アルトアディジェきっての優良ワイナリー「ケットマイヤー」

2017/06/06
突撃インタビュー
 
2017年5月17日 ケットマイヤー社 トマーゾ ミネッティ氏

一子相伝の稀少畑「マゾライナー」から産まれる純度の高い果実感と豊かなアロマ!
アルトアディジェきっての優良ワイナリー「ケットマイヤー」

ケットマイヤー社トマーゾミネッティ氏と
アルプス地方、オーストリアとの国境近くに広がるカルダーロ湖を臨む美しい丘の上で1919年よりワイン造りを行うケットマイヤー社。協同組合によるワイン造りが3/4を占めるこのエリアで、代々家族経営でワイン造りを行ってきました。ケットマイヤーのワインからは土地に根ざした品種でブドウ本来のピュアでフレッシュな果実感と豊かなアロマが感じられます。この地に残る一子相伝の相続法「マゾ」制度による代々引き継がれる稀少な畑から産まれる最高峰ライン「マゾライナー」は世界的に素晴らしく評価が高く、2014年の「マゾライナー」シャルドネが『ルカマローニ』2017で95点のハイスコアを叩き出しています。高品質であると同時に、お買い求めやすい価格帯のスタンダードラインは、和食とも好相性な事から、アルトアディジェのワインをお試しいただく入門ワインとして、プロフェッショナルも一目を置く抜群の安定感を誇っています。今回、ケットマイヤー社の北アジアエリアマネージャーであるトマーゾ ミネッティ氏にお話を聞きました。

1919年にジュゼッペ ケットマイヤーが創業

地図1919年にジュゼッペ ケットマイヤーが創業
ケットマイヤー社は1919年にジュゼッペ ケットマイヤーが家族経営で創業したワイナリーで、あと2年でちょうど100周年を迎える長い歴史を持つワイナリーです。アルプス地方、オーストリアとの国境近くのカルダーロ湖を見下ろす美しい丘にカンティーナを構えています。アルトアディジェのエリアは冬場のピークシーズンともなると、ウィンタースポーツや観光で訪れる方が多いです、ドイツのメルケル首相もアルトアディジェに別荘を持っている程です。ヨーロッパでは知られた観光地となっています。

「けがれなきワイン造り、土地に根ざした品種、製品毎の個性に重点を置く」

ロゴ「けがれなきワイン造り、土地に根ざした品種、製品毎の個性に重点を置く」
私たちのブドウ造りの哲学は、「けがれなきワイン造り、土地に根ざした品種、製品毎の個性に重点を置く」という事です。1980年にフランチャコルタ「カデルボスコ」を所有するサンタマルゲリータグループがケットマイヤーを購入しましたが、それ以降もケットマイヤーの哲学は創業時と変わることなく、年を追うごとに品質も上がってきています。

アルトアディジェは生産量の3/4が協同組合によるワイン造りが行われています。これはイタリアでも特殊なエリアと言えます。ケットマイヤーは、代々家族経営でボリュームこそ協同組合には及びませんが、常に高品質なワイン造りを目指しています。

 

インターナショナルな料理とも好相性!国際的高評価の「豊かなアロマ」

カンティーナ

国際的に高く評価されるアルトアディジェ白の「豊かなアロマ」
アルトアディジェはアディジェ川を挟む谷に広がる標高の高さと涼しい気候、昼夜の寒暖差を持つテロワールにより、特別なフレッシュさと類まれなリッチなブーケを持つワインが産み出されます。ですので、一般的なイタリア白ワインにありがちなニュートラルな個性とは違う、ブドウ品種やテロワールの個性の明確な個性が感じられます、そうした事からアルトアディジェの白には国際的な評価も高い「豊かなアロマ」が感じられます。ですので、イタリア料理は勿論、インターナショナルな料理とも相性が非常に良いです。純度が高く、飲み心地の良さがあるので、和食とも素晴らしい相性の良さがあります。

アルトアディジェでは単一品種でワインを造る事が殆どです。キャンティやアマローネのようにブレンドして造るワイン造りよりも、バローロやバルバレスコのように単一品種によるワインの表現がメインとなります。これはオーストリアやドイツのワイン文化の影響があった為とされています。しかし現在では、エレナ ワルクやトラミンといった一部の生産者達がアルトアディジェの土着品種であるソーヴィニョン、ゲヴェルツトラミネール、ピノビアンコ等をブレンドして、新たなスタイルのワインを造りだしています。

長期9ヶ月シャルマルンゴ熟成によるキメの細やかな泡立ちと複雑性!珍しいピノビアンコ100%泡
グラン キュヴェ ブリュット NV
グラン キュヴェ ブリュット NV


珍しいピノ ビアンコ100%で造られたスプマンテです。澱と共に熟成させるシュール リー製法と長期タンク内で二次醗酵を行う「シャルマ ルンゴ方式」により造られているので、フルーティーさの中にキメの細かい泡と複雑な味わいが感じられます。
試飲コメント:フレッシュ&フルーティーな味わいと、シャルマルンゴ方式による複雑性、キメの細やかな泡立ちが感じられ、余韻もこのクラスでは長く、フルボディーな味わいが楽しめます。前菜やサラダ、生ハム等のイタリア料理は勿論、白身魚のフライ、鶏肉、揚げ物にも非常に相性が良いです。

みずみずしくフルーティーな心地よい辛口!地元で愛されるケットマイヤー「ピノ ビアンコ」
ピノ ビアンコ アルト アディジェ 2015
ピノ ビアンコ アルト アディジェ 2015


アルトアディジェで生産されるワインも地元やイタリア国内で消費される事が多いです。アルトアディジェ全体では生産量の20%ほどしか海外に輸出していません。特にピノ ビアンコは地元の人にこよなく愛されるワインで、みずみずしくフルーティーな味わいで日常のワインとして非常に良く飲まれています。
試飲コメント:フジの花の香りと青りんごのフルーツ味が有り、ドライで程良い酸味のある味わいです。持続的で繊細なミネラル感が感じられ、軽いオードブルに最適。淡水魚や甲殻類とアスパラガスのクリームスープにも良く合います。みずみずしくフルーティーな心地よい辛口で日常の食事にも幅広く合わせることが出来ます。

この価格帯では
群を抜く充実した果実感!
ブドウ本来の熟度の高さが
感じられる優良コスパシャルドネ
シャルドネ アルト アディジェ 2015
シャルドネ アルト アディジェ 2015


アルトアディジェエリアの生産量の3/4が協同組合によるもので、残り1/4がメーカーとなります。後者にあたるケットマイヤー社は1919年に創業しました。自社所有の畑と、昔からある2ヘクタール未満の小さな農家からブドウを購入しワイン造りを行っています。
試飲コメント:熟したゴールデンデリシャスりんご、バナナのような繊細でフレッシュなブーケがあります。飲むとドライで心地よい酸味、ボディが確りとしており、この価格帯では群を抜く充実した滑らかな果実感が楽しめます。樽やバリックは使用していませんが、ブドウ本来の熟度の高さが味わえるコストパフォーマンスに長けたシャルドネです。前菜、魚料理、白身肉料理に非常に良く合います。

数世代に渡って引き継がれる優良畑の上質シャルドネ!
滑らかさと豊かなコクが
溶け合う優雅な味わい
マゾ ライナー シャルドネ アルト アディジェ 2015
マゾ ライナー シャルドネ アルト アディジェ 2015


畑の細分化を防ぐ為に、第一子にのみ引き継ぐという、この地方で伝統的に行われているマゾ(一族の意味)制度があります。ですので、このワインはライナーさんのマゾ制度の優良な畑から産まれるシャルドネとなります。マゾライナーの畑は長年購入している畑で年々品質は向上しています。
試飲コメント:バナナやパイナップルの豊かなフルーツ香にハチミツやバニラのニュアンスが寄り添う洗練された香りです。飲むと、粗さやブレの無い上質な果実感、フレッシュなミネラルと酸が綺麗に溶け合う実に優雅な味わい。中盤から仄かなスパイスの風味と樽の円やかな風味が感じられ、円やかで調和の取れた美しい余韻が続きます。白身肉の前菜やクリームソースを使ったパスタ、魚介類のグリルやグラタン、香りの豊かなチーズに最適です。

アジアン料理と相性抜群!
フレシュな飲み口とスパイシーでアロマチックな香り
「ゲヴェルツトラミネール」
ゲヴュルツトラミネール アルト アディジェ 2015
ゲヴュルツトラミネール アルト アディジェ 2015


アルトアディジェの白ワインはアロマが豊かなものが多く、イタリア料理はもとより、インターナショナルな料理と幅広く楽しめる事が出来ます。その中でもゲヴェルツトラミネール種は、突出していて、スパイシーで豊かなアロマチックな香りが特徴です。甲殻類、アジアン料理との相性も良いです。
試飲コメント:淡い麦わらイエローの色調にバラ、ニワトコ、杏、トロピカルフルーツを思わせる甘美で豊かなアロマがあります、飲むとドライでフレッシュな飲み口があり、品種特有の風味が口中に拡がります。イタリア料理は勿論、アジア料理に見られる香味野菜、スパイシーな魚料理、特にエスニック料理との相性は抜群です。

豊かな芳香とバランスのとれた心地よい飲み口!
土着品種ラグレイン100%
料理と楽しみたい秀逸ロゼ
ラグレイン ロゼ 2014
ラグレイン ロゼ 2014


アルトアディジェの土着品種であるラグレインを使ったロゼワインです。ロゼでありながらも豊かなボディがあり、バランスの良さがあります。アルトアディジェの涼しい気候と昼夜の寒暖差を持つ気候より、単一品種でも表情豊かなワインに仕上がります
試飲コメント:濃い目のロゼカラーで野イチゴやブラックチェリーを思わせる豊かな芳香があります。飲むと、ラグレイン種の豊かな風味と長く続く余韻がありながらも、酸と果実感のバランスが取れていて、心地よい飲み口があります。トマトソースのパスタ、軽めの肉料理、スモークしたハムやチーズとの相性が良く、幅広く料理と楽しめる使い勝手の良い秀逸なロゼワインです。

心地よい飲み口と滑らかさの
アルトアディジェのピノネロ!
ケットマイヤー伝統的大樽
熟成による優美な仕上がり
ピノ ネロ アルト アディジェ 2015
ピノ ネロ アルト アディジェ 2015


ケットマイヤーのピノネロは非常に澄んだ液体で綺麗な果実感と繊細な後味が特徴です。オーストリアではブラウブルグンダーと呼ばれています。樽の個性がつき過ぎるバリック樽は使わずに伝統的な大樽で、ブドウ本来の表現を目指しています。
試飲コメント:ピノ ネロ種に見られる典型的なルビーレッドの色調です。赤い果実のエレガントな香りがあり、飲むと、軽やかながらも、しなやかな酸味と柔らかな果実感が相俟った優美なスタイルで重すぎない心地よい飲み口と滑らかさが感じられます。サラミやハム、赤身肉をベースにしたメインディッシュ、中程度に熟したチーズと好相性です。

ストラクチャーの確りとした
スパイシーな味わい!
お肉料理に合うアルトアディジェ土着品種ラグレイン
ラグレイン アルト アディジェ 2015
ラグレイン アルト アディジェ 2015


土着品種ラグレイン種は標高よりもリッチな土壌を好みます。ですので、ケットマイヤーでは谷の低い場所で栽培しています。ミネラルに富むフレッシュな味わいながらもストラクチャーの確りとしたスパイシーな味わいと土っぽい風味が感じられます。
試飲コメント:ブルーベリージャムやプラムの豊かな果実香にスミレの花が入り混じる、力強くも洗練された香り。飲むと、骨格の確りとしたボディ、イキイキとしたタンニンが溶け合う力強さと滑らかな果実感の口当たりが共存するバランスのとれた飲み心地があります。イタリア料理は勿論、スパイシーな味わいはジビエや赤身肉料理、焼き鳥と合わせると好相性です。
インタビューを終えて
改めて「マゾライナーシャルドネ」の質の高さに驚されたインタビューとなりました。バリックと果実の豊かな風味のレベルは傑出していて、この価格帯のシャルドネでは十分すぎる味わいが楽しめました。
日本でレストランのプロフェショナルが選ぶシャルドネとしても有名な銘柄であることも納得出来ました。
トッマーゾ氏の話を聞いていくうちに、アルトアディジェがいかにブドウ栽培において理想的な環境を有しているかを再認識しました。それに合わせてオーストリアに近い事も影響しているのか、ラテン的なイタリア人気質ではなく、生真面目な栽培家が多いそうです。日本人とも相通じる、実直な仕事への取組み方だそうです。

理想的な環境と実直なアルトアディジェ気質が産み出すワンランクもツーランクも上を行く素晴らしいコストパフォーマンスの「ケットマイヤー」。ぜひお試し頂きたいと思います。

ケットマイヤー社トマーゾミネッティ氏とトスカニースタッフ
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