2013/4/11
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ベッレンダ社コスモ氏
ベッレンダ副会長コスモ氏突撃インタビュー

背後は山、海までは60km。独特の気候が生んだスパークリングワイン「プロセッコ」
プロセッコ(現在はグレラという名称に変更)は熟すのが遅いブドウで大体9月中旬ぐらいから収穫が始まります。150年ほど前は醸造設備も整っていなかったので発酵の途中で気温が下がって酵母が働かなくなったこともありました。そうして発酵が途中で終わったままボトリングをした。すると春になって暖かくなると再び酵母が働き出してアルコール発酵を再開したんです。これがプロセッコの歴史の始まりです。
トスカニー:寒い地域ならではの偶然ですね。シャンパーニュも同じですよね。
ベッレンダ:まさにその通りです。幸いこのヴェネト州にはイタリア最古の醸造学校コネリアーノ醸造学校があります。この不思議な現象を解明して商品化することができたのもコネリアーノ醸造学校があったからです。背後が山、そして海までも60kmほど。海からの暖かい空気のおかげで日中は暖かく、そして夜は山からの風でぐっと冷える。この寒暖の差が高品質なブドウを育てます。
ベッレンダの畑の土壌は辛口ブリュット向き。一般的なプロセッコはエクストラドライが主流だがベッレンダはブリュット。伝統的にコネリアーノはブリュット、ヴァルドッビアーデネはエクストラドライ
トスカニー:エクストラブリュットよりもブリュットに向いているんですね。
ベッレンダ:はい。プロセッコの多くの生産者はエクストラドライを多く造っていますが、ベッレンダはブリュットが主力です。伝統的にコネリアーノはブリュット、ヴァルドッビアーデネはエクストラドライです。
※参考:プロセッコは残糖値によってブリュット(0~12g/リットル)、エクストラドライ(12~17g/リットル) 、ドライ(17~32g/リットル)に分類されます。
トスカニー:コネリアーノとヴァルドッビアーデネの違いはなんでしょう
ベッレンダ:はっきりとした違いはないですが、大きくは土壌ですね。伝統的にコネリアーノはブリュットに向いていてヴァルドッビアーデネはエクストラドライに向いた土質です。
瓶内二次発酵にも力を入れているベッレンダ

プロセッコの畑の中に赤ワインに適した畑あり!ベッレンダのもう一つの代表ワイン「コントラーダ」
今回、昼食をコスモ氏とご一緒させていただいたのですが、なんと1998年ヴィンテージのコントラーダを開けて下さり、感激!驚くほどになめらかで上品な飲み心地。そしてきれいな酸。熟成しきったという感じではなく、まだまだこれから、という期待も感じさせる、本当に素晴らしい味わいでした。
ベッレンダを代表するプロセッコ「サン フェルモ」 |
サン フェルモ プロセッコ コネリアーノ ヴァルドッビアーデネ スペリオーレ ブリュット |
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ベッレンダを代表するプロセッコ「サン フェルモ」は、もちろんブリュット。残糖値は7g/L。リッチで繊細な泡の鎖が次々に現れながらリンゴやアカシアの香りが広がっていきます。キリッとした辛口の中にふくよかなミネラル感とナッツ系のニュアンスが感じられる味わい。魚介類や野菜をベースにした料理全般に良く合います。 |
独自の厳しい規定に準じて造る瓶内二次発酵のスプマンテ「サイフ」 |
サイフ メトド クラシコ スプマンテ エクストラ ブリュット |
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ベッレンダでは瓶内二次発酵のスプマンテ生産にも力を入れています。そのひとつが「TALENTO(タレント)」という独自の厳しい規定に準じて造る「サイフ」。タレントの規定は瓶内熟成期間が最低15ヶ月以上、畑のある場所の条件も厳しく定められていて、9ヶ月以上の瓶内二次発酵でOKとする「メトドクラシコ」よりも厳しいのです。タレントを採用している生産者は現在、北イタリア(トレンティーノアルトアディジェ、ヴェネト、フリウリ、ロンバルディア、ピエモンテ)を中心に全部で21社あります。 |
プロセッコの畑の中に赤ワインに適した畑あり!ベッレンダのもう一つの代表ワイン「コントラーダ」 |
コントラーダ ディ コンチェニゴ コッリ ディ コネリアーノ ロッソ 1998 |
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ベッレンダの主力はプロセッコをはじめとするスプマンテですが、所有する畑のなかには赤ワインに適している土地があることもわかり、メルロー、カベルネを植樹。出来の良い年に限り約50000本生産をしています。24ヶ月間ゆっくりとバリックで熟成させたボルドーブレンドのコントラーダは赤い果実の豊かなアロマとしっかりとした骨格のあるエレガントな味わい。 |
インタビューを終えて
