2014年10月6日 チェザーリ社 来社

   
突撃インタビュー

2014年10月6日 チェザーリ社 来社

アマローネの造り手の中でも、特に飲み心地にこだわって造っているチェザーリ。伝統を守りながらも飲み手の立場になったワイン造りへのこだわりについてお話をお伺いしました。

伝統を守ることと最新の技術を取り入れる柔軟性がワイナリー発展に不可欠

チェザーリは家族経営のワイナリーで、現オーナーの父ジェラルド チェザーリが1936年に創業しました。当時から100haの畑を所有、ヴァルポリチェッラでワインを造り続けてきました。1968年にアマローネがDOCに認定され、チェザーリでは1970年からアマローネを造りはじめたのですが、当時アマローネを造っていたのは5社しかありませんでした。アマローネという名前から「苦いワイン」というイメージが先行し、イタリア国内では全くと言っていいほど受け入れられませんでした。そのため、アマローネの生産者たちはその大部分を輸出していました。恐らく生産量の9割が輸出でした。今はイタリア国内でも売れるようになりましたが、それでも大部分は輸出です。

現在46か国に輸出しているのですが、アマローネはとても独特なワインで他にこんなワインはありません。チェザーリのワイン造りのポリシーは、伝統を守ると同時に最新の技術にも目を向けて品質の向上に常に取り組むことです。最新の技術と言っても手間を省くためではなく、あくまでも品質重視の技術です。

 

収穫したブドウを傷つけず健康な状態で運ぶために乾燥用のカンティーナは畑からすぐ近くの場所にある

チェザーリは2つカンティーナがあります。ひとつはカヴァイオン ヴェロネーゼに、もうひとつはサン フロリアーノにあります。

アマローネは乾燥ブドウで造るので、乾燥の設備が必要です。収穫したブドウをできるだけ傷つけず、健康な状態で乾燥の場所まで運ぶことができるように、乾燥用のカンティーナは畑のあるサン フロリアーノにあります。乾燥に最適な湿度と風通しが保たれた場所でアマローネ用のブドウを4~5ヶ月間乾燥させます。

カヴァイオンヴェロネーゼにあるカンティーナはワインを熟成させるのに最適な環境を整えています。熟成室は地下にあり、1年を通して湿度と温度が保たれています。

 

アッパッシメントをとりいれた新しい親しみやすいワイン

ジュスト レッジェロ アパッシメント 2012
アッパッシメントの手法を取り入れて、アマローネよりもっと身近に飲める新しいワインを造ろうと試行錯誤して造ったワインです。コルヴィーナ60%、メルロー40%で造っています。コルヴィーナは全てアッパッシメントを行っています。コルヴィーナからはドライフルーツのニュアンス、メルローは骨格とキャンディのような心地よい果実味をワインにもたらします。

それと、今は表ラベルに「APPASSIMENTO(アッパッシメント)」という表記が入っていますが次のロットからは入りません。アッパッシメントと書くとアマローネを連想させて紛らわしい、と言うで。それだけ表記が厳しくなってきています。

試飲コメント:程よく甘く、ボリューム感がありスムーズな飲み心地。優しい果実味の中にドライフルーツとスパイシーなニュアンスのある、親しみやすい美味しさ。


ジュスト レッジェロ アパッシメント 2012
 

アマローネクラシコの搾りかすで造るベストセラーリパッソ

マーラ ヴァルポリチェッラ リパッソ スペリオーレ 2011
アマローネクラシコの搾りかすで造っているリパッソです。リパッソは普通に発酵させた果汁にアマローネの搾りかすを加えて再発酵させて造るヴァルポリチェッラ独特の製法です。アマローネの搾りかすには糖とポリフェノールが含まれていて、それがリパッソに風味を加えます。マーラの場合、発酵を終えて1年間寝かせたものに翌年のフレッシュなアマローネの搾りかすを加えています。

数年前までリパッソの生産量に関する規定は全くなかったので、わずかな量の搾りかすを使ってたくさんのリパッソを造る生産者もいました。法律が改定され1本のアマローネから2本のリパッソまでしか造ってはいけなくなりました。チェザーリではもともとその規定以下で造っていたので何も変わりません。

マーラはさまざまな国で飲まれていますが、どの料理にも合うと言われるベストセラーワインです。

試飲コメント:優しくてクリーンな果実やドライフラワーのアロマ。濃密感と酸をしっかり感じる美味しさ。時間とともにふくらみがましてくる。


マーラ ヴァルポリチェッラ リパッソ スペリオーレ 2011
 

3つの畑のブドウをブレンドして造るクラシカルなアマローネ

アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2009
チェザーリは3つのアマローネを造っていて、トップキュヴェの「ボサン」と「イルボスコ」、そしてこの「クラシコ」です。クラシコはボサン、イルボスコ、ジェマの3つの単一畑のブドウをブレンドさせた、クラシカルなタイプです。チェザーリが初めて造ったアマローネで、ラベルデザインはほぼ1970年当時と変わりません。

収穫後、翌年の1月中旬まで乾燥させたブドウで造っています。大樽で12ヶ月熟成後、ステンレスタンクで12ヶ月、そしてボトルで8~10ヶ月間熟成させてからリリースします。アマローネらしい濃密感と重厚感がありますが、身近に飲んでもらえるようなスタイルにしています。

試飲コメント:濃密で甘みがあり、スムーズに飲める心地よさ。凝縮感も程よく強すぎない。とてもエレガントな味わい。


アマローネ デッラ ヴァルポリチェッラ クラシコ 2009
 

コルヴィーナのポテンシャルの高さを証明したい!コルヴィーナ100%の旨みあふれる味わい

ジェマ コルヴィーナ ヴェロネーゼ 2008
コルヴィーナはアマローネのための重要な品種ですが、私たちはコルヴィーナがどれだけすごいブドウか、そのポテンシャルの高さを証明したいと考え、アマローネと同じくアッパッシメントを行ったコルヴィーナ100%のワインを造りました。アマローネの核となる力強さとともに、非常にエレガントな特徴を兼ね備えています。「ジェマ」はヴェローナの方言でつぼみ、原石と言う意味です。

他の造り手もコルヴィーナ100%のワインを造っていますが、このジェマのようなものはないと評価を頂いています。条件の良い単一畑のコルヴィーナを他よりもさらに完熟させて2週間遅く収穫していることと、熟成に大樽とミディアムトーストのフレンチバリックを使い分けることで独特のエレガントさと気品を生み出しています。

試飲コメント:濃密で豊かな味わいの中に旨みとミネラルが広がる心地よい美味しさ。エレガントでスパイシーなニュアンスもあってアマローネでもヴァルポリチェッラでもない、独特の味わい。


ジェマ コルヴィーナ ヴェロネーゼ 2008

インタビューを終えて

チェザーリのワインは「リッチでわかりやすい」と評価を受けています。全ての人にとって心地よい味を造ること、ひとつひとつのワインがメッセージを持っていること。これがチェザーリのワイン造りのポリシーだとお話の最後に改めて強調されていました。

ひとつひとつのワインを飲むとチェザーリが何を目指してワインを造っているのか、とてもよくわかります。正統でそして親しみやすい味わいを多くの人に楽しんでいただければと思います。

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