2025/03/18
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宮嶋勲氏
素朴な魅力にあふれ、造り手と土地の多様性に寄り添うイタリアワインの象徴!ワインジャーナリスト宮嶋勲氏が解説する「サンジョヴェーゼ」セミナー

イタリアを代表する土着品種サンジョヴェーゼの本質
サンジョヴェーゼは、赤系果実やチェリー、スミレのフローラルなニュアンスを持つ、基本的にはエレガントなワインができる品種です。ただ、ネッビオーロほどエレガントではなく、どこか素朴で田舎を感じさせてくれる温かみがあります。いわば、肉じゃがや豚汁のような存在です。
トスカーナには、農民的な匂いとでも言うべき包容力があって、実際にモンタルチーノのワイナリーを訪問すると、温かい親子4人が迎え入れてくれます。なぜか「4人」が多いんですよね(笑)。いかにもイタリア人らしいギャグを飛ばしてきて、それが不思議と心をほぐしてくれます。現地の料理も、煮込んだり焼いたりした素朴なものが多いですが、毎日食べたくなるような美味しさです。
たとえ高級なサンジョヴェーゼであっても、そんな素朴な料理にすっと寄り添ってくれます。エレガントでありながら気取らないんです。その温かさとフードフレンドリーな個性こそが、サンジョヴェーゼの最大の魅力だと思います。疲れた日のサンジョヴェーゼは癒されますね。
モンタルチーノ
多様なスタイルに寄り添いながら存在感を放つ
基本的に単一で造られることの多いネッビオーロとは異なり、サンジョヴェーゼはブレンドにも寛容です。比率は50%でも、80%でも、もちろん100%でも成り立ちます。ブレンド相手も、カナイオーロやマルヴァジア ネーラといった土着品種から、メルローなどの国際品種まで、幅広く受け入れます。
それでいて、品種の個性は決して消えません。国際品種と半々で造られるようなスーパータスカンでも、しっかりとサンジョヴェーゼらしさが感じられます。どんなスタイルでも、どんなブレンド比率でも、その存在感が残ることは非常に特筆すべきだと思います。
「ブルネッロがサンジョヴェーゼ グロッソ」は大きな間違い
ブルネッロ ディ モンタルチーノに使われるサンジョヴェーゼが、「サンジョヴェーゼ グロッソのみ」という認識は大きな間違いです。濃厚さが求められた1980~90年代は、色が出にくいグロッソ系のクローンが敬遠されてきた背景があり、実際にはさまざまなクローンが併用されています。生産規則にも「サンジョヴェーゼ」とあるだけで、特定のクローンは義務づけられていません。モンタルチーノの生産者たちもみんな、そう話しています。
言い換えれば、今回試飲するキャンティ クラシコ「セルヴァネッラ」をはじめ、キャンティ クラシコ地区でも多くのグロッソが植えられているということです。ワインはさまざまなクローンが相互補完しながら成り立っています。レシピを仕上げるように、サンジョヴェーゼ ピッコロやグロッソを組み合わせるのです。スポーツも同じで、マラドーナを11人並べても、守る人がいなくて試合になりませんよね。
各地のサンジョヴェーゼ解説(1)
モンタルチーノ&モンテクッコ
決して格下ではない、早飲みブルネッロとしての魅力
ロッソ ディ モンタルチーノは、決してブルネッロの格下ではありません。特に食卓で楽しむワインとしての存在感があります。レストランで楽しむにはブルネッロは重く、ロッソならちょうどいい。居酒屋でも楽しめるワインです。ブルネッロは、市場に出るまで5年の熟成期間を要しますが、実は2年目のブルネッロを樽から飲むと非常に美味しいんです。そんな「早飲みブルネッロ」としての役割をロッソは担っています。
樹齢が上がり、ブルネッロ同等の品質が実現可能に
「完全にブルネッロだ」と感じるロッソに出会う機会が増えました。その理由は、ロッソの畑の樹齢が上がってきたことにあります。バンフィを筆頭に、ブルネッロが本格的に栄え始めたのは1990年以降。当時は新しかった畑も、今では樹齢も上がり、ロッソの畑でもブルネッロ同等のワインが造れるようになってきました。そのため、ロッソは今後非常に伸びていくと思います。『RED MONTALCINO』というロッソに特化したPRイベントも開催されるようになりましたし、今や独自のアイデンティティを持つワインです。
カステッロ バンフィ
ブルネッロ用のブドウで造るロッソ「ほとんどブルネッロ現象」
ロッソが造られる過程では、実はさまざまなアプローチが取られています。ロッソの畑とブルネッロの畑が分かれていても、出来が良いと判断されたロッソのブドウをブルネッロに使うことも可能です。その反対も然り。例えば、2023年は雨が多く、ブルネッロの生産量が減少し、多くの生産者がブルネッロになるはずだったブドウをロッソに回しました。これにより2023年のロッソには「ほとんどブルネッロ現象」が起きています。
猛暑の年には通常評価されにくい北向きの畑が良い結果を出すこともあり、状況に応じた柔軟な判断ができるのがモンタルチーノの強みです。生産者によっては、すべてをブルネッロとして造りながら使い分けを判断する場合もあります。醸造開始から1、2年後に、その年の特徴や味わいを見て「早飲みタイプだからロッソ」「長期熟成向けだからブルネッロ」と決めていくのです。
【モンテクッコ サンジョヴェーゼ DOCG】
モンタルチーノとモレッリーノの狭間で息づく素朴な産地
モンテクッコは、モンタルチーノとモレッリーノの間に位置するエリアです。実際、モンテクッコに畑を持つブルネッロの生産者も少なくありません。土壌も一様ではなく、石灰質や火山性の畑があります。モンタルチーノから川を1本渡った先にあり、素朴さが残るとてもいいところです。コッレ マッサーリが存在感を示すものの、まだマイナーな産地といえますね。
ある日、通りすがりの人に教えてもらったレストランでは、ジャガイモを詰めたラビオリが出てきました。それは、まさに貧しかった時代の料理。後に判明したのですが、そのトラットリアは有名店で味わいも格別でした。そして、ハウスワインにはバンフィのものが使われていて、その素朴な料理と相性がよく美味しかったです。
各地のサンジョヴェーゼ解説(2)
コッリーネ ピサーネ&モンテプルチアーノ&キャンティ クラシコ
名門ワイナリーが集い表現する海由来のテロワール
キャンティのサブゾーン、コッリーネ ピサーネは人気産地とは言えないですが、ラ スピネッタをはじめ、フェッラーリのテヌータ ポデルノーヴォ、テヌータ ディ ギッツァーノが軒を連ねる素晴らしい場所です。砂や貝殻の化石が多く、海に近く温暖。いかにも海に近い産地のサンジョヴェーゼといった魅力があります。

【ヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ DOCG】
品質向上が著しい「温暖化で一番得をした産地」
ヴィーノ ノービレは、産地全体のレベルが非常に大きく向上しています。粘土質の冷たい土壌が特徴で、かつてはタンニンが熟しにくい課題がありました。しかし、現在は温暖化が追い風となり、標高が高いノービレにとってはむしろプラスに働きました。温暖化で一番得をした産地と言ってもいいでしょう。典型的な例は、2017年です。他のエリアでは暑すぎてうまくいきませんでしたが、ここは5つ星評価です。
昔は樽の要素が強い生産者が多く、アヴィニョネージを含めた3社ほどしか優良生産者はいませんでしたが、現在は品質が高く、「面白いな」と思えるワインに出会えるようになってきました。そして、新たに「ピエーヴェ」と呼ばれるクリュ制度が導入されました。キャンティ クラシコのグランセレツィオーネにあたる位置づけです。この区画分類に携わったのが、元ベルターニのマスター・オブ・ワイン、アンドレア・ロナルディ氏です。
セルヴァネッラ
【キャンティ クラシコ】
ラッダ イン キャンティ最高のクリュ「セルヴァネッラ」
キャンティ クラシコ地区ラッダ イン キャンティの高地に広がるセルヴァネッラは、優れたポテンシャルを誇る単一畑です。すぐ近くには、フラッチャネッロ(サンジョヴェーゼ100%スーパータスカン最高峰のひとつ)が造られる、黄金盆地で有名なパンツァーノがあります。ラッダの涼やかさに、フラッチャネッロ的な力強さも備えた畑なのです。
土壌も複数に分かれており、上部はガレストロで、下部はアルベレーゼ(石灰岩)、ピエトラフォルテ(砂岩)、粘土が主体です。雨が多い年は水はけの良いガレストロの畑が真価を発揮し、暑い年は粘土の畑が水分を保ちます。ヴィンテージごとの気候に応じた区画を使うことで、安定感抜群のワインが出来上がるのです。
「過小評価されている単一畑」
メリーニがセルヴァネッラを取得したのは、1963年のこと。当時としては大胆に50haを一気に植樹しました。今も1960年代に植えられた区画が残っています。区画ごとに個性を打ち出す造りが広まるなかで、彼らは「セルヴァネッラ」としてのみ生産しています。
周囲に何もない開けた場所で、風が通り、光が満ちています。標高が高いにもかかわらずブドウはよく熟し、毎年安定した品質を保ちます。本当に素晴らしく、過小評価されている単一畑だと思います。そして、現在セルヴァネッラは、オーパスワンのようにメリーニから独立させていくようです。
造り手とテロワールの多様性を映し出す、7つのサンジョヴェーゼ
ロッソ ディ モンタルチーノは、キャンティ クラシコよりも酸が強くなく、果実味があります。バンフィが造るロッソは、さまざまな料理と合わせやすく、癒される味わいです。誤解を恐れずに言えば、フルーツジュースの感覚で飲める親しみやすさです。豚の角煮のような醤油ベースの甘みのある料理に合います。
居酒屋メニューと相性抜群、バジーレのモンテクッコ「カルタカンタ」
バジーレのモンテクッコは、サンジョヴェーゼの「田舎っぽさ」を体現した1本です。最初はモレッリーノのような甘さがありながら、徐々に野性味や塩味が現れます。がぶがぶとコップで飲めるような農夫的なワインです。焼き鳥や焼きとんといった居酒屋メニューとの相性が抜群ですね。
モンテクッコ最大の生産者「コッレ マッサーリ」が造る
トレビッキエリ常連のモンテクッコ リゼルヴァ
コッレ マッサーリのモンテクッコは、トレビッキエリ常連のサンジョヴェーゼです。太陽に恵まれた産地のサンジョヴェーゼといった感じですが、しっとりした落ち着いた味わいです。アリスタ(にんにくやハーブを挟んだ豚のロースト)や、ホテルの鉄板焼きなどと好相性です。醸造家のルカ・マッローネの手腕も光っていて、彼が手がけるグラッタ マッコやポッジョ ディ ソットとはまた違う魅力を持つスタイルに仕上げています。
「うっとりするような秋の雰囲気」アヴィニョネージ「ヴィーノ ノービレ」
アヴィニョネージは非常に品質が向上しました。彼らのヴィーノ ノービレは自然な飲み口で「癒し系」とも言えるスタイルが印象的です。果実味よりも腐葉土や枯葉を思わせるニュアンスで、しみじみとした味わいです。ブルゴーニュグラスで飲んでいただくと、グラスの中で変化するさまざまな表情を見せてくれます。うっとりするような秋の雰囲気に浸れると思います。
当主ジョルジョ氏の農夫らしさが光るラ スピネッタ「イル ネーロ」
イル ネーロは、いかにもジョルジョ(ラ スピネッタ当主)が好みそうなピュアで熟れた果実がありながら、決して重くないサンジョヴェーゼに仕上がっています。彼はもともと濃厚なバローロを造ってきた人間ですが、徐々に力感のないスタイルへと移行しています。一気に方向転換する生産者がいるなか、彼は自身のファンの嗜好も意識して造っていますね。
いつ飲んでも美味しく、面白いワインだと思います。きちんとチェリーの果実があり、温暖な気候を感じつつ甘ったるくない。塩味もあり飲み飽きしません。田舎の農家出身で、今でも畑の中で暮らすジョルジョらしい農夫的なワインです。今や彼の見た目に農夫感はなく、すっかり『LEON』化していますけどね(笑)。
「キャンティ クラシコの魂」
料理との調和でこそ真価を発揮する「セルヴァネッラ」
セルヴァネッラは、キャンティ クラシコを飲み慣れている方にとって「キャンティ クラシコの魂」のような魅力が感じられるワインだと思います。「キャンティ クラシコらしいワインを教えてください」と尋ねられた際の答えに最適な1本です。モンタルチーノとはまったく異なるグリップ感があります。
一方で、イタリアワインに馴染みのない方や、甘みのあるワインを好まれる方には、少し説明が必要かもしれません。現在のセルヴァネッラはタンニンがきめ細やかですが、かつてのイタリアワインは酸とタンニンが強烈なものが多かったんです。そうしたスタイルがイタリア料理にはよく合うのです。モンタルチーノやモンテプルチアーノの人でも、自宅ではキャンティ クラシコを飲みます。
まさにその点で、セルヴァネッラは料理と合わせることでこそ、真価を発揮します。特にビステッカ アッラ フィオレンティーナとは相性抜群。スパイシーでスモーキーなニュアンスがあり、炭火焼きや焼き鳥とも好相性です。コンクリート打ちっぱなしの空間にジャズが流れる、そんな高級焼き鳥店といったイメージですね。
飲み飽きない味わいで絶大な支持を得るアパッシメント サンジョヴェーゼ
このワインは、アマローネほど濃すぎず飲み飽きない味わいだからこそ、多くのリピーターに支持されているのだと思います。アパッシメントのプリミティーヴォも魅力的ですが、年齢を重ねるほど、サンジョヴェーゼ特有の「満腹にならない心地良さ」に惹かれます。そして、こうした完成度の高いワインは、チェヴィコのように確かな技術を持つ大規模な協同組合だからこそ実現できるのでしょう。
なめらかな口当たりと心地よく満たされる優雅な余韻 |
ロッソ ディ モンタルチーノ 2022 |
厳選したブドウを約10日間マセラシオン。一部をフランス産の小樽に、一部をオークの大樽に入れて12ヶ月熟成させます。その後、最低6ヶ月以上瓶内熟成させます。スミレやチェリー、プラムなどの香りとソフトな味わいのワインです。優雅で広がりがある味わいは余韻も長く、熟成するごとに素晴らしさを増します。 |
試飲コメント:やや深いルビー色。注ぐと心地よい果実感が広がり、赤と黒のベリー系果実、黒系スパイスやレザー、鉄分のニュアンスを感じます。爽やかで口当たりが良く、なめらかです。タンニンとボリューミーな果実感が溶け合い、余韻が程よく心地よいです。 |
飲み心地の良さと重厚感が共存する豊かな味わい |
カルタカンタ モンテクッコ サンジョヴェーゼ 2020 |
収穫の際には、手摘みで18kgごとに60分いないにセラーへ運ぶ。ステンレスタンクで発酵の後、70%をトノー樽、30%をステンレスタンクで12ヶ月熟成させ、ブレンド後、瓶内熟成12ヶ月。ノンフィルター。アルコール漬けのブラックチェリー、プルーン、スミレ、そしてハーブのニュアンスがあります。味わいはバランスがよく、酸味と風味、熟した香りと、持続性を高めるタンニンが強調されています。アーモンドとココアの後味が楽しめます。 |
試飲コメント:綺麗なガーネット色。ベリー系果実や黒系果実、スパイスの香りがあります。果実味豊かで、ブラックベリーの印象も強く、重厚さがありつつ飲み心地もあります。余韻には塩味のニュアンスがあります。 |
複雑に絡み合うエレガント&凝縮した果実感 |
ポッジョ ロンブローネ モンテクッコ サンジョヴェーゼ リゼルヴァ 2018 |
ブルネッロと同じ醸造に耐えられる力強いブドウを使い、同じスタイル、考えに基づいて造られたワイン。ティネッロ(開口式のオークの発酵槽)で自然発酵、優しくパンチングダウンを頻繁に行い、長めにマセラシオン。4000Lのオーク樽でマロラクティック発酵の後、熟成させます。チェリーや赤いベリーを思わせるアロマが広がり、甘くスパイシーな香り。味わいは豊かで後味が長く続き、イノシシなどのジビエ、赤身肉のロースト、蒸し料理や煮込み料理、熟成したチーズに最適です。 |
試飲コメント:ガーネットに近いルビー色。黒系果実と赤系果実が美しく溶け合った香り。エレガントで凝縮した果実感があり、タンニンも綺麗で柔らかさがあります。骨格があり、鉄のような印象もあります。 |
明るい果実と土のニュアンスを持つ奥行きのある味わい |
ヴィーノ ノービレ ディ モンテプルチアーノ 2019 |
20-25日間かけてマセラシオンをし、温度管理下でアルコール発酵、マロラクティック発酵。その後、50%をスラヴォニアンオーク樽で、残り50%を2、3回目使用のフレンチオーク樽で18ヶ月熟成させます。黒いベリー系の果実の香りに、スパイシーな香りがアクセントとして広がります。まろやかで、ほどよいタンニンが心地よく、余韻にわずかに残る甘酸っぱさが特徴です。 |
試飲コメント:やや淡いガーネット色。明るい果実、土っぽさや枯れ葉のような奥行きを感じる繊細な香り。香り同様の統一感のある味わいです。柔らかいタンニンが、エレガントで奥行きある余韻を演出します。 |
完熟ベリー系果実とスパイスの優れたバランス感 |
イル ネーロ ディ カサノーヴァ トスカーナ サンジョヴェーゼ 2020 |
比較的若い樹齢のサンジョヴェーゼを使用したワインです。温度管理可能な回転式発酵タンクで約10日間アルコール発酵後、オーク樽でマロラクティック発酵。ミディアムトーストのフレンチオークの樽で9ヶ月熟成。ステンレスタンクで2ヶ月静置後、ボトリングし、約6ヶ月瓶内熟成。熟したベリーやチェリーの香りに、ほのかにタバコのニュアンスが感じられます。果実味とまろやかなタンニン、酸味のバランスがよく、お料理に合わせやすいワインです。 |
試飲コメント:深みのあるガーネット色。ブルーベリーや黒系果実が豊かに香り、爽やかさもあります。香り同様の果実感が口中に広がり、タンニンと溶け合っています。 |
50年以上の歴史を誇るキャンティ地区初のクリュ |
ラ セルヴァネッラ キャンティ クラシコ リゼルヴァ 2020 |
メリーニ社が誇る自社畑ラ セルヴァネッラ。キャンティ地区で初めてクリュ(単一畑)として造られたキャンティ クラシコで、1969年から50年以上の歴史があります。広がりのある複雑な香りで、熟した赤いベリーやアヤメ、スミレを思わせます。芳醇な味わいで、しっかりとしたアルコール分と旨みがあり、エレガントで長い余韻にはローストアーモンドのニュアンスが感じられます。10年以上瓶内で熟成するポテンシャルを持つワインです。 |
試飲コメント:深みのあるガーネット色。凝縮した赤系と黒系の熟した果実、スパイス感のある香りです。フレッシュな酸と粉っぽいタンニンが調和し、スパイスのニュアンスも混ざり合い、力強さと徐々に広がる味わいが魅力的です。 |
甘やかで複雑な余韻に包まれる豊かな果実感 |
サンジョヴェーゼ アパッシメント ロマーニャ 2019 |
品質と価格のバランスに優れたエミリア ロマーニャ最大規模の協同組合「チェヴィコ」のサンジョヴェーゼ アッパッシメント ロマーニャ。深い紅色。レッドチェリー、ドライプラムに、チョコレートやコーヒーの香り。タンニンはきめ細やかで、滑らかな口当たり。長く続く甘やかな余韻が楽しめます。 |
試飲コメント:深みのあるガーネット色。チョコレートや赤・黒系果実、明るいジャムの甘やかで複雑な香りがあります。凝縮感と豊かな果実が広がり、香り同様の要素を持つ味わいで、力強さと複雑さ、甘やかな余韻に包まれます。 |
インタビューを終えて
ヴィンテージや温暖化についてのお話も印象的でした。記事内では触れていませんが、「昔のサンジョヴェーゼはみんな酸っぱかったけれど、今は造り手もブドウも気候にうまく対応していて、2019年から2021年のブルネッロはいずれも高品質」「温暖化に対して悲観的になり、みんな廃業だ、なんて風潮もあるが実際はそうじゃない」などと、誰よりもリアルの現場を知る宮嶋さんならではの言葉が印象に残りました。
