シチリア有機栽培ワイナリー「ヴィヴェラ」

突撃インタビュー
2017年7月4日 ヴィヴェラ社 ロレダーナヴィヴェラ女史

瞬く間に国際的評価を勝ち得た若き兄妹が造るシチリア有機栽培ワイナリー「ヴィヴェラ」

ヴィヴェラ社ロレダーナヴィヴェラさんと
シチリアの北西部コルレオーネ村とエトナ北東部リングアロッサで有機栽培を行うヴィヴェラ社は2008年がファーストヴィンテージで歴史こそまだ浅いものの、有機栽培への取り組みと国際品種と土着品種の多様な味わいを丁寧に表現する家族経営のワイナリーです。ヴィヴィラ社は特にシチリア内のレストランやホテルでの数多く採用され、ドイツやオランダ、スイス、カナダ、香港にも輸出される等、僅か10年足らずでシチリアのみならず、世界的に目覚ましく活躍を遂げているワイナリーです。若きヴィヴィラ兄妹と才能豊かな女性エノロゴ、イレーネ ヴァッカロ女史のチームワークが産み出すワインは、国際的ワイン誌『ワインエンスージアスト』、『ワインスペクテーター』で90点以上を叩き出す傑出した出来映えとなっています。瞬く間に世界的評価を勝ち得た才気あふれる新進気鋭のワイナリー、ヴィヴェラ社の醸造担当ロレダーナ ヴィヴィラさんにお話を聞きました。

高品質なブドウ栽培農家から自社ワイナリーへ

家族写真高品質なブドウ栽培農家から自社ワイナリーを開業
私の母親アルミダの実家がブドウの栽培農家として、シチリア北西部コルレオーネ村に20ヘクタールのブドウを植えていました。父アントニーノはシチリア南東部ラグーザ県キアラモンティグルフィでオリーブオイルを造っていました。母と父はコルレオーネ村のブドウ畑を更に購入してブドウ栽培の生産量拡大に努めていました。ですので、私は産まれた時からシチリアのブドウと共に育ちました。

 

コルレオーネパリでの生活を止めて、シチリアに戻り、本格的にワイナリー開業へ取り組む
ワイン造りへのきっかけは、私が貿易関連の仕事でパリに住んでいて、休暇でコルレオーネ村に戻った時に父と、「ブドウを栽培するだけでなく、いつかワイナリーとしてワイン造りを行いたい」と話をもちかけました。元々品質の高いブドウ栽培に拘っていたこともあり話はスムーズに行きました。エノロゴを家に招待し、2週間じっくりとワインについてじっくりと話を聞き、兄のエウジェーニオと共に更にワイン造りへの想いを強めていきました。半年後に私はパリでの生活を止めて、シチリアに戻り、本格的にワイナリー開業へ取り組みました。

「他にはない最高のワインを産むブドウ畑に囲まれたワイナリーを造りたい」

エトナ2002年にカターニャ県エトナ北東部のリングアグロッサにカンティーナを建設
「他にはない最高のワインを産むブドウ畑に囲まれたワイナリーを造りたいという想いから、2002年にカターニャ県エトナ北東部のリングアグロッサのブドウ畑を購入し、カンティーナを建設しました。2008年が初ヴィンテージのとなります。私達は有機栽培で育てたブドウから畑の特徴が感じられるような「土地の個性を活かしたワイン造り」を行っています。

 

イレーネヴァッカロさんトリノ大学を優秀な成績で卒業した女性エノロゴ「イレーネ ヴァッカロ」女史を招聘
私は主に醸造を担当し、兄はブドウ栽培を担当しています。エノロゴは私の友人でもあるパレルモ出身のイレーネ ヴァッカロ女史が務めています。トリノ大学在学中にピエモンテやシチリアの有力メーカー、シチリアにあるブドウ栽培研究機関で学び、2006年優秀な成績で卒業後、マルティーニ&ロッシ社の品質管理部門を経て、2008年からヴィヴェラ社でエノロゴを担当しています。イレーネは1985年生まれでイタリアで活躍するエノロゴとしては非常に若いです。彼女は現在2児の母親で、コルレオーネとエトナのリングアロッサという2つ異なるテロワールの特徴を最大限表現すべく、研究に勤しんでいます。

畑は全て自社所有、有機農法栽培されたブドウのみを使用

自社畑で有機農法栽培されたブドウのみを使用
畑は母の故郷であるコルレオーネ村と、カンティーナのあるエトナ北東部リングアロッサの自社畑で有機農法で栽培されたブドウのみを使用してワイン造りを行っています。エトナでは土着品種であるネレッロ マスカレーゼ、ネレッロ カップッチョ、カリカンテを栽培、一方コルレオーネではシャルドネ、カタラット、インツォリア、カベルネソーヴィニョン、シラー、メルロー、プティ ヴェルド、ネロ ダーヴォラと言った国際品種を植えています。

 

ネレッロマスカレーゼネッビオーロやピノネーロに近しいスタイルの土着品種「ネレッロ マスカレーゼ
ネレッロマスカレーゼはマスカリ地区のネレッロ(黒ブドウ)の意味があります。リングアロッサに所有する単一畑マルティネッラに植えられています。味わいはネッビオーロやピノネーロに近しいスタイルだと思います。花やスパイスの香りが強いのが特徴的です。

 

ネレッロカプッチョ色が濃く果実味を強く感じる品種「ネレッロ カップッチョ」
もう一つの土着品種であるネレッロ カップッチョは色が濃く果実味を強く感じる品種葉が大きく、ブドウを覆うようにしているので帽子(カップッチョ)という名前が付いています。マントのようにブドウを覆っているようにも見えますので別名ネレッロ マンテッラートと呼ばれる事もあります。は色が濃く果実味を強く感じる品種です。トップキュヴェであるマルティネッラに使用されますが、それぞれを別々に収穫と醸造を行い、最終的にブレンドします。

ブドウ畑の傍に湖が広がる「別世界」で造られるワイン

畑ブドウ畑の傍に湖がある「別世界」の美しい畑「コルレオーネ」
コルレオーネと言えば、日本の皆さんは映画『ゴッドファーザー』のドン コルレオーネを思い出されるのではないでしょうか。実際に映画が撮影されていた場所はコルレオーネ村ではなく、違う場所だったようです。

 

冷涼な気候でミネラルを多く含む土壌
コルレオーネ村は内陸部にあります。標高400メートルの斜面に広がっています。畑の傍には湖があり、周囲には川も流れる暑くなり過ぎない冷涼な地域と言えます。土壌は白い小石の多い沖積土壌で、ミネラルを多く含んでいます。これが暑さを感じる海岸部にあるブドウ畑と違う点で、コルレオーネのテロワールを表現したワイン造りを行っています。

 

「別世界」、「夢の大地」で造られるワイン
ブドウ畑の傍に湖があるとても幻想的な雰囲気を持つこの地で造られるワインには白「アルトローヴェ」(別世界の意味)、赤「テッラ ディ ソーニ」(夢の大地)としてリリースしています。このような美しい風景は世界中でもそうはないと思います。この畑で収穫されたブドウはエトナにあるカンティーナ運ばれ、醸造されます。

伝統的な方法に則りつつも、同時に新しい技術を取り入れる

地図標高600メートル、エトナ北西部リングアロッサのテロワール
エトナ北西部リングアロッサの畑は標高550~600メートルに位置していてエトナ山からの風と海からの風を直に受けるため、とても風通しが良く、湿気が停滞しない為にブドウが健康に育つ栽培環境となっています。土壌は丸い小石の多い火山性土壌でミネラルに富むワインが産まれます。

 

ワイン本来の特徴を損なう事無く醸造
ブドウ栽培は植物が周囲の環境とバランスが保つ事が出来るような注意を払っています。健康的な環境の中で育ったブドウ樹こそが、テロワールやブドウ品種などのあらゆる特徴を最大限に表現する事が出来ると考えていますので、畑は全て有機農法で栽培しています。

 

ヴィヴェラ社のカンティーナはモダンでシンプルでありながら機能的な造りとなっています。伝統的な方法に則りつつも、同時に新しい技術を取り入れる事で、醸造作業をより精密かつ丁寧に行う事が出来ます。例えばカンティーナは2つの階からなるので機械に頼らず、重力を用いて移動させています。これによりワインに負荷をかける事無くスムーズにタンクへ移す事が出来ます。また真空でプレスすることで、ワインの酸化を防ぎ、香りを保つ等、ワイン本来の特徴を損なう事無く醸造を心がけています。

 

受賞既にイタリア国内外で高い評価
2008年が初ヴィンテージのまだ若いカンティーナですが、既にイタリア国内外で高い評価を得ています。サリズィーレ エトナ ビアンコ 2012が『ワインエンスージアスト』で92点、マルティネッラ エトナ ロッソ 2011が『ワインスペクテーター』で91点を獲得していて、国際的も注目されるようになりました。イタリア国内でも『ガンベロロッソ』、『エスプレッソ』、『ベーレベーネ』等でも高い評価を得ました。

 

私達のワインは主にシチリアのラグーザ、タオルミナにあるホテル、レストランで多く採用されています。その中には5つ星ホテル「EI Jabel」もあります。ドイツ、オランダ、スイス、カナダ、アメリカ、香港などにも輸出されています。

シャルドネと土着品種カタラットで造られる清々しい味わいの有機シチリアワイン!
アルトローヴェ ビアンコ15
アルトローヴェとは「別世界」という意味です。私の母であるアルミダの出身地で、パレルモ県コルレオーネ村の畑の景観がまるで別世界のように美しかったからです。この畑のすぐ傍に湖があり、「湖がある畑」として収穫期には豊かに育ったブドウ畑と湖の景色が美しく広がります。アルトローヴェは、全てコルレオーネ村の畑のブドウ、シャルドネ、カタラット、インツォリアをブレンドしています。一般的にシチリアの海岸部の畑ではブドウが熟しすぎますが、内陸部にある私達のブドウは清々しく繊細な果実味が特徴となります。

 

試飲コメント:仄かに金色がかった明るい麦わら色です。フレッシュな西洋梨、レモン、グレープフルーツの清々しいアロマに、涼し気なミネラルとジャスミンのフローラルなニュアンスが綺麗に溶け合っています。飲むと繊細でスッキリとした伸びやかな果実感は非常に心地よい飲み口があり、軽やかなタッチながら味わいの要所を外さないメリハリの効いたスタイルが感じられ、お買い求めやすい価格ながら、ドライですっきりとした完成度の高さを誇っています。

アルトローヴェ ビアンコ15
熟成カリカンテが放つ豊かな風味と焦点の合った
力強く深い味わい
サリズィーレ エトナ ビアンコ12
サリズィーレの名前の由来ですが、サリは「上り坂」を意味していて、創業者の父アントニーノの上を見てポジティブに仕事にチャレンジする姿を表わしています。ズィーレは英語のSir(サー)にあたる言葉で父に敬意を表したワイン名となっています。エトナ北東部、リングアロッサにある自社畑のマルティネッラのカリカンテ100%で造られます。近年クズマーノ社がこの地を購入しています。素晴らしいポテンシャルを持つ場所です。私たちは2002年にこの地を購入しましたが、ここ10年で土地が高騰し1ヘクタール当たりの土地の価格が10倍以上にもなっています。世界中がエトナの素晴らしいテロワールに注目している証だと思います。ファーストヴィンテージは2008年で生産本数は約12000本です。

 

試飲コメント:濃い目の麦わらの色調です。若いカリカンテのワイン等では見受けることの無い完熟フルーツの豊かなアロマと品種の特徴である火打石のようなスモーキーで分厚いミネラルが溶け合う、堂々たるアロマがグラスから立ち上ります。飲むと、凝縮感の豊かな果実感、酸とミネラルの力強さは健在で、屋台骨に走る骨太のミネラル、酸の旨みが確りと感じられます。若いカリカンテのワインはクールでスマートな印象ですが、長期熟成を経たサリズィーレはレベルの違う輝かしい存在感を放っています。バターでソテーしたアワビやオマールエビのロースト等の旨みが詰まった魚介料理、仔牛のグリル、カツレツ等の肉料理と合わせてみたい味わい深いワインです。

サリズィーレ エトナ ビアンコ12
濃密なタンニンと力強さ!
カベルネ、シラーがブレンド
調和のとれたシチリアワイン
「テッラ ディ ソーニ」
テッラ デイ ソーニ ロッソ15
テッラ ディ ソーニとは「夢の土地」という意味です。この畑は私の母であるアルミダの出身地で、パレルモ県コルレオーネ村のカベルネソーヴィニョン、シラーと醸造所を構えるエトナ北東部の自社畑リングアグロッサにある単一畑マルティネッラのネレッロカプッチョのブレンドからなります。2つの異なる土地の個性が溶けあう魅力に溢れています。ブレンド比率はその年の特徴を表現出来るように、厳格には決めずに、自由な発想の下に造っています。

 

試飲コメント:若々しい紫がかったルビーレッド、みずみずしいベリーや甘いスパイス等の香り、長く続く豊かなタンニンを持つ力強さが感じられます。エトナの土着品種ネレッロ カップッチョが持つフレッシュな果実感とカベルネ ソーヴィニョン、シラーの持つ国際品種の特徴と見事に調和しています。2つの異なるテロワールが見事に融合し、しっかりと熟成を経てリリースされるテッラ ディ ソーニは飲み応えもしっかりと感じられるシチリアワインと言えます。お買い求めやすい価格も大変魅力です。

テッラ デイ ソーニ ロッソ15
力強い果実感と樽熟成の香ばしい風味が溶けあうフルボディ
クリュ エトナ「マルティネッラ」
マルティネッラ エトナ ロッソ11
単一畑名でもあるマルティネッラから名づけられました。味わいはネッビオーロやピノネーロに近しいスタイルだと思います。使われるブドウ品種はネレッロ カップッチョとネレッロ マスカレーゼ。ネレッロ マスカレーゼは花やスパイスの香り、ネレッロ カップッチョは葉が大きく、ブドウを覆うようにしているので帽子(カップッチョ)という名前が付いています。ネレッロ カップッチョは果実味を強く感じる品種でそれぞれを別々に醸造してブレンドします。

 

試飲コメント:ガーネットがかったルビーの色調です。スミレの花や完熟したチェリーの豊かなアロマにエキゾチックなスパイス、ミネラルの力強い香りが立ち上ります。飲むと。凝縮感のある豊かな果実感と樽由来の香ばしい風味、力強い酸が溶け合う確りとしたボディが感じられます。中盤からスパイスや樽の風味が広がり、余韻も非常に長く続きます。赤身肉料理、キノコを使ったパスタや中華料理とも相性が良いです。

マルティネッラ エトナ ロッソ11
インタビューを終えて
醸造を担当するロレダーナ女史は、元々フリウリ東部のトリエステ大学で政治学科を卒業し、その後ICE(イタリア貿易振興会)に勤め、台北、東京、大阪でも活躍したバリバリのキャリアウーマンだったそうです。故郷シチリアに戻り、自然の素晴らしさとヴィヴェラ社の高品質なワインを世界中に発信し、これほどまでに短期間でイタリア国内で評価を得た事も頷けました。試飲して驚かされたのは全く特徴の違うエトナとコルレオーネのブドウが見事に溶け合っている事、そして、熟成に耐えうるワインとなっている事です。試飲したいずれのワインも才能とセンスを感じさせるワインでした。特にサリズィーレ エトナ ビアンコ2012年はカリカンテの熟したミネラルの旨みが広がり、素晴らしいレベルにある味わい。バターでソテーしたアワビやオマールエビのロースト等の旨みが詰まった魚介料理と合わせてみたくなりました。

地元シチリアのレストランで人気があるのも頷ける、食事を見事に寄り添うワインだと思います。是非お試し下さい。

ヴィヴェラ社ロレダーナヴィヴェラさんとトスカニースタッフ
ヴィヴェラのワインはこちら⇒
突撃インタビューバックナンバーはこちら⇒
Both comments and pings are currently closed.