2014年10月1日 ファットリア レ プピッレ社 来社

   
突撃インタビュー

2014年10月1日 ファットリア レ プピッレ社 来社

モレッリーノ ディ スカンサーノを代表する造り手ファットリア レ プピッレ。オーナーのエリザベッタ ジェッペッティさんは「モレッリーノ大使」とも呼ばれる、まさにモレッリーノの顔のような存在です。今回、エリザベッタさんの娘でプピッレの販売担当者であるクララさんからワイナリーの歴史やワイン造りのポリシーなどを聞くことができました。

「キャンティクラシコ」「ブルネッロ」「ボルゲリ」。トスカーナ三大銘醸地の特徴を持つモレッリーノディスカンサーノ

ファットリア レ プピッレのあるスカンサーノはマレンマ地方に位置しています。この地域の特徴は、標高はキャンティクラシコ地域に近く、土壌はモンタルチーノに似ていて、そして海に近いという点でボルゲリに似ています。つまり、トスカーナの最大銘醸地の特徴をすべて持っている、と言うことです。伝統的に造られているサンジョヴェーゼは、ブルネッロと同じクローンのサンジョヴェーゼグロッソです。ただモレッリーノにはクローンの規定はありません。
 


 

「偉大なワイン造りに生涯をかけたい」エリザベッタさんの情熱が形になったファットリア レ プピッレ

ファットリア レ プピッレは現在75haの畑がありますが、エリザベッタの義父が1960年代にスカンサーノに2haの畑を購入したのが始まりです。ワインに情熱を持っていた彼はピサで薬局を営んでいたのですが、お得意様や自家消費用としてこの畑からワインを造ったのです。当時マレンマ一帯はワイン産地として整備されていた土地ではなく、マレンマでも初めてワインを造ったうちのひとつですね。

1985年、義父が亡くなり、畑はエリザベッタが受け継ぐことになりました。その時彼女はまだ20歳と言う若さだったのですが、何年も義父とともに畑仕事や収穫を経験し、「このマレンマで偉大なワインを造ることに生涯をかけたい」とワイン造りに本腰を入れることを決意。こうしてファットリア レ プピッレを立ち上げました。

2haだった畑から徐々に広げていき、今はスカンサーノとマリアーノの間に点在して75haの畑を所有しています。畑を点在させることで品質の安定が図れています。

 

ジャコモ タキス、リッカルド コタレッラ、クリスチャン ル ソメール、そしてルカ ダットーマ


単一畑サッフレディ
ワイナリーを立ち上げたエリザベッタは義父の友人だったジャコモタキス氏をエノロゴとして招きました。ワイン造りは彼から学んだと言ってもいいかと思います。高品質のブドウを造るためのグリーンハーベスト、醸造所の整備、バリックの導入などを進め、偉大なワインを造るための努力を徹底的に重ねていきました。そして1987年にはフラッグシップとなる「サッフレディ」をリリースし、世界的な評価を受けました。

1996年までジャコモタキス氏がエノロゴを務め、その後リッカルドコタレッラ氏が1999年まで、続いてクリスチャン ル ソメール氏が2011年まで務め、現在はルカ ダットーマ氏に来てもらっています。

みなさん一流のエノロゴの方なので個性がありますが、ルカになってから味わいがクリーンでデリケートになりました。それまでバリックがほとんどだった熟成に大樽やトノーをとりいれたのもルカです。

ルカの特徴はカンティーナだけでなく畑の仕事も丁寧にみることです。彼自身、トスカーナでビオディナミのワイナリーを持っているので、そういう視点が入っていると思います。月に2回はカンティーナと畑を見て回り、具体的な指導をしてくれます。とても厳しいので最初はとても怖かったですね。

 

モレッリーノ ディ スカンサーノを発展させた最大の功労者

1992年にモレッリーノ ディ スカンサーノ保護協会が設立された時、エリザベッタは初代会長に任命されました。ワイナリーを立ち上げて7年、気軽に飲めるモレッリーノだけでなく、長期熟成に向くリゼルヴァ、そしてスーパートスカン「サッフレディ」と、モレッリーノの知名度を高めてきたファットリア レ プピッレなくしてこのDOCの発展はありませんでした。人々は彼女のことを「モレッリーノレディ」「マレンマ大使」と呼んでいます。エリザベッタがいかにマレンマのワイン造りにおいて重要な役目を果たしてきたのかがわかります。

 

珍しいセパージュで造るミネラル豊富な白

ポッジョ アルジェンタート 2011
トラミネールとソーヴィニョンブランで造る白ワインです。トスカーナでは珍しいセパージュだと思います。デザートワインを造りたくてソーヴィニョンとセミヨンを植樹したところ、すごくいいブドウができたのがきっかけです。

試飲コメント:若々しくてリフレッシュできる爽やかな美味しさ。華やかで柑橘系のニュアンスにあふれたフルーティーさとともに酸とミネラルがしっかりとある。


ポッジョ アルジェンタート 2011
 

若々しい果実味にあふれる心地よいトスカーナ赤

ペロフィーノ
ワイナリーの中では一番新しいワインで、モレッリーノにするには若すぎる樹齢のサンジョヴェーゼが主体です。醸造はステンレスタンクだけ、飲み心地の良いエントリーワインの位置づけです。

試飲コメント:若々しくてフレッシュ。果実味もしっかりとあってフレッシュ感とコクのバランスがとれている。


ペロフィーノ
 

やわらかな果実味と飲み心地の良さが人気

モレッリーノ ディ スカンサーノ
これも毎日楽しめるワインです。サンジョヴェーゼ、マルヴァジネーラ、アリカンテという伝統的セパージュです。醸造はステンレスタンクのみです。

試飲コメント:やわらかな果実味と心地よい凝縮感で飲み疲れしない。


モレッリーノ ディ スカンサーノ
 

世界中で高い評価を受けるフラッグシップ

サッフレディ
義父が1980年代に植えたカベルネソーヴィニョンは彼が亡くなった後、エリザベッタはジャコモ タキス氏とともに収穫しました。その出来があまりにもよかったのでこのカベルネだけでワインを造りました。1987年が初ヴィンテージです。その後、メルローとシラーもブレンドするようになりました。世界的に高い評価を受けていますが、特にスイスで評判で、サッシカイアとその人気を二分しています。


試飲コメント:
濃厚な重い香りがぐっと迫ってくる。はっきりとした酸と果実味が広がり、さらにスパイシーなニュアンスが感じられる。濃密で重厚感にあふれている。時間とともにエレガントな要素が広がっていく。


サッフレディ

インタビューを終えて

ファットリア レ プピッレは「サッフレディ」がとにかく有名ですが、ペロフィーノとモレッリーノの親しみやすい飲み心地の良さ、ポッジョ アルジェンタートのイキイキとした酸とミネラルの爽やかな美味しさに、ワイナリーの実力を実感しました。
エリザベッタさんが20歳から積み重ねてきた絶え間ぬ努力が伝わってきました。

トスカーナには素晴らしいワインが本当にたくさんありますが、モレッリーノ ディ スカンサーノもそのひとつ。日本では他の有名ワインに比べて知名度がやや低いのですが、やわらかなサンジョヴェーゼの魅力を楽しむことができるワインとしてこれからもっと浸透していくはず。造り手の熱い思いが詰まっています。

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