「ウンブリアのサッシカイア!」と国際的評価を得るワイナリー「スポルトレッティ」

2018/03/27
突撃インタビュー
2018年1月18日 スポルトレッティ社 レモ スポルトレッティ氏

「ウンブリアのサッシカイア!」と国際的評価を得る家族経営ワイナリー「スポルトレッティ」

スポルトレッティ社 レモ スポルトレッティ氏
2018年1月16日~1月21日までワイナリー視察研修にイタリアに行ってきました。カンパーニャ、ウンブリア、トスカーナ、アブルッツォの4州の生産者を訪ねて、カンティーナや畑を見学、生産者から直にお話を伺い、ワイン造りへのこだわり、思い等を聞きました!2日目に訪問したのはイタリアの中心部に位置するウンブリア州。土地の7割が丘で、至るところにローマ時代の痕跡(街、城、教会等)が見受けられる歴史情緒ある風景が広がる州で18~19世紀にローマに続く巡礼の中継地点となった「アッシジ」があり、旅の中継地点として発展したエリアです。訪ねたワイナリーは「スポルトレッティ」。天才エノロゴ、リッカルドコタレッラ氏がコンサルタントを務め、日本でも大人気の赤「ヴィッラ フィデリア ロッソ」は著名なワイン評論家ジェームズ サックリング氏に「ウンブリアのサッシカイア」と言わしめた程。ウンブリアを代表する国際的評価の高い一本。スポルトレッティ社のレモ スポルトレッティ氏にお話を聞きました。

1970年代後半アッシジでワイナリーをスタート

アッシジの麓1970年代の終わりにワイナリーとしての歴史がスタート
元々この地アッシジでずっと農業をしていました。1960年代の初めに環境に配慮した方法のもとにブドウを植樹しました。1970年代の終わりにワイン造りとオリーブオイル造りに専念する事を決意してワイナリーとしての歴史がスタートしました。その時からウンブリアの伝統的ブドウ栽培と革新の理想的なバランスを求める旅が始まり、自分たちの土地(アッシジとスペッロ)の農業への可能性を追い求めてきました。

カンティーナ正面ワイン造りで心がけている「情熱」、「テロワール」、「ブドウ」
ワイナリーでは自然に配慮してソーラーパネルを設置し、使用する電気を自家発電で賄っています。所有する畑は26ヘクタールでDOCアッシジのエリア内の丘陵地にあります。良いワインを造る為に心がけている事は先ず「情熱」。これがないといけません。次に「テロワール」土壌です。そして「テロワールに合ったブドウを選ぶこと」です。

栽培ではブドウの密植度を高め、収量を落とす事は勿論、土着品種の個性をより表現できるクローンを選ぶ等、研究も怠りません。

天才エノロゴ「リッカルド コタレッラ」がコンサルタントを務める

リッカルドコタレッラ氏リッカルド コタレッラがコンサルタントを務める
20年前からリッカルドコタレッラ氏に醸造コンサルタントとしてずっとお願いしています。

コタレッラ氏が常々言うのは「良いブドウがないと良いワインは造れない。一番大切な事はブドウである」という事です。私達は畑での仕事を大切し、生産量も増やしすぎないように心掛けています。つまり、良いブドウと良い技術が良いワインを産むのです。

地図醸造で心がけているのはソフトプレスでブドウ果汁を優しく絞る事です。ブドウになるべくダメージを与えないように絞る事です。フランス製のプレス機を使っています。イタリア製での良いプレス機があるのですが、更に品質の良い機会を使っています。

ワイナリーでバトナージュについてお話します。熟成させているワインの樽の中を攪拌する作業ですが、カンティーナには50のバリックがあります。主に息子のマルコとマッテオが担当しています。ブドウの収穫、醸造、熟成とワイン一つのボトルの背後に、これだけの仕事があります。

Q.2017年の収穫はどうでしたか?

2003年と似た暑かったヴィンテージでした。2011年とも似ています。私達は過去の収穫の経験があるので2017年のような暑かった年にも準備も出来ました。2017年は努力を必要とする大変なヴィンテージとなりました。収穫には苦の無い年もあれば、難しい年もあります。

「ウンブリアのサッシカイア」と評価されたヴィッラフィデリアロッソ

醸造所6~7年熟成可能な樽醗酵、樽熟成白「ヴィッラフィデリアビアンコ」
私達は2つの白ワインと2つの赤ワイン、1つの甘口ワインを造っています。白はアッシジグレケットです。100%グレケット種を使用しています。ステンレスタンクだけで醗酵、熟成を行っていますのでフレッシュな酸が保たれています。

もう一つの白はヴィッラフィデリアビアンコです。シャルドネとグレケットを半分ずつブレンドしたワインです。

バリックで醗酵後、11~12月にマロラクティック醗酵を行いワインに「優しさ」を与えています。丁度来月(2月)にはリッカルドコタレッラ氏が試飲をして次へのタイミングを決めていきます。6ヶ月オリの上で熟成させて、清澄してノンフィルターでボトリングします。樽の香りが強すぎても良くないので、好ましいバランスでどこで止めるか見極めが重要です。その後瓶詰して少なくとも12ヶ月間は落ち着かせます。ヴィッラフィデリアビアンコは6~7年でも十分に熟成出来ます。

ワイン「ウンブリアのサッシカイア」と評価されたヴィッラフィデリアロッソ

続いて赤ワインです。アッシジロッソはワイナリーのベースとなるワインです。サンジョヴェーゼ、メルロー、カベルネソーヴィニヨンがブレンドされています。熟成はバリックで6カ月、瓶詰後6カ月間休ませてからリリースします。ベースワインですが6~7年、ヴィンテージによっては10年熟成出来るワインです。

上級キュヴェのヴィッラ フィデリア ロッソです。このワインでワイナリーがスタートした歴史のあるワインです。一年間バリック熟成で2年間の瓶熟を経てリリースされます。その後20~25年の熟成が可能です。国際的ワイン評論家のジェームズサックリング氏が私達のヴィッラフィデリアロッソを飲んで「ウンブリアのサッシカイア」と評価していただきました。樽の種類はアリエ産、トロンセ産、ネヴェール産の3種類を使っています。

ワイナリーでマンマの料理とワインを楽しむ

料理醸造所を見学した後はワイナリーでマンマの手作りの料理とスポルトレッティのワインを楽しみました。
サフランを使ったラザニアにはヴィッラフィデリアビアンコと抜群の相性。

トマトと野菜、ひき肉を使ったカネロニのラグーにはアッシジロッソがベストマッチ。ヴィッラフィデリアビアンコは魚料理から軽めのお肉料理まで幅広く対応できる守備範囲の広い白ワインだと改めてその素晴らしさを再認識。ウンブリアは海に面していないので魚は普段食としては食べないそう。湖はあるけれど、そこの魚は?と聞くと「あまり好きではない」との事(笑)。

その後カブの葉のサラダ、キアナ牛の煮込み、近くの山で採れたピッチーネ(鳩)のローストを頂きました。ヴィッラフィデリアロッソとキアナ牛、鳩のローストの相性が素晴らしく、料理もワインも美味しく進みます。

お孫さんマンマの料理はどれも素材の味わいが活きていて、味付けも最小限でシンプルなとても優しい味わい。

最後は自家製ティラミスとパッシート(甘口ワイン)。お料理がどれも美味しかったです。食事の合間には新しく一族に加わったお孫さんも登場しとっても和やかなムードに食事とスポルトレッティのワインを楽しみました。

土着品種グレケット100% にこだわるスポルトレッティの伝統的白ワイン
アッシジ グレケット2014
ウンブリアの土着品種グレケットはブレンドで使われることが多いのですが、スポルトレッティはグレケット本来の個性を表現することにこだわり、単一品種だけで造っています。ジャスミンや白桃、青りんごなどの甘く繊細な香り、まろやかな味わいとともに感じるミネラルと酸が味わいを引き締め、しっかりとした骨格と果実のボリューム感を楽しめる飲み心地の良い美味しさです。

試飲コメント:白い花や洋ナシ、桃など果物の香りに涼し気なミネラルが重なります。飲むと新鮮味があり果実の豊かなコクと調和した綺麗なバランスのとれた味わい。フルーティーかつ伸びやかなフィニッシュがとっても心地よい1本。

アッシジ グレケット2014
樽発酵、樽熟成 白のスーパーウンブリア「ヴィッラ フィデリア」
ヴィッラ フィデリア ビアンコ2014
ワインガイドからの評価も高い1本。『ヴェロネッリ』2014年度版で93点の高評価を獲得(2011ヴィンテージ)。土着品種グレケットとシャルドネをバリック発酵、そのままシュール・リーで6ヶ月間熟成させます。並のワインであれば樽のニュアンスばかりが強く主張されてしまいそうですが、ブドウの高いポテンシャルを感じる非常に均衡のとれたバランスからは、価格以上の上質さが感じられます。

試飲コメント:果実をふんだんに感じるアロマ、フラワリーなニュアンス。優しい甘みと芯の通った酸味のバランスが素晴らしく、ミネラルの心地よい余韻。凝縮された味わいながら、飲み疲れることなく優雅な味わいが楽しめる秀逸な白ワインです。

ヴィッラ フィデリア ビアンコ2014
ジューシーな果実味で飲み心地抜群!『ガンベロロッソ』コスパ賞連続受賞も納得の美味しさ
アッシジ ロッソ2013
イタリアワインガイドで最高賞に輝く「ヴィッラ フィデリア ロッソ」の造り手、スポルトレッティのベーシックワイン、アッシジロッソ。ヴィッラ フィデリア ロッソ同様、名醸造家リッカルドコタレッラが手掛けているだけあって、その安定した品質はゆるぎないものになっています。

試飲コメント:サンジョヴェーゼ、メルロー、カベルネのそれぞれの特徴が見事に調和、フルーティーでやわらかく、そしてしっかりとした骨格。シンプルな美味しさで重すぎず、軽すぎず、いつでも気軽に楽しめる嬉しい赤。『ガンベロロッソ』が発行するコストパフォーマンスワインの集大成ガイドブック『ベーレベーネローコスト』で毎年のようにコストパフォーマンス賞を受賞、「万が一、このアッシジロッソが受賞してないとすると私たちがうっかりしていたに違いない。」というガンベロロッソのコメントからも品質の高さがわかります。

アッシジ ロッソ2013
『ウンブリアのサッシカイア!』濃厚かつ見事なバランスを誇るエレガントなワイン
ヴィッラ フィデリア ロッソ2013
品質の向上を目指して大きく植え替えを行う際、約50年前の古い畑に育つメルローのクローンを選び植樹しました。醸造はステンレスタンクで発酵後バリックに移しマロラクティック発酵を行いそのまま12ヶ月間熟成。その後ボトリングしてさらに24ヶ月間瓶熟成をしたのちリリースされます。ブラックベリーのコンポートにタバコ、スパイス、甘草とチョコレートを思わせる印象深い赤ワインです。濃厚な味わいながら、メルロー、カベルネソーヴィニョン、カベルネフラン3種のブドウの見事なバランスがあり、絹のように細やかなタンニンと豊かで長い余韻が感じられ、華やかかつエレガントなスタイルのワインです。

試飲コメント:濃厚なルビー色、ジャムやたばこ、スパイスのニュアンス、そしてチョコレートを感じさせる複雑な香り、エレガントな果汁感に満たされる、とてもリッチな美味しさ。ワインガイドでも毎年のように高い評価を受けていて2010年ヴィンテージは『ヴェロネッリ2013』において96点を獲得。「サッシカイア」や「オルネッライア」などの非常に高額な著名ワインを差し置いての素晴らしい快挙に注目が集まりました。価格を超えたスーパーパフォーマンスワイン!まさに「スーパーウンブリア」。是非一度お試し下さい。

ヴィッラ フィデリア ロッソ2013
インタビューを終えて
近年、ウンブリアでは若い世代が仕事の為、他州(トスカーナ、ロンバルディア)への人口流出があり、この町にも人口流出の影響があるそうです。しかしスポルトレッティ家はしっかりとこの地に残り、家族全員でその素晴らしいワインを造り続け世界中で賞賛されています。

食事の合間には新しく一族に加わったお孫さんも登場。「ウンブリアのサッシカイア」と世界的な名声を誇る「スポルトレッティ」の強みは「高品質なワイン造り」と「一族の絆」にあると感じました。レモさん始めファミリーの皆さんがとても自然体でホスピタリティー溢れる素敵なスポルトレッティ家。頂いたどのワインからもブドウの豊かな風味と心地よい伸びやかな味わいが感じられました。「ウンブリアの風土」と造り手の「情熱」「愛情」が詰まった温かみのあるとても素敵なワイナリーです。

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