2010年10月7日 キャンティクラシコの名門 フォンテルートリ来社

突撃インタビュー

■2010年10月7日 キャンティクラシコの名門 フォンテルートリ来社



(フォンテルートリ社のアレッサンドロさんと)

14世紀からワイン生産を始めていたというマッツェイ家が経営するフォンテルートリ社。もっとも古いキャンティの造り手として1398年の文献にも登場するほど!トスカーナのワイナリーで最も多くのトレビッキエリを受賞する、文句なしのNo.1キャンティクラシコ生産者のお話しが直接聞ける、貴重な時間を過ごすことができました!!


(経営者のマッツェイ家の人々)
アレッサンドロ氏:フォンテルートリは、マッツェイ家が所有する3つのワイナリーの中で、最も古い歴史を持っています。キャンティというワインが販売され始めた時代の文献にも、フォンテルートリのキャンティが貿易で使われたという記載が残っています。そして、キャンティクラシコの中で最も評価されているワイナリーでもあります。『ガンベロロッソ』の最高賞であるトレビッキエリをもっとも数多く受賞しています。

アレッサンドロ氏:フォンテルートリは、特徴の異なる5つの畑を所有しています。それぞれ、標高が異なり、土質や気象条件も異なります。100m標高が上がれば、気温が1度下がります。例えば、シエピの畑は標高200m、一番高いレリーペは500mです。

 
~フォンテルートリと他のキャンティクラシコ生産者との違い~

アレッサンドロ氏:畑は全部で117haありますが、特徴に応じて120区画に分けて管理しています。その区画ごとに収穫を行い醸造しています(ミクロヴィニフィカツィオーネ)。エノロゴが、そのひとつひとつをチェックして、どの区画のワインをどのワインに使うかを決めます。まず、トップキュヴェの「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」に使う区画を選びます。ここがいちばん重要な点なのですが、フォンテルートリでは区画ごとに造るワインを決めてはいません。つまり、どのブドウもトップキュヴェの「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」に使う可能性があるのです。ワイナリーによっては、低価格帯のワイン用にブドウを買ったり、栽培したりするところもありますが、フォンテルートリではそういうことは決してありません。ただ、シエピだけは、単一畑のブドウを使います。出来の良くない年にはシエピは造りません。

アレッサンドロ氏:最高キュヴェの「カステッロ・ディ・フォンテルートリ」は、まず、キャンティが持つ一般的なイメージ、果実感があり、酸とタンニンがしっかりしている、というものを大切にします。そして、そこに高い凝縮感とまろやかさを加えてフォンテルートリのスタイルを造り上げていきます。理想とする味とするための区画を選び終わったら、その次はスタンダードキャンティクラシコのための区画を選びます。こちらはカステッロに比べると凝縮感は減りますが、よりフレッシュ感を出す味わいとなっています。そして最後にバディオラ。一番若いブドウを使っていますが、かたさを和らげるためにメルローとブレンドしています。

ゴローザ:トップキュヴェに使う区画を選ぶ時期はいつごろですか?

アレッサンドロ氏:各区画ごとに発酵後にバリック(小樽)で熟成させるのですが、その樽の影響がまだ出ていない時期に選びます。だいたい翌年の5月から6月ぐらいですね。

ゴローザ:フォンテルートリ全体では、樹齢はどれぐらいなんでしょうか?

アレッサンドロ氏:何しろ120区画ありますから、随時植え替えをしていますのでこの区画が何年、とは言えませんが、だいたい15年から40年ぐらいです。

アレッサンドロ氏:フォンテルートリの畑の様子がこちらにあります。標準的なキャンティの畑に比べて非常に高密度に植樹されているのがお分かりかと思います(約3倍)。

フォンテルートリの畑

標準的なキャンティの畑

 

~試飲~


■ポッジョアッラバディオラ2008

アレッサンドロ氏:バディオラというのは、小さい教会という意味です。バディオラを作る区画のある標高の高い畑の近くに小さな教会があることから名付けました。飲んでいただくとお分かりの通り、とても若々しく、気軽に飲めるワインになっています。

ゴローザ:これでも結構、重厚感があって飲みごたえもあります。気軽に毎日飲めるワインにしてはかなり贅沢ですよね。

アレッサンドロ氏:(笑)そうですね。まあ、キャンティクラシコやカステッロ、シエピに比べて「軽い」ということですね。私は毎日のように飲んでいますので、つい、バディオラは軽いと思ってしまうのですが。実際、このワインには日常の食事によく合います。トマトソースのパスタですとか、野菜のフライなどにもいいですね。このフレッシュ感がフライの脂っぽさを消してくれるんです。この前は仙台で牛たんと一緒に飲みましたよ。

ゴローザ:それにしても、このバディオラ凄いです。これで2000円以下なんですよね。。。

アレッサンドロ氏:そうです。まさにバディオラは「Super tuscan for everyday.(毎日のスーパートスカン)」です。

一同:納得。

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■キャンティクラシコ2007

アレッサンドロ氏:サンジョヴェーゼを90%、その他の黒ブドウを10%使っています。サンジョヴェーゼが90%というのは、上級キュヴェのカステッロも同じです。飲んでいただくとわかりますが、余韻が長く、そこに甘い果実味を感じます。このあたりがフォンテルートリがモダンスタイルと言われる理由になっています。骨格はしっかりしていますが、タンニンがより丸くなり、早く飲めるように造っています。特徴が同じ畑しかなければ、このような味を毎年出すことは不可能です。特徴が異なる120区画の畑を持っているフォンテルートリだからこそ、このようなスタイルのワインを造ることができるのです。

ゴローザ:一般的に、キャンティクラシコは標高の違いで特徴は変わるのですか?

アレッサンドロ氏:ひとつ言えることは、サンジョヴェーゼは育てるのが難しいブドウなんですね。標高が高い畑だと完熟させるのに時間がかかり、いいストラクチャーを造り上げる時間が足りない。逆に、優しいエレガントな味わいとなります。だからフォンテルートリでは、このような特性を生かして、毎年ワインに使う区画を選んでいるのです。

アレッサンドロ氏:このキャンティクラシコには先ほどのバディオラよりもしっかりした思い味の料理に合わせます。トマトソースではなくラグー、豚肉料理であれば構想やスパイスでしっかり味付けしたもの、もちろん、赤身のお肉ならシンプルに焼いて合わせてみてください。

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■カステッロディフォンテルートリ2006

アレッサンドロ氏:フォンテルートリ(Fonterutoli)とは、「光り輝く泉」という意味の「Fons Rutilant」が語源です。この場所が、シエナからフィレンツェを旅する人たちが馬に水を与えるために休憩していたことからこのような名前がついています。トスカーナは乾燥した気候のため、このような湧水のある場所は土壌が良いところとされ、ブドウ栽培に最適なところだったのです。

アレッサンドロ氏:ワインに話を戻します。キャンティクラシコ同様、サンジョヴェーゼを90%。そして、全体の味を完成させるため、他品種を10%ブレンドします。キャンティクラシコの次に飲むと、明らかに違いがわかっていただけると思いますが、凝縮感が一気に増します。このワインには、通常の肉料理よりも、コショウを利かせた羊やラム、辛いエスニック料理などとも美味しく飲んでいただけます。

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■シエピ2006

アレッサンドロ氏:サンジョヴェーゼとメルローで造るワインとして、最も評価されるワインです。過去15年のヴィンテージで、ガンベロロッソの最高賞トレビッキエリを13回、ワインスペクテイターでも同じく、90点以上を13回獲得しています。『ガンベロロッソ』が選んだ「イタリアを変えた50本」の中にも選ばれています。

アレッサンドロ氏:シエピはフォンテルートリの中で唯一、単一畑で造っています。所有する畑の中で最も低い場所にある畑「シエピ」は肥沃な土地のため、痩せた土地を好むサンジョヴェーゼを育てるにはちょっと難しい場所なのですが、メルローには最適。トスカーナで肥沃な土地というと、サッシカイアやオルネライアなどのボルゲリがありますが、あそこは元々赤ワイン産地ではなく、ロゼワイン産地でした。それが、カベルネを植えると非常に高品質なものができたのです。シエピの畑はメルローが最適なことがわかったので、サンジョヴェーゼとメルローという組み合わせが実現したのです。サンジョヴェーゼの酸とタンニン、メルローの果実味のふくよかさ。お互いの特徴を補完し合って、素晴らしいワインができあがったのです。

アレッサンドロ氏:シエピは、ヴィンテージの影響を受けやすいので、良い年にしか造りません。ただ、最近はずっと良い年なので、雨の多かった2002年以外はすべて生産しています。

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~試飲を終えて~
トスカーナには本当に歴史の長い造り手がたくさんあって、フォンテルートリもそのひとつ。素晴らしい造り手だということはわかってはいましたが、こうして、ひとつひとつの畑のことやワイン造りのポリシーなどを聞いて、改めてフォンテルートリが世界各地で評価されたり、トスカーナでもっとも数多くトレビッキエリを受賞している理由がわかりました。全ての畑がトップキュヴェに使われることを前提に栽培され、117ha120区画をひとつずつ醸造しているという徹底ぶり。こうして選び抜かれたトップキュヴェのカステッロはもちろんのこと、そこに選ばれなかったとしても、もともとのレベルが非常に高いブドウで造るキャンティクラシコとバディオラ。4つのワインを通して飲むとフォンテルートリの完成されたスタイルがしっかり理解でき、お客様にもこの素晴らしいワインをもっと楽しんでいただきたいと思いました。

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