ジャコモ タキスと貴族ペレッティ伯爵が造り上げたマルケ最高峰ワイナリー「イル ポレンツァ」

2017/03/08
突撃インタビュー
 
2017年2月23日 イル ポレンツァ社 ジアチンタ ポッチさん

「サッシカイア」の産みの親ジャコモ タキス氏と貴族ペレッティ伯爵が二人三脚で造り上げたマルケ最高峰ワイナリー!「イル ポレンツァ」

イル ポレンツァ社 ジアチンタ ポッチさんと
イル ポレンツァ社はアドリア海を望むマルケ州トレンティーノ市の美しい丘陵地にあるワイナリーです。オーナーはローマ教皇ピウス9世の末裔である貴族アルド ブラケッティ ペレッティ伯爵です。伯爵の友人であった「サッシカイア」、「オルネッライア」、「ティニャネロ」を産み出した伝説のエノロゴ、ジャコモ タキス氏と二人三脚で2001年にワイナリーを立ち上げるやいなや、ファーストヴィンテージが『ドゥエミラヴィーニ』で最高賞チンクエグラッポリを獲得し、イタリア内外から一気に注目を集める存在となります。マルケでありながら、フランス ボルドーと似通うテロワールを見抜いたタキス氏によって産み出されたボルドー品種ブレンドによるフラッグシップ「イル ポレンツァ」は、著名はスーパートスカン、ボルドーワインと何ら引けをとらない圧倒的な存在感を放つ輝かしいワインです。貴族の誇りをかけて妥協なき最高品質のワイン造りを行う「イルポレンツァ」について、輸出部長であるジアチンタ ポッチさんにお話を聞きました。

イタリア貴族階級のアルド ブラケッティ ペレッティ伯爵が興したワイナリー

伯爵家ローマ教皇ピウス9世の末裔にあたるペレッティ伯爵
アルド ブラケッティ ペルッティ伯爵家はヴェネトに起源を持つ1200年代から続く由緒ある一族で、ペレッティ伯爵は1932年生まれの現在86歳で、ローマ教皇ピウス9世の末裔にあたります。

出身地マルケでワイナリーの立ち上げに着手
一族は1933年から石油、エネルギー事業を展開し、伯爵もイタリアにおけるエネルギー業界の重鎮として業界の発展に大きく寄与しています。「余生はワイナリーに捧げたい」という想いから、20世紀後半にローマに由来を持つ枢機卿の家系であるアンティッシ マッティ女王より、伯爵の出身地でもあるマルケ州の総面積200ヘクタールもの誉れ高き土地を譲り受け、ワイナリーの立ち上げに着手、祖父テバルドの家系の伝統を引き継ぐことになりました。

海洋性と山岳性の気候を併せ持つミクロクリマが存在

地図ワイン造りに適した海洋性と山岳性の気候を併せ持つミクロクリマが存在
イル ポレンツァは、アドリア海から内陸に約25キロ程入ったマルケ州アンコーナ南部にあるトレンティーノ市の緩やかな美しい丘陵地に位置しています。この地は海洋性と山岳性の気候を併せ持つミクロクリマ(微気候)が存在し、高級ワイン造りには最高のロケーションにあります。

主に国際品種を中心に栽培
土壌への情熱と最高の栽培技術を追求するために、たゆまぬ努力と研究を日々重ねています。創業時は15ヘクタールだったブドウ畑は現在約64ヘクタールになり、元々植えられていたトレッビアーノ、モンテプルチアーノ等のイタリア固有品種の他にカベルネソーヴィニョン、カベルネフラン、シラー、プティヴェルド、ソーヴィニョン ブランといった国際品種を中心に植えられています。

 

ジャコモタキスと二人三脚でスーパートスカンを超えるマルケでしか出来ない新たなワイン造り

ジャコモタキス氏友人ジャコモタキスと二人三脚でスーパートスカンを超えるマルケでしか出来ない新たなワイン造り
ペレッティ伯爵と共にワイナリーの構想を練っていた友人こそ「サッシカイア」、「ソライア」、「ティニャネロ」を産み出したスーパートスカンの父、他ならぬあの故ジャコモ タキス氏でした。

ボルドー品種に最適な土壌と素晴らしいポテンシャルを見抜いたタキス氏
当初、伯爵はワイン造りを趣味程度と考えていましたが、1998年に畑を目にしたジャコモ タキス氏は綿密に土壌やブドウのクローンの分析に奔走、海が近く砂利や石灰質が多い事に着目、この地の素晴らしいポテンシャル、適応するブドウがボルドー品種である事に辿り着きます。

シャトーアップマルケでしか出来ないスーパートスカンを超える新たなワイン造り
それを聞いた伯爵はここマルケでしか出来ないスーパートスカンを超える新たなワイン造りへの情熱を燃やす事となり、タキス氏と共にワイナリー「イルポレンツァ」として運営していくことを決めます。ボルドーと同じように醸造設備を備えたシャトーを建設、ボルドーと同じ品種で遜色のない最高品質のワインを造る。伯爵の妥協なき拘りと卓越したエノロゴであるタキス氏のコンビで2001年にワイナリーは創業、現在もフラッグシップである「イル ポレンツァ」の一つだけのリリースとなりました。このワインこそが二人が造り上げたかったスーパートスカンを超えるマルケのワインだったのです。

ファーストヴィンテージ2001年がいきなり『ドゥエミラヴィーニ』で最高評価のチンクエグラッポリを獲得!

シャトー全景

ボルドーの格付けシャトーを思わせるような中世風の美しい趣ある壮大なシャトー
イルポレンツァのカンティーナはまるでボルドーの格付けシャトーを思わせるような中世風の美しい趣ある壮大な造りです。畑ではタキス氏の考えの下、高密植栽培でブドウの凝縮度を高め、厳しい選果で品質の良いブドウのみを収穫するスタイルが採られ最新の醸造設備でボトリングされます。

イルポレンツァファーストヴィンテージ2001年がいきなり『ドゥエミラヴィーニ』で最高評価のチンクエグラッポリを獲得
ファーストヴィンテージ2001年のイルポレンツァがいきなり『ドゥエミラヴィーニ』で最高評価のチンクエグラッポリを獲得し華々しいデビューを飾りました。それ以後もイタリア国内外で常に高い評価を得ています。

ペレッティ伯爵気難しいタキス氏を納得させたペレッティ伯爵の素晴らしい味覚
ワイナリーをスタートさせる前のペレッティ伯爵は「ワインは口に含むだけで飲みこまず、コーヒーは飲まない」という拘りを持っていました。とてもこれからワインを造るとは思えないようなエピソードですが、それがかえって功を奏し、「伯爵の舌は汚染されていない。美味しいワインを見極める素晴らしい味覚がある」と気難しいジャコモ タキス氏を納得させ、二人で本格的にワイナリーをスタートさせるきっかけとなった興味深いエピソードが残っています。

カルロフェッリーニ氏2007年からカルロ フェッリーニ氏がエノロゴを引き継ぐ
2007年からはイタリア最優秀エノロゴなど数多くの功績をもつカルロフェッリーニ氏がタキス氏の後を継ぎエノロゴをしています。カルロフェッリーニ氏が着任した2007年には『ガンベロロッソ』最高賞トレビッキエーリを獲得する等、年々、イルポレンツァの素晴らしい可能性を見事に表現しています。カルロフェッリーニ氏の造りだすワインはリリースしたばかりであっても素晴らしい調和があり、向こう10~15年の熟成も感じさせる造りとなっています。タキス氏は残念ながら2016年の2月に逝去しましたが、現エノロゴのカルロフェッリーニ氏はタキス氏の一番可愛がっていたエノロゴでもありました。

ソーヴィニョンのフレッシュな魅力が光るスマートな果実感!イル ポレンツァの高品質なスタンダード白
ブリアネッロ 2014
ブリアネッロ 2014


ブリアネッロはボルドーの白ワインのソーヴィニョンブランをイメージしています。ソーヴィニョンブランの収量が少ない年や、雨が多い年、ブドウの成熟が足りない年だけトレッビアーノ種を少しブレンドします。2014年はソーヴィニョンブラン100%で造っています。ブリアネッロとは伯爵の孫の名前から付けられています。
試飲コメント:グレープフルーツの爽やかなフルーツ香に清々しいミネラルに白桃のニュアンスが綺麗に重なります。飲むと酸とミネラルが上品に溶け合う伸びやかでスマートな果実感、仕上げにバリックを使っていますが樽の重々しさは皆無でほんのりと効いた上品な樽の風味があり、ソーヴィニョンのフレッシュな魅力と上手く溶け合うバランスの良い仕上がりです。さっぱりとした魚介料理やサラダ、白身肉等に相性が良いです。

マルケ州希少土着品種
マチェラティーノ100%で造る
充実したミネラルと豊かな果実感!魚介料理と抜群の相性
「アンジェラ」
アンジェラ 2014
アンジェラ 2014


マチェラティーノはDOC全体でも僅か60~70ヘクタールでとても小さなエリアで栽培されています。僅か20社がそれぞれ小規模で生産しています。イルポレンツァでは4.5ヘクタールでマチェラティーノを栽培しています。
試飲コメント:白い花のフローラルな香りに青リンゴ、ミネラル、ハーブのニュアンスがあり、クリーンで清々しい印象です。充実した果実感がありながらドライで引き締まったスタイリッシュな味わいがあります。生ハム、魚貝類のカルパッチョ、白身魚のフライやグリル、シーフード料理全般と抜群の相性があります。

美しいバラの日本限定ラベル!イルポレンツァが造る食事の邪魔をしない洗練されたドライなロゼ
ディディ 2013
ディディ 2013


イタリア国内外では既に新しいラベルに切り替わってしまいましたが、バラのラベルは日本ではとても人気があるので、日本だけの限定ラベルとして最新ヴィンテージも継続しています。ピノノワールに目を付けたのはジャコ モタキス氏で、シラーとブレンドしたフランス的なドライな味わいのロゼに仕上がっています。
試飲コメント:はんなりとした淡いサーモンピンク色が綺麗です。仄かなチェリーの香り、すがすがしいミネラルが層を成す淀みの無いとてもクリアーな印象です。滑らかでスムーズな口当たりと芯に通った綺麗な酸とミネラルがあり、スマートで美しい飲み心地があります。食事の邪魔をしない洗練されたドライなロゼです。生ハム、野菜のマリネ、魚介類全般にとても相性が良いです。

力強さと複雑味がありながら極めてスムーズな飲み心地!「納得のいく出来映え」のエントリーライン赤
ポルポーラ 2011
ポルポーラ 2011


ポルポーラとはイルポレンツァのイメージカラーでもある真紅色を意味しています。メルローを使う事で、力強さの中にも円やかさや柔らかさが感じられます。確りとした男性的な味わいでこの価格では納得のいく出来映えだと思います。お肉料理とのマッチングも良いですが、マルケではイワシやマグロと言った魚料理にも合わせます。ポルポーラの持つ酸味が魚料理ともマッチします。
試飲コメント:熟したブラックベリーやブルーベリーのジャムの豊かな果実香にスパイスのニュアンスが入り混じります。熟した滑らかな果実感があり、タンニンもしなやかで、力強いインパクトと複雑性がありながら極めてスムーズな飲み心地があります。グリルした香ばしいお肉料理や焼き肉、パスタボロネーゼ、ハンバーグなどの気軽なお肉料理まで楽しめます。オリーブやドライトマトを使ったタップナードソースをかけたマグロのソテーとも好相性です。

芳醇かつ滑らか!僅か4ヘクタールから産まれるボルドースタイル「コスミーノ」
コスミーノ 2010
コスミーノ 2010


コスミーノはオーナーであるペレッティ伯爵の孫の名前から付けられています。有機栽培で育てられたブドウはグリーンハーベストを行い、より厳しいブドウの選別を行っています。収穫は手摘みで熟練のスタッフが行っています。エノロゴであるカルロ フェッリーニ氏がOKサインを出した時にだけリリースしています。2010年は現在非常にバランスのとれた味わいとなっています。
試飲コメント:完熟したブラックベリー、プラムに、レザーやタバコ、樹皮、スパイシーなニュアンスが複雑に絡み合う深みのある印象です。角のとれた滑らかなタンニンと円やかな果実感があり、実に堂々とした存在感を放ちます。中盤から広がる芳醇な風味と熟成によるしなやかなタッチが一体となり、力強くも美しい印象を残して喉元へ落ちてきます。非常に完成度の高いボルドースタイルのワインです。サーロインステーキや仔羊のロースト、熟成したチーズ等と非常に相性が良いです。

スーパートスカンの産みの親ジャコモ タキスが見極めたボルドーブレンドによる偉大なスーパーマルケ!「イル ポレンツァ」
イル ポレンツァ 2010
イル ポレンツァ 2010


イル ポレンツァで初めて造られたワインです。オーナーのぺルッティ伯爵の友人であったジャコモ タキス氏が綿密にこの地を調査し、ボルドー品種こそが最適な品種であると見極め2001年に初リリースしました。ファーストヴィンテージがいきなり『ドゥエミラヴィーニ』で最高評価のチンクエグラッポリを獲得し話題となりました。
試飲コメント:ブラックベリー、レザー、スパイス、シガーのニュアンスが複雑に混じり合う力強さが感じられます。凝縮した果実の豊かさに滑らかなタンニンが溶け合い素晴らしい存在感と調和の取れた美しい飲み心地が感じられます。芳醇な風味と熟成によるシルキーなタッチが一体となり、力強くもエレガンス溢れる印象を残して喉元へ落ちてきます。上級のボルドーワインを彷彿させる偉大さと滑らかさを持ち合わせています。今後益々の熟成も期待できるスケールの大きさも感じます。
インタビューを終えて
貴族の誇りと名誉をかけて最高のワイン造りを行うイル ポレンツァ。マルケ州でありながら、上級ボルドーワインやスーパートスカンと何ら遜色の無い高品質なワインに驚かされました。ボルドーに似通う偉大なテロワールを見出した傑出した眼力をもつジャコモ タキス氏と、妥協無きこだわりを持つペレッティ伯爵二人の英知から産まれたマルケ州の最高峰ワインと言っても過言ではありません。エノロゴがカルロフェッリーニ氏に代わった今でも、圧倒的な存在感と輝きを放っています。トップキュヴェ「イル ポレンツァ」は言うまでも無く素晴らしかったのですが、カルロ フェッリーニ氏がOKを出した時のみボトリングされるセカンド的存在の「コスミーノ」の完成度の高さも見逃せません。ボルドー、サンジュリアン村の格付けシャトーを思わせるような、滑らかさと豊かなボディを兼ね備えた調和の取れた優れた味わい。ジャコモタキス氏が奔走して見出した素晴らしいテロワール。また改めてゆっくりと飲んでみたいワインです。
イル ポレンツァ社 ジアチンタ ポッチさんとトスカニースタッフ
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