2012年11月15日 ポデルヌオーヴォ社 フランチェスカ ザノーニさん来社

2012/11/15
突撃インタビュー
 
2012年11月15日 ポデルヌオーヴォ社 フランチェスカ ザノーニさん Ms.Francesca Sanoni

フランチェスカ ザノーニさんと
イタリアのトップ宝飾品ブランド「ブルガリ」の創業者一族が2005年にトスカーナに立ち上げた新しいワイナリー「ポデルヌオーヴォ」が日本に入荷することが決定しました。
日本でのお披露目は2月頃になるそうですが、今回、その準備のために来日されたマーケティング担当のフランチェスカさんがトスカニーに来て下さいました。あのブルガリ家がどんなワインを造っているのだろうと興味津津でお話しをお伺いしました。

ブルガリがルイヴィトン傘下に入ったことがきっかけでワイン造りに全力を傾けることに

紅葉する畑トスカニー:ブルガリ家がワイン造りを始めた経緯を教えていただけますか?

フランチェスカさん:ブルガリがルイヴィトンの傘下に入ったことで創業者のブルガリ家の4代目のジョヴァンニはワイン造りに注力することにしたんです。以前からワインは好きでしたし、それは父のパオロも同じです。そこで、2004年にトスカーナのサンカシャーノ ディ バーニに30haの土地を買いました。 そこは元々ブドウ畑だったのですが、ブドウ樹としてはほとんどだめになっていました。だから畑を作り直して植樹しました。

トスカニー:この2009ヴィンテージが初リリースになるんですよね。

フランチェスカさん:はい。本数はテッラが50000本、アルジリオとソティリオが10000本ずつで、合計70000本です。将来的には12~13万本ぐらいの生産にしていく予定です。

トスカニー:この土地を選んだ理由はなんだったのでしょう。

フランチェスカさん:ブルガリ家はこの場所の近くのコルバーラ湖に5~60年前から土地を持っていて、このあたりのことはよく知っていました。それと、もちろん土地の調査を色々行った結果この土地が素晴らしいポテンシャルがあることが分かったのです。

あのトリノーロの畑は車で約20分の距離。フランケッティ氏とも実は仲良し

フランケッティさんトスカニー:近くにはどんなワイナリーがあるのですか?

フランチェスカさん:テヌータディトリノーロが車で20分ぐらいのところにあります。フランケッティさんとは良く知った仲ですよ。

トスカニー:えーそうなんですか。今年の1月にフランケッティさんがここに来られたんですよ。トリノーロの畑もワイン造りとしては全く無名の土地だったそうですが、フランケッティさんは「美しい土地からは素晴らしいワインができる」という信念でトリノーロの土地を選んだと言ってました。

フランチェスカさん:(笑)ええ、ポデルヌオーヴォもとても美しいところです。ジャーナリストが取材に来るのですが、こんなところがトスカーナにあったとは知らなかったとみんな言います。
フランケッティさんとはブルガリ家はワインを造る前から親交があったのですが、今、うちのワイナリーの責任者は以前トリノーロで責任者をしていた人なんです。彼はトリノーロを辞めて別のワイナリーに行った後、ポデルヌオーヴォに来たので私たちがフランケッティさんから引き抜いたわけではありません。だから何も問題ないです(笑)。

 

ワイン造りは宝飾品造りと似ている

トスカニー:それにしても宝飾品とワインでは全く違う仕事ですよね。

フランチェスカさん:確かに違いますが、ものづくりの考え方は同じです。どちらも自然のものに人が手を加えることで造られます。どのように手を加えるかによってできるものの品質が決まります。 ブルガリはずっと最高品質の宝飾品を造ってきました。ワインも同じ考え方です。 ワイン造りにはお金はかかりますが、ブルガリ家は幸い経済力があるので問題なくワイン造りを始めることができました。

トスカニー:リッカルドコタレッラが最初からコンサルをしていると聞きました。

フランチェスカさん:ワイナリーの立ち上げからコタレッラ氏に依頼していました。私たちはワイン造りに関して右も左もわからないのでワイナリーを始めるにあたっては優秀なベテランが必要でした。そして2011年までコタレッラ氏に指導してもらいましたが2012年から若いミケーレベアンと言うエノロゴに代えました。ワイナリーが軌道に乗ってきたのと、社長のジョヴァンニは37歳と若く、ワイン造りの話をもっとフランクにできる相手のほうがよくなってきたからです。

2004年に植樹した若いブドウ樹ながら凄い完成度 サンジョヴェーゼ100%のソティリオは圧巻

ここから試飲をしました。

テッラフランチェスカさん:サンジョヴェーゼ、モンテプルチアーノ、カベルネソーヴィニョン、メルローのブレンドで造るテッラです。テッラはベーシックワインの位置づけですが、シンプルなスタイルではなく、より個性のあるしっかりとしたワインにしたいと考えて造りました。

トスカニー:とてもエレガントですね。バランスも良くて美味しいです。

フランチェスカさん:
ありがとうございます。テッラは土地と言う意味ですが、他のTERRAと付くワインと区別するために「THERRA」とHを入れました。でも、Hに深い意味はありません(笑)

アルジリオ続いてアルジリオです。粘土を意味するアルジッラから付けました。カベルネフラン100%です。

トスカニー:フルーティーですが深みがあります。2004年に植樹した若いブドウですよね。既にこれだけ美味しいのが驚きです。

フランチェスカさん:土地の力だと思います。私たちにとってどこでブドウを造るかが非常に重要でしたので十分な調査をしてこの土地に決めました。
3本目はサンジョヴェーゼ100%のソティリオです。これはブルガリ創業者のソティリオから付けました。

ソティリオ3本目はサンジョヴェーゼ100%のソティリオです。これはブルガリ創業者のソティリオから付けました。

トスカニー:めちゃくちゃ美味しいですね。他のサンジョヴェーゼとは違う独特の草っぽさやエレガントさを感じます。こういうワインは飲んだことがないかもしれません。

インタビューを終えて
イタリア国内ではどこに売っているのかと聞くとまだ販売されていないとのこと。ブルガリのワインを売るにはしっかりとしたパートナーシップが築かれないといけないという考えからだそうです。
フランチェスカさんはブルガリでずっと全世界のマーケティングを担当していたので日本にも何度も来られたそうです。今回試飲をしたボトルのラベルが少し剥がれているのに気が付くと「会社に報告しないと」とすぐに写真を撮っていました。最高レベルの美意識を持つブルガリの厳しい姿勢を目の当たりにした気がしました。
ワイナリーとしての歴史はこれからのポデルヌオーヴォですが、ブルガリが造る以上最高のものでなければならない、と言うことを深く実感した時間でした。
集合写真
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