2013年6月7日 サンミケーレ アッピアーノ社 ハンス テルツァー氏来社

 
突撃インタビュー

2013年6月7日 サンミケーレ アッピアーノ社 ハンス テルツァー氏来社

サンミケーレ アッピアーノとの記念撮影
イタリア屈指の白ワイン産地アルトアディジェを代表するワイナリー、サンミケーレ アッピアーノ社のエノロゴ、ハンス テルツァー氏が来社してくださいました。もう何年も前になりますが、トップラインのサンクトヴァレンティンのソーヴィニョンを初めて飲んだ時の衝撃は忘れられません。ちょっと強面のハンスさんからどうしてこんなに美味しいワインができるのか、じっくりとお聞きしました。

イタリア最北に位置しながらも、イタリア最高気温を記録する土地アルトアディジェ

アルトアディジェはイタリア最北の州ですが、アルプスが背後にある関係で北からの寒い風が遮られ、南からの暖かい空気が山の手前で止まるため、実は暖かい気候になります。特に夏は暑くてイタリアの中でも最高気温を記録するほどです。でも夜は涼しくなるので昼夜の気温差がとても大きく、それがブドウに素晴らしいアロマをもたらしてくれます。

ワイナリーがあるのはボルツァーノ県のアッピアーノ村。その中心地がサンミケーレです。350軒の栽培農家で構成されていて、全部で380haの畑があります。その70%がサンミケーレにあって、30%はその周辺にあります。

 

色々なところに畑があるのが強み。安定した品質を保てる。適した畑に適したブドウを栽培できる。

ブドウ畑 栽培農家ひとりひとりが所有する畑は1ha程度で個人でワインを造るのは厳しい。アルトアディジェはこのような農家が多いので協同組合という組織が機能します。まとまりではなく、いろいろな場所に畑が点在しているのも強みです。例えばひとつの場所がうまく行かない年でも他の畑でカバーできるので毎年安定した品質が保てます。また、味の違いをミックスすることで調和も取れます。

造るワインのラインナップも幅広いのですが、これは畑のテロワールがバラエティに富んでいるからできることです。涼しい場所にはソーヴィニョン、暖かい場所にはゲヴルツトラミネル、その中間ぐらいにはカベルネ、という具合です。実は30年ぐらい前まではみんな赤かロゼばかりを造っていて、品質的にも中程度のものでした。私は1977年にサンミケーレ アッピアーノに入社しましたがそれはちょうどアルトアディジェのワイン造りの転換期で、土地に適した品種を栽培して高品質のワインを造るという動きが始まりました。

 

>3つのラインナップで多くの消費者の要望にこたえる

地図
サンミケーレ アッピアーノでは3つのラインナップがあります。広範囲の畑から造るクラシックシリーズ、適した品種を揃えて区画を厳選しているセレクションシリーズ、そして最も良い畑のブドウだけで造るサンクトヴァレンティンシリーズ。

セレクションシリーズの白ワインには区画名が付いています。赤はリゼルヴァになります。
サンクトヴァレンティンのブドウの条件は、
1.樹齢が高いこと、2.低収量、3.グリーンハーベストを行うことです。
詳しくは試飲をしながら説明していきましょう。

品種にとって最適の区画!暖かい区画にはシャルドネ、涼しい区画にはソーヴィニョン
セレクションシリーズの白「シャルドネ メロール」と「ソーヴィニョン ラーン」


メロール シャルドネ アルト アディジェ 2012
 
ラーン ソーヴィニョン アルト アディジェ 2012
メロール シャルドネ アルト アディジェ 2012 ラーン ソーヴィニョン アルト アディジェ 2012
メロールはワイナリーの近くにある畑の区画です。私たちの畑の中でも暖かい気候で、シャルドネが成熟するのに適しています。やわらかな果実味と程よいミネラル、酸味のバランスが取れたしっかりとした味わいです。

ラーンは逆にかなり涼しい場所にあるのでソーヴィニョンに最適です。ソーヴィニョンはアルトアディジェでは歴史の浅い品種で、私たちが取り組んだことでアルトアディジェの中でも代表的な品種となりました。香りを最大限に表現するためにすべてステンレスタンクで醸造しています。

試飲コメント
シャルドネメロールはバナナや完熟フルーツの香りがあって、味わいはフレッシュでまろやかで飲み心地がとても良い。ソーヴィニョンラーンはとにかくその華やかな香りと酸味が特徴。ハンスさんは生魚と相性がいいと言っていましたが全く同感。アスパラガスとのマリアージュは定番。

 

旨すぎる白ワインたち「サンクトヴァレンティンシリーズ」の秘密は切磋琢磨する栽培農家と

サンクトヴァレンティンは厳選した最良のブドウだけを使います。ある程度良い畑は選んでいますが、毎年出来栄えによってその中から選び抜きます。畑ごとに収穫、別々に醸造し、2月にブレンドするときまで毎週のように味見をします。そして最終的にどの畑のワインを使うか決めます。

組合員からブドウを買い取る値段は品質次第です。良いブドウと普通のブドウの差は2倍以上あります。これが高品質のブドウを得るためには必要なことです。高く買い取ってもらえるから農家達も必死で頑張る。他の州の協同組合では品質の差があっても買い取る価格の差が小さいところもあります。これでは農家達も品質を上げようと頑張る気にはなりませんよね。


サンクト ヴァレンティン ソーヴィニヨン 2011
 
サンクト ヴァレンティン ゲヴェルツトラミネール 2011
 
サンクト ヴァレンティン ピノ グリージョ 2010
サンクト ヴァレンティン ソーヴィニヨン 2011 サンクト ヴァレンティン ゲヴェルツトラミネール 2011   サンクト ヴァレンティン ピノ グリージョ 2010
サンクトヴァレンティンのソーヴィニョンは私たちが1994年に初めてトレビッキエリをとったワインで、ワイナリーを代表するワインのひとつです。10年以上は熟成できるポテンシャルがあります。

ゲヴルツトラミネルはアルトアディジェのトラミンが原産地で、名前は「スパイシーなトラミンのブドウ」という意味です。名前の通りシナモンやナツメグ、コショウのニュアンスがあります。スパイシーでちょっと甘みのあるアジアの料理と相性抜群です。

ピノグリージョは発酵から熟成までバリックで行います。まるで赤ワインのようなしっかりとしたボディがあるので目隠しして飲むと白だと思わないですよ。

試飲コメント
ラーンソーヴィニョンもとっても美味しかったけど、サンクトヴァレンティンを飲むとその差は歴然。香りの力、味わいの複雑さと広がり。2012年なので飲むには少し早いのですが、ぐんぐんと引き込まれる美味しさにただただ感動。

ゲヴルツトラミネルは「これぞゲヴルツ!」というスパイシーさ。そしてバラの花の華やかな香り。アルコール度数14.5%の迫力のあるフルボディとのギャップもまたゲヴルツの魅力。やっぱり好きだなあこの味。

そして世界中で人気が高いというピノグリージョ。バニラやメロンや完熟フルーツ満載の分厚い白。若いうちは樽のニュアンスが強いが熟成を重ねるごとに落ち着きが出て、さらに美味しくなるとのこと。

 

赤ワインの代表はピノネーロ。ハンス氏もお気に入り。今は2007が飲み頃


アルト アディジェ ピノ ネーロ リゼルヴァ 2009
 
サンクト ヴァレンティン ピノ ネーロ 2009
アルト アディジェ ピノ ネーロ リゼルヴァ 2009 サンクト ヴァレンティン ピノ ネーロ 2009
私たちは白ワインが70%、赤ワインが30%の比率です。赤の中ではピノネーロが重要で、私も大好きな品種です。ピノネーロは雨に弱いブドウで醸造も難しい繊細でエレガントなブドウです。セレクションシリーズは若い畑のもので、大樽と小樽を両方使います。サンクトヴァレンティンのピノネーロは古樹で熟成は小樽。どちらもトータルで18ヶ月熟成のリゼルヴァですが、サンクトヴァレンティンはリゼルヴァ表記はしていません。
私はこのピノネーロが大好きで家でも飲んでいます。今は2007ヴィンテージが飲み頃で、少し冷やして魚料理と合わせて楽しんでいます。

試飲コメント
今回はどちらも2009を試飲。リゼルヴァのほうは果実の甘い香りからビロードのようになめらかな飲み心地までとても上品にまとまっている。サンクトヴァレンティンはより凝縮感があってバニラのニュアンスが出て、まだ若いかな?という印象。2年後にもう一度飲んでみたい。

 

インタビューを終えて

アルトアディジェの栽培農家の長男として生まれたハンス氏は1977年に21歳でサンミケーレアッピアーノ社にエノロゴとして入社して以来、品質重視のワイン造りを推し進めて現在の地位を築きました。どうすればこんなに美味しいソーヴィニョンができるのか尋ねたところ、「フッ」と笑って「ただでは教えてあげないよ」と珍しく冗談で返されたあとに、徹底的にブドウを厳選するのと同時に栽培農家達の質を高める努力を続けていることを教えてくれました。やるべきことを生真面目に取り組んでやり遂げる、そんな姿勢を感じました。

そして改めてアルトアディジェがブドウ栽培に適した土地であるかも実感。イタリア最北に位置しながらも日照条件に恵まれ、畑の標高差もあり、さらに昼夜の寒暖差も大きい。サンミケーレアッピアーノでは畑の特徴ごとに最適な品種を造っているのですが、そのバラエティに富んだラインナップからもアルトアディジェの豊かな土壌を感じることができます。

冬はスキー、春、夏、秋はハイキングや自転車を楽しむ観光客で1年中賑わうというアルトアディジェ。また行きたくなりました。

サンミケーレ アッピアーノとの記念撮影

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