バローロの革命児エリオアルターレが認めた醸造家「チョ テス」さんによるテイスティングセミナー

突撃インタビュー
2016年3月4日 エリオアルターレ社 チョ テス氏

バローロの革命児エリオアルターレが認めた醸造家「チョ テス」さんによるテイスティングセミナー

エリオアルターレのチョウ テス氏と
エリオ アルターレは殆どのバローロ生産者が仲買人にブドウを売って生計を立てていた1970年代に、
化学薬品を使わない質の高いブドウの栽培とバリックによる新しい醸造スタイルを導入しました。長期熟成が当然だったバローロを、若くても楽しめるモダンスタイルのバローロへ、
いわゆる「バローロボーイズ」の先駆者として今も世界的に高い評価を得る「最高峰のバローロ」の生産者です。エリオ アルターレに認められた醸造家、東京浅草出身のチョ  テスさんにお話を聞きました。

長年祖先から守り引き継がれたバローロエリアが廃れてしまう危機に

1970年代のバローロ地区は伝統的生産地として名を馳せていたものの、
どんなにいいブドウが出来ても、零細な栽培家達にとっては従来の制度では仲買人に安く買い叩かれ、ひとまとめに混ぜられて
販売されていた悪循環を目の当たりにしていたエリオアルターレ。「このままでは長年祖先から守り引き継がれた偉大なるランゲ地区(バローロエリア)が廃れてしまう」
という強い危機感の下、隣国フランスのブルゴーニュワインが非常に高値で取引される現状を確かめに
1976年にロベルト ヴォエルツィオや故マッテオコレッジャらとともにブルゴーニュへ視察に向かいます。

一過性の「バローロのモダン化」では無く「ランゲ地区の真の復興」を目指したエリオアルターレ

ブルゴーニュでの栽培方法は伝統的にピエモンテで当たり前とされていた常識を
覆す様々なことが行われていました。収穫量の制限、畑ごとの格付け、小規模生産者達が自ら瓶詰め、
新樽による熟成という手法は、エリオにとってランゲ地区復興の足がかりとなりました。ピエモンテに戻ったエリオは今までの因習を打ち破り、
ブドウの質を最大限に高め、区画毎の収穫、
自然酵母による醗酵、よりエレガントさを求めたバリック熟成、
自ら醸造し販売まで行うようになります。エリオが目指したのは一過性の「バローロのモダン化」では無く、
「ランゲ地区の真の復興」を目指したもので、
次第に周囲の生産者も賛同し、その動きは「バローロボーイズ」として
世界中知れ渡るようになり、今日におけるエリオアルターレの地位を築いてきたそうです。「バリック熟成」という味わいのスタイルばかりに
目がいきがちな「バローロボーイズ」ですが、
生産地の復興にかける熱い思いがヒシヒシと感じられます。エリオアルターレやバローロの素晴らしい歴史を、
身振り手振りを交えてダイナミックに話される
情熱的なテスさんのトークにグイグイ引き込まれてしまいます!

力強くエレガントで華やかなワインを産みだすバリック醸造

エリオアルターレ地図

ワイナリーの周囲には異なる条件の畑が広がり、其々の場所に適したブドウ栽培が行なわれています。
醸造には15分で1回転する回転式発酵槽「ロータリーファーメンター」を採用することで
マセラシオンの期間を短く出来、エリオが求めるよりエレガントで華やかなワインに仕上げていきます。熟成にはバリック樽を使いますが、生命力豊かなエリオのブドウは樽の風味に負けず、
力強くも実にエレガントでしなやかなスタイルとなっています。テスさんは2009年からエリオを共に醸造を行なっていて、テスさんの発案で、
畑で培われたブドウの酵母を使い、畑毎に酵母まで同じくして醗酵させる方法を導入、
長年行なってきたルモンタージュの方法も改良する等、エリオアルターレのように
常に最善を追求し創意工夫するテスさんの話がとても印象的でした。エリオアルターレロータリーファーメンターエリオアルターレ樽

そしていよいよテスさんの解説による貴重な試飲が始まります!

滑らかな果実感とイキイキとした酸の綺麗な味わい
ドルチェット ダルバ2013
北向きの涼しい畑で栽培される
樹齢25年以上のドルチェット種から造られます。
2013年は5月下旬の気温が4度を記録し、
寒さのあまりニット帽をかぶって仕事をしたそうです。
それほど春から夏にかけて
気温の高低差がありましたが、6月以降は
快晴が続き、ブドウも良く成長してくれた年です試飲コメント:イキイキとした酸が骨格を支えています。
軽やかながら芯の通った綺麗な味わいがあり上品。
エリオアルターレのテイストが確りと感じられる
秀逸なドルチェット。
ドルチェット ダルバ2013
凝縮感がありながらとても繊細。エレガントバルベーラ
バルベーラ ダルバ2013
ラモッラ地区の南向きの畑で収穫された
ブドウを3~5日間マセラシオンして
2~3回使ったバリック樽で6ヶ月間熟成させます。試飲コメント:凝縮感がありながらもとても繊細。
溢れるような果実感とミネラルと酸に富み、
緻密で隙がない。
エレガントで
非常にバランスが取れている。
バルベーラ ダルバ2013
濃密な果実感と極めて長い余韻唯一無二のバルベーラ
ランゲ ロッソ ラリジ2011
かつてラリージと呼ばれていた場所で 1983年に
ウッチェローネのブライダと共に研究して初めて造った
樹齢68年以上のバルベーラ100%のバリック長期熟成キュヴェ。
検査機関で香りも味もバルベーラらしくないと
DOCに認めてもらえず、あえてバルベーラを
名乗らずにランゲ ロッソ ラリージとしてリリースしています。試飲コメント:濃密で深い果実感と力強いボディがありますが、
非常に滑らかでスムーズな口当たり。タンニンはしなやかで
余韻も極めて長い。唯一無二のバルベーラ。
ランゲ ロッソ ラリジ2011
エレガントな調和。エリオアルターレが表現するバローロの姿
バローロ2010
ラモッラ、セッラルンガ、カスティリオーネ
の3つの個性の異なる畑のブドウから造られる
エリオが求めるバローロというワインを表現することを目的に造っています。平均樹齢は20~30年で一回使用した樽で熟成されます。
2010年は冷涼な年。9月下旬から朝方が一気に冷え込み寒暖差が発生した
理想的な年となりました。試飲コメント:ラ・モッラのエレガントさとカスティリオーネの味わい深さ、
セッラルンガの力強さが絶妙に重なり合う。
ブレンドよる相乗効果で素晴らしい調和があり、
実にエレガントなバローロ。
バローロ2010
単一クリュから産まれる緻密で力強いボディ「バローロ アルボリーナ」
バローロ アルボリーナ2010
アルターレの代表的な畑「アルボリーナ」は
ラモッラ地区を代表するクリュで
石灰質に粘土と砂質が混じる土壌です。
他のクリュに比べ明瞭なタンニンが残り、
特徴的なミントの香りがあります。試飲コメント:スミレの花やプルーンの香りの豊かさに
力強くメリハリの効いた酸とミネラルを感じます。
目の詰まったボディの強さとエレガントさのバランスが
見事でスケールの大きなワイン。
バローロ アルボリーナ2010
僅か3軒のみが所有するエリオアルターレの希少キュヴェ
バローロ チェレッタ ヴィーニャ ブリッコ2008
セッラルンガの銘醸畑「チェレッタ」の中でも
最上部に位置するのがヴィーニャブリッコ。このエリアを所有している生産者は
エリオアルターレとパオロスカヴィーノ、
スキアヴェンツァの僅か3軒のみ。チェレッタの畑はマグネシウムに富み、
より力強く男性的な締まった味わいとなります。試飲コメント:余計なものがそぎ落とされ、美しくしなやかな果実感と
力強い骨格の相反するような要素が共存していますが、自然に溶け合い
実に奥深い味わいで余韻も非常に長いです。エリオアルターレは「偉大なワインはシンプルだが単純ではない」
と評しています。まさにそんな言葉を表すかのようなワイン。
バローロ チェレッタ ヴィーニャ ブリッコ2008
インタビューを終えて
最後に「なぜワインの道を選んだんですか?」と聞きました。テスさんは学校を卒業後、長野、三重の親戚のブドウ畑を手伝った事が最初のきっかけだったそうです。イタリア料理もとても好きだったことも重なり、2003年にはイタリア、アルバにある醸造学校にまで通い始めてしまった程。卒業後は一番好きなワイン「エリオ アルターレ」に通い詰めるうちにエリオに認められ雇われるようになったそうです。セミナーの最後まで情熱的で笑顔のテスさんの笑顔に本当に嬉しくなりました!
エリオアルターレの名刺の肩書きには「農民」と書かれてあるそうです。自然に敬意を払い、代々受け継いだ偉大な畑を守る偉大な「農民」が造るワイン、聞きしに勝る美味しさでした!
最後にエリオアルターレのチョウ テス氏と
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