2012年10月31日 サンターディ社 ラッファエレ カーニ氏来日ディナー

2012/10/31
突撃インタビュー
 
2012年10月31日 サンターディ社 ラッファエレ カーニ氏

サンターディ社 ラッファエレ カーニ氏来日ディナー

カーニ氏と記念写真
サンターディはサルデーニャの生産者協同組合で、フラッグシップのテッレブルネが『ガンベロロッソ』で何度もトレビッキエリを受賞するなど、高品質ワインの造り手として世界的に知られています。
今回、輸出責任者のラファエレ氏が来日され、渋谷のサルデーニャ料理店「タロス」で地元料理とサンターディのワインを合わせるディナーが開催されました。

大御所エノロゴ「ジャコモタキス」にコンサルタントを要請して180度方針転換した生産者協同組合

ディナーにて。左がジャコモタキス氏サンターディは、サルデーニャ島の南部にある州都カリアリから西へ約60kmに位置するサンターディの町に1960年に設立。1980年まではバルク売りだけでしたが、1980年に大きな転機が訪れます。それはイタリアを代表する醸造家でサッシカイアを造ったジャコモタキス氏をコンサルタントに迎えたこと。これをきっかけにサンターディのワイン造りは180度変わります。

サンターディ=土着品種カリニャーノ
サンターディの名を世界に知らしめたフラッグシップのテッレブルネ

ジャコモタキス氏を迎えてからのサンターディは、サルデーニャと言う土地をワインを通して知ってもらうということがワイン造りのポリシーになりました。土着品種カリニャーノの本当の素晴らしさもジャコモタキス氏から教わったと言います。カリニャーノはサンターディのあるサルデーニャ島南部にしか育たない、特別な品種。一時絶滅しかけていたこともあるそうです。

テッレ ブルネ 2007カリニャーノの最高傑作がサンターディのフラッグシップ「テッレブルネ」。トレビッキエリを10回以上も獲得、『ドゥエミラヴィーニ』でも最高賞のチンクエグラッポリを何度も取っているワインです。テッレブルネはフィロキセラの被害に遭わなかった古いブドウ畑の樹で造っていて、1本当たり800gのブドウしかとることができません。フィロキセラを免れたのは海の近くの砂浜に畑があったから。そのため、フィロキセラにやられないためにアメリカ産の苗木の接ぎ木をする必要がないのです。(写真:テッレ ブルネ 2007)

テッレブルネはアルコールも、ポリフェノールも、タンニンも全てが完璧な値になるまで収穫しないそうで、アルコール度数はなんと14.5%。「強すぎる」と言われることもあるのだそうですが、アルコール度数を落としてしまうと「テッレブルネ」ではなくなってしまう、という考えなので落としません。

サンターディはテッレブルネ以外にカリニャーノで「アラヤ」と「ロッカルビア」の2つのワインを造っていて、カリニャーノの独特な野性味と濃厚な味わいを楽しむことができます。

 

サルデーニャのヴェルメンティーノはフレッシュフルーティーでブドウをストレートに感じる

トスカーナやリグーリアでも造られているヴェルメンティーノ。同じ名前のブドウでも風土が違うので特徴が異なります。

サルデーニャのヴェルメンティーノの特徴は

1. フレッシュフルーティでブドウをつぶしたような香りがある
2. 口に含むとアルコールをすぐに感じる
3. 塩分のミネラルをしっかり感じる

ヴィッラ ソライス 2010サンターディはヴェルメンティーノで「ヴィッラソライス」と「カーラシレンテ」を造っています。より選別されたヴェルメンティーノで造るカーラシレンテはアルコール度数が14%もある、骨格のしっかりとした偉大な白。ブドウの全てのアロマをワインに表現するため、温度管理に非常に気を使っていて、収穫して醸造所に運ぶまでに温度が上がらないようにドライアイスで保冷。そのためにワイナリーにはドライアイス工場があるほど。これにはびっくりです。(写真:ヴィッラ ソライス 2010)

そして特徴的なミネラル感は海に近い土壌と海からの風によるもの。風は北風か南風なので畑も南北のラインに並行して植樹、常に風が吹いているためブドウは湿気がたまらず、清潔で健康な状態が保てるため農薬などを使わなくて済むのだそうです。

サンターディのワインとのマリアージュを楽しんだサルデーニャ料理

「醸造所もそれほど大きくないし、仕事はほとんどが手作業。協同組合とはいえ小さな造り手みたいなものです」とラッファエレ氏はおっしゃいます。ワインに対する強いこだわりを感じさせるサンターディのワインでサルデーニャワインの楽しさを味わって頂ければと思います。

サルデーニャの郷土料理
インタビューを終えて
ジャコモタキスのような大物エノロゴを迎えて大改革を遂げた生産者協同組合サンターディ。サルデーニャのワインはイタリア半島にはない土着品種が多くそれが唯一無二の個性となっていますが、その素晴らしさを気づかせてくれたのがジャコモタキスでした。来日されたラッファエレ氏は「ワインを通して自分たちの土地のことを伝えたい」と何度も繰り返していて、造っているワインと土地に対する深い愛着を感じました。
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