ベルタ社の長期熟成最高峰グラッパ!飲み手を魅了する芳醇な味わい

2016/11/08
突撃インタビュー
 
2016年10月25日 ベルタ社 エンリコ ベルタ氏

バチカン市国御用達の最高峰グラッパ!長期熟成の圧倒的な深みと飲み手を魅了する芳醇な味わい「ベルタ」社

ベルタ社エンリコベルタ氏と
2017年で創業70周年を迎えるグラッパ最高峰のメーカー「ベルタ」社。戦後間も間もなく、多くの人が望みを失っていたこの時代に、希望をもって栽培を続けたブドウ生産者と常に未来の消費に向け、歩みを止めなかったベルタ社は1979年、これまでの常識を打ち破るバリック長期熟成によるグラッパ造りに取り掛かり、グラッパ最高峰の地位を確立、その豊潤で高貴な味わいは有名イタリアレストランに必ずオンリストされています。国際的もVIPにこよなく愛され、アメリカのオバマ大統領の就任パーティで開けられた他、バチカン市国御用達としても知られています。まさに「キング オブ グラッパ」の風格を持つベルタ社。オーナーであるエンリコ ベルタ氏にお話を聞きました。

日本で30年近く販売しているベルタのグラッパ

日本でベルタ社のグラッパが販売されるようになったのが1989年で、日本に来るようになって27年が経ちました。現在世界74ヶ国以上で販売されていますが、日本はTOP5に入る大切な場所です。昨年来日した時は桜の綺麗な季節でした。そこからインスピレーションを得て現在、桜の樽熟成したグラッパ研究しています。

良質な部分しか使わない徹底ぶり

ヴィナッチャ良質のヴィナッチャが必須条件
ベルタグラッパの造り方についてですが、私たちのカンティーナはピエモンテ州北西部に位置しています。この地はブドウ栽培が盛んで、ワイン醸造に使われたヴィナッチャ(皮と種子の着いたブドウの搾りかす)を蒸留して造られるのがグラッパです。良いヴィナッチャとは、プレスされ過ぎていないマスト(果汁)が残っていることが必須条件です。ピエモンテを中心にイタリア全土の有能なワイナリーから酸素が入らず新鮮な状態でヴィナッチャを保てるベルタ社オリジナルの容器(特許取得)で運ばれ保管されます。

良質な蒸留部分しか使わない徹底ぶり
蒸留は単式蒸留器で2回にわたって行われます。まず1回目の蒸留で「フレンマ」と呼ばれるアルコール40~45度の液体が出来上がります。2回目の蒸留でアルコール度数は72~82度までに上ります。出来上がった液体全てをグラッパにすることなく、ブドウの種子から出る油分を除去、クオーレ(中心部)と呼ばれる良質な部分だけを徹底して抜き取ります。この作業は高品質のグラッパ造りに欠かせないものとなります。

クラシックを聴かせながら熟成される158万リットル貯蔵可能な偉大なカンティーナ
選りすぐられた液体は加水する前の状態で最低でも1年から18ヶ月樽熟成を行います。次にバリック熟成に入る訳ですが、カンティーナには「ベルタの金庫」と呼ばれる225リットルのバリックが4800樽、500リットルのトノーが1800樽もあります。合計して約158万リットルもの貯蔵量を有しています。純水で加水して43~45度のグラッパを熟成させます。その後は長いもので30年近く熟成させる事になります。ベルタのグラッパはモーツァルト等のクラシック音楽を聞かせながら熟成をさせていますが、実のところ働いている若い従業員はあまりクラシックに興味がないようです(笑)

 

兄ジャンフランコに捧げる限定グラッパ「ソーロペルジャン」

ソーロペルジャンまた研究発展の為にオーク以外の樽も実験をしています。栗、サクラ、トネリコの樽を試しています。近年さらに新しい試みで100リットルの小樽を使いグラッパを熟成しています。昨年亡くなった兄のジャンフランコに捧げるプロジェクトグラッパです。看板銘柄であるトリソーレトレ、ロッカニーヴォ、ブリックデルガイアンの3つをブレンドさせた限定品「ソーロ ペルジャン」です。このグラッパの収益はイタリア国内において若年層の就業をサポートする財団に寄付しています。1200リットル樽で8年、100リットル樽で2年間の計10年熟成させています。

1979年「ブライダ」からバリックを分けてもらいバリック熟成を導入

カンティーナベルタ社がグラッパにバリックを導入したのは1979年です。父の代は大樽でグラッパを熟成していましたが、1978年、ベルタの友人であったブライダの創業者ジャコモ ボローニャ氏がアンジェロ ガヤ氏、カ デル ボスコのマウリッツィオ ザネッラ氏と共にブルゴーニュに渡りバリック熟成を学びます。ブライダは「ブリッコ デル ウッチェッローネ」で初めてバルベーラをバリック熟成させたことがきっかけとなり、ブライダのバリック樽を分けてもらい熟成を始めたところ、円やかで味わい豊かなグラッパが出来ました。当時バルベーラやグラッパをバリック熟成させる生産者はいなかったです。現在ではイタリア国内のみならず、海外においてもベルタのグラッパを高く評価していただいた事を誇りに思っています。

エンリコ氏が教えるベルタグラッパをより楽しむ為の『秘訣』

グラス大きなグラスで少しずつ楽しむ
ベルタのグラッパを楽しむにはまず、グラッパ用の小さなグラスでは香りと味わいが立ちません。出来れば大きなグラスで楽しむ方が良いです。注がれたグラスをそっと手で包み、温度を上げる事です、人間の体温と近づける事で、飲んだ時のアルコールの強さを、より柔らかく感じる事が出来ます。そして、すぐにたくさん飲まずに、一口目は少しだけ飲み、口中にアルコールを慣らせます。2口目から香り、味わいをゆっくりと楽しみます。

焼き菓子グラッパと楽しむスウィーツ、シガー
グラッパと共に楽しんで頂きたい焼き菓子モンバルツォです。1876年から変わらないレシピ(卵白、砂糖、アーモンド、アマレット)を使ったピエモンテの伝統的焼き菓子でグラッパと非常に良く合います。(焼き菓子というので固いイメージがありましたが、しっとりした食感でとても美味しく、グラッパとの相性も抜群でした)。またシガー等にもとてもよく合い楽しめます。

娘ジュリアの名が付いたピエモンテ産シャルドネ100%グラッパ!バニラとトロピカルフルーツの風味が魅力的な味わい
ジュリア グラッパ ディ シャルドネ インヴェッキアータ
ジュリア グラッパ ディ シャルドネ インヴェッキアータ


オーナーエンリコ氏の娘ジュリアの名前が付いた「ジュリア グラッパ ディ シャルドネ」はピエモンテ州アルバ産シャルドネ100%で、シャルドネの搾りかすを非連続式銅製蒸留釜で蒸留し、225リットルのスロヴェニア産オーク樽で10~12ヶ月間熟成しています。
試飲コメント:バニラやトロピカルフルーツの魅力的な風味があり、特にチョコレートとの相性が良いです。

世界74ヶ国で愛される高品質かつ長期熟成を経た豊かな味わい
エリージ グラッパ ディ バルベーラ カベルネ ネッビオーロ
エリージ グラッパ ディ バルベーラ カベルネ ネッビオーロ


エリージは7年間熟成のバルベーラダスティ(50%)、5年間熟成のネッビオーロ(25%)、3年間熟成のカベルネソーヴィニョン(25%)と種類もヴィンテージも異なるグラッパをアリエトロンセ産の225リットルのバリックでそれぞれ個別に熟成させてブレンドされたグラッパです。
世界74ヶ国で愛されるベルタのベストセラーグラッパ です。
試飲コメント:優美で複雑な印象的なアロマがあります。ベルタの長期バリック熟成の深い味わいはそのままに、そのお買い求めやすい価格で人気商品となっています。

樽熟成8年!
ネッビオーロ100%美しい琥珀色と個性的な丸みのある風味
トレ ソーリ トレ グラッパ ディ ネッビオーロ
トレ ソーリ トレ グラッパ ディ ネッビオーロ


「トリ ソーレ トレ」とは3種類のクリュのヴィナッチャを使用する事から(=トレ)、太陽の恵みがグラッパに力強さを与えてくれる(=ソーレ)から名づけられています。
試飲コメント:美しい琥珀色です。黒スグリやアプリコット、マラスカ・チェリーのような熟した果実の香りと共にカカオやバニラを感じさせる個性豊かな丸い香りと味わいが特徴です。

ベルタグラッパ3種を惜しげもなくブレンド!美しい調和と圧倒的な深みの10年熟成限定品「ソーロペルジャン」
ソーロペルジャン
ソーロペルジャン


長年ベルタの総責任者として活躍してきた現オーナーエンリコ氏の兄であるジャンフランコ氏へ捧げる限定グラッパです。ベルタ社の看板銘柄グラッパである3本、「トリ ソーレ トリ」、「ロッカニーヴォ」、「ブリック デル ガイアン」を惜しげもなくブレンドし、10年間もの長期熟成を経てリリースされる限定品です。
試飲コメント:魅惑的な深い琥珀色です。モスカート由来の完熟した果実に小さな実の果実、ココアやバニラのリッチな香りが際立っています。飲むと濃密ながら洗練された味わいが広がるリッチな味わい。3種のブレンドによる美しい調和と圧倒的な深みが感じられます。日本国内僅か240本の限定品です。ベルタのファンならずとも是非手に入れたい素晴らしいグラッパです。

創業者へ捧げるベルタ社最高峰20年熟成グラッパ!美しさと強さが溶け合う極上品
パオロ ベルタ セレツィオーネ デル フォンダトーレ
パオロ ベルタ セレツィオーネ デル フォンダトーレ


創業者パオロベルタ氏に捧げる最高峰グラッパがリゼルヴァ デル フォンダトーレです。バルベーラダスティ、バローロ用ネッビオーロを使います。蒸留後はミディアムローストしたアリエ、トロンセ産の225リットルのバリックで19年3カ月もの長期熟成を経てようやくリリースされる逸品です。

※パオロ ベルタ リゼルヴァ デル フォンダトーレは、パオロ ベルタ セレツィオーネ デル フォンダトーレに名称変更しました。

試飲コメント:タバコやカカオ、バニラの複雑で幅の広い丸みのある個性豊かな香りが奏でるハーモニー。熟成による甘美で魅惑的な香りはベルタにしか出し得ない圧倒的な深みがあります。圧倒的な豊かな風味、滑らかな舌触り、心地よい余韻。20年という豊かな時間軸を持つリゼルヴァ デル フォンダトーレのみが奏でる美しさと強さが溶け合う「完成された最高峰グラッパ」。
インタビューを終えて
圧倒的な深みと豊潤な味わいで世界中のVIPを魅了するベルタ社。戦後の失望感漂う中、常に希望をもってグラッパを造り続けた強い意志と情熱を持つ生産者と言えます。またグラッパという限られたジャンルの中で、1979年に「バリック熟成」という新しいメンタリティを持ち込んだ革新的な生産者とも言えますが、決して急いて販売することなく、長期熟成を経てリリースする事でこれまでにはなかった新たな最高品質のグラッパを求めました。その結果、グラッパ最高峰の造り手として常に賞賛される存在となっています。最後にエンリコ ベルタ氏は「ベルタ社には醸造所の他に歴史的博物館、8ヘクタールの公園、宿泊施設、リストランテがあります。グラッパが産まれた土地、風景も楽しんで欲しいと思い設立しました」と話してくれました。エンリコ氏の情熱的なお話とベルタ社グラッパの芳醇な香りが立ち込め、世界最高峰「キング オブ グラッパ」にすっかり魅了された一時となりました。
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