2013年6月3日 ザルデット社 社長ファビオ ザルデット氏 来日セミナー

 
突撃インタビュー

2013年6月3日 ザルデット社 社長ファビオ ザルデット氏 来日セミナー

ザルデットとの記念撮影
イタリア料理界の巨匠グアルティエロ マルケージにその品質を認められ、彼のレストランでプライベートラベルも造っているプロセッコの造り手ザルデットのお話を聞いてきました。プロセッコに特化し、最高品質のプロセッコを造るために栽培農家から良いブドウを厳選して購入、また、醸造設備の改善を常に行い、年々品質を高めているザルデットの熱い哲学に触れることができました。

プロセッコは「スパークリング」の同義語ではない!

プロセッコのカテゴリー
まず耳に飛び込んできたのは「プロセッコはスパークリングの同義語ではない」というファビオ氏の言葉。イタリアではスパークリングワインのことをなんでも「プロセッコ」と呼ぶ人が大勢います。そんな状況にプロセッコ、特にコネリアーノ・ヴァルドッビアーデネの造り手たちは憤然とした思いを抱いています。そして、その状況を変化させたのが2009年のDOCGの昇格です。

EUのワイン法の改定に従い、コネリアーノ・ヴァルドッビアーデネ地区で造られるものがプロセッコDOCG、それ以外の周辺の指定地域で造られるものがプロセッコDOCになります。それまでプロセッコは品種名だったのが地域名を表すことになり、それに伴い、ローマ時代にプロセッコの同義語として使われていた「グレラ」が正式な品種名になりました。

この結果、「コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ」がプロセッコの最高ランクの位置づけだということが名実ともに確立されたのです。

 

地形と気候の特異性がシャンパーニュと同じ偶然を生んだ。シャンパーニュとの違いはアロマ豊かなブドウ=プロセッコで造っていること!

プロセッコの地形
北の背後にアルプス山脈を控えるコネリアーノヴァルドッビアーデネは地域は丘陵地が延々と続く土地。そのため昔は9月末から10月にブドウを収穫し、発酵を始めたとたんに寒くなるため発酵が止まります。ボトリングしてひと冬超えたワインは暖かくなると酵母がまた働き出して発酵を再開、こうしてスパークリングワインができてしまったのです。これはシャンパーニュなど寒い地域ならではの偶然のたまものです。

1876年コネリアーノにイタリア初の醸造学校が設立、アロマ豊かなプロセッコを生かすために瓶内二次発酵ではない他の方法を模索し始めます。そしてアントニオ カルペネ教授が酵母と接触する時間を短くしたいと、二次発酵に木製タンクの使用を試みます。この彼の考えを踏襲して1895年に特許を取得、「シャルマ方式」が生み出されました。。

コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ地域は約5000haで19の異なるタイプの土壌が存在。買い付けブドウの最大のメリットは様々な土壌で造られるブドウを集めることでより豊かで広がりのあるアロマを表現できること

ファビオ氏の父ピノザルデット氏は1952年にコネリアーノ醸造学校を卒業し、ワイナリーを設立。イタリア中にプロセッコを広める努力を続け、顧客を開拓。その中にはあのマルケージ氏もいました。その後、同じくコネリアーノ醸造学校を卒業したファビオ氏がワイナリーに入り、プロセッコに特化することを父親に進言。ザルデットのプロセッコを世界中に広めていったのです。

ザルデットのプロセッコはその大部分を栽培農家から買い付けたブドウで造っています。最高品質のプロセッコは最高品質のブドウから造られる、と考え、良いブドウを買うために一番に選別し、他社よりも高い価格で買い取る。コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ地区は19の異なるタイプの土壌があり、ザルデットは様々な土壌の畑からブドウを買い付けています。様々な場所のブドウを集めることでより豊かで広がりのあるプロセッコを造ることを可能にしています。

 
プロセッコの土壌図 ヴァルドッビアーデネの畑   コネリアーノの畑
19の異なるタイプの土壌 ヴァルドッビアーデネの丘陵地の畑 コネリアーノKの丘陵地の畑

プロセッコのアロマと個性を失わないためにはろ過の回数を減らすのが重要。そのためのフィルターを発明するほどのこだわり!

プロセッコの二次発酵は大きなタンクで行うため、徐々に溜まる澱を除くためにフィルターをかける必要があります。通常、4~5回フィルターをかけるのですが、同時にブドウの個性やアロマを作る成分も取り除かれてしまう。それを避けるにはフィルターの回数を減らすしかない、とファビオ氏は全く新しいフィルターを発明。この結果、ザルデットのプロセッコはオリジナルのアロマを保つことができています。

ここから試飲が始まりました。

イタリア国外で一番人気のプロセッコ

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プロセッコ トレヴィーゾ ブリュット NV
 

残糖値が12g/リットルとブリュットの中では甘め。イタリア国外で最も人気があるプロセッコになります。ブドウはコネリアーノの北東、DOCG地区に隣接したエリアの畑です。

試飲コメント
華やかな花の香りのある親しみやすいプロセッコ。ブリュットの中では甘めで、口の中に程よいやわらかさとミネラル感が広がる。エレガントですっきりとした余韻も心地よい。


ゼット プロセッコ トレヴィーゾ ブリュット NV
 

人気の高さに納得!リンゴの香りと優しい甘みが美味しい

プロセッコ トレヴィーゾ エクストラ ドライ NV  
残糖値16g/リットル。エクストラドライらしい甘みがあり、特に若い人に人気のあるプロセッコ。

試飲コメント
ブリュットに比べ、香りに甘みと果実味が加わって優しい飲み心地。人気があるのがよくわかる。


プロセッコ トレヴィーゾ エクストラ ドライ NV
 

DOCGのレベルの高さを感じさせるエレガントでフレッシュなプロセッコ

X プロセッコ コネリアーノ ヴァルドッビアデーネ エクストラ ドライ 2011  
サント ステファノ ディ ヴァルドッビアーデネとピエトロ ディ フェレットの2か所の畑で造るプロセッコ。ヴァルドッビアーデネのグレラは強くはっきりとした白い花のアロマが顕著、一方フェレットのグレラはフルーティーな香りと骨格が特徴。それぞれの特徴を持つ、エレガントなプロセッコ。

試飲コメント
3つの中で香りが一番エレガントでクリーン。青リンゴやライチ、そしてかすかにレモンの香り。フレッシュさもあって涼やかで上品。クリーミーで繊細な泡が口の中に心地よく広がり、フレッシュ感とエレガントさを感じる。

プロセッコ コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ エクストラ ドライ 2011
 

セミナーを終えて

今年の4月にコネリアーノ ヴァルドッビアーデネ地域を訪問してきたところだったので風景を思い描きながらお話しを聞きました。プロセッコ専門ワイナリーとして最高品質を目指し続けているザルデットのワイン造りは徹底していることがわかりました。最高のブドウ選び、そして様々な土壌のブドウを買い付けすることでよりリッチなアロマのワインにすることができる。さらには醸造設備も独自のフィルターを発明。

プロセッコの人気は特にここ数年顕著で、それとともにブドウ畑の土地の価格もブドウの買い付け価格も上がっているそうです。栽培農家との良好な関係と顧客のフォローを大切にしているザルデットだからできるワイン愛好家のためのプロセッコをこれからも造り続けていってほしいと思います。

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