「サルヴァトーレ フェラガモ」が手掛ける至高のトスカーナ「イル ボッロ」

2017/09/21
突撃インタビュー
 
2017年9月12日 イル ボッロ社 サルヴァトーレ フェラガモ氏

ファッションブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」が手掛ける
超一流の「モノ造り」の哲学が惜しみなく注ぎ込まれた至高のトスカーナ「イル ボッロ」

サルヴァトーレフェラガモ氏と
イタリアを代表する老舗ファッションブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」。靴職人としてのこだわりを強く持ち、確かな技術と美しいセンスに満ちた靴はマリリン モンロー、オードリー ヘプバーン等の歴史に名を残す名優をはじめとしたセレブリティに愛され、世界的ファションブランドとして揺るぎない地位を築いています。「フェラガモ」家はワイン造りの為に1993年、トスカーナの中世の面影が残る美しい「イル ボッロ」村(総面積810ヘクタール。東京ドーム約172個分にあたる)を丸ごと購入。45ヘクタールのブドウ畑で徹底した品質至上主義と有機栽培を行い『ワインスペクテーター』95点を叩き出すトップキュヴェ「イルボッロ」をはじめ、魅力的なワインが造られています。フェラガモ家の卓越した「モノ造り」の哲学が惜しみなく注がれた「イル ボッロ」。伝説創業者サルヴァトーレ フェラガモ氏の3代目で、ワイナリー最高責任者であるサルヴァトーレフェラガモ氏にお話を聞きました。

歴史に名を残す名優たちの靴を手掛けてきた「サルヴァトーレ フェラガモ」

サルヴァトーレ親子イタリアの老舗ファッションブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」
タレントのローラさんが日本人で初めて足の木型が制作され、靴が制作された事でニュースも報道される等、日本でも非常に馴染み深いイタリアの老舗ファッションブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」。
その歴史は1898年カンパニア州アヴェッリーノに生まれた創業者サルヴァトーレ フェラガモ氏が15歳でアメリカに渡り、南カリフォルニア大学で解剖学を習得し、足を痛めない靴を製作するための手法を身に着けた事に始まります。靴の製作手法に関する数々の特許も取得し、靴職人としてのこだわりを強く持ち履き心地のよい靴を信条とし1927年、サルヴァトーレ フェラガモが自身の名を冠したブランド「サルヴァトーレ フェラガモ」を設立しました。

マリリン モンロー、オードリー ヘプバーンを顧客に持つ「スターの靴職人」
アメリカではハリウッドスターを顧客にし「スターの靴職人」と名声を得ます。顧客には、イングリッド バーグマン、マリリン モンロー、オードリー ヘプバーン、マレーネ ディートリッヒ、ジュディ ガーランドなど歴史に名を残す名優たちの靴を手掛けてきました。その「モノ造り」の哲学と美学は現在に受け継がれ、イタリアを代表する世界的ファションブランドとして揺るぎない地位を築いています。

フェラガモ家の「モノ造り」の哲学が受け継がれた「イル ボッロ」村で造られるワイン造り

ワイナリー全景

中世の美しい佇まいを残す「イル ボッロ」村を購入

父とサルヴァトーレ氏
「フェラガモ」現会長である私の父、フェルッチオ フェラガモ氏はキャンティクラシコ地区の近くにある中世の美しい佇まいを残す「イル ボッロ」村と周囲の広大な敷地をワイン造りの為に丸ごと購入。総面積は約810ヘクタール(東京ドーム約172個分にあたる)でトスカーナの生活が楽しめる5つ星リゾートとしてこの地は素晴らしい復活を遂げました。

5つ星ホテルのみが加盟する「ルレエシャトー」に認められる宿泊施設を備える
約810ヘクタールの敷地には極限られた5つ星ホテルのみが加盟する「ルレエシャトー」に認められる贅沢な宿泊施設と、スローライフを楽しむ「高級アグリツーリズモ」、長期滞在型ヴィラ8棟、結婚式のできる教会、レストラン、貴金属店から靴の専門店を備えた一大リゾートとなっており、世界中から注目を集めています。

セラーフェラガモ家のモノ造りの哲学と美学が受け継がれた「イル ボッロ」村で造られるワイン造り
その中で特筆すべきがワイン造り。ワイン造りは「イルボッロ」事業の中心に位置づけられており、現在3代目サルヴァトーレ フェラガモ氏がワイン造りに情熱を注いでいます。45ヘクタールの畑からは徹底的な品質至上主義から産まれる味わいは華やかでモダンながら、どこか温かみを感じさせるもの。超一流と謳われるフェラガモ家のモノ造りの哲学と美学はワイン造りにもそのままに受け継がれています。

 

「イル ボッロ」最高責任者サルヴァトーレ フェラガモ氏

サルヴァトーレフェラガモ氏紹介文

ここからは3代目サルヴァトーレフェラガモ氏にワイナリー「イルボッロ」についてお話を聞きました。

地図

1993年、1000年以上もの歴史を持つ小さな村「イルボッロ」を購入
私達のワイナリーがあるイルボッロ村はアレッツォとフィレンツェの間にあります。イルボッロ村は1000年以上もの歴史を持つ小さな村で私たちのワイナリーは村の小高い丘の上に位置しています。ワイン造りの為に1993年にこの村を購入し、私達フェラガモ家が運営をしています。畑は45ヘクタールで多様な個性を持つ土壌を有しています。オーガニック栽培で環境に配慮したブドウ栽培を行っています。

「良いワインは良いブドウから」という理念の下に、オーガニック栽培を進める
2015年1月にオーガニック認証を受けました。私たちは「良いワインは良いブドウから」という理念の下に、オーガニック栽培を進めて来ました。畑には牛の角に、牛の排泄物をいれて熟成させ、肥料として畑に撒いています。将来的にも持続可能な畑の運営を考えています畑だけに限らず、カンティーナの電気はソーラーシステムを導入した事で自家使用分の電気は自分たちで賄っています。

長い歴史と非常に多様な土壌特性を持つ理想的な畑

インタビュー中Q.イルボッロの村の土地を購入した1993年時は既にブドウ畑はあったのですか?
私達が購入する前からブドウ畑はありましたが、僅か1ヘクタール小さな畑で、そこから産まれるワインは決してクオリティの高いものではありませんでした。その畑は使わずに、私たちは新たな畑を開拓していきました。

非常に多様な土壌特性を持つ畑
ヴァルダルノ渓谷の北部にあるインチーザから南に広がる場所に畑を開拓していきました。このエリアは2万年前は湖だった地で、地殻変動より、現在の渓谷の地形となりました。ですので非常に多様性を持った土壌であると言えます。

標高、土壌に合わせて適切なブドウ品種を植える
標高は250~500メートルで標高下部の方は粘土質でメルローに非常に適した畑となっています。中部の方は石や砂利を多く含む土壌で、シラーやカベルネソーヴィニョンに非常に適した土壌であり、標高の一番高い畑では「ガレストロ」と呼ばれるミネラルを豊富に含む小石の多い土壌でサンジョヴェーゼに理想的な環境となっています。

この多様な特徴を持つ「イル ボッロ」テロワールを活かし、それぞれに適したブドウを適した土壌に栽培しています。全ての畑でオーガニック栽培を行っているという事が非常に重要なポイントとなっています。

サルヴァトーレ氏試飲2013年に新設されたDOCヴァル ダルノ ソープラ
2013年に新設されたDOC「Val darno di Sopra」(ヴァル ダルノ ソープラ)があります。私たちは2015ヴィンテージから新DOCヴァル ダルノ ソープラでリリースします。このDOCは非常にユニークな規定があり、まずオーガニックである事、サブゾーン名を記載する事です。他のDOCとは異なる特徴があります。

Q. ヴァル ダルノ ソープラはイルボッロだけのDOCですか?

いいえ、他にも「セッテ ポンティ」、「ペトローロ」がこのDOC内に畑を所有しています。
ペトローロのオーナー、ルカ サンジュスト氏がこの新しいDOCの組合長になっています。

「世界で最初の原産地呼称制度の例」とされる由緒正しきエリア
このDOCはイタリアワインの歴史にとっても非常に重要なDOCと言えます。今から300年以上前のメディチ トルナクインチ家の統治下にあった18世紀に遡ります。当時この地は「ヴァルダルノ ディ ソプラ」と呼ばれ、1716年に当時のトスカーナ大公であったコジモ3世によって「世界で最初の原産地呼称制度の例」と呼ばれる「キアンティ」、「ポミーノ」、「カルミニャーノ」と並んで、生産地の線引が行われた4つの由緒正しいワイン生産地ことでも知られています。

コジモ3世によって線引きされたこれらのワインはフィレンツェを始めとした都市部で銘醸酒として非常に高く評価され、これらの銘柄は高値で取引きされた輝かしい歴史をもったエリアです。

ワインとファッションの共通性は「創造性、伝統と品質を表現するための最良の方法」

フェラガモ氏

Q.イタリアのみならず、ボルドーやカリフォルニアでワインの勉強をされたそうですね。
ボルドーやカリフォルニア等、世界のワイン産地でワイン醸造、知識を得ました。元々はソムリエとしてワインに携わっていました。「イル ボッロ」の最高責任者となる事でビジネスも学ぶ必要があり、ニューヨーク大学で経営学のMBAを取得しました。私が大切にしているのは、「イル ボッロ」である事は変わりません。ワイン造りに環境の素晴らしさもありますが、風光明媚なロケーションも素晴らしいです。イルボッロからは車があればシエナも近いし、コルトーナにも近い。州を超えたウンブリアのペルージャ、アッシジにもアクセスが可能な場所に位置しています。

ステファノキオッチョリ氏Q.ワイン造りを始めるときに指導者はいたのですか?
ワインコンサルタントメーカーがいました。創業当初の1994年からはルーチェなどの醸造責任者も務めるニコロ ダフィット氏監修のもとワイン造りを初め、トスカーナの新しいワイナリーとして世界に認められるようになりました。2011年からはブルネッロの「ファンティ」、「トゥアリータ」のコンサルタント、ステファノ キオッチョリ氏をエノロゴに招聘しました。

Q.靴で有名な「フェラガモ」ですが、「モノ造り」と言う点で「ワイン造り」と共通する点はありますか?
どちらもラグジュアリーな産業である事です。拘ったモノ造りである事だと言えます。どちらも強い信念をもって行う非常に手間がかかる仕事である事です。ハンドピッキングをしてより良い原材料であるブドウを得る事、収穫したブドウを丁寧に造りワインに仕立てる事。温度管理を行い、厳選した樽で熟成させる事が言えます。

これらワイン造りの工程は私達のブランドのモノ造りとの共通点と言えます。私の一族は70名にも及ぶ一大ファミリーで、皆それぞれに異なるビジネスを担当しています。数多くの親戚の中から、創業者である祖父の名前サルヴァトーレを引き継げたのは、今思えばとても幸運なことです。2分遅れで産まれた私の双子の弟、ジェームズは「フェラガモ」のファッションブランドを担当しています。

ワインとファッションの共通性は「創造性、伝統と品質を表現するための最良の方法」
サルヴァトーレ氏は2017年3月の『ワインエンスージアスト』誌のインタビューで、「ここでワインを作りたかっただけでなく、昔から続く伝統的かつ自然な方法でブドウや農産物を栽培する事に本当の喜びを覚えます」と述べ、ワインとファッションの共通性について「創造性、伝統と品質を表現するための最良の方法」と話しています。

緻密でスレンダーなシェイプと洗練された余韻
ラメッレ 2016
ラメッレ 2016


ラ メッレのシャルドネが栽培されている畑は標高500メートルで私達の所有するブドウ畑の中では最も標高が高いエリアになります。高い標高と石灰質土壌由来のチョーキーなミネラル、レモンや柑橘を思わせる清々しい味わいがあります。ラ メッレはブルゴーニュのシャブリにインスピレーションを受けて造ったワインです。50%はステンレスタンク熟成、残りはバリック熟成を行います。樽は2~3年使用した旧樽を使うのでバリックのニュアンスは軽く、シャルドネのフレッシュさ、ミネラル感が溢れる上品なスタイルになっています。
試飲コメント:グレープフルーツ、レモンの爽やかさに西洋梨やリンゴを思わせる純度の高い瑞々しい果実の香りが綺麗に重なります。トロピカルフルーツのような芳醇なフルーツ香、甘美なバニラのニュアンスが感じられますが、ブレることの無い豊かなミネラルが存在してるので、時間が経過しても、重々しさや粗さを感じさせない香りの優雅さが印象的です。充実した果実感、仄かなスパイスと甘やかなバニラの風味が溶け合う確りとした骨格がありますが、伸びやかな酸味と彫りの深いミネラルが美しいスレンダーなシェイプに磨き上げています。ベタ付かない洗練された余韻と風味が非常に魅力的です。フレッシュさと奥行きのある旨みが混じり合う完成度の高い白ワインです。サルヴァトーレ フェラガモ氏に「ラメッレは和食とも相性が良さそうですね」と話したら、「そうですね。特に刺身や天ぷら、お寿司と楽しめる白です」と話してくれました。

サルヴァトーレ フェラガモ氏お気に入りの一本!
ゴージャスな味わいと
傑出した飲み心地!
ピアン ディ ノーヴァ 2013
ピアン ディ ノーヴァ 2013


どのワインも子供のように大切な存在ですが、特にピアン ディ ノヴァは好きなワインですね。それはほぼ毎日飲んでいる銘柄ですから。アペニン山脈の麓に位置するこのエリアはシラーに非常に適した場所で、ルイジ ダレッサンドロ等トスカーナを代表するシラーの名手がワイン造りを行うエリアです。フランスのシラーと比べ、フレッシュなサクランボや白コショウのスパイシーさがトスカーナシラーの特徴となります。
試飲コメント:プラムやブラックベリーを思わせる黒い果実の豊かな芳香にスミレの花、ハーブ、白コショウの風味が溶け合う濃密かつ洗練された香りの印象があります。柔らかなタンニンが溶け込んだ充実したシラーの果実感、サンジョヴェーゼの伸びやかな酸味が調和するフルーティーで目の詰まった豊かな味わいががあります。中盤から甘やかなバニラの風味、白コショウを思わせるスパイシーさ、清らかな酸味が感じられ、味わい深くも非常に洗練された余韻と風味を放っています。華やかな香り、濃密なブドウの素晴らしいポテンシャルと磨き上げれられたボディのしなやかさが共存する見事なバランスを持つモダンスタイルの素晴らしい飲み心地を持つワインです。

凝縮した果実のアロマと
エレガンスに満ちた優美なサンジョヴェーゼ!
ポリッセナ 2013
ポリッセナ 2013


ポリッセナは単一畑で育つサンジョヴェーゼ100%で造られるワインです。サンジョヴェーゼ種にとって最適とされる小石が多く水はけの良い片岩土壌となっています。トスカーナにおいてサンジョヴェーゼは非常に重要な品種で、イルボッロの地では甘草やクローブ、なめし革と言った面白い特徴を出しています。この地はシエナ、コルトーナにも近く、ウンブリア州のペルージャやアッシジにも近い。美しい風景が広がる素晴らしいロケーションでもあります。
試飲コメント:レッドチェリー、プラム、森の草木、甘草、ハーブ、クローブ、なめし革を思わせる、単一品種でありながら複雑なニュアンスが溶け合う非常に魅力的な印象です。しっとりとした滑らかで深いボディに凛とした美しい酸と繊細なタンニンが寄り添い、凝縮した果実のアロマとエレガンスに満ちた口当たりがあり、サンジョヴェーゼの醍醐味とも言うべき優美が際立っています。キレがあり辛口でありながら、グリップの効いた腰の強さも持ち合わせています。酸味が目立ちがちになるサンジョヴェーゼを滑らかで深く、しっとりとエレガントに仕上げていて、完成されたひとつの料理のような隙の無い見事な調和が感じられます。ボディを支える美しい酸があるので、抜栓翌日もその滑らかな舌触りが楽しめます。

「フェラガモ家」所有のイルボッロ村でモノ造りの美学と哲学が惜しみなく注ぎ込まれた至高のスーパートスカン!まさに最高の1本!
イル ボッロ 2013
イル ボッロ 2013


イルボッロはワイナリーで一番最初にリリースしたキュヴェです。初ヴィンテージは1999年です。この地の土壌を研究した結果メルロー、カベルネソーヴィニョン、シラー、プティヴェルドに向いていることが分りました。樽の火入れ強さの異なる4タイプのバリック樽を使う事で複雑な風味を引き出しています。ストラクチャーの確りとした重厚なワインですが、タンニンはエレガントな仕上がりです。トーストしたニュアンス、タバコ、カフェ、ビターチョコレート、スパイシーなシラーのニュアンスと次から次に現れる複雑な味わいがグラスから感じられます。円やかでありながらエレガントでノーブル。最高のブドウを厳選する事で非常に深みのある味わいになっています。
試飲コメント:熟したプラム、レッドチェリー、プラム、森の草木、甘草、ハーブ、クローブ、スパイス、なめし革の濃密で凝縮したブーケが広がります。リッチで丸みの深いボディと柔和なタンニンが溶けあう堂々たる存在感があります。圧倒的な強さがありながら、アルコールの嫌味やブレはなく細部まで目の詰まった隙の無い美しい舌触りが存在します。中盤から広がるスパイスと甘やかな風味があり、優美さと品性の良さを感じさせる素晴らしい出来映えとなっています。「イル ボッロ」は「サルバトーレ フェラガモ」家の卓越したモノづくり精神と美学のエッセンスが惜しみなく注ぎ込まれた至高のスーパートスカンです。

ブルネッロの名門「ファンティ」との共同プロジェクトワイン!目の詰まった美しい舌触り「飲み頃」2008ヴィンテージ
アルパ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2008
アルパ ブルネッロ ディ モンタルチーノ 2008


私達の所有するエリアではないモンタルチーノのワインです。ブルネッロの生産者ファンティとの共同プロジェクトで産まれたワインです。モンタルチーノ南東部カステルヌォヴォデッラバーテで化学肥料を使わないブドウ栽培を実践する生産者です。イルボッロではなく、アルパというシリーズでリリースする新たなプロジェクトの一つです。ワインは私たちがセレクションを行っています。2008年は飲み頃の希少なヴィンテージです。
試飲コメント:エッジにガーネットが混じる艶やかな色調に熟したプラム、レッドチェリー、スミレ、タバコ、甘草、ハーブ、クローブ、スパイス、なめし革の複雑なブーケが広がります。熟れたタンニンの柔らかさとしなやかで優雅なボディが溶けあう、まさに飲み頃のブルネッロ。超一流「イル ボッロ」がセレクトしただけあって圧倒的な強さがありながら、アルコールの嫌味やブレはなく細部まで目の詰まった隙の無い美しい舌触りが存在します。中盤から広がる上品なスパイスと甘美な風味があり、優美さと品性の良さを感じさせる素晴らしい出来映えとなっています。
インタビューを終えて
今回のインタビューでフェラガモの「モノ造り」哲学が詰まった素敵なお話を聞くことが出来ました。ワインと靴、その「モノ造り」の共通点は「強い信念をもって行う非常に手間がかかる事」という言葉がとても印象に残りました。

歴史に名を残すハリウッドスターたちを虜にした超一流ブランド「フェラガモ」創業者の「モノ造り」の哲学、美学はワイン、リゾートと形を変えども、受け手の心にしっかりと刻まれる最高水準の喜びが詰まっていると再認識しました。あえてフェラガモブランドを大きく出さずに歴史あるイルボッロの名前を大切にする土地へのリスペクトも素晴らしい事だと感じました。

オーガニックによるワイン造りもそうですが、気になるのは5つ星の世界最高水準の宿泊施設とリゾートがある事。結婚式やパーティーも出来るそうで、ワイン好きなら「一度は訪れたみたい」夢のような場所です。後で聞いたら、なんと日本人も多々宿泊されるそうで、新婚旅行でいらっしゃったご夫婦もいるそうです。

白「ラメッレ」の試飲では、想像以上の群を抜く素晴らしい完成度。美しいスタイルと豊かな味わいで思わず頬も上がる洗練された味わい。その表情に気づいたサルヴァトーレさんからも「オイシイ?オイシッシモ」(美味しいですか?とっても美味しいですよ)と日本語とイタリア語を交えたユニークな言葉も飛び交い、とても和やかな雰囲気となりました。

トップキュヴェ「イルボッロ」は、深く円やかな味わいがありながら洗練されたスタイルが印象的でした。惜しみなく注がれる超一流の「モノ造り」の哲学と美学。「特別な時に履きたい」素敵なフェラガモの靴であるように、特別なひと時に是非開けてみたい美しい魅力に溢れる素晴らしいワインです。

サルヴァトーレフェラガモ氏とトスカニースタッフ
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