2012年3月6日 アントニオ パトリチェッリ氏来日

 


コッレフリージオ Collefrisio
3世代続くブドウ栽培農家の経験からアブルッツォの中でも最良の畑を購入。ルイジヴェロネッリ氏に影響を受けてアブルッツォで高品質ワインを造ることを決意したワイナリー
ヴァレンティーニだけが有名だったアブルッツォのワインの底上げを目指して設立
アブルッツォで有機栽培によるワイン造りを行う若手ワイナリーのコッレフリージオ。2004年設立のまだ若いワイナリーですが、3世代にわたってブドウ栽培農家を続けてきたという、アブルッツォのブドウについての豊富な経験を持つ実力派です。モンテプルチアーノダブルッツォをはじめ、トレッビアーノ、ペコリーノなどを造っていて、しかも、すべて有機栽培によるもの。大手ワイナリーとはまたひと味違う、こだわりの造り手です。

栽培農家だったパトリチェッリ家が高品質ワインを造ろうと思ったきっかけは、イタリア食文化の礎を築いたジャーナリストの故ルイジヴェロネッリ氏。1995年、ヴェロネッリがアブルッツォで行った講演会を、現在のコッレフリージオのアントニオ・パトリチェッリ氏が聴きに行ったのが始まりです。当時、アブルッツォの造り手で世間に知られていたのはヴァレンティーニぐらいで、それはヴェロネッリにとっても例外ではありませんでした。講演でヴェロネッリは生産者たちに「アブルッツォではもっと高い品質のワインを造るべきだ」と語りました。当時のアブルッツォのワイン生産者は、ほとんどが協同組合に属し、量を優先している人が大部分を占め、品質面に気を付ける生産者はほとんどいませんでした。

■ 山と海と谷の全てが揃った「ヴァッレデルモーロ」は、ヴェロネッリが「自分だったらここに醸造所を造る」と言った場所
カンティーナしかしパトリチェッリ氏は、ヴェロネッリがアブルッツォの中で知っているのはヴァレンティーニの畑がある「ロレートアプルティーノ」だけだと知り、「いちど自分たちの畑を見に来てほしい」とヴェロネッリに頼みました。パトリチェッリ家の畑がある「ヴァッレデルモーロ」にヴェロネッリはやってきました。その畑を見たヴェロネッリは「自分だったらここに醸造所を造る」と言います。なぜならここは、山と、海と、谷、という3つの自然が揃った場所だからです。

コッレフリージオは、3世代にわたってアブルッツォで栽培農家を営んできました。その長い経験のおかげで、アブルッツォのどの場所がブドウにとって条件がいいのか、わかったのです。そして、「ヴァッレデルモーロ」「モッレチーネ」「ジュリアーノテアティーノ」の3つの畑を手に入れたのです。

■ 長年のブドウ栽培の経験から、アブルッツォの中でも最良の畑を購入することができた
ブドウ畑高い山と海が近くにある、非常に珍しいテロワールの「ヴァッレデルモーロ」。山の影響による白い花のニュアンスと、海の影響によるトロピカルフルーツのアロマが共存

ヴァッレデルモーロは、アブルッツォの中でも特殊なテロワール。畑の近くには高い山があり、そして海にも近い。スキーをしながら海が見えるような場所です。標高が高く冷涼な山の影響を受け、ワインには白い花の香りが感じられると同時に、海にも近いためにトロピカルフルーツのアロマも加わります。一般的に、この2つの特徴が共存することはないため、ヴァッレデルモーロで造るワインは非常に特殊なものになります。

海に近い畑の「モッレチーネ」

アブルッツォの伝統的な仕立て法であるテンドーネのブドウ樹が育っていた場所ですが、12年前に新しいコルドーネ スペルナートという仕立てで植えかえています。この方法はより品質の良いものができると言われています。海風の影響を受け、ワインにはミネラルを感じます。樹齢が若く、まだ成長途中という場所です。

山のふもとにあり、高い樹齢のブドウが育つ「ジュリアーノ テラティーネ」

山からの風がよく通る、最高の条件の畑。樹齢が高いのが特徴。健全なブドウが育つので、11月ぐらいまで収穫をしないこともあります。コッレフリージオにとって最も重要な畑で、フラッグシップの「コッレフリージオ ディ コッレフリージオ」はここで栽培されたモンテプルチアーノから造られます。

 

■ 2012年3月6日 アントニオ パトリチェッリ氏来日
コッレフリージオのオーナー一族のひとり、アントニオ パトリチェッリ氏が来日。ワイナリー設立のエピソードや、ワイン造りの取り組みをじっくりうかがうことができました。

栽培農家のころから有機栽培に取り組んできたコッレフリージオのモットーは、「母なる大地、健康なブドウ、手入れの行き届いたブドウ畑」。自然に配慮し、地元に根差した有機栽培によるワイン造りを行っています。2004年にワイナリーを設立したのとほぼ同時に有機認定を取得しています。(当初はAIAB、現在はICEAの認定)。

コッレフリージオのワインを今回の来日に合わせて開催された夕食会で食事と一緒に味わったのですが、赤のモンテプルチアーノダブルッツォも白のトレッビアーノダブルッツォとペコリーノも、実に口当たりが優しく、清潔感のあるまろやかな味わい、という印象。酸化防止剤(SO2)の添加量を抑えていて、心地いいのどごしなんです。特に、ヴェロネッリもほめたたえたと言う「ヴァッレデルモーロ」で造る、「ゼロ トレッビアーノ ダブルッツォ」は、香りがとても華やかで、「これが、山と海の影響を受けたアロマか~」と実感しました。

 
■ G8でオバマ大統領を驚かせた?!フラッグシップの「コッレフリージオ ディ コッレフリージオ」
 
モンテプルチアーノダブルッツォのボトルそして圧巻は、2009年にイタリア・アブルッツォ州で開催された「G8」でふるまわれた、コッレフリージオのフラッグシップ「モンテプルチアーノ ダブルッツォ コッレフリージオ ディ コッレフリージオ」!樹齢50年以上のモンテプルチアーノを畑でじっくり熟成させ、そして徐々に乾燥させてから収穫したブドウで造られます。だから収穫時期は11月と、非常に遅いんです。これほど遅くまでブドウを健康な状態に保つことができるのも、コッレフリージオの畑があるテロワールのたまもの。G8の様子を載せたイタリアの大手新聞Messaggero誌は「オバマを驚かせたコッレフリージオ」と紹介したそうです!

30%ほど乾燥させてから収穫されたブドウを圧搾し、果皮とともに7ヶ月間マセラシオン。そして4つの異なるトーストを行った4種類のバリック(小樽)で2年間熟成。乾燥ブドウ独特の風味が表現された、まるでアマローネのような味わいに本当に驚きました。アントニオ氏いわく、このワインは「80年代のアマローネのような味」。濃厚で残糖度をギリギリまで上げた甘みの強い傾向にある近年のアマローネではなく、エレガントさの中に心地よい渋みと乾燥ブドウの深みがある、本来のアマローネと似ているからなんだそう。モンテプルチアーノダブルッツォのポテンシャルと可能性に改めて感動しました!

 
生産者アントニオさんとともに
コッレフリージオのアントニオ パトリチェッリ氏と(2012年3月6日)
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