ボルゲリ北部で造るエレガンス溢れるスーパートスカン!「イ ジュスティ エ ザンツァ」

2018/09/20
突撃インタビュー
 
2018年5月30日 イ ジュスティ エ ザンツァ社 パオロ エドアルド ジュスティ氏

ボルゲリ北部で造るエレガンス溢れるスーパートスカン!
「イ ジュスティ エ ザンツァ」

イ ジュスティ エ ザンツァ社 パオロ  エドアルド ジュスティ氏と
2018年5月27日~6月3日までワイナリー視察研修にイタリアに行ってきました!ピエモンテ、トスカーナの7つ生産者を訪ねて、カンティーナや畑を見学、生産者から直にお話を伺い、ワイン造りへのこだわり、思い等を聞きました!訪ねたのは銘醸ボルドー、メドック地区と類似する気候を有するボルゲリ北部「ファウリア」でキャンティやブルネッロとは違う新しいトスカーナワインの可能性を追求している「イ ジュスティ エ ザンツァ社」。昨年2月に日本でお逢いしたパオロ氏と再会する事が出来ました!

1995年にワイナリーをスタートさせ、100点満点エノロゴであるステファノ キオッチョリ氏を招聘し全て手摘み収穫、ビオロジック農法を行う徹底した拘りとポリシーで瞬く間に数多くの一流レストランにオンリストされ、様々なワインジャーナリストから高い評価を得ています。ワイン名にはドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」の登場人物に由来する「ネモリーノ」「ベルコーレ」「デュルカマーラ」と名付けられ、イタリア工業デザインの巨匠によるラベルデザインで「芸術とワインの融合」が感じられる魅力的なラインナップで毎年素晴らしいワインを造りだしています。オーナーであるパオロ エドアルド ジュスティ氏、パオロの息子、ジャコモ氏にお話を聞きました。

ボルゲリから北に40キロにあるリグーリアとの州境に位置する「ファウリア」

畑大
ボルゲリから北に40キロにあるリグーリアとの州境に位置する「ファウリア」
私たちのワイナリーはボルゲリから北に40キロにあるリグーリアとの州境に近いエリア「ファウリア」にあります。海沿いの街リヴォルノから10キロ程離れています。畑は標高100メートルでなだらかな丘陵地帯にあり、ボルゲリよりも冷涼で海からの影響を受ける気候となっています。

砂質由来のエレガントで香り高いワインを産み出す土壌
森に囲まれた35ヘクタールの敷地に17ヘクタールのブドウ畑を所有しています。土壌はアルノ川の堆積土壌で、70%が砂質、少し礫が混じります。ボルゲリは濃密でしっかりとしたボディを産み出す粘土質のアルカリ土壌ですが、ファウリアの土壌PHはボルゲリに比べて低めで、砂質由来のエレガントで香り高いワインを産み出す土壌となります。

この地ファウリアで1995年にワイン造りを始めました。トスカーナは大きく分けて、キャンティクラシコやブルネッロ、ヴィーノ ノービレ等がひしめく中央トスカーナエリア、ボルゲリ、スヴェレート、マレンマ、ファウリア等の海側に面する海岸部「コスタトスカーナ」エリアに分けられると思います。

パオロ縦画像サンジョヴェーゼやカベルネ ソーヴィニョン、シラーに適した土壌
生産量は年産約8万本で赤ワインは90%、白ワインが10%です。この地の特徴と呼べる砂利が混じる砂質が中心の土壌で水はけの良さがあります。この点はボルドーのメドックと類似する特徴と言えます。ボルゲリは粘土質が強くメルローやカベルネフランに適していますが、「ファウリア」は砂質中心でサンジョヴェーゼやカベルネ ソーヴィニョン、シラーに適した土壌と言えます。

アペニン山脈から吹く冷たい風、海から吹く海風がぶつかり合う場所

畑説明
アペニン山脈から吹く冷たい風、海から吹く海風がぶつかり合う場所
乾燥した気候、アペニン山脈から吹く冷たい風、海から吹く海風がぶつかり合う場所にあり、暑い年でも気温が上がり過ぎずブドウは耐える事が出来、夏場においても極端に温度の上昇が見られません。栽培についてですが、カベルネソーヴィニョン、シラー、メルローに関しては1ヘクタールあたり約1万本の高密植栽培でブドウの凝縮度を高めています。サンジョヴェーゼに関しては風を通すスペースが必要なので1ヘクタール当たり6000本にとどめています。栽培して一番古いブドウでは5~6メートルの深さまで根が伸びています。地中の下部にある様々な養分を吸い上げる事が出来るので暑い年で雨が少なくてもブドウが順調に成長します。灌漑の必要もありません。

カンティーナ品種、区画毎に醗酵、熟成
収穫は全て手摘みで第一の選果を行います。カセット(小箱)に入れて畑毎に収穫したものをカンティーナで女性2人が2回目の選果を行います。除梗しプレスされたブドウは14~16度に冷やし出来るだけ低い温度で長時間醗酵を行います。マセラシオンの旗艦はヴィンテージによって異なりますが、短くても14日、長くて24~30日となります。品種、区画毎にバリック樽でマロラクティック醗酵後、11月末~12月初旬にかけて樽を入れ替えて熟成させます。ネモリーノとベルコーレに関しては他のワインよりも早くブレンドを始めます。デュルカマーラ、ペルブルーノは更に長期熟成を行い最後のブレンドが終わったらセメントタンクで少し休ませてからボトリング、4~6ヶ月間の瓶内熟成を経てリリースします。

 

エレガントでバランスの良い「フィネス」を持つワイン

ザンツァ3人有機農法に転換し独自の工夫を凝らしたワイン造り
最高のワインを造るためにワインアドヴォケイト100点を獲得したトゥアリータでもおなじみの栽培醸造両分野のエキスパートであるステファノ キオッチョリ氏を招聘します。キオッチョリ氏の指揮のもと「密植度の高い畑からは高品質なワインが造られる」との信念から、1ヘクタールあたり1万本以上の高密植栽培を行っています。完熟したブドウを全て手摘みで作業します。

2008年からは栽培方法を有機農法に転換し、現在は約10年に渡りワイナリーで助けるモニカマッソーニ女史と、2009年から参画し、キオッチョリ氏から引き継がれたエノロゴ、パオロ カレッラ女史、パオロ氏が中心となり3人でワイン造りを行っています。醗酵は自然の状態を保つ為に、あえて温度管理をしないセメントタンクを使用し、18~21日間行います。また醗酵の途中でブドウの種子を取り出す工程を行いワインのエグミを抑える独自の工夫を行っています。

エレガントでバランスの良い「フィネス」を持つワイン
ボルゲリに比べると凝縮感には欠けますが良質の酸が得られ、出来上がるワインには力強くもエレガントでバランスの良い「フィネス」が感じられるのが私たちのワインの特徴です。『ガンベロ ロッソ』をはじめとする伊国内の各ワインガイドで年々評価を上げ続け、また、エノテカ ピンキオーリなどの超一流レストランのワインリストに名を連ねるほどになりました。近年では「ファウリア」の近隣をスピネッタ、フレスコバルディ、フェラーリなどの有名な生産者たちが次々と土地を購入しはじめています。

歌劇「愛の妙薬」に登場する中心人物の名前に由来するワイン名

息子ジャコモと自然の状態を保つ為温度管理をしないセメントタンクで醗酵
ここからはパオロ氏の息子でロンドンで商業マーケティングを勉強しているジャコモ氏(21歳)と一緒にカンティーナ内を見学しました。イ ジュスティ エ ザンツァでは醗酵は自然の状態を保つ為、敢えて温度管理をしないセメントタンクを使用し、18~21日間実施します。また醗酵途中にブドウの種子を取り出してワインのエグミを抑えています。熟成にはフランス産のオーク樽を行っています。

こちらの樽は2017年収穫のシラーで、まだブレンドする前です。この樽を試飲してみましょう。2017年はとても暑い年でタンニン質の仕上がりにとても気を遣いました。既にバランスが取れていますね。ベルベットのような滑らかさがあり、2017年の仕上がりにはとても満足しています。

パオロ氏歌劇「愛の妙薬」に登場する中心人物の名前に由来するワイン名
ワイン名のNemorino(ネモリーノ)、Belcore(ベルコーレ)、Dulcamara(デュルカマーラ)はガエターノ ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」に登場する中心人物の名前に由来しています。ネモリーノは登場する主人公の青年の名前で、Belcore(ベルコーレ)は主人公の青年の恋敵である軍曹の名前、デュルカマーラは劇中で「愛の妙薬」を売る薬売りの名前です。ラベルデザインは戦後イタリア工業デザインに対する世界的評価を高めた巨匠で、オリヴェッティ社のデザイナーとしても活躍した故エットーレ ソットサス氏(1917-2007)によるラベルデザインとなっています。

サンジョヴェーゼの傑作「ベルコーレ」、完成された「フィネス」を感じるシラー「ペルブルーノ」

試飲カンティーナ見学後はテイスティングルームで日本では未入荷を含む現地最新ヴィンテージの試飲となりました。

試飲1.ネモリーノロッソ2016
「ネモリーノ」の名前はイタリアを代表するドニゼッティの歌劇の一つ、「愛の妙薬」に登場する地主娘に恋をした主人公である青年の名前から付けられています。

また、印象的なラベルデザインはカラバッジョが描いた「バッカス」をモチーフに、アーティストのマッティア ディ ローザがデザインしています。穏やかな果実感と上品なスパイス香。ビオロジック認証を取得しています。柔らかく丸みがあり果実味が豊か。滑らかなタンニンがあり、この価格帯で素晴らしい出来映えのバリュートスカーナ。

試飲2.ベルコーレ2015
「ベルコーレ」の名前はイタリアを代表するドニゼッティの歌劇の一つ、「愛の妙薬」に登場する村の守備隊の軍曹の名前から付けられています。

サンジョヴェーゼ主体。メルローのブレンド。スミレの花、レッドチェリー、ブラックチェリー、スパイスの香り。滑らかな口当たりでジューシーな果実感と厚みのあるボディのバランスのとれた味わい。フレッシュな酸味があり、イキイキとした味わい。ベルコーレはオフヴィンテージと呼ばれる年でも素晴らしくバランスが取れていて、長期熟成も可能。ワイン通好みなサンジョヴェーゼの傑作。

試飲3.ヴィーニャ ヴェッキア 2015 (300本のみボトリング)
0.5ヘクタール分の特に樹齢の高いサンジョヴェーゼのみを使い伝統的な熟成スタイルで限られた年にのみマグナムボトルのみリリース(長期熟成を目的としてる為)。10年以上前に飲まれていたような伝統的なサンジョヴェーゼのスタイルを実現したいと思いこのキュヴェを造りました。

明るいルビー色。赤い果実、スミレ、ローズマリーの香り。柔らかい酸としなやかな果実感。現時点ではやや厳格で、もの静かな印象だが美しい調和が感じられる。他のワインには無いエレガンスがしっかりと存在し、複雑な要素が美しい層を成す味わい。長期熟成も可能な酸とタンニンが感じられる優雅で深い味わいのサンジョヴェーゼ。

試飲4.ペルブルーノ2015
シラー100%のペルブルーノは父ブルーノに捧げるものとして「PER BRUNO(ブルーノのために)」と名付けられました。設立当時ザンツァ氏と父ブルーノ、私の3人で苦労を重ねながらワインを造ってきました。その後、まだまだ品質も売上も安定しないうちにザンツァ氏がワイナリーから去り、その数年後、父ブルーノ氏が病に倒れて亡くなります。ちょうどその頃2003年に初めてリリースされたのがこのシラー。ワインには「この羽根は落ちないよ!」という父へのメッセージが添えられています。

石灰、ミネラルの清々しさが混じる豊かな果実香。しなやかな酸味とのスパイスの効いた厚みのあるボディとの調和も見事。

試飲5.ペルブルーノ2016(リリース前のサンプルボトル)
既に完成された「フィネス」を感じるシラー。目の詰まった隙のない果実感、酸とミネラルが美しく締めるメリハリの効いた圧倒的な美しいボディバランス。

試飲6.デュルカマーラ2013
ワイナリーで初めてリリースしたワインが「デュルカマーラ」です。1996が初ヴィンテージで良年のみボトリングするワインです。2002、2010、2014年はボトリングしませんでした。熟した丸みのあるタンニンと豊かな風味があり、お肉料理、熟成したチーズにクルミやハチミツ等を添えてと楽しんで欲しいワインです。

カベルネソーヴィニョン、メルローのブレンド。熟したプラム、レザー、スパイスの重心の低い香り。熟れた果実、骨格の確りとした奥行きを感じる味わい。芯が強い味わいだが、円やかで調和が取れている。

ディナートスカーナ伝統料理とイ ジュスティ エ ザンツァのワイン
試飲後は、パオロさんや地元の方も良く通う、美しい夕日が楽しめるテラス席のある大人気オステリア「ラ ガッタイオーラ」さんで、パオロさん、ジャコモさんとトスカーナ伝統料理とイ ジュスティ エ ザンツァのワインでディナーを楽しみました!ブルスケッタや,
レバーペースト、イノシシのラグーパスタは素材の味付けが活きたシンプルな味わいで癖になりそうな美味しさでした!

特にメインディッシュの仔豚のローストとデュルカマーラ2015のマリアージュが絶妙で思わず拍手したくなる程の印象深さと抜群の相性の良さがありました。

話も盛り上がり、お互いにあれやこれや質問が飛び交うなんとも楽しいディナーとなりました。元々建築家だったパオロさんに「建築とワイン造りの共通点はありますか?」と聞いたら、「どちらも理論よりも技術が必要で、いかに注意深く出来るかがとても重要になってきます。そしてどちらも文化と伝統を造る、事ですね」と話してくれました!

トレッビアーノとセミヨンで造る上質トスカーナ白!キレイな酸と完熟果実とリッチな味わい
ネモリーノ トスカーナ ビアンコ 2015
ネモリーノ トスカーナ ビアンコ 2015


ネモリーノビアンコはトレッビアーノとセミヨンを半分ずつブレンドして出来るワインです。イタリアでは珍しいセミヨン種ですが、この地では昔から栽培されていました。セミヨンは暑い年でも一定の酸を保てるブドウで、フレッシュな酸を持つトレッビアーノと相性も良いです。ネモリーノ ビアンコはブドウの豊かな風味を伴うフレッシュさが特徴的な味わいでシンプルな白身肉料理等に相性が良いです。
試飲コメント:心地よい飲み口は「さすが、イ ジュスティ エ ザンツァ」と思わせます。ステンレスタンクと、一部に木樽を使って6ヶ月間熟成。豊かな果実感に美しい酸味が味に締まりを持たせます。最後まで飲み心地のよい1本です。

長期熟成も可能なバリュートスカーナ!厳選したシラーとメルローの豊かな果実感「ネモリーノ ロッソ」
ネモリーノ コスタ トスカーノ ロッソ 2014
ネモリーノ コスタ トスカーノ ロッソ 2014


イ ジュスティ エ ザンツァのスタンダードの赤ワインです。この土地ならではのシラーを主体にサンジョヴェーゼとメルローのブレンドで造っています。高密植での栽培と低収量、という徹底した管理を行い、完璧なタイミングで収穫することでフレッシュな酸を残し、成熟した果実味とエレガントなタンニンを表現した飲み心地抜群の赤ワインです。
試飲コメント:シラーをメインにメルローをプラスして造られた、イ・ジュスティ・エ・ザンツァの赤ワイン。ヴィオラやサクランボを思わせる、さわやかな香り、バランスのとれたボディでとても飲みやすい1本です。

トスカーナの海岸エリアで造るサンジョヴェーゼの傑作
キャンティ、ブルネッロとはまた違う濃密かつエレガントな魅力
ベルコーレ コスタ トスカーナ 2015
ベルコーレ コスタ トスカーナ 2015


トスカーナのサンジョヴェーゼはキャンティクラシコやブルネッロが有名ですが、ベルコーレはそのどちらとも違う個性を感じます。海岸地区の豊かな果実感とボルゲリ中心地区程暑くなりすぎない北側エリアに位置するので骨格も確りとしたボディと酸を得ることが出来ます。常に最高を求めるワイナリーがブドウの厳しいセレクションを行い造り上げた濃密でエレガントな味わいをぜひお楽しみください。
試飲コメント:果実やバラなどの凝縮された香り、ボディがあってたくましさを感じるけども、とても飲みやすくてバランスの取れた味わいです。8ヶ月間オーク樽で熟成後、ボトルで6ヶ月寝かせて造られます。印象的なラベルはイタリアの偉大な建築家、空間デザイナーであるエットーレ・ソットサス氏によってデザインされたものです。

年産300本!
パオロ氏が優良年のみ極僅かにボトリングする伝統的スタイルにこだわったサンジョヴェーゼ100%のスーパトスカン
ヴィーニャ ヴェッキア トスカーナ ロッソ 2012
ヴィーニャ ヴェッキア トスカーナ ロッソ 2012


10年以上前に飲まれていたような伝統的なサンジョヴェーゼのスタイルを実現したいと思いこのキュヴェを造りました。マグナムボトルにしたのは良い熟成を経てほしい思いを込めています。大きさの異なる木樽で12~18ヶ月間熟成、瓶熟12カ月後にリリースします。樹齢の古い畑は5ヘクタールあるのですが、そこから厳選してブドウをセレクションするので実質は0.5ヘクタール程の収量で年産は多くても僅か300本程です。
試飲コメント:明るいルビー色。赤い果実、スミレ、ローズマリーの香り。柔らかい酸としなやかな果実感。現時点ではやや厳格で、もの静かな印象だが美しい調和が感じられる。他のワインには無いエレガンスがしっかりと存在し、複雑な要素が美しい層を成す味わい。長期熟成も可能な酸とタンニンが感じられる優雅で深い味わいのサンジョヴェーゼ。

トスカーナ海岸地区の砂質土壌と12000本/hの高密植が造る各誌絶賛のシラー
ペルブルーノ トスカーナ ロッソ 2015
ペルブルーノ トスカーナ ロッソ 2015


一般的に粘土質土壌で造るシラーはやや野蛮で粗野な印象になりがちですが、砂質主体の土壌で造るシラーからはエレガントなスミレの香り、濃密でなめらかなタンニン、そして上質なスパイシーさが感じられます。シラーは完熟すると酸が落ちてしまうので、収穫のタイミングを見極めるのがとても大切」とオーナーのパオロ氏は強調しています。
試飲コメント:濃密なアタック、しっかりとした熱を感じる味わいのあとにエレガントな表情を見せてきます。可憐なスミレの花のような印象もありながら力強さとやわらかさを感じさせます。じんわりと広がる旨みと凝縮感に包まれる上品な美味しさを堪能できます。

力強く濃密でリッチなアロマ
スーパートスカン「デュルカマーラ」
デュルカマーラ トスカーナ ロッソ 2013
デュルカマーラ トスカーナ ロッソ 2013


サクランボやジャムやスパイスなどのリッチなアロマが口の中を広がって、なめらかな果汁感と混ざり合う複雑味にあふれる味わい。さまざまな味わいの要素が絡み合った力強さも感じます。柔らかく、まろやかでベルベットのような舌触りのタンニンを造るにはひとつひとつのブドウの熟し具合をすべて同じレベルにすることが感じだとオーナーのパオロ氏は言います
試飲コメント:木樽で18ヶ月間熟成して造られます。熟した果実の豊かな香り。濃密なタンニンと複雑な要素が絡み合う味わいはとても力強く、エレガントで高いポテンシャルを感じます。
インタビューを終えて
山と海から風が吹き抜け、森に囲まれ暑くなり過ぎない理想的な環境を実際に訪ねてみて、ボルゲリのスーパートスカンとは違うエレガントさ、滑らかさが際立つ味わいとなるイ ジュスティ エ ザンツァ社の素晴らしいテロワールを改めて知る機会となりました!

カンティーナ試飲ではリリース前のサンプルボトル、シラー100%のペルブルーノ2016年が秀逸。いきなり香りからフィネスが立ち上ぼり、のびやかな酸に支えられた圧倒的な美しいボディバランスが実に見事!濃密さや凝縮感のある2015ヴィンテージのようなスケールのあるワインばかりについ目が行きがちですが、素晴らしい造り手こそ、どのヴィンテージにもその情熱とプライドが詰まっていて、特にオフヴィンテージにこそ、造り手の個性や力量が感じられるもの。2016年は強さとエレガンスが見事に共存していて既に予想の斜め上をゆく完成度の高さ。今からリリースが楽しな一本。

ディナーではパオロ氏も良く通う大人気オステリア「ラ ガッタイオーラ」さんで伝統的トスカーナ料理を堪能しました。平日にもかかわらずディナータイムはすぐに満席。また行ってみたいと思わせる、賑やかで美味しい料理が魅力的なオステリアでした。建築とワイン造りの共通点について、「どちらも理論よりも技術が必要で、いかに注意深く出来るかがとても重要になってきます。そしてどちらも文化と伝統を造る、事ですね」と話してくれたパオロ氏の真っすぐな眼差しが印象的でした。ドニゼッティの歌劇「愛の妙薬」に登場する中心人物(ネモリーノ、ベルコーレ、デュルカマーラ)に由来する彼らのワイン。今回カンティーナを訪ね、その抜群の安定感とパオロさんのワイン造りへの情熱を改めて感じる事が出来ました。

イ ジュスティ エ ザンツァ社 パオロ  エドアルド ジュスティ氏
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