ブルネッロの歴史的畑「ポッジョ アッレ ムーラ」でバンフィの新しいブランドを確立。ブルネッロ最大ワイナリーとしてゆるぎない地位

2016/10/17
突撃インタビュー
 
2016年10月7日 バンフィ社 パオロ ファッシーナ氏

ブルネッロの歴史的畑「ポッジョ アッレ ムーラ」でバンフィとしての新しいブランドを確立。ブルネッロ最大ワイナリーとしてゆるぎない地位を保ち、更なる発展を目指すバンフィ

バンフィ社北アジアエリアマネージャーのパオロファッシーナ氏と
バンフィはブルネッロディモンタルチーノの歴史を築いた造り手。その規模はモンタルチーノ最大級で実に全ブルネッロの生産量の約10分の1がバンフィ社のもの。それは、今日ほどにブルネッロが有名になるよりもずっと前からここでワイン造りを始めていたという長い歴史を持っていることだけではなく、所有畑の厳密な分析や、品質向上に対するたゆまぬ努力を続けてきたことのたまものに他なりません。今回は、もっとも古くから所有している畑「ポッジョ アッレ ムーラ」にスポットを当て、バンフィ社の新しいひとつのブランドとして育てていこうというプロジェクトと、近年人気が高まるヴェルメンティーノについて北アジア・エリアマネージャーのパオロ ファッシーナ氏から詳しくお聞きしました。

ブルネッロ組合設立時の1967年、全組合員の畑の3分の1を占めていたのが「ポッジョ アッレ ムーラ」!そのテロワールとブランドを育てる取り組みを続けるバンフィ

ポッジョアッレムーラは、バンフィ社の拠点であるポッジョアッレムーラ城を囲む畑で、バンフィ社の設立時より所有している歴史のある畑です。

バンフィ社の歴史を少し説明します。バンフィ社は1978年、ポッジョ アッレ ムーラ社とカミリアーノ社とアルジャーノ社の3つのワイナリー(エステート)を統合して立ち上げたワイナリーです。その中でもポッジョ アッレ ムーラ社は、1967年にモンタルチーノの生産者組合設立時のメンバーであり、当時組合員の畑が全部で71ヘクタールときにそのうちの19.8ヘクタールを所有していました。実に約3分の1がポッジョ アッレ ムーラだったのです。

そのポッジョ アッレ ムーラを私たちはバンフィの哲学を表すものとして位置付けています。歴史のあるテロワールと、そして長年の土壌研究の結果から植樹したブドウが共存しているからです。そういうことから「ポッジョ アッレ ムーラ」をバンフィの一つの新しいブランドとして育てていこうと考えています。

ポッジョアッレムーラの畑とカステッロ

17年間の調査と研究を経て、1997年に「ブルネッロ ディ モンタルチーノ ポッジョ アッレ ムーラ」が誕生

バンフィ社では自社畑の土壌と気候を長年研究し、どの畑にどの品種がふさわしいかを追求しています。ポッジョ アッレ ムーラの畑も、1992年に植え替えを行っています。そして、1997年のヴィンテージで初めてポッジョアッレムーラのブルネッロをリリースしました。

バンフィの初代のエノロゴとして尽力したのがエツィオ リヴェッラ氏です。彼はイタリア人として初めて国際醸造家協会会長も務めた人物です。イタリア国内外に広い人脈を持っていたリヴェッラ氏は他のエノロゴたちと情報交換をしてバンフィの畑にはどのようなブドウが合うのかなど相談もしていました。実験や研究だけではなく、そういう幅広い視野を持っていたおかげでバンフィは、サンジョヴェーゼだけでなくガベルネやシラー、メルローなど多品種が植樹されています。

その後、2007年のヴィンテージでポッジョアッレムーラのロッソディモンタルチーノとリゼルヴァをリリースしました。ロッソ、ブルネッロ、リゼルヴァと「ポッジョアッレムーラ」ブランドで3つのワインが揃ったのです。

今日は、スタンダードのブルネッロの垂直試飲と、ポッジョアッレムーラの3つのワイン、そしてポッジョアローロを飲んでいただきます。

 

近年人気を集めるヴェルメンティーノ!トスカーナの海岸で造る飲み心地抜群の白
ラ ペッテゴラ ヴェルメンティーノ トスカーナ 2015
ラ ペッテゴラ ヴェルメンティーノ トスカーナ 2015


バンフィ社が新しく造る白ワイン、ペッテゴラです。畑はモンタルチーノではなく、トスカーナ南部の海岸に近いマレンマ地区にあります。初ヴィンテージは2012年。ヴェルメンティーノ100%で造っています。非常に飲み心地が良く、爽やかで、香りも良いワインです。夏のイメージもあってプロモーションには砂浜やヴァカンスのイメージを打ち出しました。反響も高く、ここ数年でとても人気が高くなったワインですね。

トスカーナの白ワインはヴェルナッチャ ディ サンジミニャーノという歴史のあるワインがありますが、そこまで広く知られた存在になっているとは言えません。でもこのヴェルメンティーノにはヴェルナッチャを上回るポテンシャルがあると思います。

「ペッテゴラ」とはゴシップが好きでおしゃべり好きな女性という意味と、トスカーナの小さな鳥(アカアシシギ)の2つの意味があります。ラベルに描いているのがそのアカアシシギです。

試飲コメント:とてもフラワリーで強くしっかりとした香りが広がります。まろやかでやわらかい印象で、とんがったところのなく、飲み心地の良
さを実感します。あまり冷やしすぎずにして香りと味わいの広がりを楽しみたいワイン。

他のロッソにはない複雑さと濃密さを兼ね備えたポッジョアッレムーラのロッソディモンタルチーノ
ポッジョ アッレ ムーラ ロッソ ディ モンタルチーノ 2011
ポッジョ アッレ ムーラ ロッソ ディ モンタルチーノ 2011


ポッジョアッレムーラのロッソディモンタルチーノは非常にしっかりとしたストラクチャーを感じます。他のロッソにはない複雑さと濃密さがあり
ます。2011年はとても暑い年で、酸と糖のバランスを取るのが難しかったです。

色はグラスの縁はオレンジがかっていて熟成感を見せています。味わいは実に複雑で濃密で、普通のブルネッロとも比較できるようなスケール感があります。

試飲コメント:確かにブルネッロと言われてもわからないような偉大な骨格を感じさせるロッソ。スパイシーで熟成させた果実味。非常に濃密で飲みごたえがあります。複雑でゆっくりと広がっていく旨みが印象的。

バンフィ社の顔ともいうべき存在。スタンダードのブルネッロディモンタルチーノ
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2009
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2009


2009年、2010年、2011年の3つのヴィンテージを飲み比べていただきます。2009年と2011年はどちらも暑い年でキャラクターが似ています。2010年は文句のつけようのない完璧な年でした。春から秋にかけて、果実が育つ間、理想的な天候で推移してブドウが熟成し、ポリフェノールと酸の値も完璧となりました。

2010年は乱暴に言ってしまうと、何もしなくても素晴らしいワインができた年です。2009と2011はきちんとした仕事をしないと難しかった年です。

試飲コメント:収穫してから7年が経ち、飲み頃に差し掛かったヴィンテージ。オレンジを帯びた色合いでたっぷりとした味わいで厚みを感じま
す。全体的にこなれてきた印象の調和のとれたスタイル。リッチで濃厚。時間をかけて造るストラコットとよく合います。

世紀のビッグヴィンテージとなった2010年のブルネッロ
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2010
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2010


造られた当初から評判となったヴィンテージです。例年だとリリースしてから6ヶ月ぐらいで完売するのがこの年は1ヶ月ちょっとで完
売しました。
試飲コメント:2009年よりも複雑味があり、エレガントながらも研ぎ澄まされた印象があります。より繊細さも感じます。このワインとはシンプルな味付けのビステカフィオレンティーナと合わせたいですね。

2010年の次の年ということで比較されてしまうのが残念。暑い年ながら、飲み頃を早く迎える2011年
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2011
ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2011


暑い年の2011はそれほど長く寝かせなくてもすぐ飲めるヴィンテージです。4つ星評価のいいヴィンテージなのですが、その前の2010の評価があまりにも高いので比べられてしまうのが残念ですね。
試飲コメント:酸と糖のバランスがとれていて、クリーンでエレガントな味わい。とても飲み心地が良く、バランスがとれている。今飲むならば2010よりも2011がオススメ。

バンフィの中でも最も古く重要な畑ポッジョ アッレ ムーラで造るブルネッロ
ポッジョ アッレ ムーラ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2011
ポッジョ アッレ ムーラ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2011


これまでお話しした通り、バンフィでは長年にわたり所有する畑の研究と分析を行ってきて、土壌の特性ごとに細かく分類し、最適なブドウを追及してきました。ポッジョアッレムーラに植樹しているサンジョヴェーゼもこの研究の結果として選んだクローンです。
2011年のポッジョアッレムーラのブルネッロは、先程飲んでいただいたスタンダードのブルネッロの同じ2011年に比べて味わいの要素の強さを感じていただけると思います。ポッジョアッレムーラはより骨格があり、より長熟であり、よりリッチなのです。
試飲コメント:スタンダードに比べ、その長熟のポテンシャルをすぐに実感することができます。これからの成長を感じさせる明るいルビー色の色合い、タンニンや果実味がまだ固く、筋肉質で骨太な印象があります。まだ早い感じはありますが、贅沢感のあるやわらかさもあり、ポッジョアッレムーラというテロワールを感じるのに十分な味わいです。

ポッジョ アッレ ムーラで造る初めてのリゼルヴァ
ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ ポッジョ アッレ ムーラ 2007
ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ ポッジョ アッレ ムーラ 2007


2007年ヴィンテージが初リリースとなったポッジョアッレムーラのブルネッロリゼルヴァです。2007ヴィンテージはジェームズサックリング誌でで2007年ブルネッロの中でトップ6の評価を獲得しました。生産本数は10000本です。バンフィは全世界の90ヶ国に輸出しているので、1ヶ国あたりの割り当てはごくわずかとなってしまいます(笑)。

今お飲みいただいても十分にバランスが良くて楽しめますが、これから10年ぐらい寝かせて味わっていただくのもオススメです。

2007年から2010年までの4ヴィンテージをそろえたセットを100セット限定で造っています。

試飲コメント:複雑味あふれるリッチなアロマ。コーヒーやタバコ、甘いスパイスのニュアンスが広がります。口に含むと甘くとろけるようなタンニンが広がり、舌の上をなめらかに伸びていきます。成熟した果実感ときれいな酸が調和し、凝縮感とともにフレッシュさも感じられます。

もっとも重厚で厳格。伝統的なブルネッロを生むポッジョ ア ローロ
ポッジョ アローロ ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ 2006
ポッジョ アローロ ブルネッロ ディ モンタルチーノ リゼルヴァ 2006


単一畑ポッジョアローロで、良いヴィンテージに限りリゼルヴァを造りリリースしています。1985年が初ヴィンテージです。過去30年間でもその3分の1ぐらいしか造っていません。本当に特別に良い年だけ、良いブドウだけを使って造ります。生産本数は約30000本です。

ポッジョアローロの特徴は、ポッジョアッレムーラに比べてより重厚感があり、厳格でクラシカルなスタイル。伝統的なブルネッロを踏襲しています。この2006ヴィンテージはよりストラクチャーのあるスタイルに仕上がっています。

試飲コメント:ポッジョアッレムーラがどちらかというと洗練された優しい印象であるのに対してこのポッジョアローロはどこかいかめしさのある、まさにブルネッロの伝統的な味わい。険しさもあるけれど、ゆっくりと飲み進めると徐々にその複雑な味わいが開かれていき、雄大な味わいに酔いしれます。
インタビューを終えて
これまで、バンフィへの突撃インタビューを何回かさせていただいていますが、お会いしてお話を聞くたびに新しい話題が出てきて、改めて常に高みを目指して進化し続けているワイナリーだと実感しました。

最初に飲んだ軽快なヴェルメンティーノもとても心地よく、「地元でも評判」ということに納得。ピンクをイメージしたボトルも可愛らしくてバンフィの新しい顔として活躍しそうです。

そして今回は特にブルネッロ ディ モンタルチーノと、バンフィが設立当初から所有し、モンタルチーノにとっても歴史のある畑「ポッジョ アッレ ムーラ」にスポットを当ててお話していただき、比較試飲をさせていただきました。そこでわかったのは、ヴィンテージごとの違いとテロワールの明確な違いです。バンフィはモンタルチーノの最大のワイナリーで畑の面積も広大。そのためにその規模に目が行きがちですが、実は畑ごとの特性を詳細に調査研究して、テロワールの特徴を最大限に生かすための努力を長年続けています。その成果がすべてワインに表現されています。ブルネッロの魅力、バンフィのワインで楽しんでいただければと思います。

バンフィのブルネッロ垂直試飲
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