内藤ソムリエによる「季節感」を楽しむワインと食事のマリアージュ!

2018/07/04
突撃インタビュー
2018年6月28日 ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエ

イタリアワインの魅力満載!内藤ソムリエによる「季節感」を楽しむワインと食事のマリアージュ!

ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエと
トスカニーでも安定した人気を誇る「ドゥーカ ディ サラパルータ」、「フォンタナフレッダ」、「フォンタナ カンディダ」、「メリーニ」、「タウリーノ」、「リヴェラ」、「サン ミケーレ アッピアーノ」等ハイスタンダードな個性を備える魅力的なワインを日本における「イタリアワインの巨匠」である西麻布『ヴィーノ デッラ パーチェ』の内藤和雄ソムリエにそれぞれワインの持つ素晴らしい魅力、ソムリエならではの視点による味わい、イタリア料理のみならずご家庭でも実践できる食事とのマリアージュについてたっぷりお話を伺いました!また『ワイン王国』105号特集「すごい!イタリア全73DOCG103本」で内藤ソムリエが全イタリアDOCGの中から、ベスト10に選んだトスカニー直輸入ワイン「ジェルサイア」と「ラフィルマ」の2本について、その唯一無二の素晴らしい魅力と食事とのマリアージュについてじっくりと語って頂きました。

日本におけるイタリアワインの第一人者

ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエ日本におけるイタリアワインの第一人者内藤和雄ソムリエ

西麻布の『ヴィーノ デッラ パーチェ』ディレクター兼シェフソムリエ。日本におけるイタリアワインの第一人者。1987年より定期的にイタリア各州を訪問し、イタリア全州のワインと料理、風土を学ぶ。第3回イタリアワインソムリエ技能コンテスト優秀ソムリエ。第1回ポメリーソムリエスカラシップ ファイナリスト。第1回JET CUPイタリアワインベストソムリエコンクール優勝。ワイン関連の出版物にも多数登場、ワインスクール講師を務める等、ソムリエの視点でイタリアワインの魅力を伝える「巨匠」的存在。

ワインを飲む「季節感」を楽しめるイタリアワインの魅力

ワインを飲む「季節感」を楽しめるイタリアワインの魅力
1本目:スプマンテ ブリュット NV ドゥーカ ディ サラパルータスプマンテ
夏らしいワインですね。今日のように風がある気候にピッタリですね。イタリアの良い所は南北に長く分かれているところではないでしょうか。「冬には冬のスプマンテ」、「夏には夏のスプマンテ」みたいなものがあって、ワインを飲む「季節感」を選んで楽しめる事が出来るのがイタリアワインの魅力の一つと言えますね。「夏は圧倒的に南のスプマンテが飲みたくなりますね」
夏のスプマンテだと圧倒的に南のスプマンテが飲みたくなりますね。若々しい洋梨、柑橘のトーンがあり、香ばしい香りですね。シャンパーニュを飲むとなると、ある程度の覚悟(笑)が必要ですけれども、このスプマンテは油断して飲めるというか、リラックスして飲める泡だと思います。人なつっこくて、価格も入りやすい味わいが一番の魅力だと思います。

「海を想起するシチュエーションで仲間も呼んで」
プロセッコでも良いのですが、この季節はシチリアの海を感じるシチュエーションに合わせて、このようなスプマンテに照準を合わせてもいいのではないかと思いますね。海を想起するシチュエーションでピッツァ、サラダで。仲間も呼ぼうとか。そんな気持ちにさせてくれますね。

夕暮れとワイン「うっすらと暗くなっていくタオルミーナの夕暮れに合う」
イタリアワインの良い所はその情景が浮かぶことでしょうか。うっすらと暗くなっていくタオルミーナの夕暮れに「アぺ」(アペリティフ)として飲むシチュエーションで、イカ等を使った魚介類のフリット、リコッタチーズを使ったピッツァ、エビの生春巻きスウィートチリソース等も良いでしょう。本当に気軽に楽しめるワインで、アウトドアでもピッタリです。温度が上がっても美味しいですね。ご飯の支度をしながら楽しんでも。凛々しさや緊張感が無く、アンニュイでメロウな感じが出てきて良いですね。

「海と太陽と風が似合うワイン」
柔らかい酸味、口当たりの柔らかさ、ワインと喧嘩をしないガスのキメ細やかさがあって、人の心にすぅーと入り込むワインだと思います。「今日も一日お疲れ様」と肩の力を抜いて楽しむのにピッタリなワインではないでしょうか。飲み続けられる心地よさがあるので、(このワインで)映画を1本見れますね。

私は朝のシャワーの後にも飲みたいですね。生野菜とモッツァレラチーズとオリーブオイル等で。このワインは若い方々に飲んでもらいたいですね。夏のガーデンパーティーのウェルカムドリンクにも良いですね。適度な塩味があってモッツァレラやハム類と合います。「海と太陽と風が似合うワイン」。出かけるお供にとても楽しいワインです。

Q.お店のワインのテイスティングはいつされているのですか?

午前中が多いですね。時間がそこしかありませんから。午後はセミナー参加や試飲会に行っています。夕方からはお店の営業があります。午前中にテイスティングしたものがグラスワインにもなります。常にワインのコンディションをみたいと思っているので今日のテーマに合わせたワインを抜栓しテイスティングします。

Q.この辺の価格帯だとプロセッコもありますが?

プロセッコはとは真逆の南イタリアで開放的でエキゾチック。プロセッコより違う意味で開放的な部分がありながら完成度も高い。シチリアに行くと、このタイプの泡が置いてあるレストランが多いです。開放的な海の空気感で魚介類を楽しむ。つまり「(シチリアのワインは)そういう事なんだな」と。

「フォンタナフレッダはどのキュヴェも進化している」
2本目:ガヴィ デル コムーネ ディ ガヴィ 2016 フォンタナフレッダ

ガヴィ進化しているワインの一つです。ガヴィは最初にミネラルの香りが来るのが特徴です。よく比較されるアルネイスは花や果実の香りがあります。(ガヴィは)香りの中に塩っぽいニュアンスが感じられます。

4年前位にフォンタナフレッダに行きまして、殆ど全てのラインナップを試飲しましたが、どのキュヴェも本当に進化しています。ベーシックとなるバローロが明らかに良かったです。私のお店でもベーシックのバローロはすすめています。良く「昔飲んだからもういいよ」という方もいらっしゃいますが、新しいヴィンテージを飲んで印象が変わる方も多いですね。

「由緒ある生産者は自分たちが変わっていかなければならないという事をキチンとやっていますね」
由緒ある生産者は丁寧な仕事をしていますね。自分たちが変わっていかなければならないという事をキチンとやっていますね。フォンタナフレッダの「バローロ ラ ローザ」はビオディナミ農法だし、同じピエモンテのチェレットや、トスカーナのアヴィニョネージも有機栽培に切り替えています。いわゆる「大手」と呼ばれていたところが現在、格段にクオリティが上がっていますね。

「フォンタナフレッダのガヴィとは当てられない程の実力」
このガヴィは他のハイレベルのあるガヴィと仮に移し替えたとしても、全く遜色がない出来映えです。(黙って飲んだら)フォンタナフレッダのガヴィとは当てられない程ですね。今はそれだけの実力があります。

最初に塩味が来るのですが、次に果実のふくよかさがやってきます。「果実に塩が纏う」ガヴィの特徴があります。雑味の無い味わいですね。良いブドウの果汁だけを使っていると思われます。温度が上がるとよりふくよかさが増し、ロマンティックな味わいになってきましたね。

「コルテーゼは実に偉大なブドウ品種」
ガヴィはリグーリアとピエモンテの境に位置していて、歴史的にジェノヴァで上がった魚が、その日の内に食べる事の出来るエリアでもあった訳です。ガヴィと魚介類が合うという発想は昔から有りました。味わいの塩っぽさは土壌に由来しています。実際に行ってみるとトスカーナ並みの丘陵地帯があって、基本的には石灰質土壌です。「よくこんなに素晴らしい白ワインの土地があったか」と思わせる素晴らしい土地です。その点ではコルテーゼというブドウ品種は実に偉大な品種です。丘陵地帯で造るガヴィは他の物とは違う個性がしっかりと感じられます。コルテーゼは現地では実に偉大なブドウ品種です。

Q.このエリアはガヴィしか造っていない生産者が多いですか?

そうですね。マルケ州のヴェルディッキオと同じで、コアな生産者が多いです。世界的に見ても支持者が多いワインだと思います。日本は1980年代まで白ワインが売れていました。その頃にガヴィも流行っていたのですが、1990年代から赤ワインブームが来て、ガヴィの輸入量が減ってしまった時期がありました。

最近では土着品種ブームと赤ワインブームが比較的落ち着いてきた事もあり、ガヴィがまた復活をしてきました。ピエモンテと言うとついバローロ、バルバレスコのランゲに目が行きがちですが、ガヴィは本当に魅力的な小さな生産者が多いです。特にロヴェレート地区のガヴィは高品質です。

「日本の夏にピッタリ」
このヴィンテージ(2016)は日本の夏にピッタリですね。みずみずしい果実、コンポートの果実のニュアンスもありながら、そこに塩が纏う感じがあります。塩味を綺麗に溶かし込んでいるような余韻が続きます。酸の持続性、綺麗な苦味もあり、間違いなく魚介類には相性が良いワインですね。

「魚介、甲殻類はガヴィと合いますね」
茹でたタコにレモンとオリーブオイルをかけて。生牡蠣ともピッタリです。ヨーロッパで食べるような実が小さくてプリプリした牡蠣がより良いですね。塩茹でした海老にレモンとオリーブオイル、イタリアンパセリを添えて。現地ではガヴィを使ったリゾットがあります。ガヴィの生産者達はコルテーゼが偉大な品種で肉にも合うと言います。ウサギのローストとか、茹でカタツムリを使ったリゾット等です。あと肉パテやリエットなども良いでしょう。白っぽいシャルキュトリーも良いですね。白ソーセージのスープも良いですね。

和食だとカニしんじょう、タラバガニの足をちょっと焼いてオリーブオイルで。この組み合わせは美味しくて寝れなくなってしまいますね(笑)。甲殻類はガヴィと合いますね。ホタテも、トリ貝も合いますね。潮汁のようなしっかりとした塩味の効いたものも良いですね。

「汎用性が高く色々なシチュエーションで楽しめる」

これぞ「ザ フラスカーティ!」という味わい
3本目:サンタ テレサ フラスカーティ スペリオーレ セッコ 2016 フォンタナ カンディダフォンタナカンディダだいぶフレッシュな印象ですね。洋梨や青リンゴの香りはマルヴァジア種の個性ですね。香りは穏やかですね。香りの重心が真ん中より下にあるので、柔らかい印象で香りが立ちます。フラスカーティは人なつっこさ、柔らかさがありますね。単一畑「サンタテレーザ」で他のフラスカーティよりも充実した内容です。これぞ「ザ フラスカーティ!」という味わいですね。1980年代の終わりにフラスカーティに住んでいた事があって。毎日フラスカーティまみれでしたね(笑)。近くにフラスカーティの造り酒屋があって、空瓶を持っていくと80円で一杯に満たしてくれました。ボトルを持っていないと150円。とてもリーズナブルでした。昼3時になると近くのレストランでポルケッタ(皮つきの豚のロースト)が出来上がるので、そこに行ってフラスカーティで楽しむ。幸せな時を過ごしていましたね。

「カルボナーラとも合いますね」
あとカルボナーラ、カッチョ エ ぺぺ(黒コショウとチーズのパスタ)とも合いますね。フラスカーティの良い所は丸みがあり、親しみやすさがある事ですね。ローマの人たちの「観光客慣れした人なつっこさ」ってどことなくフラスカーティと似ていると思う部分があって。

「人なつっこくてフレッシュで屈託がない」

フラスカーティは人なつっこくてフレッシュで屈託がない。だからしつこい味付けの料理にも合う。人の心を捉えやすいワインだと思います。日本人とって飲みやすい白ワインとは?考えた時、ミネラルの厳格さがおとなしい方が軟水文化の日本人には受け入れやすいワインだと思います。普段から硬水を飲み慣れているような方はワインにも慣れていらっしゃるでしょう。

癖になる憎めないチャーミングで魅力的なワイン
このフラスカーティはミネラルがしっかりとあるのだけれども、上手く包み込んでいる印象があります。「羊の皮を被ったオオカミ」的な要素がありますね。日本人の口にも合うワインです。「美味しく飲めてしまうフラスカーティ」だと思います。このワインを3~4口飲むと何が食べ物が欲しくなります。

エビ風味のソフトスナック等でもいいと思います。和食だとクタクタに煮た山菜、青魚にも合いますね。例えばサバやアジの押しずし。酸味と甘味のニュアンスがあります。なめろうにも良いですね。日本ソバなら二八そば、そばつゆとも相性が良いですね。華やかな感じもあるので、カニ酢で食べるタラバガニも良いですね。この甘やかさは中華料理のピータン、きくらげでも合いますね。飲むと癖になる憎めないチャーミングで魅力的なワインです。

Q.ラツィオ州に新たにローマDOCが出来ましたが?

5年位前の『ガンベロロッソ』や『エスプレッソ』では、ラツィオのページを読むと、ことごとくフラスカーティを批判している記事が書いてありました。つまり「世界中から観光客が集まるローマで苦も無く供されるフラスカーティは何の努力もしていない。一切の努力もせず今日まで来た」と叩かれていました。そして新たにローマDOCが出来た。今は戦々恐々の状態となっています。逆を言えば、フラスカーティは昔からのスタイルを失っていない。「古き良きフラスカーティ」が今もしっかりとあるという事です。

物語、テロワール、気候、人間性、思い出が詰まったイタリアワインの魅力
イタリアワインをやっていて楽しいのは常に物語、テロワール、気候、人間性と思い出がある事ですね。だからイタリアワインは汎用性が高い。色々なシチュエーションで楽しめるし、中華でも和食でも楽しめますね。

まるでモンタルチーノのワインを想起させるような複雑な香り
4本目:ラ セルヴァネッラ キャンティ クラシコ リゼルヴァ 2012 メリーニ

セルヴァネッラ色の熟度が高く暑かった年が色調から見て取れます。例年のセルヴァネッラに比べると濃い色調です。セルヴァネッラの特徴として赤みが先にくるのですが、2012ヴィンテージは紫が強いですね。温かい地方の香りに感じる地中海の潅木、タバコ、ブラックオリーブがあります。

例年のセルヴァネッラであれば、トップノーズは静かで、こちらから香りを迎えに行かないといけないのですが、このワインに関しては最初から開いています。ラッダ イン キャンティはいわばキャンティクラシコの奥座敷的存在で、標高の高く風が吹き抜ける所で造っているワインにも関わらず、2012ヴィンテージのセルヴァネッラに関してはまるでモンタルチーノのワインを想起させるような温暖な気候のサンジョヴェーゼの香りがあります。

2012年は香りは複雑ですね。赤い果実の香りというよりは、クワの実やブラックチェリーを潰したような香りがあります。なめし皮や土っぽいミネラル、タールやカカオもあります。普段では少し判りにくいセルヴァネッラの味わいが「半身」出ているような状態で、普段セルヴァネッラの味わいが解らない方には良いヴィンテージだと思います。

「セルヴァネッラ史上最も印象に残るヴィンテージ」
「暑いから」とか「涼しいから」でヴィンテージの優劣をつける時代ではもうありません。2012年のセルヴァネッラにはブルネッロの北部の生産者と言っても良いレベルがあります。サンジョヴェーゼの引き締まった厳格なニュアンスが追いかけてくる味わいもしっかりとあります。

酸の持続性が長く、いつもより前衛的で「セルヴァネッラ史上最も印象に残るヴィンテージ」と言っても過言ではないでしょうか。標高の高いラッダの陰影もあれば、地中海の陽気なニュアンスもあってまるでブルネッロのようです。サンジョヴェーゼの厳格さも感じます。「一本で2回美味しいワイン」ですね。ワイン通の方にブラインド試飲すると驚くでしょうね。キャンティなのか?ブルネッロなのか?と。

包容力を持った「キャンティクラシコのグランクリュ」
2012年はメインディッシュとも合わせやすいです。掘り出し物で偉大なテンションもあり、包容力もある。これはちょっとびっくりのワインですね。2012年、(化け加減が)半端ないですね(笑)いつもよりバランスが整っていて重心もある。標高の高いラッダのセルヴァネッラはその陰影を追いかけて、その謎解きを楽しむようなワインですが、2012年セルヴァネッラ史上なかなか見る事の無い味わいですね。一言でいうと「セルヴァネッラのカーニヴァル」みたいな。いつもよりも包容力がある。「キャンティクラシコのグランクリュ」と言っても良いでしょうね。

ボトルセルヴァネッラQ.内藤さんのお店では通常のセルヴァネッラは抜栓してどのくらいの時間を置いてサービスしていますか?

私のお店では例年のセルヴァネッラだと大体半日は置いていますね。固いのが好きな人もいるので、そういう人には開けたてを出しますけど(笑)。2012年は思い出になるヴィンテージですね。何回飲んでもブルネッロっぽい。地中海的雰囲気と厳格な酸、ミネラルのトーンが入っています。2012年は抜栓最初からパフォーマンスが高いです。複雑で非常に質が高い香りなので、赤ワインを飲みこなしている方にも納得して頂けると思います。特にブルネッロを好きな方には。

焼いた赤身肉、藁で炙ったカツオのタタキ、北京ダックと
焼いた赤身肉、牛や仔羊肉が良いですね。ワインも持つ地中海の潅木の香りがローズマリーとも合います。焼肉でも良いですが、タレに頼らないで塩とオリーブオイルで合わせるのも良いですね。カツオのタタキの藁で炙った感じにも良いですね。牛鍋などにも良いですね。北京ダックの皮のパリッとした感じと、鴨の脂分とワインのタンニンが合います。セルヴァネッラの上質な酸があるので、重い中華を食べていても口の中が元に戻りやすいです。ボルドー型のグラスが的確ですね。

セルヴネッラは内容が充実していますが、安価過ぎてその価値を解りにくくしているワインとも言えますね。このワインが4000~5000円だったら「やっぱりセルヴァネッラって凄いね」となるのでしょうが(笑)。

「こういったワインは無くなって欲しくないですね」

「タウリーノは私のお店のベストセラーワイン」
5本目:サリーチェ サレンティーノ ロッソ リゼルヴァ 2009 タウリーノタウリーノ
「タウリーノの強烈なプーリア香」、素敵ですね。
イタリアワインの歴史をひも解くなら間違いなく南イタリアワインを飲むべきで、ギリシャの影響を受けた南イタリアは重要な産地です。まず、香りから感動しますね。このブドウ品種が好きか嫌いかとういよりは、(イタリアワインの歴史が)ここからやってきたことに素晴らしさを感じます。タウリーノは私のお店のベストセラーワインです。コントラストのある色合いですね。赤みがかっていて、美しい色調です。ゼラニウムを思わせるボタニカル(植物的な)のトーンがありますね。石灰を思わせるテロワールの香り、要素の全てが甘く溶け合っています。「流石プーリア」という印象です。

カンパーニャのようなボタニカルのニュアンスとミネラルのニュアンスがぶつかり合うような印象はなく、テロワールと第三アロマが綺麗に溶け合っています。それが一体となって甘やかな香りが感じられます。

ルイジヴェロネッリが伝記まで残す偉大な生産者「タウリーノ」
『ヴェロネッリ』の創始者ルイジヴェロネッリ氏がまだ生きている時に、高齢だった為、自身の最後の仕事として、これまで携わってきた生産者の伝記を出版する事になりました。ピエモンテのジャコモボローニャを始め、10冊位の伝記が出たのですが、その中1冊としてプーリアのタウリーノが出版されています。タウリーノは数多あるイタリアワインの生産者の中でも、ルイジヴェロネッリが伝記にまで残す程の偉大な生産者であるのです。

「こういったワインは無くなって欲しくないですね」
こういったワインは無くなって欲しくないですね。チェリー リキュールのトーン、奥底にある柑橘、ビターオレンジのニュアンスがあります。そしてこの粘性、甘やかさ。後味は非常にドライです。プーリア、レッチェ県サレント半島に吹く強烈な風を受けて、他では得られないテロワールがあります。収穫の最初から終わりにかけてブドウが風で自然乾燥してしまう環境の中でこそ、成し得るテロワール。その土地、その時に吹く風がすべてテロワールになっています。

「タウリーノを飲めば、どれだけ気分が晴れることか」
しかしながら暴力的で濃厚なワインばかりをプーリア全体がプッシュしている状況があり、そういった濃密なワインが多くなってきたプーリアの中で、タウリーノを飲めば、どれだけ気分が晴れることか。(あまりの熱弁に)この部屋にプーリアの風が吹きまくっていますね(笑)。余韻は正にプーリアと思わせる余韻です。伝統を守る美学が感じられます。

(お店のお客様は)タウリーノを飲めば、皆さん恍惚の状態になりますね。プーリアではオレキエッテのパスタにチーマディラーパ(アブラナ科。菜の花の一種)を使って。アクが強いような野菜をクタクタに煮るのも良いですね。プーリアは粉の保存性を高める為に白い小麦粉をオーブンに入れて焼く事があります。焼いた瞬間はうっすらベージュ色になります。それでパスタを打つと色が黒くなります。パスタは香ばしさと塩味が出て、噛むと塩味があります。(パスタを)茄子で和えてあろうが、トマトで和えてあろうが、このワインととても合います。

「南イタリアは野菜の文化なので、まず野菜と合わせて欲しい」
日本での大きな間違いはこういうワインと対峙した時、赤ワインだから肉を合わせようと考える事です。アリアニコもそうですが、南イタリアは野菜の文化なので、まず野菜と合わせて欲しいですね。野菜の持つ凝縮感で合わせて欲しいです。タウリーノは噛み締めると塩味があるので、ちょっとした野菜で十分です。プーリアではウニを食べる文化もあるので、海水で洗ったウニでもヨード感が重なり相性が良いです。鉄板焼きで余った端の方のピーマンとかとても合うと思いますね。中華だとホイコーロー、野菜を使ったもの、赤味噌の土手煮も意外と良いでしょう。

プーリア州自体が経済的にもイタリアで下部の方ですから、田舎のトラットリアに行くとエアコンが無い所が多いんですね。そういう所は大体テーブルにケッパーの酢漬けとオリーブの酢漬けが置いてあるんですね。常温でも日持ちするからでしょうね。その酢漬けとタウリーノのような赤ワインが不思議と合うんです。そこには「プーリアの空気感」みたいなものがあって、それで十分に楽しめるんですよ。間違って欲しくないのは、「こういうワインだから肉にしよう」と思って欲しくない事ですね。

「北プーリアと南プーリアの個性は全く別物」
6本目:イル ファルコーネ カステル デル モンテ リゼルヴァ 2011 リヴェラ

リヴェラ
北プーリアの特徴が出ていますね。素晴らしい香りです。サレント半島は違う甘ったるさのない印象です。色合いを見ると、ブドウに熟度がありますが、熟成が早いような色のトーンでは無いですね。北プーリアと南プーリアは個性が全く異なるので、別物だと考えて下さった方が良いですね。

「プーリアワインが田舎っぽい」という印象を覆してくれる酸の持続性
とても素直な香りだと思います。プーリアの中でも標高が高いだけあって、涼やかなトーンの香りがあります。チェリーでも黒過ぎないチェリーの香りがあります。フラワリーな感じがありますね。先程のタウリーノがゼラニウムのような印象がありましたが、イルファルコーネはスミレの花、ユーカリの印象があります。

「本来あるべきカステル デル モンテの一つの形」
飲むと、プーリアらしく瑞々しさがあります。酸が豊富でサレント半島とは全く違うテロワールが感じられます。酸の持続性も長くフレッシュな味わいで、タンニンも厳格な印象です。造り手のリヴェラは年々良くなってきていて、「プーリアワインが田舎っぽい」という印象を覆してくれています。石灰質の豊富な土壌由来の塩っぽさもあり、余韻も長い。「本来あるべきカステル デル モンテの一つの形」と言えるでしょう。

馬のお肉にぺコリーノチーズとイタリアンパセリを軸ごと入れてトマトスープの中に入れて炊く「ブラッショラ」というプーリア料理と合いますね。この酸味は馬肉と合いますね。さっと焼いたジンギスカンでもいいですね。酸とミネラルとタンニンは厳格で魚よりは肉料理(牛ではない)ですね。トマトソースとの相性が良いので、羊のラグーとトマトソース、豚とトマトのシチューでも相性良いですね。シチューに生っぽい玉ねぎを入れるのがポイントです。大胆なマリアージュでは酢豚ですね。豚の脂っぽさに合わせるのも面白いと思います。チンジャオロースとも良いですね。和食よりは中華の方が相性が良いでしょう。

酸が豊富にあるので、熟成も期待できますね。酸が豊富でいつもよりも冷涼なヴィンテージだと思います。

細部まで華々しい甘やかでミネラリーな香り
7本目:アッピウス 2013 サン ミケーレ アッピアーノ

アッピウス2013
みずみずしい香りです。全体的にオイリーな印象でワックスのような芳醇な香りです。甘やかでバターのような香りが来て、綺麗なナッツ、アカシヤの花、品の良いバナナがトップノーズに感じられます。綺麗なミネラル、石灰質のニュアンスがあり、バルサミックなニュアンスがあり、細部まで華々しい印象です。

「アルトアディジェのテロワールが感じられる」
少し重みのある香りが第一印象に来るんですが、最後に逃げていく香りの方が繊細さがあります。飲むと香りとは裏腹に、アルトアディジェのテロワールが感じられます。みずみずしさと酸、芯の通ったミネラル感、石灰なんですが、石英斑岩、ドロマイトの透明感のあるミネラルを感じます。非常に複雑性のあるテロワールの香りです。塩味が確実に足跡を残しますが、上に抜けていくようなテンションの高いミネラル感があります。

「これで遊べる人は大人の幸せ」
「これで遊べる人は大人の幸せですね」。綺麗な女性と飲んでみたいワインですね。非常にテンションの高いワインです。果実が下にあるのに、ミネラルが上を行く。ミネラルの余韻が凄く長いですね。果実の余韻より、途中からのミネラルの余韻が苦味や塩味を伴いつつずっと長く続くていく。間違いなくバターを使ったお料理でしょうね。ホワイトアスパラを茹でておいて、焦がし気味のバターソース、カワマスに山の蜂蜜でマリネして焦しバターソース、とても上品な中華料理店の海老マヨネーズ、だし巻き卵と出汁っぽいニュアンスが合います。しゃぶしゃぶでも良いですね。デリケートな和食にも合いますね。質の良い鯛飯の骨っぽいミネラルとも合います。パストライズされていないキャビアも合います。

「ここまでラボーゾを昇華させる造り手はいませんね」

ワイン王国105号ここからはワイン王国105号特集「すごい!イタリア全73DOCG103本」で内藤ソムリエがベスト10に選んだトスカニー直輸入ワイン「ジェルサイア」と「ラフィルマ」の2本についてコメントを頂きました。「ラボーゾの代名詞と言えるワイン」
8本目:ピアーヴェ マラノッテ ジェルサイア 2013 チェッケットラボーゾの代名詞と言えるワインですね。ポリフェノールの多い色調です。黒みがかったダークチェリーの色調です。テンションが高くスパイシーで、ポリフェノールから来るボタニカルな香り、ダークチェリーの果実をまだ若い状態で潰した香りがあります。すぐに植物的なニュアンス、テロワールの石灰の香りがあります。

バランスがとれていて、とても滑らかでシルキー
バランスがとれていて、とても滑らかでシルキーです。何杯でも飲めるラボーゾですね。引き締まった酸があって、アルコール14.5%もありながら酸が綺麗ですね。ブドウの生育がすごく良かったヴィンテージなのでしょう。

ジェルサイア、ノタイオいつも「酸が足りない」と呼ばれているエリアですから。酸が豊富で元気なので、確実に酢豚を注文したいですね(笑)タレを付けて食べる家庭の焼肉にピッタリですね。豚の角煮でも良いし、ホイコーロー、ウズラの照り焼きをバルサミコ酢で。ラグーソースにトマトが入ったものでトマトの酸味とワインの酸味を合わせたいです。北京ダックと合わせると恍惚な気分になれますね(笑)。時間が経つと酸が柔らかくなり、更に良くなっていきますね。

「ワイン王国で「ジェルサイア」を高く評価させていただきました」
ラボーゾ自体は元々ジャジャ馬な品種です。酸も高いし、ポリフェノールの高い。この手のブドウはある程度手なづけてボトリングするのか、開けっぴろげでボトリングするのかで、その味わいが違ってきます。開けっぴろげでボトリングすると良い結果にはなりにくいですが、それが「伝統」だという人もいます。

あらゆる個性を残したままワインとして昇華させている「ジェルサイア」には非常に意味があると思います。ここまでラボーゾを昇華させる造り手はいませんね。そうした事からワイン王国105号の特集の中でも「ジェルサイア」を高く評価させていただきました。普段濃密なワインばかりをお飲みの方に「酸とはこういうものです」と知ってもらうのにとても良いワインだと思います。

ワイン王国特集で試飲「モダンなアリアニコの新たな模索の一つ」
9本目:ラ フィルマ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2010 カンティーネ デル ノタイオ

熟度があって、ヴルトゥレの中でも標高が高くないエリアですね。ヨード感がありますね。ワイン王国の特集では2013ヴィンテージを試飲、「モダンなアリアニコの新たな模索の一つ」とコメントしました。

エキゾチックで華やかな香り、どっしりとした味わい
2010年は少し熟成しているヴィンテージですね。エキゾチックで華やかな香りがありますね。バリック樽熟成によるものですね。火山性土壌ですが、粘土質のニュアンスもありますね。トップノーズには赤いチェリーの香りがありますが、すぐにゼラニウムの植物的なニュアンスが感じられます。堆積物が多い土壌の海のミネラルのヨード感。その調和が取れたワインです。ワインの重心は常に下にあって、重さ、粘性があります。どっしりとした味わいが後から来ます。

「果実とミネラルとテロワールの調和があり、他には無い個性」
他の生産者は割とミネラルが上に来たりするのですが、ラフィルマは果実とミネラルとテロワールの調和があり、他には無い個性ですね。ヴルトゥレは大好きな場所です。行くたびに思うのですが、目の前にヴルトゥレ山が見えてくると「来たな」という気持ちになれます。このワインを飲んだらバジリカータ行きたくなりますね。

羊をトマトで煮込んだものとか、すね肉の持つゼラチン質との相性が良いですね。

「海と太陽と風が似合うワイン」
スプマンテ ブリュットNV
柔らかい酸味、口当たりの柔らかさ、ワインと喧嘩をしないガスのキメ細やかさがあって、人の心にすぅーと入り込むワインだと思います。「今日も一日お疲れ様」と肩の力を抜いて楽しむのにピッタリなワインではないでしょうか。飲み続けられる心地よさがあるので、(このワインで)映画を1本見れますね。私は朝のシャワーの後にも飲みたいですね。生野菜とモッツァレラチーズとオリーブオイル等で。このワインは若い方々に飲んでもらいたいですね。夏のガーデンパーティーのウェルカムドリンクにも良いですね。適度な塩味があってモッツァレラやハム類と合います。「海と太陽と風が似合うワイン」。出かけるお供にとても楽しいワインです。

試飲コメント:夏らしいワインですね。今日のように風がある気候にピッタリですね。イタリアの良い所は南北に長く分かれているところではないでしょうか。「冬には冬のスプマンテ」、「夏には夏のスプマンテ」みたいなものがあって、ワインを飲む「季節感」を選んで楽しめる事が出来るのがイタリアワインの魅力の一つと言えますね。

スプマンテ ブリュットNV
雑味のないみずみずしい果実感
ガヴィ デル コムーネ ディ ガヴィ2016
最初に塩味が来るのですが、次に果実のふくよかさがやってきます。「果実に塩が纏う」ガヴィの特徴があります。雑味の無い味わいですね。良いブドウの果汁だけを使っていると思われます。温度が上がるとよりふくよかさが増し、ロマンティックな味わいになってきましたね。茹でたタコにレモンとオリーブオイルをかけて。生牡蠣ともピッタリです。ヨーロッパで食べるような実が小さくてプリプリした牡蠣がより良いですね。塩茹でした海老にレモンとオリーブオイル、イタリアンパセリを添えて。あと肉パテやリエットなども良いでしょう。白っぽいシャルキュトリーも良いですね。白ソーセージのスープも良いですね。

和食だとカニしんじょう、タラバガニの足をちょっと焼いてオリーブオイルで。この組み合わせは美味しくて寝れなくなってしまいますね(笑)。甲殻類はガヴィと合いますね。ホタテも、トリ貝も合いますね。潮汁のようなしっかりとした塩味の効いたものも良いですね。

試飲コメント:日本の夏にピッタリですね。みずみずしい果実、コンポートの果実のニュアンスもありながら、そこに塩が纏う感じがあります。塩味を綺麗に溶かし込んでいるような余韻が続きます。酸の持続性、綺麗な苦味もあり、間違いなく魚介類には相性が良いワインですね。

ガヴィ デル コムーネ ディ ガヴィ2016
飲むと癖になる憎めないチャーミングで魅力的なワイン
サンタ テレサ フラスカーティ スペリオーレ セッコ2016
このフラスカーティはミネラルがしっかりとあるのだけれども、上手く包み込んでいる印象があります。「羊の皮を被ったオオカミ」的な要素がありますね。日本人の口にも合うワインです。「美味しく飲めてしまうフラスカーティ」だと思います。このワインを3~4口飲むと何が食べ物が欲しくなります。エビ風味のソフトスナック等でもいいと思います。和食だとクタクタに煮た山菜、青魚にも合いますね。例えばサバやアジの押しずし。酸味と甘味のニュアンスがあります。なめろうにも良いですね。日本ソバなら二八そば、そばつゆとも相性が良いですね。華やかな感じもあるので、カニ酢で食べるタラバガニも良いですね。この甘やかさは中華料理のピータン、きくらげでも合いますね。飲むと癖になる憎めないチャーミングで魅力的なワインです。

試飲コメント:だいぶフレッシュな印象ですね。洋梨や青リンゴの香りはマルヴァジア種の個性ですね。香りは穏やかですね。香りの重心が真ん中より下にあるので、柔らかい印象で香りが立ちます。フラスカーティは人なつっこさ、柔らかさがありますね。単一畑「サンタテレーザ」で他のフラスカーティよりも充実した内容です。

サンタ テレサ フラスカーティ スペリオーレ セッコ2016
「セルヴァネッラ史上最も印象に残るヴィンテージ」
ラ セルヴァネッラ キャンティ クラシコ リゼルヴァ2012
2012年のセルヴァネッラにはブルネッロの北部の生産者と言っても良いレベルがあります。サンジョヴェーゼの引き締まった厳格なニュアンスが追いかけてくる味わいもしっかりとあります。酸の持続性が長く、いつもより前衛的で「セルヴァネッラ史上最も印象に残るヴィンテージ」と言っても過言ではないでしょうか。

焼いた赤身肉、牛や仔羊肉が良いですね。ワインも持つ地中海の潅木の香りがローズマリーとも合います。焼肉でも良いですが、タレに頼らないで塩とオリーブオイルで合わせるのも良いですね。カツオのタタキの藁で炙った感じにも良いですね。牛鍋などにも良いですね。北京ダックの皮のパリッとした感じと、鴨の脂分とワインのタンニンが合います。セルヴァネッラの上質な酸があるので、重い中華を食べていても口の中が元に戻りやすいです。

試飲コメント:2012年はメインディッシュとも合わせやすいです。掘り出し物で偉大なテンションもあり、包容力もある。これはちょっとびっくりのワインですね。2012年、(化け加減が)半端ないですね(笑)いつもよりバランスが整っていて重心もある。標高の高いラッダのセルヴァネッラはその陰影を追いかけて、その謎解きを楽しむようなワインですが、2012年セルヴァネッラ史上なかなか見る事の無い味わいですね。一言でいうと「セルヴァネッラのカーニヴァル」みたいな。いつもよりも包容力がある。「キャンティクラシコのグランクリュ」と言っても良いでしょうね。

ラ セルヴァネッラ キャンティ クラシコ リゼルヴァ2012
テロワールを感じる溶け合う甘やかな香りと美しい色調
サリーチェ サレンティーノ ロッソ リゼルヴァ2009
こういったワインは無くなって欲しくないですね。チェリー リキュールのトーン、奥底にある柑橘、ビターオレンジのニュアンスがあります。そしてこの粘性、甘やかさ。後味は非常にドライです。プーリア、レッチェ県サレント半島に吹く強烈な風を受けて、他では得られないテロワールがあります。収穫の最初から終わりにかけてブドウが風で自然乾燥してしまう環境の中でこそ、成し得るテロワール。その土地、その時に吹く風がすべてテロワールになっています。南イタリアは野菜の文化なので、まず野菜と合わせて欲しいですね。野菜の持つ凝縮感で合わせて欲しいです。タウリーノは噛み締めると塩味があるので、ちょっとした野菜で十分です。プーリアではウニを食べる文化もあるので、海水で洗ったウニでもヨード感が重なり相性が良いです。鉄板焼きで余った端の方のピーマンとかとても合うと思いますね。中華だとホイコーロー、野菜を使ったもの、赤味噌の土手煮も意外と良いでしょう。

試飲コメント:コントラストのある色合いですね。赤みがかっていて、美しい色調です。ゼラニウムを思わせるボタニカル(植物的な)のトーンがありますね。石灰を思わせるテロワールの香り、要素の全てが甘く溶け合っています。「流石プーリア」という印象です。カンパーニャのようなボタニカルのニュアンスとミネラルのニュアンスがぶつかり合うような印象はなく、テロワールと第三アロマが綺麗に溶け合っています。それが一体となって甘やかな香りが感じられます。

サリーチェ サレンティーノ ロッソ リゼルヴァ2009
「プーリアワインが田舎っぽい」という印象を覆してくれる」
イル ファルコーネ カステル デル モンテ リゼルヴァ2011
プーリアの中でも標高が高いだけあって、涼やかなトーンの香りがあります。チェリーでも黒過ぎないチェリーの香りがあります。フラワリーな感じがありますね。先程のタウリーノがゼラニウムのような印象がありましたが、イルファルコーネはスミレの花、ユーカリの印象があります。馬のお肉にぺコリーノチーズとイタリアンパセリを軸ごと入れてトマトスープの中に入れて炊く「ブラッショラ」というプーリア料理と合いますね。この酸味は馬肉と合いますね。さっと焼いたジンギスカンでもいいですね。酸とミネラルとタンニンは厳格で魚よりは肉料理(牛ではない)ですね。トマトソースとの相性が良いので、羊のラグーとトマトソース、豚とトマトのシチューでも相性良いですね。シチューに生っぽい玉ねぎを入れるのがポイントです。大胆なマリアージュでは酢豚ですね。豚の脂っぽさに合わせるのも面白いと思います。チンジャオロースとも良いですね。和食よりは中華の方が相性が良いでしょう。

試飲コメント:プーリアらしくみずみずしさがあります。酸が豊富でサレント半島とは全く違うテロワールが感じられます。酸の持続性も長くフレッシュな味わいで、タンニンも厳格な印象です。「プーリアワインが田舎っぽい」という印象を覆してくれています。石灰質の豊富な土壌由来の塩っぽさもあり、余韻も長いです。

イル ファルコーネ カステル デル モンテ リゼルヴァ2011
細部まで華々しい複雑なテロワールを表現
アッピウス2013
みずみずしい香りです。甘やかでバターのような香りが来て、綺麗なナッツ、アカシヤの花、品の良いバナナがトップノーズに感じられます。綺麗なミネラル、石灰質のニュアンスがあり、バルサミックなニュアンスがあり、細部まで華々しい印象です。少し重みのある香りが第一印象に来るんですが、最後に逃げていく香りの方が繊細さがあります。飲むと香りとは裏腹に、アルトアディジェのテロワールが感じられます。みずみずしさと酸、芯の通ったミネラル感、石灰なんですが、石英斑岩、ドロマイトの透明感のあるミネラルを感じます。非常に複雑性のあるテロワールの香りです。塩味が確実に足跡を残しますが、上に抜けていくようなテンションの高いミネラル感があります。間違いなくバターを使ったお料理でしょうね。ホワイトアスパラを茹でておいて、焦がし気味のバターソース、カワマスに山の蜂蜜でマリネして焦しバターソース、とても上品な中華料理店の海老マヨネーズ、だし巻き卵と出汁っぽいニュアンスが合います。しゃぶしゃぶでも良いですね。デリケートな和食にも合いますね。質の良い鯛飯の骨っぽいミネラルとも合います。パストライズされていないキャビアも合います。

試飲コメント:「これで遊べる人は大人の幸せですね」。綺麗な女性と飲んでみたいワインですね。非常にテンションの高いワインです。果実が下にあるのに、ミネラルが上を行く。ミネラルの余韻が凄く長いですね。果実の余韻より、途中からのミネラルの余韻が苦味や塩味を伴いつつずっと長く続くていきます。

アッピウス2013
「ここまでラボーゾを昇華させる造り手はいませんね」
ピアーヴェ マラノッテ ジェルサイア2013
ラボーゾ自体は元々酸も高いし、ポリフェノールの高い。あらゆる個性を残したままワインとして昇華させている「ジェルサイア」には非常に意味があると思います。ここまでラボーゾを昇華させる造り手はいませんね。そうした事からワイン王国105号の特集の中でも「ジェルサイア」を高く評価させていただきました。酸が豊富で元気なので、確実に酢豚を注文したいですね(笑)タレを付けて食べる家庭の焼肉にピッタリですね。豚の角煮でも良いし、ホイコーロー、ウズラの照り焼きをバルサミコ酢で。ラグーソースにトマトが入ったものでトマトの酸味とワインの酸味を合わせたいです。北京ダックと合わせると恍惚な気分になれますね(笑)。時間が経つと酸が柔らかくなり、更に良くなっていきますね。普段濃密なワインばかりをお飲みの方に「酸とはこういうものです」と知ってもらうのにとても良いワインだと思います。

試飲コメント:ポリフェノールの多い色調です。黒みがかったダークチェリーの色調です。テンションが高くスパイシーで、ポリフェノールから来るボタニカルな香り、ダークチェリーの果実をまだ若い状態で潰した香りがあります。すぐに植物的なニュアンス、テロワールの石灰の香りがあります。

バランスはとれていて、とても滑らかでシルキーです。何倍でも飲めるラボーゾですね。引き締まった酸があって、アルコール14.5%もありながら酸が綺麗ですね。ブドウの生育がすごく良かったヴィンテージなのでしょう。

ピアーヴェ マラノッテ ジェルサイア2013
エキゾチックで華やかな香りとどっしりとした味わい
ラ フィルマ アリアニコ デル ヴルトゥレ2010
ヴルトゥレは大好きな場所です。行くたびに思うのですが、目の前にヴルトゥレ山が見えてくると「来たな」という気持ちになれます。このワインを飲んだらバジリカータ行きたくなりますね。他の生産者は割とミネラルが上に来たりするのですが、ラフィルマは果実とミネラルとテロワールの調和があり、他には無い個性ですね。羊をトマトで煮込んだものとか、すね肉の持つゼラチン質との相性が良いですね。

試飲コメント:エキゾチックで華やかな香りがありますね。バリック樽熟成によるものですね。火山性土壌ですが、粘土質のニュアンスもありますね。トップノーズには赤いチェリーの香りがありますが、すぐにゼラニウムの植物的なニュアンスが感じられます。堆積物が多い土壌の海のミネラルのヨード感。その調和が取れたワインです。ワインの重心は常に下にあって、重さ、粘性があります。どっしりとした味わいが後から来ます。

他の生産者は割とミネラルが上に来たりするのですが、ラフィルマは果実とミネラルとテロワールの調和があり、他には無い個性ですね。

ラ フィルマ アリアニコ デル ヴルトゥレ2010
インタビューを終えて
「ワインを飲む季節感を選んで楽しめる事が出来るのがイタリアワインの魅力の一つですね」と話してくださった内藤ソムリエ。

ワインと言うと銘柄と料理ばかりを考えがちですが、今日の気分や季節に合わせて楽しむマリアージュはとてもイメージしやすく、家庭でも参考になる料理とのマリアージュはとても分かりやすくて、直ぐにでも試してみたくなりました。

終始的確な分析コメントにうっとりして聞きながらも、「今日は風強くて、プーリアっぽい風が吹いていますね」と内藤ソムリエならではの飲み手を楽しませるホスピタリティ溢れるコメントもあって、流石は超一流と改めて納得しました。

自身でイタリアを精力的に廻る内藤ソムリエがトスカニー直輸入ワインのチェケットやカンティーネ デル ノタイオにも訪問している事に驚きました。ワイン王国の特集で自身トップ10に選んだチェケットの「ジェルサイア」を試飲した内藤ソムリエは「ラボーゾの代名詞と言えるワインですね。チェケットを飲めて良かった。このようなワインをもっとわかって欲しいですね」と試飲後も自らボトルを取ってもう一度ワインの状態を確認していました。

フラスカーティもガヴィも改めて飲んで、最新ヴィンテージの進化する味わいに驚きました。「ワイナリーを代表するベーシックなワインにこそ、その醍醐味が詰まっている」。内藤ソムリエの細やかな説明でイタリアワインの奥深さ、魅力を再確認出来た嬉しいインタビューとなりました。

ヴィーノ デッラ パーチェ 内藤和雄ソムリエ
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