2005年4月6日 パネットーネ界のフェラーリ!ベッレンダ社のプライベートギフト(パネットーネ)の造り手ロイゾン訪問

2005/04/06
2005年4月6日 パネットーネ界のフェラーリ!ベッレンダ社のプライベートギフト(パネットーネ)の造り手ロイゾン訪問


2004年2月の料理王国に載っていた記事を読んで
あこがれていたパネットーネメーカーロイゾン。

このロイゾンが、その年トスカニーで大ブレークした
ベッレンダ社の自家用ギフトのパネットーネの生産者とは
去年まだ気が付いていませんでした。

2005年4月にイタリア出張時、
ベッレンダのパネトーネメーカーに行こうということになり、着いた先はロイゾン!

社名を聞いて、どこで聞いてたんだろう?などと思いながら、
後になって、そうだ、パネットーネ界のフェラーリ!
と、あの辛口ワインガイドのワイン評論家のヴェロネッリさんをして、

「ため息を漏らさずには食べられない、僕の気に入りのパネットーネだ」

といわしめたパネットーネ。

イタリアでもっとも権威アルグルメガイドガンベロロッソで

「これはパネットーネ界のフェラーリである」

といわしめた、そのパネットーネメーカーロイゾンだったのです。







にこにことして、とても親切な現社長(ダリオ・ロイゾン氏)が対応してくださいました。
社長さんの口癖は
「Molto Importante」(とっても重要なのは!)

「とっても重要なのは、この工程で、十分に熱をさますことだ!」

などというように、非常に力をこめて、ロイゾンのパネットーネ作りがいかに、大手メーカーと違うのかを教えてくれました。

確かにイタリアの主要道路を走ると、大手有名パネットーネメーカーの巨大な看板が目に留まります。
大抵は巨大な工場で、驚くばかりですが、
このロイゾンは、逆に小さな工場で驚いてしまいました。


ロイゾンの社長さんに教わった
大手メーカーとのパネットーネ作りの違い

◆ 酵母の違い ◆
ロイゾン 大手メーカー
乳酸系の自然酵母
乳酸系の酵母ではない
工業製品はおなかいっぱいになるのに対して、乳酸系自然酵母だとおなかいっぱいにならない。更に保存性にもすぐれていて6ヶ月たってももちもち♪

「うちには、色々なお客様がいますが、胃の手術をした老人が、わざわざ遠くからパネットーネを買いに来てくれる。『これだと、いくらでも食べられて胃に負担がないんだ』っ言ってね」と社長さんは嬉しそうでした。

◆ 原材料の違い ◆
すべてイタリア産 外国のものを多様
◆ 製造方法の違い ◆
すべて手作業 機械による作業
◆ 製造時間の違い ◆
最低72時間以上 36時間
「いいかい!土曜日に仕込んで、日曜日に生地をねかせる。月曜日もねかせたあと小さなかたまりにする。そして、焼くのは火曜日だ。これだから、うちは、少ししか生産できないし、それでいいと思っている。
パネットーネ作りは丁寧に扱わないとね。工場内の温度も年間通じて18度。これがとても大事なことだ。まったく大手メーカーとはちがうんだ。」
◆ 粉を混ぜる時間の違い ◆
27分間 7分間
「そして、もっとも重要なことは原料を混ぜ合わせるのは27分は必要だ。
大手メーカーはこれに対して7分しか混ぜない。長く時間をかけてゆっくりまぜること。
これがもっとも重要なんだ。」
◆焼きあがったパネットーネの冷却時間の違い◆
トータル8時間  (もっと全然少ない?)

「そしてもっとも重要なことは、焼きあがったパネットーネの冷却時間。まず、焼きあがったパネットーネは荒熱をとるのに、室温で3~4時間冷却する。このとき、途中でさかさまにして1~2時間さますんだ。さかさまにするのもとっても大事だ。
そして、その後、完全に冷却するために室温16.5度の冷却専用室で3~4時間。このときもっとも大切なのは、部屋の空気は動かさないこと。変な風が吹いているとパネットーネが乾燥するからね。大手メーカーといえば、ラインにのったまま、上下から冷気をかけて熱を取るんだ。」


自分たちの作っているパネットーネは、手作りで大手メーカーにはまねの出来ない上等なもの!
そういう気持ちが話の中の随所に現れていらっしゃいました。


一通り製造工程を見た後、リビングルームのような応接間に。
そこには、とても美しいパッケージのパネットーネが並んでおり、思わず、うれしくなってしまうほど。

これらのラッピングを考えているのが、奥様。

社長さんも、さかんに、「日本人の女性はどんなラッピングが好きなんだ?」を連発。「リボンは何色が好きか?」など、イタリアでも、パネットーネの売れ行きを左右するのは女性の感性のようでした。




インタビューを終えて:


今回。入荷予定のベッレンダ社のパネットーネは、単に、名門ベッレンダのプライベートギフトというだけでなく(だから?)、ロイゾンというすばらしいメーカーの手による心のこもった手作りの最高のパネットーネであることは間違いありません。

 

ロイゾンのパネットーネはこちらから!>>

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