2014年6月17日 ファルネーゼ社 ステーニア パパレッラさん来社

   
突撃インタビュー

2014年6月17日 ファルネーゼ社 ステーニア パパレッラさん来社

ファルネーゼは、大人気のカサーレヴェッキオ、エディツィオーネなどのアブルッツォから、今はバジリカータのピポリ、シチリアのザブ、カンパーニャのヴェゼーヴォ、プーリアのプリミティーヴォと、南イタリアの各州でコストパフォーマンス抜群のワインで高い支持を集めていて、その安定した美味しさと品質の高さにはいつも驚かされます。

ファルネーゼとしてのスタンダードを守り、かつ、各地それぞれのテロワールと個性を尊重したワイン造りをどのように進めているのか、カンパーニャとバジリカータ、シチリアを中心に興味深いお話をお聞きしました。


カンパーニャのアリアニコはエレガント、バジリカータのアリアニコは骨格の大きいワインができる

カンパーニャとバジリカータはどちらも火山性土壌ですが、土壌のタイプが異なります。タウラージの造られるエリアの土壌はTUFO(トゥーフォ)と呼ばれる凝灰岩土壌、バジリカータは石灰や鉄分の多い、密度の高い土壌です。そのため、一般的にカンパーニャの方がスパイシーさのある、エレガントなタイプに、バジリカータは骨格の大きいワインができます。

ヴェゼーヴォのタウラージは樹齢250年のものも入っている

ヴェゼーヴォは、ファルネーゼがカンパーニャでのプロジェクトとして2000年に立ち上げたワイナリーです。私たちのワイン造りに興味を持ってくれた栽培農家の人たちと契約し、彼らの畑をすべて調査して区画分けをしていきました。中にはタウラージの協同組合に属している人もいましたし、そうでない人もいました。

タウラージエリアで一番古い畑は樹齢220~250年のもので、そのアリアニコからヴェゼーヴォのタウラージは造られています。ブドウ樹の高さは人の背丈よりも高く成長しています。これだけ古いアリアニコの畑はほとんど残っていません。というのも、20年ほど前、新しい苗木に植え替えることに対してEUが補助金を出したんです。そのために多くの農家は古い樹を引っこ抜いて新しいものに植え替えてしまったんですね。

 

近年急成長を遂げているバジリカータのヴィニエティ デル ヴルトゥーレ

ヴィニエティ デル ヴルトゥーレはバジリカータ州アチェレンツァに1981年に設立された生産者協同組合をファルネーゼが2010年から出資する形でファルネーゼグループになりました。エノロゴは地元出身のデニス ヴェルディッキアが務めているのですが、もともと彼はヴェゼーヴォと兼任でした。近年ヴルトゥーレが急成長してきたので、今は専任で常駐しています。

ヴァルネーゼのバジリカータのアリアニコはよりスムーズなタンニンが特徴です。実は、デニスが醸造コンサルタントのアルベルト アントニーニとバジリカータのアリアニコを色々調べているうちに、農協で造っているアリアニコと小さな農家が造るアリアニコには違いがあることがわかりました。農協の方は物凄くタンニンが強いのに対して、農家の方のタンニンはとてもスムーズで、その差がポンピングオーバーの技術を使うか否かだということに気が付きました。機械を持っていない農家のアリアニコの方がとても心地よかったんですね。だからタンニンを抽出しすぎないように、スムーズなアリアニコにすることをヴルトゥーレでは目指しています。

 


甘い果実のニュアンスのヴェゼーヴォのアリアニコと大樽熟成でスパイシーなニュアンスもあるピポリ


ベネヴェンターノ アリアニコ 2010 ヴェゼーヴォ
 
ピポリ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2010 ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ
ベネヴェンターノ アリアニコ 2010 ヴェゼーヴォ ピポリ アリアニコ デル ヴルトゥレ 2010 ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ
 
試飲コメント:
ヴェゼーヴォのアリアニコは甘い赤い果実のニュアンスが全面にあり、とても可愛らしいニュアンス。ピポリはより熟成感があり、スパイシーなニュアンス。
 

樹齢250年のブドウから造られるタウラージ、標高500mの畑で育つアリアニコで造る上級ヴルトゥーレ


タウラージ2008 ヴェゼーヴォ
 
アリアニコ デル ヴルトゥレ ピアーノ デル チェッロ 2008 ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ
タウラージ2008 ヴェゼーヴォ アリアニコ デル ヴルトゥレ ピアーノ デル チェッロ 2008 ヴィニエティ デル ヴルトゥーレ
 
試飲コメント:
タウラージのエレガントさにびっくり。フレッシュさも感じられる果実味とやわらかな飲み心地。タンニンの甘みもとてもスムーズ。ヴルトゥーレは酸とミネラルが上品で洗練された完成度。

ここからシチリアのヴィニエティザブの話に移りました。

 

ファルネーゼの主任エノロゴ、フィリッポ バッカラーロの情熱で始まったザブ

ファルネーゼがシチリアでワイン造りを行うようになったのは、主任エノロゴのフィリッポ バッカラーロのシチリアに対する強い思いからでした。ザブはシチリア西部のサンブーカ ディ シチリアにあり、ここは海に近いので海風によって素晴らしいミネラルをブドウに与える土地です。またすぐそばにアランチョ湖があり、雨の少ないシチリアにおいては貯水湖として重要な役割を果たしています。

ザブは地元の生産者協同組合とパートナー契約を結び、醸造設備は組合のものを使っています。ファルネーゼ専用のタンクを設置しているので、ファルネーゼの契約畑のものとそれ以外のものは完全に区別されています。

 
 

ネレッロ マスカレーゼをもっとポピュラーなものにという考えで造られるイルパッソ

イル パッソ 2012 ヴィニエティ ザブ
イルパッソはフィリッポのアイデアで生まれました。ネレッロ マスカレーゼと言う品種はエトナが有名で、よくピノネーロと比較されるエレガントな品種です。ザブのあるサンブーカは、ネレッロ マスカレーゼの産地としてはエトナの次に有名です。土壌は粘土質と砂質が半々。粘土質土壌は力強くアルコール度数の高いブドウができ、砂質土壌はエレガントさをもたらします。この両方の要素があるのがサンブーカの特徴です。

シチリアワインと言うと誰もが「重たいワイン」を連想しますが、ネレッロマスカレーゼはそのようなワインにはなりません。それに、タンニンの強いネロダーヴォラとブレンドすることでとてもバランスの良いワインができます。収穫前に枝を切り、根からの養分が房に届かないようにした状態で1~2週間乾燥させて甘みをプラス。シチリアにもこういうワインができるということを表現したくて造ったワインです。

試飲コメント
なめらかな濃密感と程よいボディ。余韻に残るエレガントな軽やかさが心地よく、次の一杯へ続く。


イル パッソ 2012 ヴィニエティ ザブ
 

厳選した区画の樹齢40~50年のネロダーヴォラで造るインパリ


インパリ 2010 ヴィニエティ ザブ
 
キアンタリ ネロ ダーヴォラ 2012 ヴィニエティ ザブ
インパリ 2010 ヴィニエティ ザブ キアンタリ ネロ ダーヴォラ 2012 ヴィニエティ ザブ
ザブのトップキュヴェのインパリはフィリッポが選んだ樹齢40~50年のネロダーヴォラだけで造ります。シチリアで広く造られているネロダーヴォラの中で「特別なもの」を造るという思いで造っていて、インパリとは「比較できない」と言う意味を込めています。

キアンタリはスタンダードのネロダーヴォラよりも収量を落とし、バリックで6ヶ月間熟成させています。

試飲コメント
インパリは煮詰めたジャムのような濃密な果実味。しっかりとしたボディで飲みごたえ十分。
キアンタリはネロダーヴォラのやわらかな果実感と凝縮感を感じる、バランスのとれた美味しさ。

 

ファルネーゼグループとしての味わいのスタンダードとは

ファルネーゼが手掛けている5つのワイナリーにはそれぞれにエノロゴが常駐しています。それぞれ地元出身だったり、その土地のことを熟知している、若く才能のあるエノロゴです。そして、彼らを束ねているのが主任エノロゴのフィリッポです。フィリッポは定期的に各ワイナリーを訪問して味の確認を行っています。最終的な味を決めるのはフィリッポです。また、1ヶ月に1回はファルネーゼの本社のオルトナにエノロゴが全員集まってミーティングを行っています。
常に、ファルネーゼが目指す味わいのスタンダードを共有することで、安定した品質を保つようにしています。

インタビューを終えて

南イタリアの5つの州で展開しているファルネーゼの幅広いラインナップについて全部をお聞きするのはさすがに時間が足りなかったのですが、アリアニコの比較やイルパッソの話などとても興味深いお話が聞けました。

土地の特徴、個性を表現しながらも、ファルネーゼとしてのスタンダードな味わいは崩さない。ファルネーゼワインを愛し続けてくれるワインファンを裏切ることなく、でもチャレンジも見せてくれるファルネーゼ。これから何が出てくるのかも楽しみです。

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