カイアロッサの若き醸造家が造るテロワールを反映した優美なトスカーナワイン

突撃インタビュー
2016年11月1日 カイアロッサ社 ドミニク ジェノー氏

息をのむ精妙なブレンド技術と類まれなテロワールを余す事無く表現!感性豊かな若き醸造家が造る優美なトスカーナ「カイアロッサ」

カイアロッサ社ドミニクジェノー氏と
トスカーナ州ピサ南部、ティレニア海を見下ろす周りを森で囲まれたリパルベッラの丘陵地にワイナリーを構えるカイアロッサ。栽培醸造責任者は世界中から注目を集める若手ドミニク ジェノー氏。彼はボルドー大学を卒業直後、2006年に若干26歳でカイアロッサに抜擢された実力の持ち主です。ビオディナミ農法と11種類もの多様なブドウを使い、繊細かつ大胆なタッチで余すことなくリパルベッラの12種類の異なる土壌の味わいを忠実に表現しています。フランスで培った精妙なブレンド技術とイタリアの多彩なテロワールの個性が交錯する魅力に満ち溢れた思わず息をのむ深い味わいを持つワインです。栽培醸造責任者のドミニクジェノー氏にお話を聞きました。

ボルドー特級格付けワイン『シャトー ジスクール』のオーナーが所有するカイアロッサ

ワイナリーカイアロッサの醸造責任者となって10年経ち、イタリア語にも慣れてきました。カイアロッサはフランス、ボルドーのマルゴー村にある特級格付けワイン「シャトー ジスクール」と「シャトー デュ テルトル」を持つオランダ人のオーナーエリック アルバイダ イエルヘルスマ氏が2004年から所有しています。カイアロッサはトスカーナ西部のピサ南部に1998年に創業したまだ若いワイナリーで、「赤い石」が多いごつごつとした土壌から名づけられています。

紀元前に造られたバッカスの彫像が発掘された歴史深い土地

バッカスピサ最南端に位置するリパルベッラ
ピサの最南端リパルベッラに31ヘクタールの土地を所有していますが、ブドウ畑は14ヘクタールのみです。畑はティレニア海岸から50キロ程内陸に入った地で、典型的な地中海性気候です。周辺にはワイン生産者は無く、人里離れた自然と静寂に囲まれた素晴らしい環境です。

 

紀元前に造られたバッカスの彫像が発掘された土地
その先にはエトルリアの町として知られるヴォルテッラがあります。ラベルに描かれている酒神バッカス(ディオソニス)像はカイアロッサが所有している地ヴォルテッラから出土されたもので紀元前4世紀ごろのものとされています。

 

性質の異なる12の土壌標高150メートル~200メートルの畑は石灰質と粘土質の土壌、標高200~250メートルの畑では鉄分の含む砂質の土壌です。畑だけでも12種類の異なる土壌の区画があります。

ボルドー大学卒業後26歳でいきなりカイアロッサの栽培醸造責任者に抜擢

ドミニク氏カイアロッサの栽培醸造責任者に抜擢
カイアロッサとのきっかけは、ボルドー大学で学んでいた時の教授がオランダ人で現オーナー、エリック氏と引き合わせてくれました。シャトージスクールとブルゴーニュのエマニュエル ルジェで醸造を学びました。2006年、大学卒業後はすぐにトスカーナのカイアロッサでワイン造りの栽培と醸造の責任者に抜擢されました。その時は26歳でした。まずフランスとイタリアで醸造の違いを感じました。最たるものはバリックの使い方です。新樽を中心に使うボルドーとは異なり、イタリアでの樽の使い方は様々でした。

 

地図 

ビオディナミ農法による11種類の多様なブドウ栽培
そこで「イタリアにもフランスにも存在しないワインを造ろう」と考えました。ボルゲリの北部にあたる恵まれた環境にある為、サンジョヴェーゼと国際品種の10種類のブドウ(メルロー、カベルネフラン、カベルネソーヴィニョン、プティヴェルド、シラー、グルナッシュ、ムールヴェードル、シャルドネ、ヴィオニエ、プティマンサン)を全てビオディナミ農法で栽培しました。
自然そのものから導き出された伝統的な方法を用いて畑を管理しています。除草剤、殺虫剤、化学肥料は一切使用せず、イラクサや柳、カモミール、ツクシから抽出した植物性の調合剤を使い自然で調和のとれたエコシステムを採用しています。生産量の95%が赤ワインで白ワインは5%ほどにしか過ぎません。

 

畑私の仕事は「ブドウと土壌をいかに活かしてあげるか」という事
また収穫は数日に分けて、ベストの状態のブドウのみを収穫します。その時に気を付けていることはブドウの酸のバランスです。ワインにとって最終的に大切なのがテロワールです。人の手、技術を加え過ぎようとすると自然なバランスが崩れてしまいます。私の仕事は「ブドウと土壌をいかに活かしてあげるか」に尽きると思います。
余談ですが、「フランスとイタリアの醸造学校の違い」を申し上げると、フランスは醸造士になる為には狭き門の大学に受からないといけません。一方イタリアは大学には入りやすく、仕事を見つけていく事が難しいと言えます。とはいえイタリア人はワインとサッカーに関してはフランス人よりも情熱的で真面目で、特に優秀な醸造家がとても多いです。

完熟果実の洗練された香りと上質の飲み心地!トスカーナのレストランで人気のカイアロッサが造る極少白
カイアロッサ ビアンコ トスカーナ2013
極少量造る洗練された香りと上質のコクと飲み心地良さを持つ珠玉の白ワインです。ヴィオニエ65%、シャルドネ35%のブレンドです。ドミニク氏は「2013年はクラシックな年で果熟も比較的スムーズに進みました。醸造時にバトナージュをする事でシャルドネのふくよかさとミネラル感が際立ちます。生産本数がとても少ないので地元からトスカーナの良いレストランでしか使われていないワインです。」

 

試飲コメント:輝きのある麦わらのトーンに黄金色のグラデーションが魅力的な色調です。完熟果実と菩提樹の蜜、石灰やミネラルの涼しげなニュアンスが美しく寄り添う香りです。骨格のしっかりとしたボディを上品に包み込む繊細な樽のニュアンスがあり実に心地よい飲み口です。

カイアロッサ ビアンコ トスカーナ2013
華やかな個性と力強くも均整の取れたスタイルの魅力的な香り
ペルゴライア トスカーナ2011
収穫年毎のブドウの特色が反映されるようにブレンド比率は毎年異なります。品種、区画ごとにブドウを分けて醗酵と熟成を行います。
「2011年は例年より収穫が2週間も前倒しとなり、ブドウも一気に完熟へと向かいました。抜栓したては少しガスがあるので、数時間前に開けておくか、デカンタに入れてから飲むと良いと思います」

 

試飲コメント:熟したプラムやチェリーの香りにレザーやタバコ、ハーブのアクセントがあります。粗さやブレはなく伸びやかで心地よい印象です。充実した果実感とハリのある酸と力強い骨格が見事なバランスで構成され、飲み心地の滑らかさがありながらも、中盤からペルゴライアの豊かな風味が広がりを魅せていきます。

ペルゴライア トスカーナ2011
偉大な2005年の傑出した美しい飲み心地!多彩なテロワールの魅力に
満ち溢れた「ペルゴライア」
ペルゴライア トスカーナ2005
ペルゴライアはトスカーナのスタイルを重視したサンジョヴェーゼ主体の構成です。ドミニク氏の類まれなブレンド技術と多彩なテロワールの個性が交錯する実に魅力に満ち溢れたワインとなっています。

 

試飲コメント:熟したプラム、カシス、スミレの花の豊かさにマッシュルームやレザー、スパイスが溶け込む艶やかな印象です。、熟した果実の奥深さと滑らかさがあり、今でもフレッシュさを感じる程で口中に染み渡る傑出した美しい飲み心地が感じられます。実力の高さをまざまざと見せつけられる一本です。

ペルゴライア トスカーナ2005
力強くも洗練されたタンニンが寄り添うブドウ本来の豊かな果実感
アーリア ディ カイアロッサ2011
有名なオペラ「アリア」から名前を取ったこのワインは私たちが造る最上のオペラ「カイアロッサ」への前奏曲として楽しんで頂きたいと思っています。カベルネ フラン(44%)、メルロー(30%)、シラー(22%)、カベルネソーヴィニョン(4%)で2011年は構成されています。このエリアはブドウが確りと完熟する地で、酸もしっかりと残ります。ブドウ本来の豊かな味わいを楽しんで欲しいと思っています」

 

試飲コメント:フレッシュさとバランスの良さが魅力のワインで、アプローチしやすいしなやかさと芳しい豊かなアロマがあります。タンニンは洗練されたスタイルで、メドックのワインを想起させるヴェルヴェットのような円やかさと果実の凝縮感溢れる豊潤な余韻があります

アーリア ディ カイアロッサ2011
ジェームズサックリング95点!カイアロッサ史上最高の出来ばえ!深くリッチな洗練された口当たり
カイアロッサ トスカーナ2009
『ジェームズサックリング』で95点のハイスコアを獲得した2009年。ドミニク氏も「2009年と2008年はこれまでのカイアロッサでとても特徴が異なる2本となりました。是非飲み比べてみてください」とテロワールとヴィンテージの個性が色濃く出た秀逸な1本です。

 

試飲コメント:果実味とタンニンは滑らかに溶け合い、スムーズでありながら芯に感じる力強さ、そしてこのワインを美しく磨き上げる伸びやかな酸があり、洗練されたボディは滑らかなタッチで口中を駆けていきます。
優美な円やかさを想起させるボディがありつつも、サンジョヴェーゼの美しさが胸に染み渡る逸品

カイアロッサ トスカーナ2009
テロワールの個性が
溶け合う熟した美しいアロマ!飲み頃を迎えたスーパートスカン「カイアロッサ」2008年
カイアロッサ トスカーナ2008
ワイナリーの最上キュヴェが「カイアロッサ」は素晴らしい感性を持つ若き醸造家ドミニク ジェノー氏がフランスで培った精妙なブレンド技術と、イタリアの多彩なテロワールの個性が交錯する魅力に満ち溢れた、思わず息をのむ深い味わいを持つワインです。

 

試飲コメント:熟したカシスやブラックベリーのフルーツにフローラルなスミレの花、コーヒーやタバコ、レザー、スパイスの複雑なアロマが魅力です。熟成により角のとれた優美な果実味とタンニンは滑らかに溶け合い、スムーズでありながら芯に感じる力強さがあります。時間が経つにつれ、グラスからは刻々と変化する多様な香りが立ち上り、実に伸びやかでエレガンスに満ちています

カイアロッサ トスカーナ2008
インタビューを終えて
若干26歳でカイアロッサの責任者に抜擢されたドミニク氏が造り上げるワインは類まれなブレンド技術と複雑なテロワールを最大限生かした、実に誠実で深い味わいが印象的でした。多様なブドウの味わいがスムーズに織り重なる素晴らしい風味、刻々とグラスの中で変化を続ける味わいの豊かさ。ボルドーで培ったブレンドの技術とイタリアで身につけたテロワールの表現への真っすぐな想いが余す事なく表現されています。特に2005年のペルゴライアはサンジョヴェーゼの慎ましやかな奥深さとカベルネフランとメルローの滑らかさが見事に開花したまさに「飲み頃」の一本。一方、カイアロッサ2009年はメドックの優美な円やかさ想起させるボディがありつつも、サンジョヴェーゼのクラシカルな美しさが光り、味わいが胸に染み渡る逸品。同2008年との比較で若いドミニク氏の素晴らしい感性に驚きを覚えました。唯一無二の冴え渡る個性がここにはあります。今後ますます目が離せなくなりました。トスカーナ愛好家もボルドー愛好家も是非飲んで頂きたい生産者です。
カイアロッサ社ドミニクジェノー氏とトスカニースタッフ
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