2014年10月9日 カステル デ パオリス社 ファブリツィオ サンタレッリ氏来社

   
突撃インタビュー

2014年10月9日 カステル デ パオリス社 ファブリツィオ サンタレッリ氏来社

ラツィオを代表する白ワイン、フラスカーティ。「軽くて気軽に飲める白」の代名詞的存在だったフラスカーティに対するイメージを180度変えてしまったのがこのカステル デ パオリスです。土壌の研究と植樹方法の工夫、新しい醸造方法の導入など、フラスカーティの品質向上に様々な改革を行い、フラスカーティの発展に多大な功績を残しています。

高品質ワインをめざし、実験と研究をスタート。25種類の品種を5500本/haで植樹

カステル デ パオリスは私の父ジュリオ サンタレッリが立ち上げたワイナリーです。父はマリーナ市長からラツィオ知事となり農林水産省の副大臣まで務めた政治家です。1985年に、ミラノ大学のアッティリオ シェンツァ教授とともに祖父の代から所有していた畑の土壌の研究を始め、1993年からワインをリリースしました。

祖父の時代は造った畑を協同組合に販売していただけでした。父は植樹されていたブドウを植え替えて、25種類の品種を密植度は5500本/haで植えました。植えた品種はフラスカーティ地区のブドウ(マルヴァジア プンティナータ、ベッローネ、トレッビアーノ、チェザネーゼ等)以外に、国際品種のカベルネ、シラー、プティヴェルドなどで、どのような品種が適しているかを見極めていきました。1988年にはじめて収穫し、その結果を踏まえて品種を選び、さらに植え替えを行いました。

 

アロマティックな白、凝縮した赤。醸造設備とグリーンハーベストでさらなる品質向上を狙う

1993年からは新しい醸造設備も導入して、完璧な温度管理の出来る環境を整えました。低温管理でなければ表現できないアロマティックな白ワインを可能になりました。栽培も、グリーンハーベストを行って15~20%の房を落とすようにしました。

フラスカーティの規定では収量は1haあたり14トンまで認められていますが、カステルデパオリスでは10トンに抑えています。このような取り組みを重ねることで従来のイメージのフラスカーティとは全く異なる、濃厚な味わいのワインを造ることができています。

 

ラベルはあのマストロヤンニの叔父ウンベルト マストロヤンニがデザイン

カステルデパオリスの印象的なラベルはあのマストロヤンニの叔父で画家のウンベルト マストロヤンニのデザインです。彼はカステッリ ロマーニに住んでいて、知り合いだった父が1991年にラベルデザインを依頼しました。父はワインの中には芸術があると考えていて、ラベルにも芸術性を持たせたかったんです。

すべてのワインでこのデザインを使っていますが、バッカスがブドウの粒で遊んでいるイメージだそうです。ウンベルト マストロヤンニはこのデザインをした数年後に亡くなりました。

 

これまでのフラスカーティにはないボディ

カンポヴェッキオ フラスカーティ2012
ステンレスタンクだけで造るベーシックなフラスカーティです。アロマティックでしっかりとしたミネラルが感じられるフルボディです。ブドウ本来のアロマや果実味を保つため、収穫したブドウをカンティーナまで運ぶ際、ドライアイスを乗せて低温に保つ工夫をしています。

アルコール度数が14%あり、非常にしっかりとしたストラクチャーです。フラスカーティでここまでボディがあるものは他にはないと思います。

試飲コメント:濃厚で果実の甘みがぐぐっとくるが、しっかりとしたミネラルのおかげで重すぎず、最適なバランスを保っている。


カンポヴェッキオ フラスカーティ2012
 

ヴィオニエとマルヴァジア プンティナータのブレンド。ヴィオニエのポテンシャルの高さを証明

ドンナ アドリアーナ ラツィオ ビアンコ 2012
ヴィオニエとマルヴァジア プンティナータで造る白です。シェンツァ教授との実験結果でヴィオニエは最もうまくいった品種です。2005年ヴィンテージまでは「ヴィーニャアドリアーナ」と言う名前でフラスカーティとしてリリースしていましたが、ヴィオニエの比率を増やしたのでフラスカーティDOCの規定から外れ、IGTになりました。DOCでないと「ヴィーニャ(畑)」と言う名称をつけてはいけないので、同時にドンナアドリアーナに変わりました。

ヴィオニエとマルヴァジア プンティナータのブレンドはカステル デ パオリスだけです。

試飲コメント:濃密で複雑。苦味とエレガントさが絶妙に調和していてとてもうまみのある味わいになっている。アルコール度数が14.5%あるが、それを感じさせないバランスの良さ。


ドンナ アドリアーナ ラツィオ ビアンコ 2012
 

シラーと伝統的3品種の個性的ブレンドで造る柔らかな飲み心地の赤

カンポ ヴェッキオ ラツィオ ロッソ 2011
実験結果で最も良かった黒ブドウがシラーでした。そこで、このシラーに伝統品種のチェザネーゼとモンテプルチアーノ、サンジョヴェーゼをブレンドさせてみました。チェザネーゼの酸、モンテプルチアーノのストラクチャー、そしてサンジョヴェーゼのエレガントさがスパイシーなシラーと一緒になって個性的で飲み心地の良い赤を造ることに成功しました。この組み合わせを最初に始めたのも私たちです。醸造はシラーだけ樽熟成しています。

試飲コメント:4つの品種の個性が調和するとともに、様々な表情を見せている。やわらかで濃密で飲み心地がいい。


カンポ ヴェッキオ ラツィオ ロッソ 2011
 

ソーヴィニョンとシャルドネを樽発酵、樽熟成。新しいスタイルの濃厚白ワイン

セルヴェ ヴェッキエ ラツィオ ビアンコ
今日の試飲にはないのですが、白のフラッグシップで良年ヴィンテージだけ造っているのがセルヴェヴェッキエです。ソーヴィニョンとシャルドネのブレンドで、発酵、醸造ともにバリックの新樽だけで造っています。

とてもアロマティックで熟成とともに複雑味が増していきます。ソーヴィニョンとシャルドネという、このエリアには珍しい、新しいスタイルのワインです。


セルヴェ ヴェッキエ ラツィオ ビアンコ

インタビューを終えて

フラスカーティのイメージを一新した造り手。それがカステル デ パオリスです。ローマに住んでいたのでフラスカーティはとても身近な私にとって、カステル デ パオリスはやはり特別なワイナリーとして記憶に残っていました。

そして実は、カステル デ パオリスはトスカニーにとって懐かしい思い出のある造り手。社長は十数年前にワイナリーを訪問、また、逆に福島にも来て下さいました。その際にファブリツィオさんのお父さんが病気になって大変だったこともありました。今回、そういう懐かしいお話を交えながらのなごやかな再会となりました。

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