比類なき拘りが産み出す群を抜くエレガンスと深み!最高峰フランチャコルタ「フェルゲッティーナ」

2018/07/12
突撃インタビュー
 
2018年7月4日 フェルゲッティーナ社 ラウラ ガッティさん

名門ベッラヴィスタの名声を築き上げた「匠」ロベルト ガッティ氏の比類なき拘りが産み出す群を抜くエレガンスと深み!最高峰フランチャコルタ「フェルゲッティーナ」

フェルゲッティーナ社 ラウラ ガッティさんと
フェルゲッティーナ社は名門「ベッラヴィスタ」で18年栽培・醸造責任者を務め、一躍トップ生産者に押し上げたフランチャコルタを知り尽くした「匠」ロベルト ガッティ氏が1991年に立ち上げた家族経営のワイナリーです。収穫したブドウを半分に厳選し、更に35%の一番搾りしか使わない贅沢な選別、全てのキュヴェにおいて規定を遥かに超える長期熟成をかける強い拘りから産まれるフランチャコルタは驚くほどの上品さ、深み、群を抜く澄み切った味わいはワインのプロフェッショナルからも高く評価されています。スタンダードキュヴェが日経新聞「何でもランキング」スパークリング第2位(2016年6月)に輝き、「泡の立ち上り方がきめ細やかで味わいのバランスが素晴らしい」と近年世界的に益々評価を高めるフェルゲッティーナ社のラウラ ガッティさんに比類なきフェルゲッティーナ社の拘りについてじっくりとお話を聞きました。

名門「ベッラヴィスタ」でフランチャコルタの名声を築き上げた職人

ガッティ家1991年に設立した家族経営のワイナリー
フェルゲッティーナ社は父ロベルトが1991年に設立した家族経営のワイナリーです。母、父、弟、私の4名でワイン造りを行っています。家族でやっていますので、畑作業からこうして日本に来て皆さんとお会いする事まで、ワインに関する全ての事を私達家族で行っています。

「フェルゲッティーナ」とはこの土地の古い地図に記された地名です。歴史こそ浅いですが、父はフランチャコルタの名門「ベッラヴィスタ」で20年近く栽培兼醸造責任者を務めていました。

~ロベルト ガッティ氏~

名門「ベッラヴィスタ」でフランチャコルタの名声を築き上げた職人

ロベルトガッティ氏無口で働き者で、「頑固職人」を絵に描いたような性格。生まれも育ちもフランチャコルタ、そして仕事もフランチャコルタという根っからの地元人。

23歳で、著名なフランチャコルタの生産者「ベッラヴィスタ」で醸造、栽培の責任者に抜擢され、家族でベッラヴィスタに住み込みながら、およそ18年間、その高い品質と名声を築き、そして支えてきた経歴を誇ります。彼をなくして今のベッラヴィスタの品質、名声は考えられない程重要な人物。

フランチャコルタ歴は50年を超える長い経験になり、フランチャコルタというワイン自体の、瓶内2次醗酵を始めてからの経験、歴史がそれ程ない頃から、彼は自身の経験と勘、そして自分の舌を信じてここまできました。自社のワイナリーだけでなく、フランチャコルタ地区の礎を築いたともいえます。

ハードワークで無口な職人、人見知り。ゆえに、ワイナリーも販促物、PRなどマーケティングはあまりうまくないこだわりの生産者といえますが、「良い年は誰でも良いワインを造ることが出来る。しかし、フェルゲッティーナでは困難といわれるヴィンテージでも、良年に引けをとらない良いワインを造ることができ、それに対して絶対の自信がある。」と愚直なまでに高い品質を追求する信念の持ち主です。ロベルトガッティの長い経験と実力によって産み出されるフェルゲッティーナ社のフランチャコルタは驚くほどの上品さ、澄み切った味わいが感じられます。

氷河が侵食して出来た「冷たい水がめ」イゼオ湖

イゼオ湖

イタリアで初めて瓶内二次醗酵スプマンテに定められたエリア
フランチャコルタの名前には、生産地、醸造法、熟成期間、その「全て」が表現されています。つまり、フランチャコルタと名乗るワインは、どこで造られ、どのような醸造、熟成を経ているかが決まっているのです。エリアはロンバルディア州の60キロ東にある小さなゾーンです。イタリアで初めて瓶内二次醗酵スプマンテに定められたエリアで1995年にDOCGに認定されました。

Q.ワイナリーの場所はどのあたりですか?

地図氷河が侵食して出来たイゼオ湖
イゼオ湖の南にあるアドロにカンティーナはあります。畑の標高は200~300メートル、2800メートル級の山脈からの吹きおろしの冷たい風が吹きます。カンティーナの北には氷河で出来た水深のイゼオ湖深いの「冷たい水がめ」のお陰で夏も暑くなりすぎる事はありません。現在カンティーナの地下に熟成庫を増設中です。

フランチャコルタは地質学的にも注目されています。この場所は氷河によって形成された場所にあり、北側に位置するイゼオ湖は氷河が侵食して産まれた湖です。水深200メートルを超える深さがあり、南にモンテオルファノ山、東にオーリオ川、西にはコムーネの地理的表示の終わりで、四方を囲まれた場所にあります。

「小さなエリアに畑がギュッと詰まっている、そんなイメージでしょうか」
フランチャコルタは18のコムーネから成り立ち、全体では3000ヘクタール程の限られたエリアです。勿論これからエリアを広げる事は不可能となっています。小さなエリアに畑がギュッと詰まっている、そんなイメージでしょうか。フランスのシャンパーニュが年間3億本以上瓶詰めされていることを考えれば、とても小さな生産地域ですが、その分フランチャコルタは複雑な土壌により、それぞれが全く異なった味わいをみせ、1つの生産者内でさえも区画により、(ワインは)全く異なった表情をみせます。それがフランチャコルタの魅力ともいえます。

フランチャコルタエリア内でも土壌特性は大きく分けて10種類にも分けられます
畑このエリアはモレーンと呼ばれる堆積土壌は氷河によって造られています。氷河がアルプスの山々を削りだし、最終的に行きついた場所が劇場型に広がる丘が残るフランチャコルタのエリアです。氷河が造りだしたワイン産地。それがフランチャコルタです。様々な地層が長い年月をかけてミックスした土壌がフランチャコルタでは見受けられます。

非常に特殊性のある土壌であると思います。フランチャコルタエリア内でも土壌特性は大きく分けて10種類にも分けられる多様性があります。フェルゲッティーナ社では11コムーネ内に広がる土壌特性に富む200ヘクタールに広がる90もの畑を持っています。場所場所で微気候が発生し出来上がるブドウのキャラクターにも違いが産まれます。

来週にはブドウはヴェレゾン期を迎えます。7月前半から中旬ですね。天候、病気も気になります。昨年2016年は非常に難しい年で「3重苦」のヴィンテージでした。早霜、干ばつ、収穫量減となりました。フランチャコルタのみならずイタリア全体でも4割程生産量が減ってしまった影響をうけたヴィンテージとなりました。他の生産者はワインの価格も上がりましたが、私達は長期的な視点に立ち、価格は据え置きにしました。今年良い天候である事に期待しています。

 

「土地を借りて自分が全て面倒を見る」それが父の考え

Q.フランチャコルタ全体の3000ヘクタール中、200ヘクタールを所有しているのですか?

そうですね。フランチャコルタ全体の約7%の畑を私達は所有しています。畑の広さから考えると大きな生産者と思われますが、実際生産されるブドウの半分は売っているので、生産量としては約40万本で規模的には中規模クラスでしょうか。自社用にボトリングする100ヘクタールの畑の内、大体70~80%の畑はいつも決まって収穫、醸造を行っています。残り20~30%はヴィンテージに応じて選り分けていきます。

Q.畑は自社畑ですか?

カンティーナ外観「土地を借りて自分が全て面倒を見る」
父が1991年にフェルゲッティーナ社をスタートさせました。それ以前は1970年代から18年間ベッラヴィスタで醸造責任者をしていたので、フランチャコルタ造りに関しては経験があるのですが、自己資金は多くありませんでした。創業当初は古い醸造所を借りて始めました。畑も借りて始めました。

「畑を借りる」となると、皆さんは既に出来上がった畑を借りるというイメージを持つ方もいらっしゃるとも思いますが、父ロベルトは出来上がった畑ではなく、まだ開拓されていない土地そのものを借りていました。つまり、借りている畑であっても、全て自分で選んだクローンのブドウを植えて栽培~醸造、熟成までを行っているのです。父はゼロからワイン造りを始めて今に至るのです。

「土地を借りて自分が全て面倒を見る」それが父の考えで、現在自社畑は約30ヘクタール、借りている畑は170ヘクタールですが、全て私達フェルゲッティーナ社が管理しています。土地の賃貸契約は最小でも30年契約となっていて、とても長いスパンで畑を管理しています。

「人件費、栽培コストがかかったとしても、良いフランチャコルタを自分達の手で造る」
現在200ヘクタールの畑でオーガニック栽培を行っています。畑を借りて、人件費をかけて良い畑に仕上げる事は手間と時間、お金もかかりますが、逆を言うと自分たちが見込んだ良い土地で良いブドウを栽培する事は、最終的に良いフランチャコルタを自分達の手で造る事が出来るし、数ある畑の中から選べることも出来るのです。人件費、栽培コストがかかったとしても、良い結果が産まれると考えています。

収穫したブドウは厳選して半分のみを使用!

収穫したブドウは半分のみを使用!ブドウの出来に応じて良い畑を選んでいける優位性
試飲収穫したブドウは最終的に半分に当たる100ヘクタールのブドウを厳選してフェルゲッティーナ社のフランチャコルタを造ります。残り半分をスティルワイン、量り売り用、他社にブドウを卸しています。私達の強みはバラエティに富む畑があり、ブドウの出来に応じて良い畑を選んでいける優位性がある事です。

「何が出来るだろう」とより良い方向へ常に挑戦を続ける父
同じフランチャコルタの生産者であるグイド ベルルッキには20年近くブドウを卸しています。初めは少なかったですが、少しずつ増えてきました。父のロベルトはブドウの見識が素晴らしく、ブドウを見分ける技術ありました。かつ自分の仕事のベースラインを見極めながらよりよい仕事をしていく。背伸びして大きな事をするわけではないですが、「何が出来るだろう」とより良い方向へ常に挑戦を続ける性格の持ち主です。

フランチャコルタの場合、畑を借りて、ブドウを植えて少なくとも4年の歳月はかかるし、醸造、熟成まで入れるとトータルで10年近く出荷までかかるフランチャコルタもあります。設備投資金額もかかりますし、経営的にも着実性がないといけないのです。そんな父は起業家と言うよりは伝統的な職人タイプの人間でしょうか。

父がベッラヴィスタで醸造責任者を務めていた頃、折しもフランチャコルタが世界的に有名になっていく時期と重なりました。フランチャコルタ地元の人は皆、フランチャコルタを知り尽くした職人としての父の仕事ぶりを知っています。そうした人望から、ワイナリー創業の際に畑をつかってくれないかという話もきました。

全体の僅か35%の一番果汁だけを使用!

プレス

Q.収穫した後、醸造の部分でこだわっているところは何ですか?

全体の僅か35%の一番果汁のみを使用!
一番のキーポイントとして考えているは「ブドウを搾る」事です。一般的には総量の65%を搾ってモスト(果汁)を得てフランチャコルタを造るものですが、私達は35パーセントしか搾りません。ソフトプレスで少なく搾り、最上のモストのみでフランチャコルタを造ります。

最上のモストが産み出す透明感、上質な果実味と酸
残りの65%は白ワイン用、量り売り用に廻しています。私達にとってこの工程が非常に重要です。最上のモストを使う事で味わいは透明感を持ち、上質な果実味、酸が得られます。私達は熟成に木樽は用いません。ブドウ本来の美しさ、フレッシュさを表現する為です。ですので、搾りを大切にしているのです。

Q.キュヴェの選別で気を付けている事はありますか?

ボトル「酸の質」「根底にある余韻の長さ」が重要
毎年4月に各畑で醸造したキュヴェを試飲するのですが、私達が重点を置くのはブドウの質、バランスというよりは「酸の質」「根底にある余韻の長さ」です。この判断には経験が必要で、酵母と共に熟成させたときにどう変化していくのかを見抜く事が必要となっていきます。赤ワイン、白ワインを造る観点とは異なっていると思います。90もある畑からそれを選ぶ経験値というものが必要となります。そうして出来たフランチャコルタには「品性」、酵母が消化して溶け込んだ「旨み」のようなものが産まれます。

強制的に家業を継げとも父から言われたことはありませんでしたが、私達は小さい頃から父ロベルトの背中を見て育ってきました。自然とフランチャコルタ造りに向かっていったと言えます。後継ぎ問題で困っているワイナリーも少なくありません。父は今年65歳(1953年生まれ)で14、15歳の頃から祖父について畑仕事をしていました。ワイン造りに50年も携わっているのです。ワイナリーの歴史こそ30年もありませんが、父は最前線でフランチャコルタにおける歴史をつぶさにみてきたと言っても過言ではないでしょね。

Q.(試飲して)どのキュヴェも非常に柔らかい味わいで丸みがあります。スタンダードも含めて全てのキュヴェが単一ヴィンテージと聞きました。ブレンド用のリザーブワインは使わないのですか?

「毎年天候は異なるのに、毎年同じようなフランチャコルタを造るのか?」という事です。ヴィンテージの個性、たとえそれが小さな個性であったとしても、それも大切にしています。ヴィンテージを問わずワインの個性を横並びにしてしまう事は私達のポリシーではありません。

ヴィンテージが違えども目指すところは、フィネスやエレガンスです。綺麗さ、純粋さ、上品さを追求しています。どのキュヴェにもこのようなコンセプトの下に造られています。先程お話したどのようなブドウを選別していくのかにも繋がります。

熟成「最高の熟成美を表現したい」72ヶ月熟成エクストラ ブリュット
エクストラ ブリュットを造り始める際に36、40、46、50、60ヶ月と酵母熟成段階で何度も試飲を重ねました。そして納得できる熟成期間に行き着いたのが72ヶ月熟成。フランチャコルタの規定であれば37ヶ月で出荷できるものを、フェルゲッティーナの最高の熟成美を表現したいという信念で造っています。この最高点を見極めるのもフランチャコルタに50年の歳月を費やしてきた父の経験に裏づけられています。

1000日以上の熟成を行うミッレディ
ミッレディはシャルドネ100%で造られます。名前の通り「ミッレディ」1000日以上の熟成を行います。ミッレディを造る際にブドウを選択していくのですが、特に長期熟成向きのミネラル、酸を豊富に含む、果実味がしっかりと感じられるブドウをセレクトしています。

長期間の酵母との接触でより高い効果を得るボトル形状を開発
ミッレディボトルの形はデザイン性だけではないキチンとした理由があります。このボトル形状は弟のマッテオが開発しました。メトドクラシコ(シャンパーニュ製法)の瓶内二次醗酵において、何が重要かと考えると、長期間の酵母との接触が挙げられます。

通常の円形のボトルに比べ、ミッレディのボトルを横置きにすると、平面に酵母が広がっていきます。液体と酵母が接触する面積が通常の円形ボトルに比べて2.5倍以上にも広がります。同じ3年の熟成期間でもミッレディは酵母との接触が増やすことを目的に開発したのがこのデザインのボトルです。

この酵母接触の拡大とボトルデザインの研究は弟のマッテオがミラノ大学農学部醸造過程の卒業テーマとなりました。実際にテーマを発表し大学を卒業、その後ミッレディとして製品化されました。このデザインはヨーロッパとアメリカでは特許を取っています。

ディナー

日本の旬の素材とのマリアージュ
インタビュー後はラウラさんと、南麻布のイタリアンレストラン「カーザ ヴィニタリア」さんで、ディナーを楽しみました。旬の素材と美しい盛り付けのお料理のコースとなっていて、新鮮な野菜のバーニャカウダ、トリッパのジェノヴェーゼ、鮎のグリル、イカスミのタリアテッレ、夏鹿のローストと前菜からお肉料理まで楽しみました。

特にサテン2013ヴィンテージは乾杯からバーニャカウダと抜群の相性でした。幅広く食事と楽しめるサテンの使い勝手の良さを再確認しました。

パ ド セ リゼルヴァ 2009は完熟した果実の風味、滑らかさ、上質な酸が美しい調和を成していて、鮎のグリルととても楽しめました。ラウラさんは「パ ドセは補糖をしていません。フランチャコルタでは補糖をしていないキュヴェに「パ ド セ」、「ノンドザート」、「ドサージュゼロ」の表記が使えますと話してくれました。現在では天然資源であるコルクの確保が問題となっていてワインの品質ともに重要な問題となっているとも話してくれました。

伸びやかな酸味と細やかな
泡が魚介にピッタリ!
フランチャコルタ最高峰
「フェルゲッティーナ」
フランチャコルタ ブリュット NV
フランチャコルタ ブリュット NV


シャルドネ90%、ピノ ネロ10%のブレンドでヴィンテージ表記をありませんが、今回のロットは2014ヴィンテージのブドウを100%使用しています。フランチャコルタでは85%以上のブドウでヴィンテージ表記が名乗れますが、私達はノンヴィンテージキュヴェにおいても100%同一ヴィンテージを使う拘りがあります。規定では瓶内二次醗酵18カ月間であるところ、私達は倍の熟成期間36カ月間熟成させます。このブリュットのドサージュ(補糖)は規定で1リットル当たり12グラムと定められていますが、私達は1リットル当たり5グラムしか補糖していません。既定の半分以下です。補糖をするとワインにボディが与えられるという利点があるのですが、補糖が少ないという事は、原料となるブドウそのもの自体に複雑性やバランス、味わいの深さが無ければなりません。栽培時からブドウが本来持つポテンシャルを引き出す事が重要となるのです。
試飲コメント:清々しいグレープフルーツのようなフレッシュ&フルーティなアロマに、涼しげなミネラルとハーブの香り、奥底に感じる豊かな蜜のニュアンスが美しい層を成しています。クリーミーでキメの細かい泡立ちが心地よく、口当たりも非常に滑らかです。風味が豊かで、伸びていくような酸とミネラルのエレガントなタッチが非常に魅力的です。飲んで納得させられるパフォーマンスを持つのフランチャコルタブリュットと言えます。サラダや魚介類、鶏肉のグリルと合わせる料理の幅も広いのもフェルゲッティーナの特徴の一つです。

日本食、和食とも合う柔らかな味わい
フランチャコルタ サテン 2013
フランチャコルタ サテン 2013


フランチャコルタ サテンを呼ばれるカテゴリーのワインです。白ブドウ品種100%でブリュットのみ、甘口は造れません。ガス圧はブリュットに比べ低めです。サテンの規定では24カ月以上熟成をさせなければなりませんが、私達は36カ月間熟成を行います。強すぎないサテンのクリーミーで繊細な泡は日本食、和食にも喧嘩せずにすんなりと合うと思います。柔らかな味わいのサテンはブドウ畑のセレクトが重要です。
試飲コメント:蜜のような甘美な香り。上品な酵母の香りがあり心地さを感じます。西洋梨や白い花の清々しさのある華やかな香りがあり、中盤から果実のふくよかさの中にキメの細かい優美さが感じられます。泡立ちは強すぎず、上品さと繊細さが全面に感じられる美しいフランチャコルタサテン。日本食、和食とも相性が良いです。

熟成1000日以上!円やかなコクと深い味わい「ミッレディ」
ミッレディ フランチャコルタ ブリュット 2013
ミッレディ フランチャコルタ ブリュット 2013


ミッレディはシャルドネ100%で造られます。名前の通り「ミッレディ」1000日以上の熟成を行います。ミッレディを造る際にブドウを選択していくのですが、特に長期熟成向きのミネラル、酸を豊富に含む、果実味がしっかりと感じられるブドウをセレクトしています。ボトルの形はデザイン性だけではないキチンとした理由があります。このボトル形状は弟のマッテオが開発しました。メトドクラシコ(シャンパーニュ製法)の瓶内二次醗酵において、何が重要かと考えると、長期間の酵母との接触が挙げられます。通常の円形のボトルに比べ、ミッレディのボトルを横置きにすると、平面に酵母が広がっていきます。液体と酵母が接触する面積が通常の円形ボトルに比べて2.5倍以上にも広がります。同じ3年の熟成期間でもミッレディは酵母との接触が増安ことを目的に開発したのがこのデザインのボトルです。
試飲コメント:熟成によるエレガントな泡立ちと深い色調が魅力的です。熟した果実の豊かな香りに厚いミネラルとマッシュルームやジンシャーブレッド、奥に香るハニーシロップのニュアンスが綺麗に重なります。飲むと、細やかで繊細な泡が弾けて、円やかな果実感とコク、しなやかな舌触り、充実した風味が口中に広がります。ボディを支える美しい酸が感じられ、スタイリッシュで深い味わいが楽しめます。

ピノネロ100%で造る贅沢なロゼ!
フランチャコルタ ロゼ ブリュット 2013
フランチャコルタ ロゼ ブリュット 2013


36ヶ月間熟成ピノ ネロ100%のロゼフランチャコルタ2013ヴィンテージです。ピノ ネロの畑はフランチャコルタ全体の畑を見まわしても非常に少ないです。私達はピノ ネロの畑を80ヘクタール程持っています。フランチャコルタの規定ではロゼを名乗るにはピノ ネロの使用率が25%であればロゼを名乗る事が出来ます。しかし私達はピノネロ100%でロゼを造る拘りを持っています。100%ピノネロを使うとより、芳醇さだったり、タンニンの質は格段に変わってきます。ですので、お肉料理に合わせたり等、赤ワイン的な使い方もすることが出来ます。その年のピノ ネロ100%で造るので、ブドウの出来がダイレクトに反映します。同じようにマセラシオンをしてもヴィンテージの特徴によって色調も変わります。例えば2012年は明るい色調のロゼカラー、2013年はより濃い色調となります。その年の個性が表現出来れば良いと思っていますので、色調を保つような調整は一切行いません。
試飲コメント:フランボワーズ、桜の葉などの上品でいて繊細、心落ち着く香り、仄かに香るトースト香が魅力的です。泡のキメ細やかさがありながら、ピノネロのふくよかな味わいがあり、ボディを美しく引き締める酸と旨みが続きます。

フェルゲッティーナの最高の熟成美を表現!72ヶ月熟成「エキストラブリュット」
フランチャコルタ エクストラ ブリュット 2011
フランチャコルタ エクストラ ブリュット 2011


シャルドネ80%、ピノ ネロ20%のブレンドで2011ヴィンテージです。72ヶ月間の長い熟成を経てリリースします。フランチャコルタの規定であれば37ヶ月で出荷できるものを、フェルゲッティーナの最高の熟成美を表現したいという信念で造っています。この最高点を見極めるのもフランチャコルタに50年の歳月を費やしてきた父の経験に裏づけられていますエクストラ ブリュットは1リットル当たり3グラムの補糖(規定では6グラム)を行っています。72ヶ月間も瓶内熟成を行っていますので、他のキュヴェにはない厚み、複雑性を持つ「特別なフランチャコルタ」と言えます。
試飲コメント:輝きのある金色。蜂蜜や藁っぽいニュアンスにブリウォッシュのような香ばしさが重なります。アーモンドやヘーゼルナッツ、オレンジの皮などの複雑なニュアンスと綺麗な酸とミネラル、そして完熟柑橘果実のフルーツ感の全てが渾然一体となって続く素晴らしい余韻が感じられます。

フェルゲッティーナ3つのキュヴェをブレンドさせた驚異の77ヶ月熟成!濃密フランチャコルタ「パドセリゼルヴァ」
パ ドゼ リゼルヴァ 33 2009
パ ドゼ リゼルヴァ 33  2009


補糖しないフランチャコルタリゼルヴァを前から造りたいと思っていましたが、それだけの広い畑をもっていませんでした。ですので、これまでに造り上げた3つのキュヴェ(サテン、ミッレディ、エクストラ ブリュット)の厳選されたブドウを使ってリゼルヴァを造ってみようと思ったのがきっかけです。最初にパ ド セ リゼルヴァを造った時は今のように1/3ずつではなく、年によって1~2%変わる時がありましたが、基本コンセプトの3種のブレンドは変わりません。これまでに2004、2005、2007、2008、2009年を造りました。2012年は造っていません。
試飲コメント:77ヶ月熟成。補糖しないフェルゲッティーナ社の素晴らしいブドウの品質に驚かされるキュヴェ。黄金に輝き、繊細ながら持続性のある美しい泡。グラスに注げば、完熟フルーツやハーブのエレガントな香りに包まれる。細やかな泡が弾けると果実の深み、美しい酸、緻密で隙の無いミネラルが支える非常に優美なボディ。
インタビューを終えて
収穫したブドウを半分に厳選し、更に35%の一番搾りしか使わず、スタンダードキュヴェであっても単一ヴィンテージ100%のブドウにこだわり、規定を遥かに超える長期熟成をかける他の追随を許さない拘りを持つフェルゲッティーナのフランチャコルタからは驚くほどの上品さ、深みがありながらも群を抜く澄み切った味わいが感じられました。

「ベッラヴィスタ」を一躍トップ生産者に押し上げた偉大な父ロベルト ガッティ氏の揺るぎない拘りが全てのボトルにおいて見事に表現されていました。キュヴェ毎のキャラクターがハッキリと分かれているのも魅力的です。特にフランチャコルタ ロゼはピノネロ100%使った贅沢な味わい。前菜から肉料理まで1本で通せる味わいの豊かさがあります。

「私達が造る全てのフランチャコルタには区別がなく、どれも本当に良いものを目指して造っています。ブリュットもエクストラ ブリュットも、キュヴェは違えども、収穫されるブドウのコストやボトルをはじめとした資材の価格、その他諸経費はどのワインも同じです。違うのは熟成にかかる保管コストだけなんです。」

他の生産者が舌を巻く圧倒的な品質の高さがありながらも、こんなところにも正直さを隠さないおおらかさ。フェルゲッティーナのワインは、企業的カンティーナには無い、「良いワインを造りたい」という純粋な心を持った家族愛がギュッと詰まっています。トップ級の生産者でありながらも家族経営の良心的な価格、胸をすくような清らかさと素晴らしい深みを備えたフェルゲッティーナ。是非多くの方に飲んで頂きたいフランチャコルタです。

フェルゲッティーナ社 ラウラ ガッティさんとトスカニースタッフ
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