初リリースで世界中が大注目!サンドローネが次世代に託す新バローロ「アレステ」

2017/12/11
突撃インタビュー
 
2017年10月27日 ルチアーノ サンドローネ社バーバラ サンドローネさん

初リリースで世界中が大注目!サンドローネが次世代に託す新バローロ「アレステ」

ルチアーノ サンドローネ社バーバラ サンドローネ女史と
世界的名声を誇るサンドローネを代表するバローロ「カンヌビボスキス」。1977年、僅か0.5ヘクタールにも満たない畑を購入したルチアーノサンドローネ氏が自宅のガレージで僅か1500本程造り上げたことから物語が始まります。瞬く間に国際的高評価を得て1990年が『ワインアドヴォケイト』100点満点を獲得しましたが、2013ヴィンテージから「カンヌビボスキス」から「アレステ」に名前が変わる事が発表され、世界中のワイン関係者に衝撃を与えました。今回話題の「アレステ」2013年と貴重な蔵出しバックヴィンテージを試飲し、初来日したルチアーノ氏の娘で2代目当主バーバラ サンドローネさんに話題のバローロ「アレステ」、ワイン造りの哲学や情熱、次世代への想いを聞きました。

1978年自宅のガレージで約1500本の「カンヌビボスキス」を初ボトリング

ルチアーノ氏の歴史

「ジャコモ ボルゴーニョ」「マルケージ ディ バローロ」でワイン造りを学んだ父ルチアーノ
祖父の代は家具屋で樽材を販売する等、代々材木業を営んでいましたが、父のルチアーノ サンドローネは農業学校を卒業後、情熱をもってワイン造りに取り組みました。研究熱心だった父は2つのワイナリーで働きました。ひとつが「ジャコモ ボルゴーニョ」でネッビオーロの個性、表現を学びました。もう一つが「マルケージ ディ バローロ」で、父は22歳という若さで、赤、白、スプマンテ、グラッパ製造の全てを任されていました。

1977年バローロの中心部に位置するカンヌビ ボスキスの畑の一部を購入
醸造の仕事を続けるうちに、いつしか「自分でワイナリーを興したい」「畑を持ちたい」という気持ちが大きくなって行きました。1977年に1ヘクタールもない僅か0.5ヘクタールの小さな畑「カンヌビボスキス」を運よく購入する事が出来ました。夢の第一歩が叶ったのです。

1978年自宅のガレージで約1500本の「カンヌビボスキス」を初ボトリング
畑を購入後も父はマルケージディバローロで働いていました。1978年にこれまで培った経験と知識で「カンヌビボスキス」のブドウを使い、1981年に自宅のガレージで約1500本のワインをボトリングする事が出来ました。ヴィニタリーに出展し、海外のバイヤーから注目を集める事になります。

新しい世代「バローロボーイズ」の台頭
折しも当時は「バローロボーイズ」というムーブメントが起き、より飲みやすいスタイルのバローロを造りだす新しい世代の造り手が台頭していました。当時そのムーブメントの中心にいたワイン商のマルク デ グラツィア氏は私達のワインとその他バローロボーイズたちが造り出したワインを数多く試飲し、アメリカへ輸出を始めました。その次の決まった国際市場は日本でした。

「量を増やすつもりはありません。あくまで品質を保つ事を第一に考えています」

地図

1998年に念願だったワイナリーを建設
カンティーナ私達はとても小さな家族経営のワイナリーです。父の弟のルーカ サンドローネは父とは21歳も年下です。娘である私と3歳しか変わりません。ルーカはアルバの醸造学校を卒業後、1992年から父のワイン造りに参加しています。私は1994年から参加しています。ルーカがワイン造りに参加した事で、父はマルケージディバローロをやめる決心がつきました。

新たにワイナリーを造る事になりますが、自分たちが造るワインを優しく丁寧に醸造するようにつくられたワイナリーです。実のところ、ワイナリーが出来るまでは父はずっと自宅のガレージでワインを造っていたんです。人気が出てワイナリーを建設してワイン造りが出来ることが父はとても嬉しかったようです。

ワイナリーは1998年に建設、地下2階建てです。地下1階が圧搾と醸造、地下2階が熟成庫と、ブドウにストレスを掛けずに重力に沿ってワイン造りを進めるグラヴィティシステムを採用しました。今から20年前としてはかなり革新的なやり方でした。

「量を増やすつもりはありません。あくまで品質を保つ事を第一に考えています」
現在ブドウを栽培している27ヘクタールの畑はその85%が自社畑、残りがリース畑なります。リースと言えども、栽培~醸造まで全ての工程を最初から最後まで自分たちで行っています。現在年間約12万5000本の生産量です。量を増やすつもりはありません。あくまで品質を保つ事を第一に考えています。

 

サンドローネの高品質ドルチェット、バルベーラ、ネッビオーロ

ボトル「バランスが取れていて今すぐにでも楽しめる近づきやすいドルチェット」
まずはドルチェットダルバ2015年です。
ピエモンテには3つの代表的な土着品種があります。ネッビオーロ、バルベーラ、ドルチェットです。私たちのドルチェットは標高420メートルのモンフォルテ ダルバの畑と250~350メートルのノヴェッロの2つの畑で栽培されているドルチェットを使います。
標高が高いので風が吹き抜ける涼しいエリアと言えます。暑くなり過ぎずゆっくりとブドウも成熟していきます。ブドウの平均樹齢は30年、例年9月第2週頃に10回以上に分けて完熟した健全なブドウのみを厳選し収穫しています。

収穫されたブドウはフレッシュさを残すため、マセラシオンを3~4日と短め、アルコール醗酵は4週間行います。樽は使っていません。10カ月間ステンレスタンク熟成です。紫色のイキイキとした色調です。フレッシュチェリーの香りがあり、今すぐにでも楽しめる近づきやすい素直でまっすぐなワインです。バランスがとれていて、夏場であれば軽く冷やしても良いでしょう。オイリーな料理、リッチな味わいの料理であれば、ドルチェットが口の中をクリーンしてくれます。お食事とペアリングがしやすいワインです。

「私たちのバルベーラは10~15年の熟成も出来るポテンシャルがあります」
続いてバルベーラダルバ2015年です。
バルベーラは標高420メートルのモンフォルテ ダルバの畑と標高380~420メートルのノヴェッロの畑で栽培されているバルベーラを使います。熟成には500リットルのフランス産のトノー樽(新樽比率35%)を使っています。

収穫されたブドウは区画毎に分けて醸造、15ヶ月の樽熟成後、ブレンドして6~8カ月の瓶熟を経てリリースします。典型的なバルベーラの深い黒みがかった紫色です。フレッシュで若いバルベーラの特徴を楽しんでもらいたいと思っています。若いヴィンテージを夏に飲むのであれば、少し冷やして楽しんでも良いでしょう。私たちのバルベーラは10~15年の熟成も出来きるポテンシャルがあります。会場の中で私たちのバルベーラのバックヴィンテージ持っている方いたら連絡ください。是非一緒に楽しみましょう。

バーバラ女史砂質土壌主体のロエロ地区のネッビオーロ「ヴァルマッジョーレ」
ここからはワインも雰囲気が変わり(例えるなら「音楽が変わる」という感じでしょうか)、ネッビオーロのワインのテイスティングになります。
まず、ネッビオーロダルバ ヴァルマッジョーレ2015年から試しましょう。
ヴァルマッジョーレは「中心となる丘」という意味の畑です。標高は270メートル、畑はタナロ川を越えたロエロ地区「ヴェツァダルバ」にあります。

バローロエリアから約22キロ北上した場所にあり、アルバとロエロを分かつタナロ川を超えることで、砂質主体の土壌に変わり、出来上がるワインの個性に違いが現れます。父のルチアーノは「砂質土壌でネッビオーロを造りたい」と思っていました。

1990年に購入した畑で3ヘクタールを所有、1994年が初ヴィンテージです。明るく淡いルビー色で、ピノノワールと非常に近しい色調です。潰したベリー、酸のフレッシュさ、心地よいタンニンがヴァルマッジョーレの特徴と言えるでしょう。

ネッビオーロの深みのある美しい表現「ヴァルマッジョーレ2010年」
同じヴァルマッジョーレの2010年です。ワイナリー蔵出しのバックヴィンテージです。近年、飲み頃になったストックをリリースし始めました。ヴァルマッジョーレの畑は傾斜が急で日照の当たりが非常に良い場所にあります。アロマの複雑さがあり、十分な資質を持ったワインとなります。「Not a baby barolo」(バローロの赤ちゃんという存在ではなく)で独立した個性がヴァルマッジョーレにはあります。2010年のヴァルマッジョーレにはネッビオーロの美しい表現があります。シガー、熟した果実の複雑なアロマ、より深みのある味わいがあります。

ワイナリー蔵出しのバックヴィンテージ「シビエパウチ」シリーズ

シビエパウチ

ワイナリー蔵出しのバックヴィンテージ「シビエパウチ」
ワイナリー蔵出しのバックヴィンテージのワインにはラベルに「シビ エ パウチ」のロゴが入っています。私達は毎年生産される「ヴァルマッジョーレ」、「レヴィーニェ」、「カンヌビ ボスキス」のワインから約10~15%にあたるボトルをしっかりと熟成させて十分な飲み頃を迎えてからリリースするようにしています。

「特別なコレクション」を少しずつリリース
「シビ エ パウチ」のロゴが入ったものはワイナリーからの蔵出しを意味しています。このプロジェクトは2004年から始めました。ワイナリーが出来た事でワインストックも十分に保管できるようになったからです。「シビ エ パウチ」とはラテン語で、シビ(私の)、パウチ(限定されたもの)という意味があり、「ワイナリー蔵出し」である事、「特別なコレクション」である事を表わしています。今後少しずつシビ エ パウチをリリースしていこうと思っています。

1990年初リリースの伝統的バローロ「レ ヴィーニェ」
続いてはバローロ レ ヴィーニェ2013です。
ここでタナロ川を渡りバローロエリアの「アルバ」に戻ってみましょう。バローロには3つの意味があります。一つは村の名前、もう一つが地区の名前、そしてワインの名前です。畑の土壌は粘土石灰質主体の土壌となります。

バローロ レ ヴィーニェは1990年に初めて造りました。異なる畑のネッビオーロをブレンドして造る伝統的な造り方です。各畑の個性が溶け合い豊潤さと複雑性が感じられます。500リットルのオーク樽で18ヶ月間熟成します。2010年にカステリオーネファレット村のヴィレッロ、セッラルンガダルバ村のバウダーナの畑を購入し、そのネッビオーロもブレンドされています。レヴィーニェは畑の標高の高さから来るフレッシュさが表現されています。2013年は穏やかな冬と湿った暑い夏が特徴的な年でした。束になった華やかなブーケが感じられ、あらゆる側面からバローロを感じて頂けると思います。2013年はタンニンが柔らかく今からでも楽しめるヴィンテージです。

試飲

「フィネス」が感じられる2007年「レ ヴィーニェ」
バローロ レ ヴィーニェ2007年を試飲しましょう。2007年は温暖で乾燥したから始まり、夏は平均的な気温でした。9月中旬にはブドウは既に完熟を迎えているものがあり、9月24日~10月7日にかけて収獲を行いました。例年より約15~20日早く収穫したヴィンテージでした。しなやかでエレガントな余韻があります。フィネスが感じられます。

芯にしっかりと感じられる豪華さ「カンヌビボスキス」
カンヌビボスキスは私達が所有する単一畑です。。標高が270メートルほどで、他の著名なバローロに比べると標高の高さと言う点では低いのですが、ラモッラ、モンテフォルテ ダルバ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバに囲まれる南から南東向きの恵まれた位置にあります。カンヌビボスキスのような西側のエリアでは粘土質土壌が多く混ざってきます。1980年初旬に初めて醸造を開始しました。カンヌビボスキスは芯にしっかりと感じられる豪華さがあり、畑のテロワールがしっかりと感じられます。

新しい世代の為に思いを託したワイン「バローロ アレステ」

アレステの畑

新しい世代の為に思いを託したワイン「バローロ アレステ」
父のルチアーノは新しい世代の為に思いを託したワインがあります。それが2013年からリリースした「バローロ アレステ」です。このワインは2012年までカンヌビボスキスと呼んでいました。私の娘アレシア(19歳)、息子ステファノ(16歳)の2人の名前から付けられたワインとなっています。

父は「孫」という新しい世代を持ち、新たな強い感情が湧いていました。カンヌビボスキスの名前を変える事は16年も前から考えていたようで、アレシアが大学で醸造学を学び、ステファノがアルバの醸造学校で学び始めた事がきっかけだったようです。

「カンヌビボスキスの名前を変える事に驚きと戸惑いがありました」
私達にとって看板銘柄である「カンヌビボスキス」の名前を変える事には驚きと戸惑いがありました。父は自分の人生をかけてカンヌビボスキスで素晴らしいワインを造りあげ、その名を世界に知らしめました。父は新たな世代であるアレシアとステファノに自身が造り上げた素晴らしいメッセージを残すとともに、サンドローネの「新しい歴史のきっかけ」を造ったのではないかと思います。

アレステ~『ワインスペクテーター』誌絶賛「アレステ』2013年~
(銘酒カンヌビボスキスの名前が変わるニュースは世界中のワイン関係者に衝撃を与えました。しかしながら『ワインエンスージアスト』97点、『ワインスペクテーター』誌でも絶賛される等、素晴らしい評価と共に「アレステ」2013年を迎えています)

複雑性があり上品、エレガントな個性を放っている
『ワインスペクテーター』(2017年3月10日)
「ルチアーノサンドローネ氏は傑出した2013ヴィンテージに「カンヌビボスキス」から「アレステ」に名称変更した。ネッビオーロというブドウ、醸造、熟成に関しては以前と変わらない。娘バーバラ サンドローネ女史は『ワインスペクテーター』ニューヨーク支社に2013年の「アレステ」と「レヴィーニェ」を携えて立ち寄ってくれた。「アレステ」2013年は表現力、香りが素晴らしい。フローラルでチェリーやベリー、レザー、スパイスの風味が溶け合いエレガントな個性を放っている。複雑性があり上品、フィニッシュには葉タバコやミネラルの風味が広がる。「これまで経験したヴィンテージの中でも偉大な年」とバーバラは話してくれた。(中略)サンドローネが初めて購入した区画「カンヌビボスキス」は「アレステ」となり孫達へ贈られた」

魅惑的なアロマ、洗練さと偉大なる調和
『ワインエンスージアスト』97点
「カンヌビボスキスとして知られてきたこのワインは砕いたラズベリー、スパイス、刻んだミント、スミレ、森の果実の魅惑的なアロマが広がる印象的なワインだ。優雅な口当たりでジューシーなマラスカチェリー、ストロベリーコンポート、シナモン、甘草、コーヒーの風味を備えている。上質で洗練されたタンニンと輝かしい酸が洗練さと偉大なる調和のとれた味わいを示している。」(2017年9月)

バローロ最高峰サンドローネが最高品質で造る魅力的な
ドルチェットダルバ
ドルチェット ダルバ 2015
ドルチェット ダルバ 2015


標高420メートルのモンフォルテ ダルバの畑と250~350メートルのノヴェッロの2つの畑で栽培されているドルチェットを使います。標高が高いので風が吹き抜ける涼しいエリアと言えます。暑くなり過ぎずゆっくりとブドウも成熟していきます。ブドウの平均樹齢は30年、例年9月第2週頃に10回以上に分けて完熟した健全なブドウのみを厳選し収穫しています。収穫されたブドウはフレッシュさを残すため、マセラシオンを3~4日と短め、アルコール醗酵は4週間行います。樽は使っていません。10カ月間ステンレスタンク熟成です。
試飲コメント:紫色のイキイキとした色調です。フレッシュチェリーの香りがあり、今すぐにでも楽しめる近づきやすい素直でまっすぐなワインです。バランスがとれていて、夏場であれば軽く冷やしても良いでしょう。オイリーな料理、リッチな味わいの料理であれば、ドルチェットが口の中をクリーンしてくれます。お食事とペアリングがしやすいワインです。

偉大なバローロと同じコンセプトで造られるサンドローネの
秀逸なバルベーラダルバ
バルベーラ ダルバ 2015
バルベーラ ダルバ 2015


標高420メートルのモンフォルテ ダルバの畑と標高380~420メートルのノヴェッロの畑で栽培されているバルベーラを使います。熟成には500リットルのフランス産のトノー樽(新樽比率35%)を使っています。収穫されたブドウは区画毎に分けて醸造、15ヶ月の樽熟成後、ブレンドして6~8カ月の瓶熟を経てリリースします。典型的なバルベーラの深い黒みがかった紫色です。フレッシュで若いバルベーラの特徴を楽しんでもらいたいと思っています。若いヴィンテージを夏に飲むのであれば、少し冷やして楽しんでも良いでしょう。
試飲コメント:スミレの花、活力に溢れる酸がありイキイキとしたフレッシュなアロマが印象的です。フルボディで滑らか、タンニンやキメが細かくシルキーな舌触りがあります。特徴的な酸が感じられますが、果実の厚み、上品なオーク樽の風味が美しい層を成し、コクがあり非常にバランスが取れています。実に完成度の高いエレガントなバルベーラです。

急斜面の単一畑から産まれるサンドローネの洗練された
優美なネッビオーロ!
ネッビオーロ ダルバ ヴァルマッジョーレ 2015
ネッビオーロ ダルバ ヴァルマッジョーレ 2015


ヴァルマッジョーレは「中心となる丘」という意味の畑です。標高は270メートル、畑はタナロ川を越えたロエロ地区「ヴェツァダルバ」にあります。バローロエリアから約22キロ北上した場所にあり、アルバとロエロを分かつタナロ川を超えることで、砂質主体の土壌に変わり、出来上がるワインの個性に違いが現れます。父のルチアーノは「砂質土壌でネッビオーロを造りたい」と思っていました。1990年に購入した畑で3ヘクタールを所有、1994年が初ヴィンテージです。
試飲コメント:潰したベリー、フレッシュな酸が特徴でタンニンは感じられますが、粒子は細かく極めて滑らかな心地よいシルキーな舌触り。繊細さな果実感の奥に感じる複雑で豊かな味わいは熟成にも非常に期待が持てるポテンシャルがあります。ネッビオーロ特有のタンニンを上手に纏め上げる、上質な果実感と洗練された酸味があります。ブレや荒さは感じられず、飲み口は継ぎ目がなくとてもスムーズです。

ネッビオーロの深みのある美しい表現「ヴァルマッジョーレ2010年」
ネッビオーロ ダルバ ヴァルマッジョーレ 2010
ネッビオーロ ダルバ ヴァルマッジョーレ 2010


ヴァルマッジョーレの畑は傾斜が急で日照の当たりが非常に良い場所にあります。アロマの複雑さがあり、十分な資質を持ったワインとなります。「Not a baby barolo」(バローロの赤ちゃんという存在ではなく)で独立した個性がヴァルマッジョーレにはあります。2010年のヴァルマッジョーレにはネッビオーロの美しい表現があります。ブルゴーニュのワイン造りに感銘を受けたサンドローネの「ヴァルマッジョーレ」にはピエモンテのブドウでありながら、洗練された優美な味わいを感じる事が出来ます。
試飲コメント:深みのある色調で、エッジにガーネットが入る綺麗なグラデーションが見てとれます。熟したベリー、シガー、スパイスの複雑なアロマが立ち上ります。派手さはありませんが、熟した上質の旨みが繊細なタッチで口中に広がります。中盤からは繊細さの奥にある果実の深み、複雑性が感じられ、サンドローネのネッビオーロのポテンシャルの高さに驚かされます。熟成により角が取れた粗さやブレのない精妙さ、清らかさが胸に染み入ります。

サンドローネが造る
この上無く洗練されたバローロ「レヴィーニェ」
バローロ レ ヴィーニェ 2013
バローロ レ ヴィーニェ 2013


父バローロ レ ヴィーニェは1990年に初めて造りました。異なる畑のネッビオーロをブレンドして造る伝統的な造り方です。各畑の個性が溶け合い豊潤さと複雑性が感じられます。レヴィーニェは畑の標高の高さから来るフレッシュさが表現されています。2013年は穏やかな冬と湿った暑い夏が特徴的な年でした。束になった華やかなブーケが感じられ、あらゆる側面からバローロを感じて頂けると思います。2013年はタンニンが柔らかく今からでも楽しめるヴィンテージです。のルチアーノは新しい世代の為に思いを託したワインがあります。それが2013年からリリースした「バローロ アレステ」です。このワインは2012年までカンヌビボスキスと呼んでいました。私の娘アレシア(19歳)、息子ステファノ(16歳)の2人の名前から付けられたワインとなっています。ルチアーノは「孫」という新しい世代を持ち、新たな強い感情が湧いていました。カンヌビボスキスの名前を変える事は16年も前から考えていたようで、アレシアが大学で醸造学を学び、ステファノがアルバの醸造学校で学び始めた事がきっかけだったようです。
試飲コメント:バラの花束やスミレの花の香りにプルーンやなめし皮、シナモン、スパイスのニュアンスが感じられ、このワインの持つ純粋さと清らかな深さを感じられます。流麗な果実感に寄り添うエレガントな酸味、彫りの深いミネラル感があり、この上なく上品でしなやかなスタイルです。しかしながら味わいのスケール感は見事なもので凝縮感のある目の詰まった果実味と奥行きの深さがあり、タンニンもしっかりと感じますが、味わいに雑味やブレはなく非常に高い次元で全ての要素が溶け合い、魅力的で極上のハーモニーを奏でています。余韻は上顎を駆けるようなエレガントでハリのある酸味と広がる鮮烈で美しい果実の風味があり、最後の最後まで感動を与えてくれる素晴らしい1本です。

「フィネス」が感じられる2007年「レ ヴィーニェ」
バローロ レ ヴィーニェ 2007
バローロ レ ヴィーニェ 2007


2007年は温暖で乾燥したから始まり、夏は平均的な気温でした。9月中旬にはブドウは既に完熟を迎えているものがあり、9月24日~10月7日にかけて収獲を行いました。例年より約15~20日早く収穫したヴィンテージでした。しなやかでエレガントな余韻があります。フィネスが感じられます。
試飲コメント:10年熟成した貴重な「レヴィーニェ」です。色調はまだまだ若々しさが感じられる程。熟したベリー、甘草、スパイスの甘美なニュアンスと落ち着いた深みある複雑性が感じられとても魅力的です。熟成を経てしなやかでエレガントな口当たりです。粒子が非常細かいタンニンと果実味が溶け合う美しい飲み心地は絶品。ワイナリー蔵出しとあって、素晴らしいコンディション。あと4~5年の熟成でより深い味わいが期待できます。

新しい世代の為に思いを託したワイン「バローロ アレステ」
バローロ アレステ 2013
バローロ アレステ 2013


父のルチアーノは新しい世代の為に思いを託したワインがあります。それが2013年からリリースした「バローロ アレステ」です。このワインは2012年までカンヌビボスキスと呼んでいました。私の娘アレシア(19歳)、息子ステファノ(16歳)の2人の名前から付けられたワインとなっています。ルチアーノは「孫」という新しい世代を持ち、新たな強い感情が湧いていました。カンヌビボスキスの名前を変える事は16年も前から考えていたようで、アレシアが大学で醸造学を学び、ステファノがアルバの醸造学校で学び始めた事がきっかけだったようです。
試飲コメント:スミレの花束、ベリー、スパイスが重なり合う凛とした美しい香り。細部まで目の詰まったブレのない精妙さ、充実した果実感、伸びやかな酸味、キメ細やかなタンニン、それぞれが非常に高い次元で見事な調和を成しています。パワーを感じますが、バランスがとれていて、非常に優美。中盤から感じるしなやかな厚みと複雑性がこのワインの偉大さ、秘めたる素晴らしいポテンシャルを示しています。全く隙のない完成されたワイン。現時点でもその緻密な旨みを楽しめますが、向こう15~20年の熟成による変化が楽しみな偉大なワイン。

芯にしっかりと感じられる豪華さ「カンヌビボスキス」
バローロ カンヌビ ボスキス 2007
バローロ カンヌビ ボスキス 2007


カンヌビボスキスは私達が所有する単一畑です。。標高が270メートルほどで、他の著名なバローロに比べると標高の高さと言う点では低いのですが、ラモッラ、モンテフォルテ ダルバ、ノヴェッロ、セッラルンガ ダルバに囲まれる南から南東向きの恵まれた位置にあります。カンヌビボスキスのような西側のエリアでは粘土質土壌が多く混ざってきます。1980年初旬に初めて醸造を開始しました。カンヌビボスキスは芯にしっかりと感じられる豪華さがあり、畑のテロワールがしっかりと感じられます。

※こちらの商品は終売となりました。

試飲コメント:10年を経て旨みのエキス分のしっかりと感じられますが、洗練されたエレガントな「カンヌビボスキス」のスタイルが見事に感じられます。アルコールの粗さやブレのない美しさに細部まで目の詰まった豊かな味わいが舌の上に染み入ります。ワイナリーで寝かせれていたのでコンディションも素晴らしく、カンヌビボスキスの精妙さがじんわりと胸に染み入ります。飲み頃の初期と言った感じで、熟成による変化も楽しみな希少な一本。
インタビューを終えて
バーバラさんの「私達はとても小さな家族経営のワイナリーなんです」という言葉が印象的でした。「カンヌビボスキス」1990年で『ワインアドヴォケイト』100点満点を獲得し、世界中から一気に注目を集めるも、急いて規模を拡張せず品質を守り元来のポリシーを家族で貫く実直な姿勢が言葉の節々から感じられました。

話題の「アレステ」2013年を試飲しましたが、まだ若いながらも優美な口当たりとしなやかな厚みがあり既に素晴らしい完成度。爆発しそうな芯の強さがありながら、1枚の美しいベールを纏ったかのようなエレガンスに包まれ、惚れ惚れするような魅力を放ち続けていました。

ワイナリー蔵出しの「シビエパウチ」シリーズは毎年少しずつリリースするとの事。熟成されたコンディション抜群のサンドローネが楽しめるとあって、今後のリリースからも目が離せません。セミナー終了後、バーバラさんに「アレシアさんとステファノさんはどちらがお爺さん(ルチアーノサンドローネ氏)と似ていますか?」と聞いたら、「そうね、アレシアを例えるなら「昼」。快活ですね。ステファノを例えるなら「夜」。静かで内に秘めたものを感じる。その「昼」と「夜」の2つの性格を併せもつのがルチアーノ(祖父)ですね。」と話してくれました。偉大な祖父の遺伝子を引き継ぐ若き姉弟。「アレステ」はサンドローネの新たな歴史の1ページを飾るに相応しい記念碑的バローロです。これは是非試して頂きたいワインです。

サンドローネファミリー
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