名門ブルゴーニュ「ルイジャド」が手掛けるエレガンス溢れるオレゴン ピノ ノワール「レゾナンスヴィンヤード」

2018/07/27

ルイジャド「ルイジャド」が手掛けるエレガンス溢れるオレゴン ピノ ノワール「レゾナンスヴィンヤード」ジャックラルディエール氏来日セミナー

1859年の創業ブルゴーニュの名門ルイ ジャドが、2013年アメリカ、オレゴンで手掛けるワイナリー「レゾナンスヴィンヤード」のワインメーカーであるジャック ラルディエール氏来日セミナーに行ってきました!近年注目を集めるオレゴンのピノノワール。「レゾナンスヴィンヤード」はまだリリースして2ヴィンテージ目。とても若いワイナリーですが、ブルゴーニュの名門ルイジャド社がフランス以外で初めて手掛けるとあって、ワインのプロフェッショナルからも高く注目を集めています!

 

ルイジャドブルゴーニュの名門ルイ ジャドがフランス以外で初めて手掛けるワイナリー

1859年の創業ブルゴーニュの名門ルイ ジャドが、2013年、アメリカ、オレゴンのヤムヒルカールトンにあるレゾナンス ヴィンヤードを購入し、フランス以外で初めて手掛ける新しい挑戦を始めました。ルイ ジャドはこの冒険的ともいえる事業に踏み出す前に、何度も現地へ足を運びました。そして畑だけでなく、そこから産み出されるワインや働く人々などから、ルイ ジャドの新しい出発に絶好の地と判断し、新しい事業へと乗り出したのです。このレゾナンス ヴィンヤードを出発点としたプロジェクトを「レゾナンス」と称しました。

42年間ルイ ジャドの醸造責任者を務めたジャック ラルディエールが手掛ける

この壮大なプロジェクトを遂行するためにふさわしいチームが必要となりました。ちょうどその頃、ルイ ジャド社には42年間ルイ ジャドの醸造責任者を務めたジャック ラルディエールが「レゾナンス ヴィンヤード」のワインメーカーに就任、そして社長ピエール アンリ ガジェの息子チボー ガジェが数年前に加わり、彼もまた新たな挑戦に立ち向かう準備が出来ていました。レゾナンスの醸造にはジャックが、統括にはチボーがあたり、新天地でのワイン造りに取り組んでいます。

ジャックラルディエール氏ジャック ラルディエール氏

1948年フランス、ヴァンデ県生まれ。マコンにあるアラントゥール栽培醸造学校を卒業後、ボージョレ地区のジュール ショーヴェ(1907~1989 バイオダイナミック農法の先駆者。人工栽培酵母を用いたワイン造りを批判し、土壌のポテンシャルをワインに活かすべきだと主張して、その調査と実験に一生を捧げる)と、多種の自然酵母から産まれる異なった香りのニュアンスに関する研究に没頭し、またパスツール研究所のブレショ教授とともにバクテリアの生物学を研究。

1970年、22歳でルイ ジャド社にワインメーカーとして入社し、同社の発展に大きく寄与する。3万ケースだった生産規模(1970年)が100万ケース(2017年)にまで発展し、ブルゴーニュエリアを網羅する一大ネゴシアンとしての確かな品質を確立させました。42年間従事し2012年に引退。その後ほどなくして、ルイ ジャド社が2013年より初めてブルゴーニュ以外の地、アメリカ、オレゴンで手掛ける「レゾナンス ヴィンヤード」のワインメーカーに就任。現在に至る。

 

オレゴン州ウィラメットヴァレー、AVAヤムヒル カールトンルイジャド
レゾナンス ヴィンヤードはオレゴン州、ウィラメットヴァレー地区にあるAVAヤムヒル カールトンにあります。13ヘクタールの所有地の内、8ヘクタールにピノ ノワールが栽培されています。畑は海岸山脈を基点に西から東へ低く伸びる尾根の凸部にあり、標高は80~150メートル程です。

堆積物と玄武岩の保水力と水はけのバランスに優れた土壌
土壌はウィラケンジー(古い海洋性の堆積物)とヤムヒル(玄武岩土壌)で構成されており、保水力と水はけのバランスに優れた土壌のお陰で灌漑設備の必要がありません。自根によるブドウは1981年に植樹された希少なブドウ樹です

 

ジャックラルディエール氏「ブルゴーニュとは異なる地層や天候を反映したピノノワールを造る事にあります」

オレゴンでのレゾナンスのプロジェクトは世代を超えて続いていくもの。ワイン造りはその場所と深く関わっています。オレゴンでは既に1960~1970年代には既に本格的なワイン造りが始まっている土地です。

レゾナンスで私が挑戦したのは、ピノワールが持つ幅広いスペクトル(領域)のある香りを表現するという事です。ブルゴーニュ的なワインをオレゴンで造るつもりはありません。この土地で価値のあるワイン造り、つまりワイン醸造を通じて、ブルゴーニュとは異なる地層や天候を反映したピノノワールを造る事にあります。品種としてのピノノワールを造るというよりも、土地の個性を表したワインを造りたいと思っています。

「オレゴンは歴史こそ浅いですが、土地が持つ豊かなエネルギーを感じます」
オレゴンは歴史こそ浅いですが、これから色々な事が起きるであろう、いわば「新しい土地」。土地もブルゴーニュの地質の歴史(1億2000~1億6000年前)と比べてもまだ歴史が新しく、(土地が持つ)豊かなエネルギーを感じます。ウィラメットヴァレーの中でも、AVAヤムヒルカールトンの玄武岩土壌は400万年の歴史があり、地区の中でも古い歴史を持つ土壌です。

レゾナンスヴィンヤードの畑は1981年に既に植樹された畑です。自根が残っています。ブルゴーニュでワイン造りをしてきた人間としては驚くべきことで、自根のブドウが残っている事は大変貴重な事で非常にインパクトのある事です。」とジャック氏は情熱的に話してくれました。

ジャックラルディエール氏「2014年は柔らかく芳醇な味わいで、輝きに満ちています!」
試飲ではレゾナンス ヴィンヤード ピノ ノワール 2014が素晴らしい出来映え。ジャック氏も「2014年は素晴らしいヴィンテージでした。ワインは柔らかく芳醇な味わいで、輝きに満ちています!収穫は9月12日から始まり、9月20日に終えました。素晴らしい年でしたが、高い気温には少々対処が必要でした。涼しさに欠ける気候により収量はやや多めで、私達は果敢に畑の管理を行いました。そうしなければ、収量はあまりにもおおくなり、この驚く程見事なヴィンテージは記憶に残らないものとなってでしょう」と絶賛していました。

 

 

ウィラメット ヴァレー ピノ ノワール 2015 レゾナンス ヴィンヤード

ウィラメット ヴァレー ピノ ノワール 2015 レゾナンス ヴィンヤード

若々しいエネルギーが躍動する明快で開放的なピノ ノワール

明るいルビーの色調です。赤スグリ、レッドチェリーに黒い果実が交じり、レザー、スパイス、樽香のニュアンスが上品に寄り添います。飲むと、果実の厚みがありながらもチャーミングで愛らしい酸味、タンニンは丸みがありスムーズ、エネルギッシュでフレッシュ、心地よい飲み心地があります。時間が経つにつれ、より深みのある味わいへと変化していきます。大柄ではありませんが、若々しいエネルギーが躍動する明快で開放的な酒質となっています。

 

 

 

レゾナンス ヴィンヤード ピノ ノワール 2014

レゾナンス ヴィンヤード ピノ ノワール 2014

オレゴンらしい若々しく躍動感ある味わいと隙のない上質な酸

明るいルビーの色調です。グリオットチェリーや赤い果実、涼し気なミネラル、石灰のニュアンスが重なります。飲むとしなやかな口当たりで輝かしい酸がボディの
美しさに磨きをかけています。厚みがありながらも、緻密で隙のない目の詰まった充実したハリのある味わい。終始ミネラルが屋台骨に走り、重々しさを感じさせない流麗な飲み心地があります。オレゴンらしい若々しく躍動感ある味わいと隙のない上質な酸が見事なピノノワールです。

 

比較試飲でブルゴーニュワインも2種試飲しました。
サヴィニー レ ボーヌ ルージュ 2014 ルイ ジャド

サヴィニー レ ボーヌ ルージュ 2014 ルイ ジャド」(試飲は2015ヴィンテージ)

サヴィニィ・レ・ボーヌの村はアロース・コルトンとペルナン・ヴェルジュレスに隣接するコート・ド・ボーヌの北部にあります。赤スグリ、スパイス、ミネラルに富んだ瑞々しい香り。しなやかな果実感と酸が綺麗に溶け合うエレガンス。タンニンは細やかで実に繊細。

 

 

 

ジュヴレ シャンベルタン 2014 ルイ ジャド

ジュヴレ シャンベルタン 2014 ルイ ジャド

この村のワインの特長がよく生きたワインです。チェリー、なめし皮、ミネラルの清らかさ。伸びるような酸とミネラルに支えられた果実味。タンニンがしっかりしたフルボディで、まろやかな味わいが最後まで続くワイン。

 

 

 

ワイン試飲会
ジャックラルディエール氏の情熱的なお話でした。素晴らしい可能性オレゴンのテロワール。ワイナリーとしはまだ2ヴィンテージ目という事ですが、今後が益々楽しみです。以上ロッチャの「行ってきました」でした。次回もお楽しみに!