を持ち、風通しも良いので健全なブドウが育ちます。バリックの酸素供給能力のみを巧みに使い、厚み骨格はありながら、滑らかなタンニンと酸との調和を生みだしてます。

名門ラ スピネッタの標高の高い、最小区画で仕立てるクリュバルバレスコ「ヴァレイラーノ」

ラ スピネッタ

バルバレスコ ヴィニェート ヴァレイラーノ

バルバレスコ ヴィニェート ヴァレイラーノ

サイノマークが有名なスピネッタ。徹底した畑仕事とロータリーファーメンターやバリックを使うモダンな醸造を行います。トレイーゾ村に所有する「ヴァレイラーノ」は、スピネッタの持つ3つのクリュ バルバレスコのうち最も標高が高く、最も小さい畑です。厳格でありながらしなやかさを持ち優美です。