今や拠点を国内外8箇所に拡大し、更なる革新で新時代を切り開く大生産者「ファルネーゼ」突撃インタビュー

2022/07/19
突撃インタビュー
 
2022年7月8日 ジュリア ショッティさん Ms. Giulia Sciotti

創業者の3人を讃える100%アパッシメントの最上級キュヴェが新登場!今や拠点を国内外8箇所に拡大し、更なる革新で新時代を切り開く大生産者「ファルネーゼ」突撃インタビュー

ジュリアさん
「ファルネーゼ」は、1994年に3人の創業者(カミッロ デ ユリウス氏、ヴァレンティーノ ショッティ氏、フィリッポ バッカラーロ氏)によってアブルッツォで創設されたワイナリーです。その土地を熟知した契約農家、醸造チームとタッグを組み、伝統的手法と最新技術を融合させて高品質ワインを生産しています。世界的評価の高いフラッグシップのエディツィオーネやカサーレ ヴェッキオなどを世に送り出し、イタリア最優秀生産者に何度も輝くなど、その名をイタリア国内外に轟かせています。今回、創業者ヴァレンティーノ ショッティ氏の娘さんで、マーケティングマネージャーのジュリア ショッティさんに、唯一の自社畑で造る最上級キュヴェ「スリードリーマーズ」、品種由来のアロマが最大限に引き出された「カラレンタ」、新たに手掛けるサルデーニャの「アッツェイ」についてオンラインでお話を聞きました。

偉大な3人の創業者を讃える最上級キュヴェが新登場!
唯一の自社畑で造る100%アパッシメント モンテプルチアーノ「スリードリーマーズ」


ワイナリーの設立は1994年。カミッロ デ ユリウス氏、ヴァレンティーノ ショッティ氏、フィリッポ バッカラーロ氏によって、ファルネーゼの歴史は始まりました。設立当初、彼らは資金も畑も何もない状況で「世界最大のブティックワイナリーを造りたい」という壮大な夢を掲げていました。周囲からは「スリードリーマーズ(夢見る3人)」と呼ばれる中、当時造っていたワインがロバート パーカー氏やヒュー ジョンソン氏から高い評価を得ることになります。それをきっかけに無名だったファルネーゼの名前が世界中に知られることになったのです。

全拠点で小規模農家と契約を結び、品質の高さを実現!
突出したコストパフォーマンスを生むファルネーゼ独自のビジネスモデル

高品質ブドウを得るためには、専門知識と情熱を持った小規模農家と長期契約を結んでブドウを買うことが、広い自社畑を所有して多くの季節労働者を雇うより良いとファルネーゼは考えています。量で買うのでなく、良い畑を面積単位で買い取ります。その結果、農家は、よりよいブドウを作れば高く購入してもらえるため、ファルネーゼの細かい指導に意欲的に従ってブドウを栽培するようになりました。これがファルネーゼの強みである、突出したコストパフォーマンスを生み出しているのです。

以降、ファルネーゼは、南イタリアを中心に拠点を拡大させ、その度に小規模農家と契約を結び、多くのベストセラーワインを生み出してきました。イタリアワインガイド『ルカマローニ』では何度も最優秀ワイナリーに選出、多くの世界的評価誌からも高評価を得ており、イタリアを代表する大生産者にまで上り詰めました。その背景には、偉大な3人の創業者「スリードリーマーズ」の存在があったことは言うまでもありません。

唯一の自社畑で造る100%アパッシメント モンテプルチアーノ「スリードリーマーズ」
120日間の陰干しが引き出す驚くほどの凝縮感とボディが楽しめる極上の逸品

そんな彼らを讃える最上級キュヴェがリリースされることになりました。その名も「スリードリーマーズ」。ファルネーゼの出発地点、アブルッツォの唯一の自社畑で造る100%アパッシメント モンテプルチアーノです。驚くほどの凝縮感とボディが楽しめる極上の逸品で、ファーストヴィンテージの2020年から『ルカマローニ』で最高99点を獲得しています。ジュリアさんに、このスリードリーマーズについて話していただきました。

「最初に飲んだ時、美味しくて5分で飲み干してしまいました(笑)」

「創業者の3人は、ワイナリー設立当初“スリードリーマーズ”と呼ばれていました。彼らは当時、畑もお金も何もなく、まさに夢見る3人だったんです。カミッロはすごいカリスマ性のある超有名人で、私たちのプロジェクトを応援し、信じてくれていた人です。ヴァレンティーノは私の父で、現在の社長。フィリッポはグループすべてを統括するスーパーバイザー的存在です。

このワインは、3人の功績を讃えるために造った彼らに捧げるワインです。エチケッタにある鍵のマークには“私たちのワインの世界に入っていただく”、“私たちのワインが完結する”という意味が込められています。モンテプルチアーノは彼らが初めて手掛けた品種でもありますしね。

アブルッツォ最高峰DOCG「コッリーネ テラマーネ」に位置する
モンテプルチアーノに最適な単一畑「カンタルーポ」


畑は唯一の自社畑で、モンテプルチャーノに適しているカンタルーポという畑です。10ヘクタールあります。今から約20年前に購入しました。コッリーネ テラマーネDOCGエリアに位置していますが、アパッシメントをしているのでDOCGの規定に乗らず“VINO”というカテゴリーに属しています。造り始めた頃は数%のブドウだけのアパッシメントを試みたのですが、最終的に100%に行きつきました。私たちの最新設備で、一定の温度、湿度を保ちながら、120日間の陰干しをしています。最初に飲んだ時、美味しくて5分で飲み干してしまいました(笑)。1万7000本のみの生産です。毎年作る予定ですが、畑が一つしかないので出来が良くなければ作れるかわかりません」

こだわりの醸造「冷却マセレーション」で造られるカラレンタシリーズ!
ペコリーノ、ロゼともに『ルカマローニ』最高99点を獲得して人気ワインに定着!

ファルネーゼは本拠地アブルッツォで、新たなワインの生産を開始しました。土着品種ペコリーノ100%のカラレンタ ペコリーノ、メルロー100%のカラレンタ ロザートです。2本ともイタリアワインガイド『ルカマローニ』最高99点を獲得。優れたコストパフォーマンスで、登場後すぐに人気ワインに定着しました。両者ともに一貫したスタイルがあり、明るい香りと味わいで、素直に美味しいと思えるワインです。そのカラレンタシリーズについて、ジュリアさんに話していただきました。

フレッシュさ、若々しさ、香り高さが生まれるカラレンタシリーズ
冷却マセレーションにより引き出されるブドウの個性

「まず、アブルッツォのテロワールについてご説明いたします。アブルッツォは山と海が近く、9月になると午前はスキー、午後は海水浴ができるんです。それくらい海と山が近くにあります。ワインに対しても良い土地だと言え、特に白ワイン、ロゼワインに向いています。昼夜の温度差が激しく、海と山の両方から風が吹きます。常に涼しく、土中に水が溜まっているので干ばつに悩まされることもありません。フレッシュさ、若々しさ、香り高さが生まれるカラレンタにとってはとても重要な環境と言えます。

収穫は8月下旬に行います。収穫したらすぐにドライアイスを用いて、ブドウを冷やします。これはフレッシュさを保ち酸化を防ぐためです。ワイナリーに運び除梗を行った後、カラレンタにとって一番重要である“冷却マセレーション”を行います。ブドウを0度に設定して氷のような状態にすることで、ブドウの香りを保つことができるんです」

品種由来のアロマを最大限に抽出したフレッシュで華やかな白「カラレンタ ペコリーノ」
「ブドウをそのまま食べてるかのような味わいを表現」


「カラレンタ ペコリーノは、品種由来のアロマティックな香りを抽出することを意識しています。そのままブドウを食べてるかのような味わいを表現しています。このワインを造るにあたって、醸造家チームは試行錯誤を繰り返していました。やり方によっては酸化してしまい、特徴的な香りもなくなってしまいます。赤ワインは樽を使って複雑さを出すことができますが、何かで覆い隠すことができない白ワインやロゼワインは大変難しいんです。

ペコリーノの生産本数は50万本ですので、冷却マセレーションをする際に非常に多くのブドウを冷やさなければいけません。お金もかかりますが、大規模な機械、設備で行っています。ぜひ、カラレンタの収穫時期にその時の様子を見に来てくださいね」

様々な料理と相性抜群のメルロー100%ロゼ「カラレンタ ロザート」
スキンコンタクトを行わない果肉だけで抽出したエレガントな淡い色


「醸造方法はペコリーノと同じです。冷却マセレーションを行った後、皮とのスキンコンタクトは行わず、淡い色を出すのがポイントです。果肉だけで抽出したこの色は非常にエレガントだと好評なんですよ。お気づきかわかりませんが、2021ヴィンテージからコルク栓ではなく、ガラス栓を使用しています。最初は本当に空気が入らないのか心配でしたが、とあるポルトガルの会社が扱うガラス栓が気に入ったので導入しました。100%酸化しないという認証も受けています。全部飲まなかった時に完全に栓を閉めることができるというメリットがあります。今の情勢によっては来年はコルクに戻るかもしれないですが、ペコリーノとロゼはガラス栓を用います。

ブドウ品種はメルローです。アブルッツォのロゼはチェラスオーロという赤色が強いものが主流ですが、カラレンタ ロザートは淡い色が特徴です。お花やざくろ、オレンジなどの香りがあります。食事との組み合わせは難しくありません。魚料理、鶏肉、デリケートな料理に最適です。パスタ、リゾット、複雑な味わいを持つ料理とも合いそうですね」

 

国内7拠点目となるサルデーニャに進出して立ち上げた新ブランド「アッツェイ」
その土地を知り尽くす農家と若手醸造チームで造り上げる高品質&個性的ワイン

アブルッツォに始まり、プーリア、カンパーニャ、バジリカータ、シチリア、トスカーナの順に拠点を拡大してきたファルネーゼ。彼らが数年間にわたるリサーチを重ね、国内7拠点目となる新たな舞台に選んだのがサルデーニャでした(サルデーニャと同時期に、初の海外となるスペインにも進出)。

ファルネーゼは「一つひとつの工程に細部までこだわる丁寧なワイン造り」を徹底すべく、拠点を持つ全てのエリアで現地の農家と契約し、自身たちが率いる醸造家たちとともに高品質かつ個性的なワインを生産しています。新たに進出したサルデーニャも同様に、ワイナリーの哲学が引き継がれています。ワイナリーのコンセプト、契約農家、醸造家について、ジュリアさんに話していただきました。

「土地を熟知する栽培家」「才能ある醸造家」「ファルネーゼの革新的な設備」の融合!

「私たちが持つコンセプトの一つに、“ブティックワイナリー”というものがあります。私自身も気に入っている言葉です。生産者として数多くのワインをリリースしていますが、“各エリアのワインに対してこだわりを持って丁寧に造るワイナリー”という意味で、そう表現しています。そのためには、現地の契約農家と私たちが率いる醸造チームの存在が不可欠です。

農家の方々は“代々ブドウ栽培に携わるプロフェッショナル”と解釈しています。そのため、サルデーニャに進出する際には、土壌はもちろん、現地の栽培家(農家)の入念なリサーチから始まりました。特に、その土地や畑のことを誰よりも熟知する栽培家の調査はとても大事なんです。そして、各エリアで活躍する醸造家たちの存在も重要です。これほど多くの醸造家を抱えるワイナリーは、おそらくイタリアで私たちだけではないでしょうか。各ワイナリーには専任の醸造家がいて、全ての工程を常に細かく管理しています。また、彼らには経験を積ませるために、年に1回環境の異なるエリアへ修業に行ってもらっています。様々な天候や土壌、品種について学ぶことで、ファルネーゼの品質向上を図っています。

土地を熟知する農家、才能ある多くの醸造家たち、私たちの革新的な設備が組み合わさることで、品種や土地の個性が現れた高品質なワインが生まれるのです」


(写真は拠点を構えるオリスターノ県モーゴロ)

東西南北から吹く海風と島由来の個性的な土壌が生む個性派ワイン!
「海に囲まれて東西南北から海風が吹くので、海のニュアンスを感じさせるワインが生まれます」という「アッツェイ」のワインと、サルデーニャの土壌や品種についても話していただきました。


「アッツェイが拠点を構えるのは、オリスターノ県のモーゴロという伝統と歴史が育まれたエリアです。カリアリから2時間ほどのところにあります。(サルデーニャ全域で造られるIGT)イゾラ デイ ヌラーギに使われるヴェルメンティーノとモニカを栽培しています。主に東部のヌオーロで造られているカンノナウですが、モーゴロにも少々あります。カリニャーノは、南部のスルチスです」

サーラガト ヴェルメンティーノ イゾラ デイ ヌラーギ
「ヴェルメンティーノは二つのエリアで栽培しています。一つは丘にあり、かつて火山があったとされる場所です。そのため、黒曜石のようなものが土壌に多く存在することが特徴の一つです。火山性土壌由来のミネラルをワインにも感じていただけると思います。もう一つは、海に近い畑です。二つのエリアのヴェルメンティーノを用いることで、ストラクチャー、アロマ、ミネラル感を表現しています」

サーラガト モニカ ディ サルデーニャ

「モニカはサルデーニャの土着品種です。色が強く出ないのがこの品種の特徴です。畑は砂質土壌、樹齢は35~40年。ブドウを収穫後、ソフトプレス。ステンレスタンクでマセレーション、24度に温度管理された状態で10~15日間発酵を行います。ヴィンテージによって異なりますが、フレンチオーク樽で4~6ヶ月間熟成させます」

サーラガト カンノナウ ディ サルデーニャ

「カンノナウの畑は、サルデーニャの中心、オリスターノとヌオーロにあります。石灰を多く含んだ土壌で、モニカと比べるとストラクチャーがしっかりしています。50~55年という高樹齢の畑で造られています。高樹齢であることも大切で、根っこが下のほうまで張ってくれるのミネラルなど様々な要素を生み出してくれます」

アル モニカ イゾラ デイ ヌラーギ
「アルは、モニカ85%、カリニャーノ15%で造っています。モニカはフレッシュさ、カリニャーノはストラクチャーとタンニンを与えてくれます。サーラガト モニカと飲み比べるとわかりますが、カリニャーノ由来のタンニンの強さを感じられます。高樹齢の完熟ブドウを使っているのですが、あえて完全に熟したところから15日間待って収穫しています。そうすると、水分が少し抜けてより凝縮感と複雑性が出てくるのです。エレガントさも生まれます」

フレッシュで華やかな心地よいアロマが引き出されたペコリーノ
「そのままブドウを食べてるような」口中に広がる果実味
ファルネーゼ
カラレンタ ペコリーノ 2021
カラレンタ ペコリーノ 2021


ペコリーノは中部イタリアの土着品種です。畑の向きは西と南、畑の土壌は石灰岩質、仕立ては伝統的なペルゴラ(棚仕立て)です。全体の80%をステンレスタンク、残りの20%を40ヘクトリットルのオーク樽で発酵させています。グリーンがかった麦わら色。洋梨や白桃、さらに上質な樽に由来するバルサムの心地よいアロマが感じられます。
試飲コメント:麦わら色。フレッシュで華やかな心地よいアロマが漂います。白桃、パイナップルなどの黄色い果実。口に含むと、香りと同様の白桃、黄色い果実などの味わいが口の中に広がります。ボリューム感も香りと同程度で非常にバランスに優れています。余韻も心地よくハーブのニュアンスも出てきます。

メルロー100%で造るイタリアナンバーワンロゼ!
フレッシュでやわらかなアロマが香る洗練されたスタイル
ファルネーゼ
カラレンタ ロザート 2021
カラレンタ ロザート 2021


ブドウはフレッシュさとアロマを保つため、気温の低い夜間に手摘みで収穫します。低温で18~22日間ステンレスタンクで発酵させます。淡いパウダーピンクの色合いを持つプロヴァンスカラーのロゼで、イチゴやピンクグレープフルーツのフレッシュでやわらかなアロマと同時にバラの花のアロマが広がります。
試飲コメント:非常に淡く透明に近い玉ねぎの皮の色。フレッシュな赤い果実、軽快で繊細な香りです。グレープフルーツなどの瑞々しい果実、生き生きとしたフルーティな味わいがあります。カラレンタシリーズは一貫している印象で、香り、味わいともに明るい味わいがあり、純粋で素直に美味しいと思える味わいです。

サルデーニャ南部、海の近くで造られたヴェルメンティーノ
火山性土壌とサルデーニャの海風が生み出す豊富なミネラル!
アッツェイ
サーラガト ヴェルメンティーノ イゾラ デイ ヌラーギ 2020
サーラガト ヴェルメンティーノ イゾラ デイ ヌラーギ 2020


ヴェルメンティーノに特徴的なローズマリーのアロマに加え、エルダーフラワーや洋梨や白桃、またライチを思わせるアロマがあります。フレッシュでしっかりとした骨格があり、素晴らしくバランスの良いワインです。余韻には豊かな果実味と心地よい苦みが感じられます。
試飲コメント:桃、洋ナシ、黄色い果実などのフレッシュな果実の香り。味わいはフレッシュな果実味とともにしっかりしたストラクチャーがあります。ミネラル感、少しの苦み、ナッツのニュアンスも感じる余韻が続きます。

サルデーニャの土着品種モニカ100%
フレッシュな果実とスパイシーさが織り交ざる複雑な味わい
アッツェイ
サーラガト モニカ ディ サルデーニャ 2020
サーラガト モニカ ディ サルデーニャ 2020


モニカはサルデーニャで有名な品種で主に南部で栽培されており、フルーティさがあります。フレンチオーク樽で約6ヶ月間熟成させます。輝きのあるルビーレッド、チェリーやプラム、様々なベリー系の果実の強いアロマが広がります。フルーティで口当たりはやわらかく、赤い果実、甘いタンニンが感じられます。
試飲コメント:赤系果実、黒系果実の親しみのある明るい香り。フレッシュさ、繊細さ、複雑さが織り交ざったような印象です。味わいは、フレッシュな果実とスパイシーさが際立っています。かすかに鉛筆の芯のニュアンスも感じます。中程度のタンニンが心地よい果実味と酸を口中に行き渡らせます。

スパイシーさが際立つ樹齢50~55年のカンノナウ!
しなやかな飲み口でタンニンと果実味が綺麗に調和
アッツェイ
サーラガト カンノナウ ディ サルデーニャ 2020
サーラガト カンノナウ ディ サルデーニャ 2020


カンノナウはグルナッシュのシノニムで、スパイシーな風味が特徴的です。熟した黒の果実の強いアロマとともに、スミレの花や乾燥させたバラなどの要素が感じられます。口に含むと、すぐにベルベットのようなしなやかさが感じられるとてもエレガントなワインです。豊かな果実味が口いっぱいに広がります。
試飲コメント:ルビー色。まずスパイシーな力強い香りがやってきます。熟した赤&黒系果実、花の香りも感じます。味わいも非常にスパイシーで、果実味とともにタバコ、ココアのニュアンスがあります。タンニンと果実味が綺麗にバランスよく調和しています。

60~80年の古樹モニカ主体で造り上げる単一畑トップキュヴェ
スモーキーなスパイス、黒系果実の深みある凝縮感
アッツェイ
アル モニカ イゾラ デイ ヌラーギ 2020
アル モニカ イゾラ デイ ヌラーギ 2020


通常よりも収穫の時期を遅らせ、わずかに過熟になったブドウを注意深く選別しながら手摘みで収穫します。発酵後、フレンチオークで約6ヶ月熟成させます。凝縮されたブラックベリーのフレイバーに加え、木苺やバニラビーンズの要素も感じられます。深みがあり洗練されたタンニンはベルベットのようにしなやかでスムーズです。
試飲コメント:濃い紫色。香りは、スパイス、ベリー系果実を感じる力強く凝縮感のある香り。味わいは非常に複雑で、黒系果実、スパイス、バニラなど。濃厚で豊かな果実とタンニンとが綺麗に溶け合う余韻。

圧倒されるほどの凝縮感とボディ!
アパッシメント100%の極上モンテプルチアーノ
ファルネーゼ
スリー ドリーマーズ 2020
スリー ドリーマーズ 2020


温度と湿度を管理できる乾燥庫でブドウを120日間アパッシメントさせます。やわらかく圧搾し、ステンレスタンクで25~30度に温度管理しながら6ヶ月発酵、醸しを行った後、アメリカンオーク樽に移し18ヶ月熟成させます。しなやかなタンニンと心地よい酸が素晴らしいバランスを保ち、非常にリッチで厚みのあるワインです。
試飲コメント:非常に濃いルビー色。凝縮感たっぷりの香りには、凝縮された黒系果実、バニラ、チョコレートの要素があります。口に含むと、凄まじい甘やかなアタックがあり、ジャム、チョコ、ココア、コーヒーなど、濃厚な味わいが口中を覆います。濃厚な風味とやや苦みのある余韻が非常に長く続きます。
インタビューを終えて
何もない状況から壮大な夢を掲げてワイナリー事業をスタートし、今やイタリアを代表する大生産者まで上り詰めたファルネーゼ。そのサクセスストーリーを聞いて、ゼロからここまで大きくなるのかと正直感動しました。過去の記事を読むと、「(設立当初は)南イタリアの小さな農家を1軒1軒回り、高品質なブドウを栽培する農家に、自分たちのためにブドウを造ってくれるよう交渉していた」とあります。一歩一歩の地道な努力を重ねてこそ大きな成功が待っている、成功は歩いて来ないのだと痛感しました。

そして、何と言ってもファルネーゼの集大成とも言われる最上級キュヴェ「スリードリーマーズ」です。始まりの地アブルッツォで夢見る3人が最初に手掛けたモンテプルチアーノで造られ、アッと驚くファルネーゼ特有の凝縮感の詰まった味わい。しかも、DOCGエリアでありながらカテゴリーがVINOなのは、既成概念にとらわれない100%アパッシメントだからです。「スリードリーマーズ」は、まさにファルネーゼがこれまで辿ってきた歴史を表す象徴的存在だと思いました。ジュリアさんは「その名前を思いついたのは、造った後のことですけどね(笑)」と話していましたが、個人的には運命のようなものを感じました。

同じくアブルッツォで造られるカラレンタシリーズ、新しく進出したサルデーニャで造る「アッツェイ」。両者ともに非常に魅力的なワインでした。土壌、エリアの違いをはっきりと感じることができたのも印象に残っています。特にカラレンタは、ペコリーノ、ロザートともに明るいキャラクターがあり、バランスも優れていて素直に「美味しい!」と思える味わいです。イタリアを代表する大生産者「ファルネーゼ」が造る各エリアのワインを、ぜひお楽しみください!

生産者さんと
ファルネーゼのワインはこちら⇒
アッツェイのワインはこちら⇒
突撃インタビューバックナンバーはこちら⇒