2012年9月21日 チリアーノ

 
突撃インタビュー

2012年9月21日 チリアーノ

チリアーノとの記念撮影
アンティノリから分家したチリアーノはキャンティクラシコ地区の最北、サンカシャーノ イン ヴァル ディ ペサにあります。伝統的で奥深さのあるキャンティクラシコが『エスプレッソ』で最高賞を獲得するなど近年着実に実力を伸ばし、注目を集めている造り手です。
ワイナリーは1400年代に建てられたお屋敷。歴史の長さを感じさせるチリアーノの訪問となりました。

サンカシャーノの特徴 やわらかく、飲みやすい味わい

収穫時期だから混乱しているかと思うけど、と私たちのことを心配してくれていたオーナーのニッコロさんが迎えてくれました。

トスカニー:収穫の忙しいときにすみません。

ニッコロさん:いえいえ。それに今日は収穫をするのを見送ったので、大丈夫です。まず、畑を見ましょうか。私たちの土地はこの建物の周囲70haで、ブドウ畑はそのうち25haです。ちょうど馬の蹄の形の広がっています。

このあたりは標高が高いところで700mほどあります。西のピサの方角にある山から涼しい風が吹いてきます。土壌は粘土質なので水をためる性質がある土地です。あと、海の石が層になっている、特殊な土壌でもあります。

   
ブドウ畑 トスカニー:サンカシャーノの特徴を教えて頂けますか

ニッコロさん:今言った様な土地なので、ワインとしてはやわらかくて酸がきつくなく、飲みやすい味わいになります。

 ニッコロさんが携わるようになってすぐにキャンティクラシコが『エスプレッソ』で最高賞をとりました!

ニッコロさん:醸造についてはできるだけシンプルにすることを心がけています。ちょうどこのタンクでは収穫したブドウが発酵を続けているところで、ちょっと温かいでしょ?でも、特に温度管理はしていないんです。このあたりは周囲を森に囲まれているから自然に涼しくなるんですよ。

トスカニー:熟成は大樽ですよね。

ニッコロさん:ええ、キャンティクラシコの熟成は伝統的な大樽です。スガネッラにはバリックを使います。それから、セメントタンクもあります。これは50年前から使っているものです。

トスカニー:先ほど、ニッコロさんがここのワイン造りに携わるようになったのは数年前からと聞きましたが、2009ヴィンテージのキャンティクラシコが『エスプレッソ』で5ボッティーリエを獲得したんですよね。

ニッコロさん:そうなんだ。やり始めてすぐにこんな評価をもらうことができて本当に嬉しいです。では、ヴィンサントを造る部屋を見に行きましょう。

自然に任せた熟成で造るヴィンサントは酸がしっかりあって甘くない


ヴィンサントを造る部屋は「リモナイア」の上にあります。リモナイアと言うのは鉢植えのレモンを冬の寒気から守るために準備された場所。鉢植えレモンはメディチ家が流行らせた庭園スタイルだそうで、1400年代から続くチリアーノの庭園にもレモンがたくさんあります。寒くなるたびにリモナイアに移すのはひと仕事だそうです。

ニッコロさん:ヴィンサントはトレッビアーノとマルヴァジーアで造ります。収穫したブドウをひと房ずつここに吊るして乾燥させます。紐がうまくかかるようにするために枝の切り方にも注意しなければならないんです。

12月から1月までこうして乾燥させてどんどん水分を減らします。そのブドウをこの機械で搾ります。

リモナイア
トスカニー:この機械、今も使っているんですか!あまりに古そうなので。

ニッコロさん:(笑)現役ですよ。ブドウは乾燥しているのでほとんど水分が少なくなっていますが、搾った果汁を小さな容器に入れて移し変えていきます。栗、桜、オークなど様々な樹の樽を使います。ヴィンサントは法律上の熟成期間は4年以上と決められていますが、5~6年は熟成させますね。

トスカニー:先ほど、お昼ご飯をいただいたときに飲ませていただきましたが、酸がしっかりあって、ほとんど甘くなくて、とても複雑な美味しさがありました。

ニッコロさん:最近のヴィンサントは甘すぎます。甘くすると売りやすいですからね。樽を使い分ける話をしましたが、栗の樽に入れると苦味が出てきます。私たちは、最後に入れた樽で、最終のボトリングをするまで中を開けることはしません。この部屋は夏は暑く冬は寒いのですが、空調などはなく、自然に任せています。100kgのブドウから約30リットルのヴィンサントができます。

搾汁機

トスカニー:そんなに少ないんですね。前回オーダーしたときもヴィンサントは完売していましたよね。

ニッコロさん:ごめんなさい、生産本数が少ないので。できれば予約していただくほうがいいと思います。

訪問を終えて

ワイナリー ワイナリーを見学する前にお屋敷とお庭を見せていただいたのですが、1400年代に建てられたとは思えないほど立派でした。もちろん、そのつど手を加え、修理しながら大切に住み続けているからこそ、今もこうして使い続けられるわけです。サンカシャーノの中でも条件のいい場所に畑があるのも、伝統のある貴族だからこそ、といこともわかりました。

お庭の一角にテーブルをセッティングして頂いてランチをご馳走して頂きました。トスカーナ名物のパテや収穫の時期にだけ作るお菓子「スキアッチャータ コン ウーヴァ」などを美しい庭園を眺めながらワインと一緒にいただいてとっても幸せでした。

ニッコロさんのお母様が土地と屋敷を相続し、ニッコロさんがワイナリーの仕事を始めたのはほんの数年前。それまではローマで別の仕事をしていたそうです。子供のころから遊びに来ていたトスカーナの畑でワインを造ることができるのが大変だけど本当に嬉しそうでした。長い歴史はありますが、ニッコロさんたちの新しいチリアーノは始まったばかり。ワイン造りにたずさわるようになってわずか数年で『エスプレッソ』で最高賞を取るなど、今後の発展が楽しみです。

ランチタイム

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