2014年6月13日 ヴィエ ディ ロマンス社 ジャンフランコ ガッロ氏来社

2014/06/13
突撃インタビュー
 
2014年6月13日 ヴィエ ディ ロマンス社 ジャンフランコ ガッロ氏

ヴィエ ディ ロマンス社 ジャンフランコ ガッロ氏 突撃インタビュー

ジャンフランコ氏とワインを前に
フリウリを「イタリア屈指の白ワイン産地」として世界中に知らしめた造り手ヴィエ ディ ロマンス。現オーナーのジャンフランコさんは若干17歳で父親からワイナリーを受け継ぎ、イソンツォ平野をイタリア最高の白ワイン産地へと劇的に変化させた凄い人物です。

勉強熱心で探究心旺盛。そして妥協のないワイン造りを続けるジャンフランコさんの人柄にも触れることのできた貴重な時間を過ごすことができました。

イソンツォ平野はブドウ栽培に適した土地でもともとは1570年からブドウ造りをしてきた歴史ある一族が起源

イソンツォ平野にあるマリアーノ デル フリウリに広がるブドウ畑ワイナリーは、スロヴェニアの山から流れてくるイソンツォ川の谷に広がるイソンツォ平野にあるマリアーノ デル フリウリにあります。ドロミテ山脈の氷河が崩れて運ばれた岩や土が堆積した土壌で、ミネラルが豊富なことと、石が多いので水はけがよいのが特徴でブドウ栽培に適している土地です。

フリウリはアルプスと海に挟まれた土地なので、地中海性気候と大陸性気候がぶつかってできる気候が特徴です。東ヨーロッパから吹いてくるボーラと言う涼しくて乾燥した風もこの土地ならではです。

私の家族はガッロと言う名前で、1570年にはブドウを造っていたという記録があります。ヴィエ ディ ロマンスは私で3代目になりますが、子供の頃から畑仕事とワイン造りに親しんでいたので迷わず醸造学校に入り、勉強しました。そんな私を見て父は自分がワイン造りをするよりも私に任せた方がいいはずだと17歳で私にワイナリーを継がせたのです。

イタリアワインの革命が起こっていた時代にワイン造りをスタート

17歳で父から受け継ぎ、1978年に初めてボトリングした時は「ガッロ」と言う名前でリリースしていましたが、商標の関係等もあり、ワイナリー名をこの土地の名称でもある「ヴィエ ディ ロマンス」に変えました。

70年~80年代はイタリアワインの革命が起こっていた時代で、伝統的な考え方を変えていこうという機運が各地で盛り上がりました。フリウリだとスキオペットが最初です。

 

「最高の品質のブドウを収穫する」がポリシー。22名の社員が畑作業に従事。

ヴィエディロマンスのポリシーは「最高の品質のブドウを収穫する」ということです。全部で55ha(現在収穫できるのはそのうち50ha)の畑がありますが、それを22名の社員で面倒を見ています。この規模のワイナリーとしてはすごく多い人数です。この土地はテロワールが素晴らしいのはもちろんですが、それだけでは最高品質のブドウは出来ません。努力が必要です。

畑作業は手作業が中心です。畑ごとに特徴があるのでそれぞれの特性に合った栽培を行っています。最高品質のブドウだけを収穫するため、ベーシックワインとか上級ライン、と言う考えはありません。50haで240,000本の生産本数ですが、一般的なワイナリーの約半分の生産量です。

フリウリとピエモンテは栽培農家のスタイルが似ている

フリウリはスロヴェニアとオーストリアと国境を接していて、歴史的にはオーストリア・ハンガリー帝国に属していたこともあり、文化や思想、メンタル面で影響を受けています。19~20世紀の初めまでフリウリの農家は自家消費用のワインを造り、貴族たちは帝国に販売するためにワインを造っていました。大きな土地を所有していた貴族たちは徐々に力を失い、土地を手放していったのですが、それを小さな農家が少しずつ購入して自分たちの農地を広げていった。だから農家ひとりひとりの畑面積は小さいんです。それはピエモンテに共通しています。大貴族が権力を持ち続けたトスカーナとはこの点が異なります。

ヨーロッパの上質なソーヴィニョンとニューワールドのソーヴィニョンには明確な違いがある

ソーヴィニョンは世界中で人気の高いブドウで、ニュージーランドなどニューワールドのものも有名です。ヨーロッパで良質なソーヴィニョンと言われているワインは価格的にもそれなりにしますが、低価格帯のニューワールドのものとは明らかな違いがあります。

ソーヴィニョンはアロマティックなブドウですが、上質なソーヴィニョンのアロマはとても繊細でエレガントで自然な良い香りがします。そしてそれ以上に素晴らしいのが味わいです。良質な香りが味の中にも表れていて、とても豊かな印象を受けるはずです。

もちろん、フランスの知名度の高いワインだからと言ってすべてがいいものだというわけではありません。価格がいくら高くても品質が伴わなかったり、環境や状況が変わっているのに造り方を改良する気のない造り手もいます。そういうワインを私は受けいることは出来ないですね。

2つのソーヴィニヨンの楽しみ方
これから紹介するいずれのソーヴィニヨンも飲むときはボルドータイプのグラスがいいです。口の狭いグラスはソーヴィニョンの香りが開かないのでむいていません。そして1時間ぐらい前に抜栓されるか、デキャンティングしてください。

抜栓して次の日、さらに次の日にもっとアロマと味わいがより豊かに、はっきり感じられるようになります。できれば1日で飲み干すのではなく、時間の経過とともにどのように変わっていくのかを感じていただきたいですね。

ステンレス醸造の「ピエーレ」
ピエーレ ソーヴィニヨン ブラン 2012
ピエーレ ソーヴィニヨン ブラン 2012


ピエーレは畑の名前で、ヴィエ ディ ロマンスが単一畑で造った初めてのワインになります。1984年が初リリースです。当時は品種をブレンドしたワインが流行していましたが、ソーヴィニョンだけで造っています。恐らく、フリウリで畑名入りで造られた初めてのワインのひとつではないかと思います。

ピエーレの醸造はすべてステンレス。ソーヴィニョンらしいアロマがあって、柑橘系の香り、そしてミネラルと酸がしっかり感じられます。

樽醸造の「ヴィエリス」
ヴィエリス ソーヴィニヨン ブラン 2012
ヴィエリス ソーヴィニヨン ブラン 2012


ヴィエリスも単一畑です。ピエーレはステンレスタンクのみの醸造ですが、2つ目のソーヴィニョンはバリックを使うと決めていたのでヴィエリスはオーク樽(旧樽)で熟成します。

ピエーレとヴィエリスは実は異なるクローンのソーヴィニョンで、ピエーレはイタリア原産、ヴィエリスはフランス原産のクローンです。植樹のタイミングでそうなったのもありますが、結果的にはよかったと思います。

フルーティーさと成熟感とミネラル。土地のテロワールを表現した樽熟成シャルドネ
ヴィエ ディ ロマンス シャルドネ 2012
ヴィエ ディ ロマンス シャルドネ 2012


醸造所の周囲にある畑で造られるシャルドネです。発酵は一部ステンレス、残りをバリック。熟成にはバリックを使います。熟したメロンやリンゴのアロマ、樽のニュアンスもありますがフレッシュな果実味と調和しています。

若いうちは果実味が、そして熟成が進むにつれてトリュフやフォアグラのようなニュアンスがでてきます。そんな熟成感も楽しんでいただきたいです。

インタビューを終えて
17歳でワイナリーの社長になり、一代でイタリアを代表する造り手になったジャンフランコさん。コツコツと地道にまじめに努力を重ねていくことが素晴らしいワインへの近道なんだということを感じました。そして、フランスの白ワインもとても研究されていて、世界レベルのトップクラスのワインをすごく意識して造っているのだと思います。
ジャンフランコ氏とトスカニースタッフの集合写真
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