2015年11月11日 バンフィ社 ロドルフォ マレッリ氏、パオロ ファッシーナ氏来社

突撃インタビュー
2015年11月11日 バンフィ社 ロドルフォ マレッリ氏、パオロ ファッシーナ氏

ブルネッロ ディ モンタルチーノの老舗にして最大のワイナリー「バンフィ」

バンフィ社 ロドルフォ マレッリ氏、パオロ ファッシーナ氏
モンタルチーノで最大規模を誇るワイナリー、バンフィ。モンタルチーノ全土24000ヘクタールのうち、バンフィが所有する面積はそのうちの3000ヘクタールも占めています。前回(2013年3月)の突撃からさらにパワーアップしているバンフィの現状についてマーケティング部長のロドルフォ氏と、北アジアエリアマネージャーのパオロ氏にお聞きしました。

ブルネッロのリーダーとしてだけではなく、トスカーナのリーダーへ

カステッロバンフィと畑バンフィ社はモンタルチーノエリア以外に新しいプロジェクトを進行させています。キャンティ、ボルゲリ、そしてマレンマです。キャンティ地区には約100ヘクタールの畑があり、キャンティクラシコを造っています。来年にはグランセレツィオーネがリリースされます。ボルゲリは「アスカ」と言う名前のワインを造っています。2年後にはボルゲリスペリオーレがリリースされる予定です。ボルゲリ同様、トスカーナの海岸エリアのマレンマにはヴェルメンティーノと赤ワインを造っています。マレンマは昔は海だったこともあってミネラルを感じるストラクチャーのしっかりとしたワインが造られます。これからのバンフィはモンタルチーノを軸に、キャンティ、ボルゲリ、マレンマの4つの地区を柱としてトスカーナのワイン造りに力を入れていきます。ブルネッロのリーダーとしてだけではなく、トスカーナのリーダーとしての役割も担っていきたいと思います。

現在のところ醸造設備があるのはモンタルチーノだけですが、キャンティ地区外で醸造してもDOCGとして認められる権利がバンフィにはあります。これは歴史の長いワイナリーにだけ認められる特権です。一方、ボルゲリはボルゲリ内で醸造しなければならない規定があるため、知り合いの醸造所を借りています。マレンマはIGTならばトスカーナ内のどこで醸造しても問題ないですが、DOCにするならば地区内での醸造が必須です。バンフィはマレンマのブドウからはIGTしか造っていないので、問題はありません。

ワイン造りとともに重要なのが環境への配慮

私たちは常々バンフィのワイン造りには5つの柱があると言ってきました。「情熱」「品質」「テロワール」「伝統」「改革」です。そして現在は、それにもう一つ加わりました。それが「サステナビリティ」です。環境に配慮して健康なブドウを造ること。その為に現在いくつものプロジェクトを平行に進めています。まず1つ目は、二酸化炭素の排出量の削減です。バンフィは年間の生産本数は8,000,000本ですが、それに使うボトルの生産工程でかなりのエネルギーを使用します。そこで、ガラスの重さの削減に取り組みました。ボトルの重さを1本560gから400gへ減らすことでCO2排出量を1本あたり400g減らすことができました。これは600人の年間排出量に相当します。また、ボトルの高さを低くすることで1パレットあたりに積めるケース数が増え、結果、輸送に伴うエネルギーの削減に寄与しています。2つ目は農作業で使用する車両の洗浄で出る汚染物の削減です。バンフィは全部で4000ヘクタールの畑があり、農作業に使う車両の数も相当数あります。その車両を洗浄する際に汚染物が出てしまうのですが、それを減らすために「ビオベット」というフィルターを通して汚染数を削減しています。

3つ目は水の供給システムです。小さい池を作り、雨水を貯めて、各ブドウごとに必要な量を計算して水の供給を行っています。このシステムのおかげで10年間で80%の水を減らすことができました。

4つ目は温室効果ガスを減らすこと。二酸化炭素を排出するのではなく、酸素を供給するという考えです。モンタルチーノのバンフィの畑は850ヘクタールありますが、森林の面積は畑よりも広い1000ヘクタールです。つまり、森からたくさんの酸素が排出されるのです。

そして最後に生物多様性です。バンフィの土地は様々な動物や植物と共存しています。それは、所有している土地には自然のままに低木類や草原や草木があり、イノシシやシカ、キジ、さらには絶滅にひんしていた動物なども見ることができます。

バンフィのブドウ畑

ソーヴィニョン、ピノグリージョ、シャルドネで造るフレッシュな白
チェンティーネ ビアンコ2013
ソーヴィニョン、ピノグリージョ、シャルドネの3品種で造る夏らしい白ワインです。飲みやすいのでサラダやモッツァレッラなどのフレッシュなチーズ、魚介類の前菜などとよく合います。2013年は特にミネラルが豊かでアロマもきれいに出ています。トスカーナのピノグリージョは珍しいかと思いますが、バンフィの畑にはピノグリージョに適したところがあります。ストラクチャーとアロマ豊かなブドウになるのが特徴で、北イタリアのピノグリージョとは特徴が異なります。今はモンタルチーノの畑のブドウだけですが、将来的にはマレンマのヴェルメンティーノをブレンドしても面白いワインができると思います。

試飲コメント:フレッシュ、フルーティー。きれいなミネラルで飲みごたえも。

チェンティーネ ビアンコ2013
イタリアNo.1コストパフォーマンスに輝く最高のデイリー
チェンティーネ トスカーナ ロッソ2012
チェンティーネは毎日飲むのに最適なワインです。年間1,000,000本生産していて、そのうちの40%はイタリア国内で消費されています。価格と品質のバランスが最高で、『ガンベロロッソ』で最もコストパフォーマンスに優れたワインにも選ばれています。サンジョヴェーゼとメルロー、カベルネソーヴィニョンの3品種で造っています。最高のバランスを作るために6ヶ月間樽で熟成させています。飲みやすさを重視してはいますが、この3つの品種はそれぞれ個性がしっかりとあるので複雑味もあります。セパージュの比率はヴィンテージによって異なります。できのいいブドウを多く使って品質を保ちます。

試飲コメント:シルキーで心地よい甘さもある。ちょうどいいボディと味わいのバランスが美しい。

チェンティーネ トスカーナ ロッソ2012
ブルネッロのセカンドではなく、ロッソとしてのアイデンティティ!トスカーナ料理と最高のマリアージュ
ロッソ ディ モンタルチーノ2013
ブルネッロと同じエリアのサンジョヴェーゼで造ります。バンフィではブルネッロのセカンドと言う位置づけではなく、最初からロッソ用のブドウを造っています。「ロッソ」としてのアイデンティティーを持ったワインです。1年間樽熟成させます。樽の大きさは大樽と中樽という伝統的なものを使います。酸とタンニンをしっかりと感じられるので、食事と合わせるのに最適なワインです。トスカーナの赤の中で一番トスカーナ料理と合うワインだと私は思います。試飲コメント:フレッシュな酸と心地よいタンニン。心地よい果実味とボリューム感。 ロッソ ディ モンタルチーノ2013
「最高点」と言う名前の飲み心地抜群の赤
クム ラウデ2011
カベルネソーヴィニョン、メルロー、サンジョヴェーゼ、シラーの4品種で造ります。カベルネとメルローはボルドー、シラーはローヌ、サンジョヴェーゼはトスカーナ、とオリジナルの異なる品種のブレンドです。品種ごとに醸造するのですが、ブレンドした後、小樽で6ヶ月間熟成します。この小樽は通常のバリック(225リットル)ではなく、バンフィ独自の350リットルを使います。この大きさが果実味に最

も良いバランスを作るという考えからこの容量になりました。

クム ラウデとはラテン語で「称賛する」と言う意味です。イタリアでは卒業試験の成績の満点110点ですが、それよりもさらによい成績の場合はCON LODE(コンローデ)、すなわち「クムラウデ」と付け加えるのです。実は、このワインはチーフエノロゴのブラッティ氏が部下
たちに4つのブドウでワインを造るようにと宿題を与えてできたワインなのです。彼らが作ったワインが非常にいい出来だったので、最高の成績と言う意味で「クムラウデ」と名付けられました。

試飲コメント:濃密でしっかりとした骨格があり、どっしりとしたボディながらとても飲みやすい。

クム ラウデ2011
バンフィが造る最も歴史あるスーパートスカン
スムス2011
スムスは初ヴィンテージが1985年で、一番古くからあるスーパートスカンです。当初の4年間は「カステッロバンフィ」と言う名前でリリ
ースしていました。ワイナリー名が「カステッロバンフィ」に変わってから「スムス」になりました。カベルネソーヴィニョンとサンジョヴェーゼとシラーで造ります。以前はシラーではなくピノネーロを使っていました。長期熟成に向くワインです。ワインだけで楽しめますが、しっかりとしたお肉料理や熟成したチーズなどと相性がいいですね。試飲コメント:香りに濃密さがあり、より凝縮感が感じられる。力強いタンニンの、濃厚な味わい。
スムス2011
カベルネ&メルローのボルドーブレンド。世界トップ7にも選出
エクセルサス2010
メルローとカベルネソーヴィニョンのボルドースタイルのワインです。カベルネの比率が高いのですが、メルローのやわらかさがよく出ていると思います。ワインエンスージアストで2007ヴィンテージが世界のトップ7本に選出されています。このワインは瞑想にふけるワインです。大きめのグラスでゆっくりと味わっていただければと思います。試飲コメント:しっかりとした骨格のフルボディ。力強さはもちろんだが甘い柔らかさもしっかりと感じる。 エクセルサス2010
熟成を経て今最高の飲み頃を迎えた2005ヴィンテージのブルネッロ
プラチド ブルネッロ ディ モンタルチーノ2005
サンジョヴェーゼ100%であることが規定されている唯一のワインがブルネッロディモンタルチーノです。キャンティクラシコも、ヴィーノノービレもモレッリーノディスカンサーノもサンジョヴェーゼ主体ですが、100%である必要はありません。サンジョヴェーゼはイタリアの中でも最も重要なブドウで、広範囲で栽培されています。トスカーナはそのうちの60%です。トスカーナで
造られるブドウの3分の2はサンジョヴェーゼで、その頂点と言えるのがモンタルチーノです。

プラチドはバンフィのブルネッロのブランド名で、自社畑ではなく購入したブドウから造っています。これは2005年ヴィンテージですが、まだまだイキイキしていて、これからの熟成も可能です。プラチドは毎年は造らないので、次は2007か2008です。

ブルネッロディモンタルチーノは本当に偉大なワインです。エレガントさと力強さの両方を兼ね備えています。

試飲コメント:ジャムやタバコ、皮、完熟した果物などの複雑な香り。タンニンも甘く柔らかい。濃密感のあるシルキーな味わいが口いっ
ぱいに広がって、抜群の美味しさ。

プラチド ブルネッロ ディ モンタルチーノ2005
世界80か国で愛されているバンフィの顔
ブルネッロ ディ モンタルチーノ2009
バンフィが開発したホライゾンシステムを2007ヴィンテージから採用しています。このことで畑ごとの多様性を管理しやすく、より複雑味が出せるようになりました。世界80か国に輸出していて、世界でも重要なワインとなっています。ビステカフィオレンティーナやパルミジャーノやペコリーノの36ヶ月熟成などと抜群の相性です。また、ウナギのトマト煮込みやリヴォルノ風魚の煮込み、脂ののったクロダイなどとも美味しいです。試飲コメント:ドライフラワーなどの複雑なアロマ。際立つミネラル。力強いタンニンと凝縮感のある果実味。 ブルネッロ ディ モンタルチーノ2009
研究によって見つけ出した最適なサンジョヴェーゼクローンで造るクリュブルネッロ
ポッジョ アッレ ムーラ ブルネッロ ディ モンタルチーノ2009
ポッジョアッレムーラはバンフィのカステッロのある村の名前です。25年間にわたってミラノ大学と共同で研究を行い、発見した最適なクローンで造るブルネッロです。ワイナリーを設立した当時、サンジョヴェーゼはまだ詳しいことがわかっていないブドウでした。そこで、モンタルチーノ全域でサンジョヴェーゼの研究を始めたのです。その結果、600のクローンが見つかりました。バンフィの所有地の中には30の異なる土壌があり、どの土壌にどのクローンが最適なのかを調べ続けました。そして見つけた最適なクローンから生まれたのがポッジョアッレムーラです。醸造は大部分を350リットルの小樽で行いますが、最初の6ヶ月間はなじませるために大樽を使います。

試飲コメント:まろやかさのある、クリーンな果実味。どんどんと広がっていく雄大な味わい。

ポッジョ アッレ ムーラ ブルネッロ ディ モンタルチーノ2009
インタビューを終えて
バンフィのワインを飲むたびに味わいの完璧なバランスに驚かされます。それぞれのワインのポリシーがはっきりと感じ取れるのもバンフィ哲学。今回の試飲で私が一番印象に残ったのがプラチドとクムラウデ。プラチドの2005ヴィンテージを初めて飲んだのは2年半前ですが、その時よりもさらに果実味はやわらかくタンニンは甘く、複雑味に富んだなめらかな味わいになりまさに飲み頃となってます。しばらく前に飲んでそれっきりだった方にはぜひもう一度飲んでいただきたいと思いますし、初めての方にもぜひ味わっていただければと思います。

クムラウデはストレートに旨い!と言う1本。アタックからそのバランスの良さと心地よい濃密感が抜群。「最高点」と言う意味のクムラウデと名付けられた意味がよくわかります。

ブルネッロの老舗ではありますが、常に改革を続けるバンフィ。次はどんなワインが出てくるのか本当に楽しみです。

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