エレガンスに満ちた有機栽培フランチャコルタ「バローネ ピッツィーニ」

2017/12/01
突撃インタビュー
 
2017年11月16日 バローネ ピッツィーニ社シルヴァーノ ブレッシャニーニ氏

元ミシュラン2つ星シェフが「有機栽培」にこだわりぬいて造る
エレガンス溢れる美しいフランチャコルタ「バローネ ピッツィーニ」

バローネ ピッツィーニ社シルヴァーノ ブレッシャニーニ氏と
1870年に設立されたフランチャコルタ最古のワイナリー「バローネ ピッツィーニ」。オーナーの高齢により、1992年にワイナリーを引き継いだシルヴァーノ ブレッシャニーニ氏はミシュラン2つ星「アンティカ オステリア デル ポンテ」で活躍した元スターシェフ。彼がワイナリーの改革を行い、まず取り組んだのは「有機栽培によるフランチャコルタ」を造る事。エリアで先駆けて有機栽培を実践、その手法を他の生産者にも自らシェアするほど。その活動により現在フランチャコルタエリアの約70%が有機栽培の畑で占められるという、他に類を見ない素晴らしいDOCGエリアとなりました。スターシェフが料理において徹底的に「素材」に拘り抜くように、ブレッシャニーニ氏は「有機栽培のブドウ」に徹底的にこだわり、今や『スローワイン』『ガンベロロッソ』最高賞を連発する目を見張るレベルのワインを毎年のように造りあげています。彼がマルケ州で造る「ピエヴェルタ」社のヴェルディッキオ「サンパオロ リゼルヴァ」がイタリアのワイン専門誌『チヴィリタ デル ベーレ』 で、サッシカイア、ジュリオフェッラーリ、グラヴネルと並び2017年の年間TOP7に選ばれています。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いで注目を集める「バローネピッツィーニ」社と「ピエヴァルタ」社のオーナー、シルヴァーノ ブレッシャニーニ氏にお話を聞きました。

1870年からロンバルディア州でワイン造りの歴史を持つ「バローネ ピッツィーニ」

ロゴ1870年からロンバルディア州でワイン造りの歴史を持つ「バローネ ピッツィーニ」
バローネ ピッツィーニはロンバルディア州で1870年からロンバルディア州で歴史を持つワインメーカーです。農園を運営していたジュリオ ピッツィーニ男爵がフランチャコルタを造り始めたのは1971年の事でそれ以来、フランチャコルタのワイン生産発展に重要な役割を果たしてきました。ジュリオ ピッツィーニ男爵の高齢により、1992年ワイナリーを売却後、地元出身の3人の共同経営者が引きつぎ、私が取締役兼オーナーに就任しました。土地への愛情とチャレンジ精神を持ち、就任後1994年に初めて収穫を行いました。その4年後、1998年に有機栽培を始めました。2001年に全ての畑において有機認証を取得しました。

地図「土壌を豊かにする」為に有機栽培を採用
私達がブドウ栽培において有機栽培を採用している目的は「土壌を豊かにする」ことにあります。有機栽培では、天然のもののみを使用し畑での作業は出来る限りシンプルに行います。それにより、自然なブドウの生育サイクルが産まれてくるのです。私たちの畑の総面積は55ヘクタール、フランチャコルタエリアでも北側、イゼオ湖のすぐ近くに位置しています。それ以外に所有する北東部地区の畑も合わせて、プローヴィア ディーゼオ、パッシラーノ、コルテフランカ、パッシラーノ4つの畑と、買ったばかりのカプリオーロ畑、計5つの畑を所有しています。

フランチャコルタには複数のヴィンテージを使用し長期の樽熟成を設けますので実質ボトリングされたワインの数とその年の生産量が必ずしもイコールではありません。私たちの生産規模数として、昨年2016年は28万8000本のフランチャコルタの販売実績があります。

ミシュラン2つ星「アンティカ オステリア デル ポンテ」でシェフ兼ソムリエとして活躍

アンティカオステリアデルポンテQ.ワイン造りを始める前は何をされていたのですか?

私はワイナリーを購入する1年前の1991年までミラノのあるイタリアのミシュラン2つ星レストラン「アンティカ オステリア デル ポンテ」でシェフ兼アシスタントソムリエをしていました。ドメーヌ ド ラ ロマネコンティ社のオーナー、ヴィレーヌ氏も私のレストランに来てワインを楽しんで下さいました。これがその時のヴィレーヌ氏との写真です。

Q.2つ星のリストランテでシェフとソムリエを兼務していたのは凄い事ですね。シェフ、ソムリエ時代に好きだったワインはありますか?

勤めていた1985年当時はシャンパーニュのクリュッグが大好きでした。当時はまだ若かったから、完成された味わいのシャンパーニュを飲む機会に恵まれとても良い経験でした。今でも個人的にはやはりスパークリングワインが好きですね。次に白、その次が赤でしょうか。ロゼはスパークリングなら飲みますよ(笑)

 

フランチャコルタエリアで先駆けて有機栽培を実践。そのノウハウを他生産者ともシェアしていく

カンティーナ

2006年にカンティーナをリニューアル。環境に配慮しエネルギーを使わないような造りに転換
カンティーナは2006年にリニューアルしました。有機栽培を進める流れでカンティーナも「サステナブル」いわゆる環境に配慮しエネルギーを使わないような造りに転換しました。自然を尊重した造り、ブドウに負荷を与えない造りにしました。

「カンティーナは私達の哲学が盛りこまれたシンボル的存在」
地下12メートルに貯蔵庫を造り、グラヴィティシステムによって、重力にそったワインの醗酵、醸造を行っています。カンティーナをデザインしたクローディオ ガスパロッティ氏は「目に見えるのは一部分で、残りは地下にあり、そこに根を張っている、という意味でバローネ ピッツィーニのカンティーナはブドウ樹に似ています」と話してくれました。カンティーナは私達の哲学が盛りこまれたシンボル的存在と言えます。

Q.55ヘクタールの畑を有機栽培へ転換するのは大変だったのではありませんか?

そうですね。今から約20年前、私達は広い畑の全てを有機栽培に転換しました。有機認証を取るのは非常に大変でした。その当時、有機栽培でフランチャコルタを造ろうという生産者が私達以外ほとんどいませんでしたよ。他のワイナリーの友人からも「なぜそんな事をしているのか?」と不思議な顔をされたものです(笑)。

畑

フランチャコルタエリアで先駆けて有機栽培を実践。そのノウハウを他生産者ともシェアしていく
私達が先駆けて有機栽培に取り組み、良い結果が出たことで他の生産者達も有機栽培に注目し始めました。私たちはその取り組みの内容、技術、管理方法を他の生産者達にすすんでシェアしていきました。それによりフランチャコルタの総面積の約70%が有機栽培に取り組むイタリア国内でも類を見ないDOCGエリアとなりました。勿論、他の国においても珍しいエリアだと思います。

「より良い品質のワインを造る」為の有機栽培
現在はミラノとサンミケーレにある醸造学校と連携を取りながら有機栽培とワインの品質との関連性について科学的に検証、研究しています。「地球に優しい」という意味での有機栽培でもありますが、「より良い品質のワインを造りたい」と思いの方が強いです。

シルヴァーノブレッシャニーニ氏と試飲Q.(試飲をしながら)一般的なフランチャコルタに感じるスタイルとは異なるドライな味わいですね

味わいもそうですが、私達は有機栽培や除草剤を使わないサステナブルな活動を行っています。根底にあるのは「より良い品質のワインを造る」という事です。

「収穫とブドウのプレス」。これでワインの品質の8割が決まる
生産に関しては非常にシビアに行います。特に「収穫とブドウのプレス」。これでワインの品質の8割が決まると思っています。おおげさに言えば、「ワインはブドウ畑の中で育ち、カンティーナの中で品質が少しずつ失われていくもの」だと考えています。どうしてもカンティーナの中で、ブドウの品質は落ちて行ってしまう。その落ちをどれだけ防げるか。作業のディテールにシビアにこだわるのもそうした事からです。

「有機栽培を通して品質を上げようと思ったら、最低でも10年はかかる」
20年の有機栽培を通して、私達が育てるブドウの木が年々強く、そして豊かな味わいを産み出す樹になってきています。収量は落ちていますが、出来上がるブドウの質は上がっています。有機栽培を通して品質を上げようと思ったら、最低でも10年はかかると思いますね。より地中深くブドウの根が伸びていく事で味わい、品質も目指すべき方向に年々向上していると感じます。

二酸化炭素排出削減で「UNI ISO14064-1:2006EA 01-03」認証取得
カンティーナにはソーラーパネル設置し、使用する電力を賄う努力をしていますし、それにより二酸化炭素排出削減を行い、UNI ISO14064-1:2006EA 01-03認証取得しました。イタリア国内のワイナリーでは初めての取得です。このような活動は私たちの経験の中で学び、更に良い品質、結果をもたらすように取り組み続けています。

フランチャコルタバックラベルバックラベルにワイン情報を掲載
透明性を持って私達が行っている活動や情報をウェブサイト等通じてお客様に開示していきたいと思っています。その一つとして、ワインのボトルのバックラベルには関連するあらゆる情報(生産本数、標高、品種、残糖度)を掲載していますし、2008年以降ウェブサイトで、私達の全てのワインにおいて科学的分析を公表しています。化学肥料や除草剤を使わない農法を行っていますが、更にお客様に安心してワインを飲んで頂く為にその分析結果を全て表示しています。

Q.2017年はイタリア国内全体で、難しいヴィンテージだったと聞いていますが、バローネピッツィーニではどうでしたか?

ある意味、収獲は簡単でしたよ、、なにせ雹害で厳しい年で収量が40%減ってしまったからね!なにせ収量が少なすぎて・・・。これ程の被害があったのは1954年以来ですね。こんな年は厳しい年はもう最後にして欲しいですね。

マルケ州カステッリ デイ イエージで有機栽培を行う「ピアヴェルタ」

ピエヴァルタ

マルケ州カステッリ デイ イエージで有機栽培を行う「ピアヴェルタ」
それではワインを中央イタリアのマルケ州にチェンジしましょう。私達がカステッリ デイイエージで「ワイナリー」ピアヴァルタを始めたのは今から15年前の事です。

畑は1970年代からの歴史があり、トップキュヴェである「サン パオロ」は1992年に栽培が開始されました。私たちは購入した当初から100%オーガニック栽培に徹していて2004年には有機認証団体「デメテール」の認証を取りました。収穫は全て手摘み、農薬や化学肥料を使わない栽培、地中には牛の角に牛糞を詰めたプレパラシオン(ビオディナミ特有の転園の調合剤)行っています。2016ヴィンテージのワインからは新たに「ヴィーガン」(Vegan)の有機認証を得ています。野生酵母のみを使い醗酵を行っています。

フランチャコルタから車で4時間位でピエヴァルタには着きますので、あまり遠い距離ではないと思っています。通常私はフランチャコルタにいるので、マルケのカンティーナにはエステートマネージャーであるアレッサンドロフェニーノ氏がその栽培~醸造までを担当しています。

Q.なぜ州の異なるマルケで、スパークリングではないヴェルディッキオの白ワインを造ろうと思ったのですか?

偉大な土着品種「ヴェルディッキオ」に着目
ヴェルディッキオのというブドウがイタリアの土着品種の中で素晴らしい存在であると信じていたからです。『デカンター』「アントニオガッローニ」でも活躍するワインジャーナリストのイアン ダガタ氏もヴェルディッキオを偉大な土着白品種「Greatest Native White Variety」として絶賛しているブドウ品種です。

私も「アンティカ オステリア デル ポンテ」でアシスタントソムリエをしていた頃からヴェルディッキオは目を付けていた土着品種であり、個人的にもヴェルディッキオが大好きだったからです。

マルケのワイナリーからしてみれば、私達は異郷人のような存在だったでしょうね。違う州から来た私達だからこそ今までマルケでは見られなかったような新しいアプローチによる農法(ビオディナミ)に取り組みました。それにより、ストラクチャーがありながらもより純度が高く、エレガントな味わいのワインを造る事が出来ました。

フランチャコルタで学んだ方式「除梗をせずにブドウをソフトプレス」
当初は除梗をしてからブドウをプレスしていましたが、ワインに苦味が残るので、除梗をせずにソフトプレスに切り替えました。この方式は私達がフランチャコルタで学んだ方式でした。ヴェルディッキオにはシャルドネの倍以上のポリフェノール成分が含まれているので、プレスには細心の注意を払います。そうして年々品質が上がっていき、よりピュアでクリーン、エレガントなストラクチャーのワインとなっていきました。

ブドウの粒の中心部に糖度、酸味、ミネラルの要素が詰まっています。この部分の果汁こそ私達が欲しい部分です。プレスしたブドウの最後の方はポリフェノールが残り、苦味やヴェジタルなニュアンスが出来があがるワインに残ってきます。そのような最後にプレスしたワインは私達の求めるクオリティではありませんので使いません。

Q.プレスジュースが少ないと、収量はものすごく少なりなりますね?

ジュースは60%の搾汁率に留めていて、ワインとなる時には55%になります。ですので、本質的には現在の20%以上の生産量を増やす事が出来ますが、行いません。またブドウを傷つけてしまう恐れがあるので、機械では収穫しません。全て手摘みで行い、小さなケースに小分けに入れてブドウにダメージを与えないようにしてカンティーナに運んでいます。

サッシカイア、グラヴネルと並びイタリア年間最優秀ワイン7本に選出!「サンパオロ リゼルヴァ」

低収量のトップキュヴェ「サンパオロ リゼルヴァ」
トップキュヴェの「サンパオロ リゼルヴァ」は特殊な土壌です。粘土凝灰岩土壌がワインに個性と力強さを与えています。ステンレスタンクと野生酵母で醗酵、ステンレスタンクの中で18カ月間シュールリーにて熟成させます。口の中での香りの広がり方に特徴があります。ラベルの裏に土壌やブドウの植樹年、標高、収穫日、収量、生産量の情報が記されています。2012年は適切な収穫が早く、1ヘクタール当たり35ヘクトリットルの収量でした。(ヴェルディッキオとしては非常に収量が少ない)

チヴィルタデルベーレサッシカイア、グラヴネルと並びイタリア年間最優秀ワイン7本に選出!
イタリアのワイン専門誌『チヴィリタデルベーレ』が毎年ワインガイドを造っているのですが、「サンパオロリゼルヴァ」2012年が2017年のイタリア年間最優秀ワイントップ7に選ばれています。サッシカイアやグラヴネル、ジュリオフェッラーリと並び私たちのヴェルディッキオのサンパオロが一番リーズナブルだと思いますよ。5~10年の熟成も楽しめます。

ガンベロロッソ『ガンベロロッソ』『スローワイン』で最高賞獲得
最新の『ガンベロロッソ』2018で「サンパオロ リゼルヴァ」2015が最高賞トレビッキエリを獲得していますし、『スローワイン』でも過去に最高賞「ヴィーノスロー」を何度も受賞しています。『デカンター』2017年2月号では2012年が96点の高評価を頂きました。優良年しか造りませんので2014年はボトリングしませんでした。2015年は良い年で、通常ボトルに加えて、マグナムとダブルマグナムも瓶詰しました。

イタリアにおけるゴルフ場設立の先駆けエドアルド氏90周年記念キュヴェ「ゴルフ1927」
フランチャコルタ ゴルフ NV
フランチャコルタ ゴルフ NV


2017年に発売した新しいフランチャコルタ「ゴルフ」です。今から90年前の1927年に、バローネピッツィーニ氏が造ったプライベートゴルフ場を90周年記念して造ったフランチャコルタです。現在はプライベートではなく、一般開放されているゴルフ場となっています。シャルドネ90%、ピノネロ10%のブレンドで、基本的に2013ヴィンテージのブドウが使用されています。残党は1リットル当たり約8グラムです。自然でクリーンさがあり、心地よいフレッシュ感があります。熟成も楽しめる味わいがあります。昔からのバローネピッツィーニのファンの方はキュヴェ「アニマンテ」が好まれる傾向にあり、新たにバローネピッツィーニを知って下さる方には「ゴルフ1927」が評判が良いように思います
試飲コメント:リンゴや柑橘を思わせるフレッシュでクリーンな果実香、清々しいミネラルが重なる涼しげな香りです。飲むと、泡が心地よく溶け込んだ柔らかなインパクトがあり、ドライでありながら非常に繊細、スレンダーなボディが魅力的なフェミニンな印象があります。軽やかで滑らかなタッチがあり、乾杯や生ハム、前菜、パスタ、白身肉料理と気軽に様々なシーンで合わせてみたいと思える非常に間口の広いフランチャコルタです。

素晴らしい質感を備えた
キメ細やかな口当たり
国際的高評価フランチャコルタ「アニマンテ」
フランチャコルタ エクストラ ブリュット アニマンテ NV
フランチャコルタ エクストラ ブリュット アニマンテ NV


アニマンテは私たちがフランチャコルタでの有機栽培の経験を踏まえて造られたキュヴェです。アニマンテとは「元気づける、活気に満ちる」という意味が込められていて、飲む人の生活をよりアクティブにする思いを込めたネーミングとなっています。78%シャルドネ、18%ピノネーロ、4%ピノビアンコのブレンドです。2013ヴィンテージのブドウが主体となり、それ以前のヴィンテージのブドウも約20%程ブレンドされています。残糖は1リットル当たり4グラムとなっています。
試飲コメント:涼し気なミネラルにアプリコットやドライフルーツの香りが綺麗に重なります。飲むとドライでキレの良さが光りますが、芯には確りと熟した果実味が存在し、クリーミーで繊細な泡立ちと相俟って、クールでべた付かない豊かな飲み心地があります。引き締まった美しいシェイプを持った純度の高い果実味が楽しめるバローネピッツィーニのスタンダードキュヴェです。

デリケートな舌触りと優美な芳香!有機栽培フランチャコルタ「バローネピッツィーニ」が造る極上サテン
フランチャコルタ サテン 2012
フランチャコルタ サテン 2012


シャルドネ100%で造るブラン ド ブランのスタイルです。圧力は通常のフランチャコルタより1気圧低めの「サテン」です。樹齢は20~50年で1次醗酵の30%は一度使用した大樽を使います。生産に関しては非常にシビアに行います。特に「収穫とブドウのプレス」。これでワインの品質の8割が決まると思っています。おおげさに言えば、「ワインはブドウ畑の中で育ち、カンティーナの中で品質が少しずつ失われていくもの」だと考えています。どうしてもカンティーナの中で、ブドウの品質は落ちて行ってしまう。その落ちをどれだけ防げるか。作業のディテールにシビアにこだわるのもそうした事からです。
試飲コメント:サテンらしい穏やかな泡立ちが魅力的です。細やかな泡が弾けると白い花、ミネラル、西洋梨、リンゴの繊細な香りが広がります。飲むと、しなやかで柔らかなボディ、滑らかで細やかな泡が舌の上で優しく弾けます。ふわりとした柔らかな印象の味わいの中に純度の高い果実感と、美しいミネラルが確りと感じられ、完成度の高さを感じます。

『ガンベロロッソ』最高賞!
ピノネロらしさが感じられる
豊かな味わいの補糖ゼロ
辛口フランチャコルタ
フランチャコルタ ブリュット ナトゥーレ 2013
フランチャコルタ ブリュット ナトゥーレ 2013


シャルドネ60%、ピノネロ40%のブレンドでドサージュ補糖は行っていません。ピノネロを30%ブレンドした事でピノネロらしさが感じられる豊かな味わいのフランチャコルタです。ピノネロの畑は古い土壌でシャルドネに比べ、少し高く標高250~300メートルの位置にあります。補糖をしていないので、ブドウ本来の果実味の豊かさと酸味、ミネラルのバランスがしっかりと感じられる味わいとなっています。
試飲コメント:2013が『ガンベロロッソ』2018で最高賞トレビッキエリを獲得しています。『ガンベロロッソ』2013~2016でも4年連続最高賞を獲得、『ワインエンスージアスト』でも92点を獲得(2011ヴィンテージ)するなどイタリア最高峰フランチャコルタとしての揺らぐことの無い確実な地位を築いています。凛々しいミネラルの深みと西洋梨やリンゴの清らかなフルーツ香、ナッツを感じさせる香ばしさにピノネロ由来の赤い果実、スパイスを感じさせる厚みのあるインパクトが重なります。飲むと厚みのあるミネラルと酸に支えられたドライなスタイルの味わいが印象的です。柑橘の清々しさと厚みのあるボディ、複雑な旨みを擁した堂々たる存在感が感じられます。

ピノネロの持つ豊かな味わいを引き出した高品質辛口フランチャコルタロゼ!
フランチャコルタ ロゼ 2013
フランチャコルタ ロゼ 2013


2013ヴィンテージはピノネロ80%、シャルドネ20%のブレンドです。仔牛やソースに漬かった魚料理、ラザニア、タリアテッレのパスタ等と楽しみたいワインです。フランチャコルタの人間は皆泡が好きだし、シャンパーニュも大好きな人間が多いですね。バローネピッツィーニのロゼの品質、そして価格でシャンパーニュに求めてもきっと見つからないでしょね。ピノネロの除梗はゆっくりと丁寧に行います。破砕しないように1週間の低温マセレーションを行います。ピノネロの持つ味わいを引き出しながら、苦味やエグミを出さないようにしています。コールドマセレーションが終わったところでプレスを行います。
試飲コメント:鮮やかなサーモンピンクの色調です。泡は細やかで溶け込んでいます。木苺や赤スグリの小さな赤い果実の印象にミネラル、ハーブのニュアンスが綺麗に重なります。洗練されたボディに走る美しい酸味、煌めくようなミネラルの風味が重なり、非常に軽やかで優雅な舌触りがあります。ミネラル、酸の余韻の美しさがあり、フランチャコルタロゼの中でもかなり秀逸なレベルに仕上がっています。ミシュラン2つ星でシェフ兼アシスタントソムリエの経歴を持つシルヴァーノブレッシャニーニ氏らしい、食事と見事に寄り添う洗練されたフランチャコルタです。

バローネ ピッツィーニの単一畑から産まれる圧倒的ポテンシャルを備えた長期熟成
フランチャコルタリゼルヴァ
フランチャコルタ バニャドーレ リゼルヴァ 2009
フランチャコルタ バニャドーレ リゼルヴァ 2009


単一畑「バニャドーレ」から造られる、クリュフランチャコルタです。「バニャドーレ」はバローネピッツィーニを造り上げた人の名前です。バニャドーレ氏の息子が共同経営者の一人として私達とワイナリーを運営しています。シャルドネ50%、ピノネロ50%でドサージュは行っていません。2010年の3月に瓶詰を行い、2016年の11月にデゴルジュマンを行いました。80ヶ月以上の瓶熟を経てリリースされます。
試飲コメント:輝きのある豊かなイエローの色調です。完熟リンゴ、砂糖漬けのレモンゼスト、ブリウォッシュ、澄ましバター、ハーブ、ミネラルが混じり合う芳醇で緻密な香りです。飲むと、縦に伸びる煌びやかな酸とミネラルが支えるハリのある美しいボディと熟した果実の深みが綺麗に溶け合う、まさに飲み頃の極上フランチャコルタ。味わいの豊かさと深みはありますが、隙が無く緻密な構成。重々しさは無く優雅な余韻へと続きます。上質な和食、繊細な魚料理と合わせてみたい、キレとコクを併せ持つ逸品です。

ピュアで滑らかな果実感
心地よいフレッシュ感に満ちた有機栽培ヴェルディッキオ!
ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラシコ スペリオーレ 2016
ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラシコ スペリオーレ 2016


私達がカステッリ デイイエージで「ワイナリー」ピアヴァルタを始めたのは今から15年前の事です。畑は1970年代からの歴史があります。私たちは購入した当初から100%オーガニック栽培に徹していて2004年には有機認証団体「デメテール」の認証を取りました。収穫は全て手摘み、農薬や化学肥料を使わないビオディナミ農法を行っています。2016ヴィンテージのワインからは新たに「ヴィーガン」(Vegan)の有機認証を得ています。野生酵母のみを使い醗酵を行っています。私は通常フランチャコルタにいるので、マルケのカンティーナにはエステートマネージャーであるアレッサンドロフェニーノ氏がその栽培~醸造までを担当しています。
試飲コメント:清々しいミネラル、爽やかなハーブを主体にした清らかな香りに、ほんのりとジャスミンやレモン、西洋梨のニュアンスが綺麗に重なる伸びやかで清々しい香りの印象があります。飲むと、ピュアで滑らかな果実感に、フレッシュな酸味とミネラルの軽やかなタッチが重なり、心地よいフレッシュ感に満ち溢れています。派手さはありませんが、無理のない果実の厚み、旨みが感じられ、有機栽培で造られたヴェルディッキオの豊かな味わいをダイレクトに感じる事が出来ます。ピエヴァルタではシーフードを使ったリングイネのパスタ、白身魚のフリットと相性が良いとしています。

サッシカイアと並びイタリア年間最優秀7本に選出された極上ヴェルディッキオ!『ガンベロロッソ』『スローワイン』絶賛の最上キュヴェ
「サン パオロ リゼルヴァ」
サン パオロ ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラシコ リゼルヴァ 2012
サン パオロ ヴェルディッキオ デイ カステッリ ディ イエージ クラシコ リゼルヴァ 2012


サンパオロは特殊な土壌です。粘土凝灰岩土壌がワインに個性と力強さを与えています。ステンレスタンクと野生酵母で醗酵、ステンレスタンクの中で18カ月間シュールリーにて熟成させます。口の中での香りの広がり方に特徴があります。12年は収穫が早く、1ヘクタール当たり35ヘクトリットルの収量でした。(ヴェルディッキオとしては非常に収量が少ない)イタリアのワイン専門誌『チヴィリタデルベーレ』が毎年ワインガイドを造っているのですが、「サンパオロリゼルヴァ」2012年が2017年のトップ7本に選ばれています。サッシカイアやグラヴネル、ジュリオフェッラーリと並び私たちのヴェルディッキオのサンパオロが一番リーズナブルだと思いますよ。5~10年の熟成も楽しめます。2014年はボトリングしませんでした。2015年は良い年で、通常ボトルに加えて、マグナムとダブルマグナムも瓶詰しました。
試飲コメント:明度の高い輝きのあるイエローの色調。香りは穏やかで清々しいミネラルにフェンネル、ローズマリーのハーブの印象に、レモンやアプリコットの繊細な果実の香りが綺麗に重なります。飲むと、純度の高いみずみずしさに溢れる果実感、クリアーな酸とミネラルに支えられた伸びやかなボディはアルコールの雑味やブレもなく、まるで岩清水のような清らかさに包まれています。タッチは非常に繊細ですが、芯に感じる充実した果実感、ミネラルと酸の高さがあり、軽く5年以上は熟成可能なポテンシャルがあります。極上ヴェルディッキオ、ピエヴァルタの記念すべき2012ヴィンテージは残り僅かとなっています。お早めにお試し下さい。
インタビューを終えて
まず、ブレッシャニーニ氏の経歴を聞いて驚きました。ミシュラン2つ星の名店「アンティカ オステリア デル ポンテ」でシェフとして活躍されていたからです。同店は現在東京丸ビル内にも支店を持つ、イタリアでも名門中の名門リストランテです。

ブレッシャニーニ氏が有機栽培の「ブドウ」に強い拘りをみせる話を聞きながら、野菜や魚、お肉等、徹底的に「素材」にこだわりぬく一流の料理人の姿が重なり、モノづくりを極めたブレッシャニーニ氏ならでは情熱的なお話が聞けました。

2015年12月からフランチャコルタ協会の副会長として、べラヴィスタのヴィットリオモレッティ会長と共にフランチャコルタの品質、認知度の向上の為に献身的に活動を続けています。

試飲した中でもフランチャコルタロゼは目を見張る美しさ。まるで完成されたひとつの料理のように、純度の高い果実感、彫りの深いミネラル、伸びやかな酸味が見事なハーモニーを奏でていました。マルケ州で造る極上ヴェルディッキオ「サンパオロリゼルヴァ」の軽やかさと深みが交錯する緻密な味わいは思わず「ハッ」とさせられる清らかさに満ちていて、「どちらもワインはブレッシャニーニ氏が造ったものだ」と気づかされる純度の高さとエレガンス溢れる美しく繊細なタッチを感じさせてくれる白眉の出来映えでした。

ワインが大好きな星付きシェフが素材と真剣に向き合い造り上げた他を寄せ付けない純度の高さと清らかな厚み、煌めくような酸味、ミネラルの旨みが詰まった極上のフランチャコルタとヴェルディッキオ。特別なひと時に楽しみたい優雅さを感じさせてくれるワインです。

バローネ ピッツィーニ社シルヴァーノ ブレッシャニーニ氏とトスカニースタッフ
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