11月22日 ペリッセロ氏来日ディナー

2011/11/30
突撃インタビュー
 
2005年11月22日 ジョルジョ ペリッセロ氏 Mr.Giorgio Pelissero

ジョルジョ ペリッセロ氏

若きバルバレスコ生産者のリーダーが来日。素晴らしいコストパフォーマンスを再確認

若きバルバレスコ生産者のリーダーとして知られる、ジョルジョ ペリッセロ氏が来日。ペリッセロ氏が造るバルベーラ、ネッビオーロ、バルバレスコと一緒にピエモンテ料理を楽しむディナーに行ってきました。
会場は、ピエモンテのバローロ村で修業されてきた宮根シェフのお店「オストゥ」。修行時代にペリッセロ氏とも親交のあった宮根シェフが完璧なマリアージュのコースを用意して下さっていました。

気心知れたシェフのお店だからか、ペリッセロ氏は上機嫌。イタリア語が分かる人はほとんどいないのに、おかまいなしに話しかけては冗談を飛ばしていらっしゃいました。しかも、私に用意されていた席は、なんとペリッセロ氏の正面!「2005年にワイナリーを訪問させていただいたんですが覚えてますか?」と言うと「えー覚えてないよ~」と言われてちょっとがっかり。

ベイビーバルバレスコことネッビオーロランゲはお買い得!

まず、ピエモンテ名物のヴィテッロトンナート(冷製ローストビーフのツナソース)と一緒に「バルベーラ ダルバ ピアーニ2008」がでてきました。この2008年ヴィンテージはクラシカルなスタイルに仕上がった年で、酸とタンニンがしっかりあって、ドライでエレガントな味わい。甘みがあってまろやかな味となった2007や2009とは対照的だそうです。ローストビーフの淡白な味としっかりしたツナソースのコンビネーションがこのバルベーラとピッタリでした。

続いて「ベイビーバルバレスコ」とペリッセロ氏が呼んでいる「ネッビオーロランゲ2009」。これは、若い樹齢のネッビオーロを使っていて、若くてフレッシュなネッビオーロの特徴を生かした味わいが出るように毎年意識して造っているそうです。確かに、ネッビオーロ本来のエレガントなアロマと、しっかりとした骨格があって、これが2000円台で飲めるなんて、ほんとに凄いコスパです。

 

ペリッセロのバルバレスコとトリュフのコンビネーションは夢見るような美味しさ

白トリュフのかかったリゾットそして、いよいよバルバレスコ!まずは、ペリッセロ氏が「ワイナリーを代表するバルバレスコ」という「バルバレスコ ヌビオラ2007」。これは、バルバレスコ用の6つの小さな畑のネッビオーロをブレンドして造っていて、ペリッセロの歴史を踏襲。ネッビオーロの古いタイプのひとつの呼び名である「ヌビオラ」と名付けているのもそういう意味からとのこと。2007はまだ若いですが、バランスがとてもよく、複雑味が増して素晴らしい味わいになっていくそうです!ペリッセロのバルバレスコの中でも抜群のコストパフォーマンスで、世界の有名なレストランでオンリストされています。

続いて「バルバレスコ トゥリン2006」。これは一番新しいバルバレスコで、樹齢35年の単一畑「トゥリン」のネッビオーロから造られます。ミネラル感が際立ち、非常に伝統的なスタイルで、テロワールを非常によく表現できているということで、ペリッセロ氏にとっても大好きなバルバレスコだそうです。このトゥリンの畑を購入するために相当の苦労をしたらしいのですが、手に入れることができて本当によかったとおっしゃっていました。

そして、ペリッセロ家にとって最も重要で、最も高い評価を受けている「バルバレスコ ヴァノトゥ2007」。ペリッセロ家のワイン造りの歴史が始まったのがこのヴァノトゥの畑。まろやかでヴェルヴェットのような舌触りの、非常にエレガントな味わいになっています。実は今回、このバルバレスコに白トリュフをかけたフォンティーナチーズのリゾットを合わせたのですが、これが抜群の相性。バルバレスコにプリモを合わせる?とでてくる前は思ったのですが、やわらかく厚みのあるリゾットとエレガントなバルバレスコが口の中で一体になって、夢見るような美味しさでした。

ワイン造りに必要なのは時間と忍耐

ジョルジョ氏、ワイナリー訪問の記念写真最後に、ペリッセロの中の唯一の単一品種ではない造りの「ロングナウ」。ネッビオーロとバルベーラを50%ずつ使っているのですが、ネッビオーロの香りとタンニン、バルベーラの色と酸。それぞれの特徴がうまく合わさり、相乗効果をもたらして、広がりのある力強いワインとなっています。ロングナウと言うのは、ロンドンの博物館にある時計の名前から取ったそうで、品質の高いワインを造るには長い時間と忍耐強さが必要だという思いを込めたネーミングだそうです。
ロングナウは、バルバレスコに比べるとしっかりとした甘みとコクを感じるモダンなスタイルになっています。今回のメインディッシュの牛ほほ肉のブラザート(ワイン煮込み)とこれまた、素晴らしい組み合わせでした!
インタビューを終えて
ディナーを通してペリッセロ氏がひとつひとつ大きな声でワインの説明をして下さいました。終始、陽気で気さくなペリッセロ氏でしたが、ワインついての一言一言から、ワイン造りに妥協を許さないとってもまじめな性格が伝わってきました。そして、このペリッセロのワインを完全に理解されている宮根シェフの料理の素晴らしかったこと!ワインは料理と一緒に楽しむものだということを、改めて感じた素晴らしいひとときになりました。
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