DOCG「コッリーネテラマーネ」で造る名門バローネコルナッキア社

突撃インタビュー
2017年6月12日 バローネ コルナッキア社 カテリーナ コルナッキアさん、フィリッポ コルナッキアさん

アブルッツォ唯一のDOCG「コッリーネテラマーネ」で400年続く名門!有機栽培でエレガンス溢れる緻密なモンテプルチアーノ「バローネ コルナッキア」

バローネ コルナッキア社 カテリーナ コルナッキアさん、フィリッポ コルナッキアさんと
アブルッツォ州で唯一のDOCG「モンテプルチアーノ コッリーネテラマーネ」内にすべての畑を所有し、400年に渡ってこの地を牽引してきた名門「バローネ コルナッキア社」。一般的にモンテプルチアーノ ダブルッツォと言えば、「濃厚なデイリーワイン」のイメージがありますが、バローネコルナッキア社はテロワールを意識した「エレガンス溢れる緻密なモンテプルチアーノ」で世界市場から大変注目されています。元々折り紙付きの実力を持つバローネ コルナッキア社は2016年からワイナリーを任された娘カテリーナさんと息子フィリッポさんによる有機栽培のさらなる実践、ロータリーファーメンター醗酵の最新設備の導入で更なる素晴らしい進化を遂げています。モンテプルチアーノというワインの新しい可能性、魅力を引き出し今後ますます目が離せない生産者です。カテリーナさんとフィリッポさんに躍進を遂げる「北のモンテプルチアーノ」DOCGコッリーネテラマーネエリア、バローネコルナッキア社の新たな取り組みについてお話を聞きました。

代々家族経営で栽培から瓶詰まで自社で行っている高品質なワイン造り

カテリーナさん4世紀にわたってこの土地を所有。男爵の称号を持つ「バローネ コルナッキア」我々の一族はアブルッツォ州北部テーラモ県にあるトラーノ ヌオーヴォで16世紀末から4世紀にわたってこの土地を所有してきました。コルナッキア家が1577年、ナポリ王国によってバローネ(男爵)の称号を与えられ、ブルボン王朝との国境を接するこの土地を管理する役目を負っていたことに関連しています。

 

家族写真代々家族経営で栽培から瓶詰まで自社で行ってい高品質なワイン造り

2016年8月に父の仕事を引き継ぎ、息子であるフィリッポが醸造を担当、私(娘)が経理全般を担当しています。アブルッツォ州はワインの生産量がイタリア国内で5番目に多い州です。小規模のブドウ栽培家が集まって出来た協同組合によるワイン造りが大半を占めています。「アブルッツォ州の赤ワイン」と言えばモンテプルチアーノと呼べる程、生産量も多いブドウです。アブルッツォ州内の約80%のモンテプルチアーノは州内でボトリング、販売されますが、残りはバルクワインとしてヴェローナやフィレンツェ等に売られるケースもあります。バローネ コルナッキア社は代々家族経営で栽培から瓶詰まで自社で行ってい高品質なワイン造りを行っています。

 

表彰1933年にモンテプルチアーノでワインコンクールに出品

1933年には私の祖父が既にワインコンクールに出品、高品質なワイン造りをしていました。当時日常消費ワインとして使われていたモンテプルチアーノ種を使ったワインをコンクールに出品する事は非常に珍しく、アブルッツォ州における高品質ワイン造りの先駆けがバローネコルナッキア社なのです。1970年代に入ると白ワイン用のブドウ、トレッビアーノ自社で瓶詰を始めました。それに伴い品質を向上させる為最新の醸造設備を取り入れる等、常に革新的なアクションを行ってきました。

 

クローン証明書コルナッキア家の生産者から採取された優良クローン「Rー7」

現在数多くの生産者が使用するモンテプルチアーノ種のクローン「Rー7」は最も古い優良クローンの一つで、1969年私たちの祖父の時代に植えられていたコルナッキア家の畑のモンテプルチアーノから採取されたものとして証明書が発行されています。モンテプルチアーノ種自体は本来タンニンが非常に強いブドウで長期の熟成も可能です。収穫はブドウの実や種が成熟するのを待ってから10月中旬以降に行わなければなりません。収穫を待つことはリスクを伴いますが本来のモンテプルチアーノという味わいを引き出す為には重要な事です。日本では2013ヴィンテージのモンテプルチアーノ ダブルッツォを販売していますが、イタリアではもう2015ヴィンテージになっています。つまり日本で買う2013ヴィンテージの方がモンテプルチアーノの熟成した柔らかみや旨みがしっかりと感じられます。私も昨日2013年を飲んで、とても良い状態を迎えていると思いました。

アブルッツォ州唯一のDOCG「コッリーネ テラマーネ」内に畑を所有

地図
アブルッツォ州唯一のDOCG「コッリーネ テラマーネ」内に畑を所有
私達の畑は4世紀にも渡り受け継がれた素晴らしい歴史を持っています。この土地の自然環境を守る為、畑では農薬や化学肥料を使わない有機栽培を行っています。ビジネス拡大の為の有機栽培ではなく、先代から引き継いだ土地への尊敬の念から行っている事です。

 

北部と南部で異なるモンテプルチアーノの味わい
私達のカンティーナがあるのは北部に位置するテーラモ県で、小さな生産者による高品質なワイン造りが行われているエリアです。アブルッツォ州唯一のDOCG「コッリーネ テラマーネ」に指定され、厳しく収量が制限されています。バローネ コルナッキア社の畑はブドウ栽培に理想的な丘陵地帯にある事、畑の全てがこのDOCG内にあります。総面積98ヘクタール、内ブドウ畑は48ヘクタールになります。一方、南部キエーティ県になると平野部に多くの畑が存在し、協同組合による大量生産のモンテプルチアーノ種のワイン造りが盛んです。アブルッツォ州のモンテプルチアーノといっても、北と南でその性格と品質は全く異なります。

 

畑
DOCG「コッリーネテラマーネ」が他のエリアに比べ何が優れているのかと言うと、

 

1.古くから葡萄栽培に最も適した土地2.海抜240メートルの丘陵地である
3.アドリア海から15キロ
4.霊峰グランサッソの麓に近い恵まれた立地条件
5.素晴らしいミクロクリマが存在
6.石と石灰岩の土壌

という事が挙げられます。

 

赤、白共にこれだけの好条件を満たしているエリアは州内でも「コッリーネ テラマーネ」だけ

古くから適した南東向きの地で標高の高く、海と山に囲まれた理想的なエリアです。石と石灰岩の土壌で、ブドウ樹が養分を求めて下部深くに根を伸ばす事により、出来上がるワインにミネラル感をもたらし、長期熟成向けのワイン造りに向いている土壌と言えます。これらの要素が揃っているので、エリア最高峰の品質が保たれているのです。白ワイン造りにおいても複雑性とミネラル感のある仕上がりとなり、赤、白共にこれだけの好条件を満たしているエリアは州内でも「コッリーネ テラマーネ」だけではないかと思います。

多様な植物の生態系を産み出す有機栽培を実践

有機栽培多様な植物の生態系を産み出す有機栽培を実践
恵まれた条件に加えて、有機栽培を行っています。化学肥料、農薬、除草剤等は使用しません。必要な時にだけ(主に5~8月のみ)自然環境に配慮した銅と硫黄を使います。ブドウの葉、房の箇所に使用するのみで畑全体には使いません。畑は草生栽培で、雑草もそのまま活かしていますので、多様な植物の生態系が出来ています。畑に手を加える事を最小限に抑えているので土壌は活発に活動しています。雑草があるおかげで雨が多い年でも水はけが良いという利点も産まれました。カンティーナにはソーラーパネルを設置し、使用電気を自社でまかなっています。

 

エノロゴアゴスティーニ氏ヴェレノージのエノロゴ、ゴーフレート アゴスティーニ氏を招聘
2012年からヴェレノージでコンサルタントを務めるエノロゴ、ゴーフレート アゴスティーニ氏を招聘しました。ワイン造りのすべての行程に厳しい手順を定める事で、より明確で、緻密なワイン造りを可能にしています。コルナッキアでは彼と畑に出向き、実際に皮や実を食べて、丸みのあるタンニンのタイミングがどうあるべきか、葡萄が完璧に熟した時期など、そして、白には、フレッシュさをキープできる時期などの助言を受けています。収穫時には、週3日、それ以外の時期は週1回コルナッキアのワイナリーに訪れ葡萄やワインの状態を確認します。ブドウの品質は向上しています。新たな改革を行いつつ、バローネ コルナッキアの個性を失わない、その先のある物を追い求めたスタイルを感じとりプログラム組んだエノロゴ、ゴーフレート氏のアドバイスによる賜物です。

 

ロータリーファーメンターロータリーファーメンター等最新設備を導入

カンティーナ内の改革は、最新の醸造設備の導入した事です。コンピューター管理が出来る水平型タンク「ロータリーファーメンター」を導入しました。これにより果帽が水平にワインと接触し、仕上がるワインのタンニン、色調、濃縮度合いが導入前に比べより良くなりました。白ワイン造りではスキンコンタクトを導入した事でふくらみのある果実感と骨格の確りとしたワインに仕上がります。醗酵温度を以前より低めにし、マセラシオンの期間を長くする、タンクや樽からの分析の回数を増やし、それぞれのワインのスタイルに合ったブレンドを行うなど、細やかな面での改革を行っています。

樹齢80年以上の稀少古木トレッビアーノ!ブドウ本来の美味しさが詰まった味わい
トレッビアーノ ダブルッツォ2015
トレッビアーノは樹齢80年以上の古木から造られています。収量が低い為、生産量も少ないです。一般的なトレッビアーノの栽培は平地が多いのですが、畑は標高が高く、白ワインに向いた石灰質土壌となっています。醸造にはフリーランジュースのみを使い、シュールリーで澱と共に4カ月間熟成させています。

 

試飲コメント:新鮮な西洋梨やリンゴの心地よい果実香に清々しいミネラル、フローラルなニュアンスが綺麗に寄り添っていますクリーンでピュアな果実味、フレッシュでとてもバランスのよい味わいがあり、ブドウ本来の美味しさが詰まった味わいがあります。カルパッチョやサラダ、魚介類を使ったパスタ等、イタリア料理は勿論、和食にもとても相性が良いです。

トレッビアーノ ダブルッツォ2015
有機栽培&DOCレベルでリリースされる高品質ぺコリーノ!凝縮感のある豊かな果実味と心地よいミネラル感
ヴィッラ トッリ ペコリーノ2015
アブルッツォ北部のとても小さなエリア、DOCコントログエッラで造られるペコリーノ種100%のワインです。特徴的なミネラルの清々しさを持っています。IGTでリリースされるペコリーノは多くありますが、DOCレベルでリリースされる品質の高さ、そして有機栽培を行っています。このようなスタイルのペコリーノの生産に取り組むカンティーナは殆どいません。

 

試飲コメント:西洋梨やリンゴの心地よい果実香に清々しいミネラルが重なります。凝縮感のある豊かな果実の味わいと伸びやかな酸味と上顎に向かって駆けていくような心地よいミネラル感がバランス良く感じられます。イタリア料理は勿論、和食にもとても相性が良いです。I中部~南イタリアの白ワインの中では、酸とミネラル、果実感の高い表現力をもつ秀逸なワインの一つに挙げられます。

ヴィッラ トッリ ペコリーノ2015
モンテプルチアーノ ダブルッツォ最高区画「コッリーネ テラマーネ」のブドウだけで造るDOCGでもおかしくない?!超コスパワイン!
モンテプルチアーノ ダブルッツォ2013
所有する全ての畑がモンテプルチアーノ ダブルッツォの中の限定エリア、コッリーネテラマーネDOCG認定区域内にあり、全てのワインをDOCGとしてリリースすることも可能なのですが、このモンテプルチアーノはあえてDOCGを名乗らず普通のDOCとして リリースされています。

 

試飲コメント:熟したプルーンやカシスの豊かな果実香が魅力的です。飲むと、円やかで充実した果実感、かすかに甘さを感じる力強さを持ちながらも、タンニンは滑らかな仕上がり。豊かな味わいとしなやかさを感じる味わいで、素晴らしい満足感を与えてくれます。熟成にも耐えるたくましさも魅力のひとつで、贅沢感を味わえる最高のデイリーワインです!

モンテプルチアーノ ダブルッツォ2013
コッリーネテラマーネエリアの最良の畑のみで造られる上級キュヴェ!群を抜く滑らかさを表現した素晴らしいモンテプルチアーノ
モンテプルチアーノ ダブルッツォ ポッジョ ヴァラーノ2011
ポッジョ ヴァラーノはその年の最良の畑のみをセレクションして造られるキュヴェです。全て手摘みで収穫を行います。ブドウの持つ高いポテンシャルを最大限に引き出す為、樽のニュアンスが強く出すぎないように仕上げています。

 

試飲コメント:プルーンにスパイス、レザー、タバコの複雑なニュアンスが入り混じる香りです。濃縮感があり円やかでコクのあるスタイルですが、舌触りは極めて滑らかで、過度な重々しさや樽のニュアンスがなく、ブドウ本来の高いポテンシャルが見事に表現されたハイレベルなモンテプルチアーノです。

モンテプルチアーノ ダブルッツォ ポッジョ ヴァラーノ2011
細部まで目の詰まった優美な飲み口!バローネ コルナッキア自社所有の単一畑モンテプルチアーノ「レ コステ」
モンテプルチアーノ ダブルッツォ ヴィーニャ レ コステ2011
レ コステはアブルッツォ州北部、コッリーネテラマーネ内トーリ地区にある自社所有の単一畑です。樹齢の高いブドウ樹が多く、モンテプルチアーノらしい果実感の豊かなワインとなります。スロヴェニア産の大樽を使うのはアブルッツォ州の伝統的な手法で、14ヶ月をかけてゆっくりと樽熟成させます。

 

試飲コメント:プルーンにスパイシーさ、レザー、樹皮の複雑なニュアンスが溶け合っています。飲むと凝縮感のある果実味がありながらも、しなやかで優美な飲み口があります。ソフトな飲み心地でありながら、細部まで目の詰まった充実した旨みと中盤から拡がる豊かな風味が重すぎない軽やかなタッチで喉元へ落ちていきます。

モンテプルチアーノ ダブルッツォ ヴィーニャ レ コステ2011
バローネコルナッキアのトップレンジモンテプルチアーノ!
樽熟24ヶ月の複雑な風味
モンテプルチアーノ ダブルッツォ コッリーネ テラマーネ ヴィッザッロ2011
ワイン名のヴィザッロは祖父のミドルネームから付けられています。ラベルにはコルナッキア社の家紋があしらわれています。2003年がファーストヴィンテージのトップレンジのワインです。私達が畑を持つテーラモ県のエリアは20年以上前、エミディオぺぺをはじめ、数名の生産者しかいませんでした。生産量こそ少ないですが、テロワールの素晴らしさは州でも随一と確信していたので、数名の生産者と政府に掛け合ってDOCGを勝ち取ったエリアです。アブルッツォ南部の生産量が多いモンテプルチアーノとはタイプが全く異なります。ヴィザッロの生産量は1万本に制限して品質の向上維持に努めています。

 

試飲コメント:熟した赤い果実、ジャム、ブラックペッパー、ビターチョコレートの複雑な風味が溶け合っています。凝縮感のある果実感、絹のように滑らかなタンニンを持つソフトでしなやかな飲み心地があり、バランスのとれた長く続く豊かな味わいがあります。赤身肉のローストや牛肉の煮込み、熟成したチーズと相性が良いです。

モンテプルチアーノ ダブルッツォ コッリーネ テラマーネ ヴィッザッロ2011
インタビューを終えて
モンテプルチアーノ ダブルッツォと言えば、つい一括りに「濃縮感のあるデイリーワイン」というイメージがありますが、DOCG「コッリーネテラマーネ」のモンテプルチアーノは別格の完成度!モンテプルチアーノらしい果実の旨みに伸びやかな酸とタンニンがありメリハリのついたエレガントなボディ、なにより滑らかで美しい飲み心地に驚かされました!優美なスタイルの単一畑「レ コステ」や最高峰キュヴェ「ヴィッツァッロ」はエレガントなキャンティクラシコにも匹敵するパフォーマンスを感じます。最新設備の導入、有機栽培、新エノロゴの招聘と、これからの品質向上にますます期待が持てるバローネコルナッキア社のエレガンス溢れる「北のモンテプルチアーノ」。是非多くの方に楽しんで頂きたいワインです!
バローネ コルナッキア社 カテリーナ コルナッキアさん、フィリッポ コルナッキアさん
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