2014年6月12日 グイド ベルルッキ社 パオロ ジリアーニ氏来社

   
突撃インタビュー

2014年6月12日 グイド ベルルッキ社 パオロ ジリアーニ氏来社

フランチャコルタの生みの親、グイド ベルルッキ。いっとき、フランチャコルタ協会から脱退し、フランチャコルタを造らない時期がありました。私がイタリアに住んでいた時がまさにそうだったのですが、なぜそうなったのか、そして再びフランチャコルタに戻った苦労話など、フランクにお話をお聞きしました。

イタリア国内で7秒に1本開けられているフランチャコルタ

グイド ベルルッキはイタリア国内で年間に約400万本飲まれています。単純に計算すると7秒に1本開けられているフランチャコルタ、と言うことになります(笑)。フランチャコルタ全体では1400万本の生産本数で、グイドベルルッキは450万本です。

自己所有畑は90haありますが、ブドウの大部分は600haの契約畑のものです。ずっと昔から契約をしている畑には特に厳しい条件を課しています。良いできの年だけ購入する畑もあれば、良い条件の区画の場合は毎年購入する契約をとっているものもあります。いずれにしても、ヴィンテージにかかわらず常に高い品質を保つことを重視しています。

フランチャコルタの生みの親グイド ベルルッキとフランコ ジリアーニ

私の父、フランコジリアーニは地元の出身で、アルバの醸造学校で勉強しました。グイドベルルッキはスティルワインを造っていたワイナリーでしたがなかなか思うようないいワインができず、悩んでいたところ、人からフランコを紹介されて彼にアドバイスを求めました。スティルワインの相談だったのですが、フランコはフランチャコルタがスパークリングワインに適した土壌だと見極め、スティルではなく、スパークリングワインを造ったらどうかと持ちかけたのです。実は父はシャンパーニュが大好きで、シャンパーニュの研究をしていたのです。その知識があったからこその提案でした。
   

結果は大成功。1961年にピノディフランチャコルタと言う名前の初めてのスパークリングが誕生、1967年にDOCに認定されました。その後、多くのワイナリーがフランチャコルタを目指して投資を始めました。

 

フランチャコルタの大成功の結果、供給不足に。品質確保のために認定区域外のブドウを使うことを選んだベルルッキは協会を脱退し、フランチャコルタの名前を捨てた

1960年代後半、イタリアでフランチャコルタは大人気となりました。そのため、いいブドウを確保することが難しくなりました。フランコはベルルッキの品質を守るためにDOCエリア外のトレンティーノのシャルドネと、オルトレポーパヴェーゼのピノネーロを使うことを決めました。それによってフランチャコルタではなくなるため、難しい決断でしたが、品質確保を重視したのです。1975年のことでした。

そして生まれたのが「キュヴェ インペリアーレ」です。フランチャコルタを名乗らない独自のキュヴェではありましたが多くの方に愛されるワインになりました。

 

フランチャコルタ誕生50周年と同時にフランチャコルタに完全カムバック

フランコの息子たち、すなわち私と兄のアルトゥーロ、姉のクリスティーナがワイナリー経営を加わり、次第に「フランチャコルタに居るならば、フランチャコルタを造るべきではないか」と考えるようになりました。脱退した70年代に比べレベルの高い畑が増え、良いブドウを得やすくなっていたのでフランチャコルタのエリア内だけのブドウを使い、「キュヴェストリカ」として2000年に久しぶりにフランチャコルタを仕込みました。

2011年はフランチャコルタ誕生から50年。協会ではその記念の年に生みの親であるベルルッキとともにお祝いしたいと考えていたので私たちに熱烈に復帰を呼びかけました。また、2011年はフランコが80歳を迎えます。それもあって、2011年までにすべての商品をフランチャコルタに戻そうという計画を立てました。とはいえ、フランチャコルタは長い熟成が必要なので時間がかかる。結局、最後の「キュヴェインペリアーレ」が2011年にフランチャコルタになって、私たちのプロジェクトは完了しました。

2011年、協会と一緒に50周年を盛大に祝いました。そしてフランチャコルタはイタリアの文化であるということで郵政省が記念切手を発行しました。そこにデザインされたのが1961年に初めて造った「ピノディフランチャコルタ」のボトルです。

 

高い生産量と高品質を実現するための技術力

生産本数を維持しつつ、高品質を保つためにさまざまな技術を取り入れています。大切なのは各畑の個性を確実に把握することと、ベストのタイミングで収穫を行うことです。ミラノ大学と共同でGPSを使用して区画の分類を行い、各畑の特徴を把握しました。ブドウの生育状態はラジコンを飛ばして写真を撮り、それを参考に収穫のタイミングを見計らったりもしています。
 

お祝いの象徴になったキュヴェインペリアーレ

フランチャコルタ キュヴェ インペリアーレ プリュット
90%シャルドネ、10%ピノネーロというセパージュは1975年の初リリースから全く変えていません。フランチャコルタの様々な場所のブドウをブレンドしています。「これがフランチャコルタだ」という味になっています。

キュヴェインペリアーレはお祝い事の象徴です。イタリア人は何かお祝いがあるとキュヴェインペリアーレで乾杯するのです。

香りにはミネラルとパイナップルやバナナなどの南国フルーツ。味わいはやわらかく最後に印象に残る苦味がある。これがキュヴェインペリアーレの特徴であり、フランチャコルタの特徴です。


フランチャコルタ キュヴェ インペリアーレ プリュット
 

友人の勧めで造ったマックスロゼ

フランチャコルタ キュヴェ インペリアーレ マックス ロゼ
ベルルッキはイタリアで初めてロゼでスパークリングワインを造ったワイナリーです。このマックスロゼは友人の勧めで造りました。その友人の名前がマックスだったからこの名前になったんですよ(笑)。


フランチャコルタ キュヴェ インペリアーレ マックス ロゼ
 

インタビューを終えて

イタリアで一番目にするフランチャコルタがベルルッキ。7秒に1本開けられている、と言う話も納得です。脱退していた時間が長かったとはいえ、フランチャコルタを世界中に有名にしたのは間違いなくベルルッキで、脱退や復活にまつわるエピソードはとても面白かったです。

スタンダードキュヴェでありベルルッキの顔であるキュヴェインペリアーレはフランチャコルタを知るのにも最適のワインですし、いつ飲んでも安心の品質があります。さらに上級ラインにはイタリアソムリエ協会の最優秀ワインに輝いたり、生産量と品質ともにトップクラスであることを証明しています。

日本に輸入されているフランチャコルタの造り手も増え、色々なフランチャコルタが飲めるようになりましたが、ある意味クラシカルなフランチャコルタの代表としてのベルルッキと飲み比べることでフランチャコルタの世界の豊かさを楽しめるのではないかと思います。

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