2012年9月25日 ファットーイ

 
突撃インタビュー

2012年9月25日 ファットーイ

ファットーイとの記念撮影
ファットーイは、ブルネッロの大御所中の大御所、カーゼバッセとガヤ。
この2大巨匠が構えるサンタレスティトゥータに畑を所有する小さな造り手です。

「モンタルチーノの本物の農民」とスローフードが表現するファットーイとは2012年のヴィーニタリで初めて出会いました。今までに出会った数多くの造り手の方たちの中で、一番素朴で、まさしく「農業をやっています」という印象のファットーイの方たち。

飲んだワインのあまりの美味しさにすぐに直輸入を決めました。カーゼバッセやガヤの近くでどんなふうにブドウを造っているのだろうと、モンタルチーノへ実際に見に行ってきました。

あとからカーゼバッセとガヤが隣に来た凄いポテンシャルの畑

カーゼ バッセの看板 「サンタレスティトゥータの教会の前を抜けてさらに進んでいったところの一番奥だから」と、電話で聞いたとおりに行ってみると、カーゼバッセの看板が見えてきました。
ワイナリー さらに進むとガヤのピエヴェ ディ サンタレスティトゥータ。さらにその奥にファットーイのワイナリーがあります。
娘さんのルチアさんが案内してくれました。

ルチアさん(以下ファットーイ):1965年に祖父がこの土地を購入してワイナリーを始めました。全部で9haの畑があります。1970年代に植樹した畑が一番古いです。

トスカニー:カーゼバッセとガヤの看板の前を通りましたけど、隣同士なんですか?

ファットーイ:
あそこに1本樹がたっていますよね?あれを境に右手がガヤ、左手がカーゼバッセ、手前からこっち側が私たちの畑です。
ブドウ畑
樹の左手がカーゼバッセ、右手がガヤ、手前がファットーイの畑


ファットーイ:
祖父がここを購入した当時は何もありませんでした。もともとモンタルチーノでは伝統的にオリーブが造られていたのでここにも樹齢数百年のオリーブの樹が何本かあります。でも祖父はブルネッロを造ることにしたんです。

トスカニー:凄い先見の明ですね。カーゼバッセやガヤもこの土地のポテンシャルを知ってあとから来たってことですよね。

ファットーイ:
土壌はガレストロです。赤っぽい土で水をためておく特性があります。
この区画のブルネッロは樹齢が一番古いのですが、まだまだ良い房を付けてくれます。その隣は新しい樹を植えています。少しずつ植え替えを行っています。ブルネッロにするブドウは最低でも8年以上の樹齢と決められています。8年だとまだ若いのですが、品質的には問題ありません。15年から20年ぐらいになる非常に良質なブドウになります。

トスカニー:ブドウの選別はどのようにしているのですか?

ファットーイ:糖度が高いほどストラクチャーのあるワインになります。よりいい出来のものだけを選び、残ったブドウは他のワイナリーに売ります。

ブドウの樹

カンティーナへ移動しました。

熟成は大樽。リゼルヴァはバリックで熟成。

ファットーイ:熟成に使う樽はほぼスラヴォニア産オークの大樽です。ブルネッロは3年半熟成させます。リゼルヴァにはフランス産のバリックを使っています。1年に2回~3回、ワインの移し替えをしています。これはデキャンタと同じ目的で、澱を取り除いてきれいなワインにするために必要な工程です。大樽だとこの作業はとても大変なんです。

熟成樽 熟成大樽 熟成小樽
「いくつかの違う容量の樽を使っています」
ワイン 現行ヴィンテージとバックヴィンテージ、そしてまだリリースされていない2007年のリゼルヴァを試飲しました。
1.ロッソディモンタルチーノ2010
2.ブルネッロディモンタルチーノ2007
3.ブルネッロディモンタルチーノ2006
4.リゼルヴァ2006
5.リゼルヴァ2007
6.リゼルヴァ2003
ラベルを張っていないのが2007のリゼルヴァ

ファットーイ:2010年は非常にいい年でした(※注:ブルネッロ組合のヴィンテージチャートでも5つ星の予測が出ています)。ロッソの出来を見れば、ブルネッロがどれだけいいものになるかが期待できます。非常に濃密な味わいです。

トスカニー:生産本数はどれぐらいずつなんですか?

ファットーイ:毎年大体全部で50000本ぐらいです。ブルネッロが22000~25000本。ロッソが20000本、リゼルヴァが4000~4500本です。
2007はちょっとびっくりした仕上がりでした。06は伝統的なタイプですが07は力強くて激しさのある味わいになっています。
リゼルヴァは1年長く熟成させて造ります。長期熟成させるワインなので、ボトルもブルネッロよりも重いものを使い、コルクも長いものを使っています。

トスカニー:リゼルヴァはいい年にしか造らないそうですが。

ファットーイ:はい。99年、2001、2003、2004、2006、2007は造っています。2006のリゼルヴァはエレガントな味わいに仕上がりました。2007のリゼルヴァは10日前にボトリングしたところでまだリリースしていません。

トスカニー:2007はさすがにとても強い味ですが今飲んでも美味しいです。

その後「2003のリゼルヴァもあと少しある」と言うので飲ませていただくことに。
これがもう実に美味しくて。
エレガントなタンニンの甘みがあり、味わいはとてもやわらかい。もちろんブルネッロのしっかりとした骨格の力強さもあって、見事なバランス。

「2003は一般的には飛びぬけて良い年とは言われていませんが、それほど悪くなかったのでリゼルヴァも造りました。熟成を重ねて、今凄くいい状態になっています。」
という説明に私たちは頷くばかり。その場でオーダーをして帰ったのは言うまでもありません。

ファットーイの訪問を終えて

ファットーイがサンタレスティトゥータにあるとは分かってはいましたが、実際に畑を見に行ってカーゼバッセとガヤの畑に隣接している風景を目の前にして改めて「やはりただ者ではなった」と実感しました。

ポテンシャルの高い、素晴らしい土地を誰よりも早く見つけてブルネッロを造り始めたオーナーのオフェーリオおじいちゃんの先見の明に脱帽。そのおじいちゃんもまだまだ現役なのが嬉しかったです(写真の右から2番目がおじいちゃん)。

大手ワイナリーや外国人も進出しているモンタルチーノの中で、土地にしっかりと根付いているファットーイのブルネッロは造り手の顔が見える、心が伝わるワインだと感じました。

ファットーイとの記念撮影

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