1830年創業、シチリアに初めて国際品種を持ち込んだ革命的ワイナリー!イタリア環境省公認プログラム「SOStain」の旗振り役としてシチリア変革を率いてきた「タスカ ダルメリータ」突撃インタビュー

2021/06/18
  突撃インタビュー
 
2021年5月26日 アルベルト タスカ氏 Mr. Alberto Tasca、コッラド マウリージ氏 Mr. Corrado Maurigi、タマラ マッケリーニさん Ms. Tamara Maccherini

1830年創業、シチリアに初めて国際品種を持ち込んだ革命的ワイナリー!イタリア環境省公認プログラム「SOStain」の旗振り役としてシチリア変革を率いてきた「タスカ ダルメリータ」突撃インタビュー

アルベルト タスカ氏
タスカ ダルメリータは、イタリアにおける18の偉大な造り手「グランディマルキ(※)」に名を連ねる名門生産者です。1979年にシャルドネなどの国際品種を初めてシチリアに持ち込んだ造り手で、先駆けてシチリアワインを高級ワインとして世界に売り出しました。『ワインエンスージアスト』2019ヨーロピアン ワイナリー オブ ジ イヤーに選ばれた決め手の一つ「SOStain」やサスティナブルの活動についてアルベルト タスカ氏、コッラド マウリージ氏、タマラ マッケリーニさんにオンラインでお話を伺いました。
※アンティノリ、コルドルチャ、マージ、ピオ チェーザレなど、イタリアの名だたる生産者が集う協会

当時ほとんどのシチリア人が想像しなかったワインへの投資を開始し、シチリアワインの地位向上に寄与してきた8世代続く伯爵家「タスカ」

シチリアで誰よりも早くワイナリー経営をスタートさせ、初めて国際品種を用いて高品質ワインを生産
1830年、2人のタスカ兄弟がシチリア島の中心部に1200ヘクタールに及ぶ「テヌータ レガレアーリ」を取得したことで、名門生産者タスカ ダルメリータの歴史が始まります。これはシチリアで最も早いワイナリー経営だったと言われています。1901年にはカタラットやインツォーリアなどをブレンドした「カマストラ」が誕生し、ピストーネ賞を受賞するなど、その後イタリアやフランスで数々の賞を獲得します。1854年にイタリアの農業年鑑のモデルとなった最も古い農業工房の一つとして知られています。本拠地レガレアーリ

現在のラインナップにつながるワインを次々とリリース
ロッソデルコンテ1959年、現当主の祖父である6代目ジュゼッペ タスカ氏は、サンルチオの丘にネロダーヴォラとペリコーネを植えました。これがきっかけで、現在のタスカ ダルメリータが誇る偉大なワイン「ロッソ デル コンテ」の生産が始まります。「ロッソ デル コンテ」は、そのジュゼッペ伯爵の熱望によって造られたシチリア島初の単一畑ワインです。

レガレアーリビアンコそして、1960年には3種の土着品種をブレンドしたフラッグシップワイン、今や60回以上のヴィンテージを迎える「レガレアーリ ビアンコ」、1970年には「レガレアーリ リゼルヴァ デル コンテ」が続々とデビューを果たします。

1979年から1988年にかけて、7代目ルチオ伯爵は自身のテヌータにシチリアで初めて国際的なブドウ品種、カベルネ ソーヴィニヨン、ピノノワール、シャルドネ、ソーヴィニヨン ブランを(6代目に内緒で)持ち込み、当時シチリア島で珍しかった多種多彩なワインを生産するようになります。タスカ ダルメリータは、現在シチリア島に、本拠地を中心とした5つのテヌータ運営に携わっています。

シチリア島中心部で高級ワインを輩出する本拠地レガレアーリ、東海岸沿いで主にネレッロ マスカレーゼを栽培するタスカンテ、シチリア北部サリーナ島でマルヴァジアを生産するカポファーロ、島西部で土着品種インツォーリアから国際品種シラーまで幅広く生産するサリエデラトゥール、シチリア島最西端マルサラ沖合いに浮かぶモツィア島に位置するウィテカー。各地でそれぞれの品種に最適な栽培を行って個々のアイデンティティを表現しています。5つのテヌータ

サステナビリティなどの社会問題に積極的に取り組み、シチリアに新しい風を吹き込むタスカ ダルメリータ

「SOStain」のロゴ現当主アルベルト氏が主導。イタリア環境省公認、持続可能性プログラム「SOStain」
「SOStain」は、イタリア環境省から公認されたシチリアのブドウ栽培における持続可能性プログラムです。2009年にアルベルト氏の意向によってシチリアの10軒のワイナリーからなるプログラムとして誕生し、独立した第三者機関(DNV GL)の認証を受けています。

妥協できない厳格な条件を遵守した生産者にのみ付与される「SOStain」
「SOStain」は具体的で測定可能かつ検証可能な指標に基づき、ボトルの重量を制限したり、シチリア人の雇用を最優先するなど厳しい基準が設けられています。数値は毎年変化し、そのシビアな数値をクリアして認証を受けることで、ワイナリーとしての透明性が確保され、妥協しないワイン生産者としての評価を得ることができます。

「SOStain」の絵 必要最小限のエネルギーだけを使う(0.7Kw/1Lのワイン)
従来のブドウ栽培において、機械が導入されることで多くのエネルギー消費量が見込まれます。また、環境の観点から、化石燃料から生成されるエネルギーの多くは、温室効果ガスの増加、つまりは地球温暖化につながります。そのため「SOStain」は、使用エネルギーを「0.7Kw/1Lのワイン」までと規定し、太陽光発電を推進しています。それにより2016年から2017年の過去2年において「SOStain」プログラムでは、消費されたエネルギー量よりも多い137,473kWhを生成することに成功しています。

「SOStain」の絵 空気を汚さないためにボトルを軽量化(550g/750ml)
ワインのボトル製造に関連する温室効果ガス排出量の50%以上はガラスによるものです。生産されるガラス1kgごとにエネルギー消費量は3~4kWhであると推定されます。この消費量に輸送や廃棄によるエネルギーコストを加えると、ガラス1kgあたりの平均エネルギー消費量は8kWhであり、これは約5kgのCO2排出量に相当します。そのため、「SOStain」では瓶を軽くし空気への影響を減らすために、使用されるガラス瓶の年間平均重量を「~550g / 0.75L(1本)」に設定しています。

「SOStain」の絵 ブドウ、人材はできるだけ地元で
購入するブドウの100%、従業員の80%以上、使用するサービスの50%以上が地元の資源である必要があります。「SOStain」が事業を行っている地域とのつながりは、競争力、ひいては経済成長の源泉として評価されています。地元のリソースを可能な限り使用して、工芸品や生産活動の維持、および地域コミュニティのための成長、トレーニング、仕事の機会の創出を可能にしています。

「SOStain」の絵 安全なワイン造りのために分析し亜硫酸を少なくする
亜硫酸には防腐作用と抗酸化作用があり、長期にわたる品質の維持に有利に働きます。しかし、高品質のブドウを使用することで、ワインの品質を確保しながら亜硫酸の添加量を減らすことができます。「SOStain」では、ワインの亜硫酸の含有量を、EU規則で要求される亜硫酸含有量以下に設定されています。さらに、環境だけでなく消費者への影響を最小限に抑えるために、「SOStain」が認証したワインの少なくとも25%を毎年分析して、現在の法律への準拠を検証しています。

 
シチリアが生んだ24か月熟成メトド クラシコ!「グラスによって表情が全く異なる」逸品
アルメリータ ブリュット2016
1987年、6代目ジュゼッペ伯爵が友人たちのために考案したスプマンテ。酵母と24か月間接触させメトドクラシコで造られるブリュット。そのクラフトマンシップは、ミレジマートからもわかるとおり、最良のシャルドネが収穫された年にのみ造られます。きめ細かく連続した泡、繊細でクリーミーな口当たり。「本来のフルートグラスではなく、少なくともボルドー用のグラスで飲んでいただきたい」と語るほど、グラスによって香りや味わいが変わる表情豊かなスプマンテです。

試飲コメント:麦わら色。細やかで美しい泡が永続的に続きます。南国系の果実、アーモンド、トースト香と複雑で芳しい香り。泡がきめ細やかで口当たりはクリーミー。口の中でフレッシュな酸味の味わいが長く続きます。ボルドー用のグラスでいただきましたが、非常に心地よい香りと風味が広がりました。

アルメリータ ブリュット2016
初リリースは60年以上前!タスカダルメリータの象徴的なワイン!
レガレアーリ ビアンコ2018
シチリアを牽引する生産者タスカダルメリータが造る、シチリアの土着品種白3種とシャルドネで造る柑橘系のアロマ香る白ワイン。繊細かつ心地よい個性を兼ね備えた野生の花と白い果実のニュアンスが、さわやかで調和のとれた味わいです。

試飲コメント:輝きを持った麦わら色。柑橘系、リンゴ、洋ナシ、桃などの果実香で非常に香り高いアロマ。力強さと心地よさを兼ね備えたフレッシュでふくよかな味わい。爽やかな酸味や複雑な果実味の余韻が続きます。

レガレアーリ ビアンコ2018
海抜900mの高台で採れた白ブドウ使用!
骨格、アロマ、酸味などアロマティックなフレッシュさが魅力!
レオーネ ダルメリータ2019
カタラット、ピノ ビアンコ、ソーヴィニヨン、トラミネール アロマティコの計4種の白ブドウがブレンドされた白ワイン「レオーネ」です。イタリア語でレオーネは、一族の歴史の象徴である「ライオン」を意味しています。桃、柑橘類、リンゴ、トロピカルフルーツなど、熟した果実の香りがはっきりと感じられます。口当たりは柔らかく濃厚でフルーティー。素晴らしい芳香のフレッシュさがあります。

試飲コメント:やや緑がかった輝く麦わら色。グレープフルーツなどの柑橘類、白桃、青リンゴ、複雑で豊富な香り。味わいはフレッシュな酸味が特徴的です。と同時にリッチで力強さもあります。口の中で熟した果実の余韻が続きます。「揚げ物にかけるレモンの代わりに、このレオーネを飲んでほしい」と勧める現地のレストランがあるほど、特徴的な酸味とふくよかな味わいが、フリットとの相性がよさそうだと感じました。

レオーネ ダルメリータ2019
初めてシチリアに持ち込まれたシャルドネを100%使用!旨みとフレッシュさが調和!
シャルドネ ヴィーニャ サン フランチェスコ2017
国際品種であるシャルドネの挿し木をブルゴーニュから根付きの状態で持ち込み、シチリアで初めて栽培を成功させたシチリアの名門タスカが手掛ける白ワイン。標高500メートルのサン フランチェスコ畑で育ったシャルドネを使用しており、新鮮で骨格がしっかりとしています。緑がかった深い金色。南国系のフルーツ、バニラ、シナモン、ホワイトチョコレート、柑橘系の豊かな香り。口当たりは繊細でコクがあり、バランスのとれたすっきりとした後味が続きます。

試飲コメント:黄金色に輝く力強い色。白い花、バニラ、桃、グレープフルーツ、トロピカルフルーツなど非常に複雑で魅惑的な香り。味わいもまた非常にリッチでコクを感じます。鮮やかな酸味がワインを飲んだ後も持続して、口の中を包み込むように長く余韻が続きます。

シャルドネ ヴィーニャ サン フランチェスコ2017
初リリースは63年前!レガレアーリの顔「ネロダーヴォラ」100%で造る大樽熟成の赤ワイン
レガレアーリ ネロ ダーヴォラ2017
シチリアの老舗ワイナリー、タスカ ダルメリータが造る果実味豊かなネロダーヴォラ。鮮やかで強烈なルビーレッド。チェリー、ブラックチェリー、桑の実、ブルーベリー、バニラ、セージの香り。口当たりは柔らかく、適度にタンニンがあり、フレッシュでバランスが取れています。赤い果実の心地よい感覚で締めくくられます。

試飲コメント:力強く輝くルビー色。ベリー系果実、カシスやチェリーなどの完熟した果実、バニラの香り。熟した凝縮感とコクのあるリッチな果実味を感じ、なめらかで程よいタンニンがある調和のとれた味わいです。ベリー系果実の風味が口の中を覆います。

レガレアーリ ネロ ダーヴォラ2017
シチリア島初の単一畑で造る、タスカ ダルメリータが誇る偉大なワイン「ロッソ デル コンテ」!
ロッソ デル コンテ2015
1830年より190年の歴史を持つシチリアの名門「タスカ ダルメリータ」の象徴的なワイン「ロッソ デル コンテ」。2種類のシチリアの土着品種、ネロダーヴォラ53%とペリコーネ47%のブレンドです。鮮やかなルビーレッド。コーヒー、甘草、甘いスパイス、赤い果実の香り、濃厚で強烈でスパイシーな香り。エレガントさと柔らかさ、フレッシュさの調和のとれた味わいで余韻が長く続きます。チーズから、リゾット、ミートソースパスタ、赤身肉の煮込み、ダークチョコレートまで、様々な料理に最適です。

試飲コメント:輝きを放つルビー色。何よりもまず非常に力強いスパイス香やハーブを感じました。コーヒーやスモーク、鉛筆の芯などの黒いイメージを持ちながらも、熟した果実感も兼ね備えていてエレガントでバランスの取れた味わい。フィニッシュは、シルキーなタンニンと味わい深い果実味が長く続きます。

ロッソ デル コンテ2015
インタビューを終えて

エノロゴとブランドマネージャーを務めるコッラド マウリージ氏にワイン造りのこだわりをお聞きすると、以下のようなお答えをいただきました。
・大地のキャラクターを出すことを重要視
・ソフトに造って個性が出過ぎないようにすること
・標高の高さを生かして、エレガントで熟成に耐えるワインを造ること
・フレッシュで爽やかさのあるワインを生むこと

今回試飲したタスカ ダルメリータの本拠地レガレアーリのワインは、まさにマウリージ氏がおっしゃるこだわりが表現されているように思います。フラッグシップワインである「レガレアーリ ビアンコ」が典型例で、軽快でありながら香り高いアロマを持ちフレッシュな味わいを感じました。その他にも「バリックのトースト加減を中程度にすること」や「細やかな味を出す技術に気を使い、果実味を残すこと」など、タスカで一番の情熱男と言われるマウリージ氏は話します。

インタビュー最後に、タスカ ダルメリータのCEOを務めるアルベルト氏は「我々イタリアもそうですが、日本のみなさんも大変な時期が続いていると思います。早くパンデミック以前の社会性ある生活に戻ることを願っています」と日本を気にかけてくださり、エリアマネージャーを務める親日家のタマラ氏からは流暢な日本語で「頑張ってください」と、温かいお言葉をいただきました。

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