2014年4月12日 アンティコカステッロ社訪問

   
突撃インタビュー


2014年4月12日 アンティコカステッロ社訪問

カンパーニャ州の内陸部、標高1500mから2000mの山々が連なるイルピニア地方にかまえるタウラージの造り手アンティコ カステッロを訪問してきました。

カンパーニャはナポリやアマルフィなど海のイメージがありますが、少し内陸に入るとあっという間に山の中。特に、アンティコ カステッロのあるサン マンゴ スル カローレはタウラージの造り手は2,3ほどしかなく、ブドウ畑はほとんどありません。アンティコカステッロの醸造所と畑の周囲には山と森しかなく、手つかずの自然にあふれていました。


イルピニアのワインは山のワイン。火山性土壌の豊富なミネラルと長期熟成を可能にする高い酸。

カンパーニャのワイン産地として特に知られているのはベネヴェントとイルピニアですが、この2つは全く特徴が異なります。「ベネヴェントは平地のワイン、イルピニアは山地のワイン」と一般的に知られています。平地の多いベネヴェントは生産性が高く、果実味豊かなワインができます。一方、山の中の斜面地で造られるイルピニアはもともとが火山性土壌でミネラルが豊富なうえ、冷涼な気候と寒暖差によってしっかりとした酸のあるワインができます。

品種の特徴を表現していることもあり、ファランギーナはベネヴェント(サンニオ)、グレコとフィアーノはイルピニアが良いものができると評されています。

タウラージの指定地域の17のコムーネ(村)のひとつサン マンゴ スル カローレで初めてタウラージを造ったのがアンティコカステッロ

タウラージは南イタリアで初めてDOCGになった赤。南イタリアの温暖なイメージとは程遠い、がっちりとした骨格とタンニン、そしてしっかりとしたミネラルと酸に支えられた長期熟成型の力強いワインです。タウラージは17のコムーネ(村)が認定地域になっていますが、ここサン マンゴ スル カローレでは私たちが最初で、現在、もう一つワイナリーがあるぐらいです。

なぜこのワインがタウラージと呼ばれるようになったのは理由があります。昔からしっかりとした重厚な味のワインとして有名だったタウラージはかつてフランスや北イタリア、トスカーナへとブレンド用に輸出されていました。その出発点がタウラージ駅だったのです。タウラージからやってくるワイン、ということでタウラージと言う名前で呼ばれるようになりました。

 

畑のすぐそばにある醸造設備。最適な環境が整った地下の熟成庫。

山の中腹にある醸造所はとてもシンプルな構造で、1階にステンレスタンクが並ぶ醸造設備、地下が熟成庫で容量の異なる樽が整然と並んでいます。地下にあるため1年を通して気温は14度に保たれ、最適な環境となっています。現在、10haの畑から年間約50000本のワインを生産していますが、設備的にはその3倍のキャパがあり、徐々に畑を増やしていっているところです。

タウラージの規定は3年間以上の熟成が義務付けられていて、そのうち最低12ヶ月が樽熟成とされています。大きさの規定はないのでアンティコカステッロではヴィンテージによって最適な樽の大きさを選んでいます。ちなみに、2008年のタウラージはすべて大樽を使っています。白ワインはステンレスタンクだけで醸造。樽は使っていません。

 

2009年はタウラージは造らず、すべてマジスに。2010年はアリアニコ最高の年。

2009年はアリアニコにとってあまりいいヴィンテージではありませんでした。収穫して醸造を始める時にはタウラージを造るのをやめようと決めました。その中でも良いものだけを選んでマジスにしました。通常の年ならばタウラージにするブドウをマジスに回したので、マジス2009はとんでもないほどにタンニンがしっかりとした力強いワインになっています。そのため、普通ならばそろそろリリースするのですが2011よりも飲み頃になるのが間違いなく遅いので、2008の次に2011をリリース、その後2009をリリースする予定です。

一方、2010年はアリアニコにとって最高の年となりました。いわゆるエストラットセッコが38g/リットルあり、香りもそうですが味の濃密さが非常に高くなっています。2011年、2012年もできの良いヴィンテージになると思います。

 
アリアニコの果実味とミネラルがもたらす旨みのバランス   飲む数時間前には抜栓。上質な酸とミネラル、エレガントで力強いタンニン

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タウラージ2008
マジス イルピニア アリアニコ 2008 タウラージ2008
 


「イルピニアの白は1年以上寝かせてから飲むべき」イタリアの専門家が解説

白ワインは一般的に若いヴィンテージが好まれる傾向にありますが、イルピニアの白に関しては1年以上寝かせてこそ本来の素晴らしさを味わえると考えています。今朝、たまたまあるテレビ番組でイルピニアの話題があったのですが、「ミネラル豊富でしっかりとした酸が特徴のイルピニアの白ワインは1年以上寝かせてから飲むべきだ」と専門家が解説していました。一般消費者が見るテレビ番組でこのように紹介してくれるのはとても嬉しいです。

白ワインはすべてステンレスタンクだけで醸造しています。10月上旬に収穫したブドウをソフトプレス。フィオーレモスト(フリーランジュース)と呼ばれる果汁だけを使います。アルコール発酵は15~20日間、その後、澱とともに20日間ほど寝かせます。

コメント:今回の訪問では3つの白(グレコ、フィアーノ、ファランギーナ)を試飲。グレコはリリースしたばかりの2013と2012を飲み比べることができ、1年以上寝かせてから飲むべきだという言葉を舌でしっかりと実感。

グレコ2013は明るい黄色の外観が、1年前の2012は濃厚な色合いに。香りにはハチミツのニュアンスと甘やかさが加わり、味わいはより豊潤でまろやかになっていました。

 

熟成力があることを証明するしっかりとした酸とミネラルが豊富なグレコとフィアーノ

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タウラージ2008
イルピニア グレコ 2011 イルピニア フィアーノ 2012
 

インタビューを終えて

タウラージは山の中で造っていると認識はしていましたが見渡す限りの山、山、山には驚きました。
サン マンゴ スル カローレ村では、アンティコ カステッロが初めてできたワイナリーです。長いタウラージの歴史の中で認定地域内にもかかわらずこれまでワイン造りをする人がいなかったのはここが開墾するのに厳しい条件だったためではないかと実際に訪問して感じました。アリアニコに向いていないためではないことは彼らのワインを飲めばすぐにわかります。

アリアニコもそうですが、白のグレコもフィアーノもミネラルに富んだしっかりとした酸のある熟成向きのワインに仕上がります。テロワールが感じられるアンティコ カステッロのワイン、ゆっくりと味わっていただきたいと思います。

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